2015/08/14 のログ
エルピス > 「うんっ!折角だし、ちょっといいもの食べちゃおっか。」

 無邪気に微笑み、頭を撫でて貰った。
 満足そうに、目を細める。

「……あの調子なら、大丈夫だよね。シイン先生。」

 そう言いながらも、歩みを進めるだろうか。

四十万 静歌 > 「きっと、大丈夫ですよ。」

と、エルピスの様子とあわせて微笑んで、
歩み、去っていく。

ご案内:「青垣山近辺の平原」から四十万 静歌さんが去りました。
ご案内:「青垣山近辺の平原」からエルピスさんが去りました。
ご案内:「法世寺」に五代 基一郎さんが現れました。
五代 基一郎 > 盆の最中。
学生・教員居住区にある馴染みの寺である法世寺を訪れた。

併設された幼稚園は盆休みは人がおらず。
かといって寺の方は静かというわけでもなく盆の行事の最中である。

五代 基一郎 > そんな中に訪れたのは、盆を機会に墓参りをというのも一つ。

諸宗派等あり大聖堂や慰霊碑等信仰するする宗教、宗派、家制度等により
そういった死者が祭られる場所はいくつかある。
最も日本人であり本土から来た生徒が、というならば本土に送られるだろうが。

ここ法世寺となると、かつて本土でそういった習慣を経験したものの
本土に身内がおらずこの島に骨を埋めることになった者や
また本土に縁者がいるが本土での埋葬を拒否された者。
他の宗教に馴染めず、日本的な行事のことからここと遠を持った者。
またそれらから”危険の伴う職に就く場合に死後を問われた際に”この寺へ
とした者がここへ埋葬される。

ここを訪れた理由の一つの主な関係が、その最後のである。

五代 基一郎 > この島に来る前から、でもあるが
この島に来てからもその”危険の伴う職”を続けてきた。

入学し生徒会執行部長となった時から辞職するまで。
本来無闇に生徒間等の問題に干渉しないとされている生徒会。
その強権は大抵にして振るわれることはない。
つまりその強権を振るわれる時は、それを逸脱した場合の時のみ。

だがその逸脱した場合とは、と考えれば
それがいかに危険を伴うものかは想像するに難くはない。
起きるはずがない、と誰もが思うものだがそれに備えるのもまた必要であるとしていたが
実際に事が起きれば、それは前例のあるなしに関わらず危機となり襲い掛かる。

事実、それは二年前に起きた。
生徒間の問題の範疇を越えてしまった事件。

その時に動員された人間でここにいる人間は少なくはない。

五代 基一郎 > 辞職し新たな職についてから二年。

特殊警備一課の人間として務めて二年。
その間にも様々な不幸はあった。
案件の際の隊員の死は基本的に公的に詳細は発表されない。
一般の訓練時や選定時の事故で片付けられる。

そうした彼らの中にも、またここに入ることを選んだ人間はいる。

墓の掃除は定期的にしに来ているが、それでも節目というものは重要となる。
丁寧に墓参りを済ませた後、かねてからの約束の通りに待合せの一室で約束した人間を待つ。

五代 基一郎 > 「悪いね、いそがしい時期にさ。」

そうして戸が開かれる音が聞こえれば
入室してきた待ち人に声を掛ける。
身の丈が結構にあり、剃髪した坊主頭の長身。
禅宗の僧衣を付けた僧侶……ここの住職。

■新雲竜>「坊主としてはこれが本分ですからな。お待たせしました。」

痩せこけた姿に頬から想像の通りのしわがれた声がかけられ。
仙人であるから変わらないのは何の問題もないのだがかつての仲間野姿が殆ど見えぬ今
出会った当初よりも変わらぬその姿と声を嬉しく思いながら
向かいの座布団に住いを正しながら座るのを見届けた。

■新雲竜>「して、この時期にということは……何か進展があったのですか。」

「アルベール自身は以前不明だが繋がっているだろう”ウィルマースの遺産”に関する進展はあった。
 ”連中”はどうやら学園の行政……システムとは別のものを持ちこんでいるようだ。
 これだけを突きとめるのにずいぶん時間を掛けてしまった。
 侵入口の一つもな。装備が整い次第探査、或いは破壊に向かう。」

