2016/05/16 のログ
■五代 基一郎 > 「誰もがそうさ。毎日を生きるのに精一杯だ。」
だからこそ、なんだがとは口に出さず飲みこんだ。
ワカメスープの追加が来たら、また肉を頼む。今度脂身の次は赤身……
さっぱり目がいい……
「でもまぁ働いてみてわかっただろうけど、他にも風紀の人間はいるしさ。
治安維持組織とか警察機構って組織だから、一人いなかったら回らなくわけでもない。
君一人いなかったら……というわけじゃあないが、多くの人の善意で成り立っているのはわかったってところじゃないかな。
時期的にね。」
レイチェルとは反対に、追加で来たわかめスープを啜りひと息おいて
また肉を焼いて、トングを置いて……
「島の外もそれは変わらないけどさ。島の状況と同じようなことはある。
人の悪い面だな。俺もこの島に来てだいぶ見て来たけど……風紀として働いて、実際目のあたりにしていれば嫌でも気付くんじゃないか。
毎日大小さておき問題が起きている。この島でこれならば……
島の外はどうなっているのか…とかさ。
まぁ異世界から来た人間にとってこれが当たり前だと言われたらそれまでだけどさ。」
また焼いてた肉を弄っていたトングを置き……レイチェルを見返しつつ話す。
「そういうものだから、なるべく芽がありそうな人材をこの島で探す目的もあったわけだよ俺は。
簡単に言うとスカウトだな。まぁ今すぐどうこうって話でもなく君自身もまだ覚えたり知ることが多いだろうし……」
俺は外の世界のそういう組織に所属しているんだけど……
そういえば言ってなかったな、と補足しながら肉が焼けたのでまた肉を取った。
デザートはいいの?とも伺いつつ。
■レイチェル > 「ま、そりゃあな。風紀の人間で、頑張ってる奴が沢山居るのは見ててよく知ってるし、
善意ってのも伝わってきたさ」
一旦箸を置いて、手元のコップを眺めつつ。
自分の知る風紀委員達の顔が脳裏を過っていく。
「悪い面……悪い面、ね」
これまでに対決して来た者達の顔を思い、複雑な表情をしながらも、
腕組みをして語を継ぐレイチェル。
「そんな話さっぱり聞いてねぇな……。でもって、スカウト……なるほど、
まぁ、どうせやること決まってねーんだ、今は前向きに考えとくぜ。
ただ先輩の言う通り、まだ自分の肌で知りたいことは沢山ある。
島を出るにしたって、学園生活ってのをもう少し経験してから、だな」
そう言って、チョコレートアイスを頼むぜ、と一言。
■五代 基一郎 > 「この島は世界の縮図だと思っていいし、縮図で納められる程度に管理はされている箱庭世界さ」
財団と言う背景があるからか、この島という範囲の話であるから
まだ穏やかなレベルで済んでいるのだろうことは実地を繰り返せばうっすらと見えてくるだろう。
学生自治の恩恵だろうか。大した問題にはなっていないのもあるが…
「これでも一応正義の味方なもんでね。笑わないでくれよ。
この島にも目的があって来たし、その目的のために動いているんだからさ。
スカウト以外にもだよ。この島は色々特別だからね」
地理的にも色々な問題的にもね、としつつ自分は抹茶アイスを頼んだ。
あとまたごはん。
「期限でいえば俺が卒業する前ぐらいまでかな。まぁそれより先に俺が何をしているのか見せるのが悪くない手だと思うけどさ。
どうする、風紀委員としてではなく個人的に協力してもらう感じならどちらも差し支えはないだろうし
やってみる?」
そうこう話しているとチョコレートアイスと抹茶アイス、ごはんが届いた。
まずごはんに手を伸ばしてレイチェルに問いかけた。
■レイチェル > 「管理された箱庭……そうでなけりゃとうの昔に爆発してるだろし、な。
隅々まで、とはいかねぇが、少なくとも最低限の管理は行き届いてる。
そいつはオレも感じてるさ」
「正義の味方、ねぇ……その肩書きはオレには荷が重すぎる……が、まぁ。
そうだな、見てみるのも悪くはねぇ。ひとつ、協力してみるか……あぁ、ただ条件が一つあるんだ」
レイチェルはそう言って、しっかりと五代を見据えて言葉を繋ぐ。
正義の味方など、自分からは程遠い存在だ。だからこそ――
「オレは、合わないと思ったらすぐ降りる。それでもいいよな、先輩?」
それだけ口にして、デザートであるチョコレートアイスを頬張った。
なんと美味なことか。冷たく甘い幸せの塊が、舌の上で蕩けていく。
ほっと一息ついて、レイチェルは再び五代を見やった。
■五代 基一郎 > 「承知しているよ。そういう君だから誘ったんだからさ。」
その正義の味方という言葉がこの男にとってどんな意味を持っていたか。
持つことか。レイチェルの考えるそれとは同じなのか、それとも別なのかを
話すことはまだ先であったが……
「よろしく。色々大変だけどまぁ……こちらも何とかするよ。難しい話でもないしさ。」
そうして米を食い終えれば、水を一服してアイスに手を伸ばす。
若干熱に煽られてか、溶けていた。
抹茶の渋みが口の肉臭さを流す。
食事と話の時間が終わりを告げる様にラストオーダーであることを店員が告げてきた。
このままなければ、解散することとなるだろう。
会計でガムを貰って。
「今日はこの世界のことを君に聞けてよかったよ、参考になった。」
■レイチェル > 「承知してくれてるなら、いいんだけどよ」
正義の味方だとか、ヒーローだとか。
そういった言葉は、大きな事件に関わったこともあって、何度かかけられてきた。その度に、内心渋い顔をしないことなどなかった。
ましてや、その肩書きに浸ることなど――。
「ああ、改めてよろしく頼むぜ、先輩。今後ともな」
そう言った後にひとつ欠伸をして、レイチェルは席を立った。
会計を済ます間に、また大きく、ぐぐぐっと伸びをして。ふと、
キツくなってきたし新しい下着買わないといけねーな、などとそんなことをちょっぴり思ったりしつつ。
「ん、まぁそれなら良かったぜ。何よりだ。じゃあな、先輩」
レイチェル自身にとっても、この島、学園、そして、何より島の外のことを考える、良いきっかけとなった。
色々な思いを抱きながら。
クロークを翻し、手を振りながらレイチェルは去っていった――。
ご案内:「焼肉屋」からレイチェルさんが去りました。
ご案内:「焼肉屋」から五代 基一郎さんが去りました。