2016/05/15 のログ
ご案内:「焼肉屋」に五代 基一郎さんが現れました。
五代 基一郎 > 予約を取っていたのか店に入るなり案内されてテーブル席につく。
同伴者にも着席を薦めて一応の注文を済ませた。

所謂オーダー形式の食べ放題であり逐一注文するものだ。
誘った者のこういう店でのスタンスはまず適当に頼んで今日は何を食っていくか腹加減の様子を見る方なのだが……

「……最初にごはんを頼むか頼まざるべきか、というのは大きいと思う。
 肉を食いに来たのか飯を食いに来たのかでその時の食事が決まる。
 そう思わないか。」

そう、俺は飯を食いに来たわけだとごはんを頼みながら
何を頼むかその誘った相手に注文を促した。

ご案内:「焼肉屋」にレイチェルさんが現れました。
レイチェル > 「……オレはまぁ、一緒に頼む派だけど。肉だけで食うのって、何か落ち着かね
ーんだよな。米が欲しくなる……ってまぁオレも、すっかりここの食が身についちまったらしい。米なんて、ここに来るまで食ったことあんま無かったんだけどなぁ。それだけ月日が経ったってことかね」
そう返しながら、頬杖をつく金髪の少女が一人。
この店に誘われた人物、風紀委員のレイチェル・ラムレイだ。

「んー、まぁ……サラダ。とりあえず。あと、何か適当に肉。別に好き嫌いは無いから、そこんとこは先輩に任せたぜ」
そう言って、軽く手を振って軽いウィンクをして見せるレイチェル。

五代 基一郎 > 「時間が立つのは速いさ。俺はもう四年目。来年卒業だ。」

とりあえず赤身と内蔵系をまず頼む。脂の多いのは中程からというスタンスである。
脂の多いのを最初に頼んでもと思わないか、そこは腹の年齢にもよるか……ともボヤく。
別に脂ものは嫌いじゃないし、こうして家の人とは別に食いに来るあたり
好きな部類なのだがそればかりではバランスが悪いと頭が判断するらしい。
脂を求めてきても、脂だけ食うわけにはいかないと……

「しかしそれにしてもだ。レイチェル君はもうずいぶん馴染んでいるように見えるけど。
 今年度でこの島……この世界に来て何年だっけか。」

オーダーが終わると店員が下がる。お冷の氷はまだ塊だ。

レイチェル > 「そっか、先輩は来年卒業か……」
顎に手をやり、ふむ、と何やら思案顔のレイチェル。
卒業となれば、後輩として何かしら卒業祝いのプレゼントでも
用意しておくべきであろうか、とか。
それは貴子に贈ったような手編みのマフラーで良いだろうか、とか。
ややあって、そんな思考は五代の問いかけでふと、立ち消えるのであった。

「……オレはここに来てまだ二年目だぜ。
慣れてるように見えるってのはまぁ、ある程度環境の変化に慣れてるから
かもしれねーな。ここに来る前は、いろんな所を師匠と一緒に
転々としてたから……ま、こんなに一箇所に長居することはこれまで
無かったけどさ」
そう返しながら、目の前のお冷を指でつんつんと突く。
コップの中の水が揺れる様を観察しながら、レイチェルはそう返した。

五代 基一郎 > 「色々な所を転々と、ね……」

レイチェルの言葉に少し考えるような間が空いたが、それを切るように早くに注文の皿が届く。
赤身の肉、サラダ、ごはん、内蔵系の盛り合わせに牛肉各部位……
それらを適当に網に並べ始める。
もちろん乗せたければどうぞ、ともしながら。

「いや今日誘ったのはさ。君から見てこの世界と……この島ってどう見えるんだろうかと思ってさ。
 異邦人から見たこの世界というのがね。聞きたかったからなんだよ。
 実際色々見てきたレイチェル君から見てこの世界はどうなのかなと。」

だから色々な場所を見てきたという経験は聞く側からすれば願ったりかなったり。都合のよかったことなんだよと補足した。
尚追加の注文は内蔵系をまた注文して豚トロや脂の多い部位を頼んだ。

レイチェル > 「深い意味は無いぜ。少々、大事な探しものがあったんでな。
そいつを探ってあちこち走り回ってただけさ」
ふと顔を上げ。
少し考える様子を認めれば、レイチェルは淡々とそう返した。
皿が届けば、それじゃ遠慮無く、と口にするや否や、手早く肉を網の上へ。
そして、上機嫌な様子で腕組みをし、焼けていく肉を見守り始める。
じゅうじゅう、と。何とも食欲をそそる音ではないか。