ロストサインのマスタークラス、ウィルマースとエキスパートのアルベールが戦闘して二年。
アルベールが倒したとの報告はあったがその後の消息と共に行方不明。
ウィルマースが遺した工作であり今も稼動しているだろう”ウィルマースの遺産”を突き止めることで
アルベールの消息もきっと、と思いながら限られた人材、資材、時間を使い
政治的事情により公的に行えない調査を非正規に続けて二年、ようやく手がかりらしい手がかりが掴めたのだ。

■新雲竜>「死して尚、機能しているとは。なんとも厄介。これでは不死者の相手とそう違く思えますな。」

最も相手は枯れ尾花の方だが、としつつ出された茶を飲みひと息
様々な思いが巡る。

「あの時のこともあり今やかつてのエキスパートの大半が方々に散った。
 その中でも、未だに生死が不明なのはアルベールのみ……
 如何なる結果であれハッキリはさせたい。」

五代 基一郎 > 小さな湯呑を置く、その前に。

■新雲竜>「何を後ろ向きなことを。彼が死んだと。」

いや、そうではなくと続ける前に。
諌めるように咎めるような声は続く。

■新雲竜>「彼が死ぬような人間ではないことは貴方も御承知のはず。
      それを”結果”と。二年前と確かに貴方は変わられた。
      以前のような”力”はなく、人も変わられたように思える。
      ですが我ら野にあっても貴方に対する信頼は誰も変わっておりません。
      故に野にあることを良しと今もただ待ち生きている。
      
      その我々の頭であった貴方とあろう方が”我々”に対する”信頼”を変えたというののは
      如何なることでしょうか。」


言葉もなかった。
あの二年前の一件以来、方々に散っていた者達が殆どの中。
権力が地位がと言うならば場所に留まればいい話なのは明白。
しかも野にあって、今も尚こうして話すために時間を割いてくれる者もいるということがどういうことなのか。
改めて言われなくても重々承知であるというのに。


■新雲竜>「我らが何故野にて待ちているか、どうかお忘れなく。」

茶碗をおけば深く、頭を下げてその気持ちを片時でも無碍にしたことを詫びた。
詫びればまた、背筋を伸ばしひと息ついて。新たな話題について切り出すことを決めた。

五代 基一郎 > 「グランドマスターが出現している。」

場が凍った。その表現意外に何が当て嵌まるだろうか。
一瞬息を詰まらせるような声が新雲竜から放たれ。
しばし、風がそよぎ敷地の緑を揺らす音がさざめく。


■新雲竜>「とうとう、ですか」

「いや俺が感知できなかった、というのが大きい……予想してるよりずっと力は落ちている。
 であるが、やつは平然といる。つくづく思うよ。何も終わっていなかったんじゃないかってさ。
 だからこそ、なんだけど。」

公的にロストサインは壊滅したことになっている。
それは多くの人間が知るところだし、公的な見解でもある。
実態がそれとは違うのは一部の人間の知るところなのはさておきだが。

■新雲竜>「二年前に観測、そして接触できたのはたった二人。」

「当時公安委員会総括審査官であり、現在の外事部別室『第九特別教室』の室長である光岡緋蜂。
 そして当時生徒会執行部長だった俺しか観測し接触できず
 また接触はしたものの敗北した。片方は瀕死、片方は戦闘するも悉く通じず敗北。」

■新雲竜>「しかしそれがなぜ”貴方に”感知できるほどにまで姿を今更」

「恐らくそのそれらもヤツの”力”かもしれないな。何がしかの意図があるか、そもそもないか……
 憶測などいくらでも立てられるが実際は”正体不明”だ。」

”感知”できる俺へのあてつけか、それとも手を出せないのを知ってか
知らずに好き勝手やっているのか。その意図を計ることはできない。
実際二年前に在った時でさえ、ヤツがどういう思想を、思考を持っているのかはわからなかった。
わかることができなかった。