「そうだな……」
再び、思案顔。今度は手を頭にやり、結構考え込んでいる様子である。
そうして間が空くこと7秒。レイチェルはようやく語を継いだ。
「そうだな……言ってみれば膨らみに膨らんだカラフルな風船かな。
 見てくれは愉快だが、その実結構内部はいっぱいいっぱい、いつ
 弾け飛ぶか分からねぇ。そんな印象を受けるぜ」
ま、それを弾けねーようにするのがオレ達の仕事でもあるんだが、と。
そんな風に付け加えながら、レイチェルは後頭部に両手を回し、天井を眺めた。
「一つの世界の中とは言え、結構色々と走り回ってきたもんだが、
これ程までに奇妙な場所は無かったかもしれねーな……この状態を保ってることが不思議っつーか」

五代 基一郎 > 「それはまだ見つかってないようだけど進捗はよろしくない感じか」

女の子を連れてくるのに焼肉でいいものかと思ったがやはり若いなら
焼肉でも十分だなと思うに至るがその思考に老けを若干感じた。
感じたがそのまま気付かぬことにしておいた。
肉の焼ける匂いのほうが、幸福感を与えてくれるからだろう。

「それそろそろ大丈夫じゃない?」

まだ早いかな、と思いつつも内蔵系の様相を見てトングで弄る。
脂が落ちて、炎の柱が立つ。

「この世界は危ういバランスの上に、偶然と偶然が成り立っている……といった感じかな。
 一部の善意が止めようとしているものの……みたいなさ。」

そうして焼けた内蔵を塩につけてごはんの上に乗せて食い始める。
まずは塩……そう、肉はまず塩だ。通ぶっているじゃない……後からタレで食べるため
味の旋律を奏でるためなんだ。これが肉を食うリズム……合間合間にごはんを挟む。

「で、レイチェル君はこの先も島にいるのかな。
 いや探し物を探しているらしいけど、それはこの島と関わりがあるからなのかな……とかさ。」

レイチェル > 「オレが見たところはそんな感じだな。
ま、こう見てる人間は結構居るだろうし、異邦人の意見として参考になるかは
しらねーけど……」


「……んや、探しものは見つけた。片もつけた。
 ここに来ちまったのは……まぁ、事故みたいなもんだったからな。
 探しものをしにここへ飛んできたって訳じゃねぇのさ」
そう言いながら、促されて肉をトングで取り、自分の皿の上へ。
特にこだわりは無いのか、適当にタレをつけて、ぱくりと口の中へ運ぶ。
うめぇ、と思わず漏れる一言。

「この世界に骨を埋めるか……って言われたら、そりゃまだ首を縦には振れねーけど……今のところは、この世界に居たいと思ってるぜ。
 ここで、良い仲間や友人にも恵まれたことだしな」
そして、米をぱくりと。
最初は食べなれなかったものだが、今ではすっかり米の魅力を感じることが
出来ている。

五代 基一郎 > 「結構いるなら、その意見を肯定する理由にもなるさ。十分だよ。」

そういえばワカメスープ頼み忘れていたな……と呼び出しボタンに手を掛ける。
チャイムがなって店員が来れば、スープとまた米を頼む。
飲み放題のドリンクも忘れていた食い方だったため、追加で烏龍茶も頼み
レイチェルにも伺う。

「そうか。ならこの先の進路は決まっていないわけか。」

というより帰る場所がないのではないだろうか、と思う。
異世界から来たのであれば、自分の世界である異世界に戻る術を探すか。
それともこの世界に骨を埋めるか……となるわけだが
この言い振りであるとレイチェルは世界を渡す術にツテがあるのだろうか。
何にせよまだ予定は未定、という段階なのだろう。
宙ぶらりんと言った方が正しいのだろうか。

「ならどうだろう。卒業後は島の外に出るのは。
 俺は卒業後に外へ戻る予定なんだけど。」

肉を網に乗せていたトングをいったん網の外の……空いている皿へ退けて問いかけた。

「君から見てこの世界といっても知っている部分の多くは島を中心として、とか断片的なことからと思うんだが
 どうかな。俺は卒業後外に戻るつもりだから、これはある種のお誘いとなるわけだけどさ。」

レイチェル > 「ま、それもそーかね。あ、オレも烏龍茶でよろしく」
そう言って、ドリンクを頼みながらレイチェルは一つ、大きな伸びをする。
腹の方は、結構満足してきた。

「んー、まぁ……そうなるかな。正直、決めかねてる。毎日のことで頭が
いっぱいいっぱいだし、さ」
風紀委員の仕事は多忙である。
近頃は大きな事件はひとまず鳴りを潜めたものの、それでも事件が絶えることは
無い。レイチェルもまた、そういった事件の対応に追われる日々である。

「へぇ、島の外ねぇ……興味が無い訳じゃねぇ、かな。一度くらい行ってみたい
とも思ってたし」
五代の顔を見据えて、レイチェルは言葉を継ぐ。
実際、興味の湧く話であった。
が、そんな誘いが来るとは予想だにしていなかった。
冷たい水の入ったコップを手に取り、少しだけ喉に流しこむ。