2016/07/22 のログ
ご案内:「落第街廃ビル群」に五代 基一郎さんが現れました。
ご案内:「落第街廃ビル群」にレイチェルさんが現れました。
五代 基一郎 > レイチェルに呼び出しがかかる。

風紀としてのではなく、以前ここに呼び出した要件と同じく
また法の外の戦いを予期させるその場所

五代がレイチェルを呼び出した場所は以前とまた同じ……
そう、ただ呼び出す……そこに集まるようにただ指示するだけ。

そこに到着すればわかるだろうが、そこにはあの時のように男と怪鳥はいない。
男と怪鳥はまた別の場所にいるだろう。
この落第街からその場所に至るまで、そしてそこからを見るようにどこかにいるのだ。
今まで教えたことを、そしてレイチェルが覚えただろうことを活かし
一つの段階を越えたかどうかをテストし評価を下すためのように……
その場所ではない場所から、レイチェルを見ている。

それらが伺えるような伺えるのかもわからないただそこにいくんだという短文は
今までのことをというものでもあり、であるならばそしてこれから進むべき先の入り口がそこにあることを伝えていた……

二度目の挑戦とでもいうのだろうか。
ではレイチェルは如何であるか。
遠くから見つめる瞳は落第街に入る時からレイチェルを見ていた……

レイチェル > 金の髪を風に靡かせながら、影が一つ。落第街を行く。
落第街には似つかわしくない彼女の外見は、遠目に見ても十二分に目立つものであり、
街を行き来する者達の視線を奪う――これまでは、そうだったであろう。
しかしながら此度は違う。前回と同じ集合場所へ目を向けて、ただただ静かに、
誰に絡まれるようなことも、恐れられるようなこともなく。
落第街の空気と完全に一体化している。これも修業の成果であろう。

そんな彼女の内には、以前この場を訪れた時の記憶が蘇る。
そうして秘めた闘志がふつふつと湧き起こっていたのであるが、これは当人以外
知る由も無いことである。彼女の内にある感情すらも、今やヴェールの内側に包まれていた
のだ。確かに迫る戦いの予感が、今彼女の内に在った。


指定の場所に着けば、呼び出した本人が居ないことに気がつく。
(おかしいな、場所を間違えた訳じゃねぇだろうし……
 遠くから見守って下さってる、ってとこかね)
そう考えて、クロークの内側に両の手を滑りこまれば、辺り一帯を眺めるレイチェル。
彼女は、静かに時を待つ。

五代 基一郎 > そこへ、その落第街の空気からゆっくりと穴が開く様に
何者かの存在感が、レイチェルの間合と思われる場所から少し開けるように現れた。
それこそ音もなく寸前まで気配もなく……

■サマエル>「始まるぞ」
「あぁ、さてどこまでどうなるか」

遥か遠くからその様子を見通し……それらを見守るように落第街の風を受けて
ただただそこにいる……遠くに。

■翆の剣士>「厄介な術を覚えたな、お前」

レイチェルとは正反対に風に靡く白いローブ
目出し帽ではなくフードから垣間見れる顔にはかかるように揺れる茶色の髪
黒い瞳……声は以前と同じ。その剣士がそこに現れた。

■翆の剣士>「その術を覚えたってことは、看過できない存在になったわけだが……
       それがどういう”意図”かはわかっていようがいまいがさ。
       そういうわけだ、今回は最後までやるぜ、異邦人」

相変わらず気配らしい気配もないまま……レイチェルの前にいるそれは
ただ何事もなく、戦いが起こることを告げる。確定事項のようにレイチェルへ向けて。
熱い戦意や血の滾るような空気はなく……ないからこそ異様とも言える空気が二者の間に流れ始めていた。
この二人がいる場所だけ落第街とは違うような、位相をズラされたような……
気配を消したような、同化していくからこそまた同化された者達だけの世界のような……空気

■翆の剣士>「名前ぐらいは教えてくれよ。ウチの業務上記録は残さないといけないもんでな
       ただの異邦人と書くと怒られるんだよ。俺の名前が必要っていうなら教えるけど
       それともお互い知らないまま始めるか?」

両手が空のまま、世間話のようにレイチェルへ語りかける。
腰で揺れてか翆の装飾品が一瞬煌めく。

レイチェル > 「……さっさと来てくれるとは話が早ぇ」

突然現れたその存在感を事前に察していた訳ではなかった。
しかし、彼女がその存在に対して驚くことは無い。
事態はこう在って当然だ、と言わんばかりに、冷静な様子でレイチェルは言葉を紡いだ。

「……てめぇのお陰だ、と言ったとしても、そいつは過言じゃねーかもな」

厄介な術。その場にありながら、自らの内から強く滲み出る個の色を消し、周囲の環境と
同調することにより、その気配を消す術のことだ。
以前にこの剣士と会い、戦わずして敗北を喫したレイチェル。
何もせずに此処へ再びのこのこと現れた訳では勿論、無い。
地獄の亡者共や異世界の騎士達を相手に、レイチェルはこの術を学んできた。
その原動力の一つに、この剣士への対抗心があったことは否定できまい。

「……この戦いが終わった後に、悠々と『異邦人』との戦闘記録を報告出来るくらいに
 口が利ければ良いな。オレもそう願っとくよ……さて、これ以上の御託は要らねぇぜ」

剣士の方を見やり、レイチェルはそう口にする。
滑りこませた両手は、いつでも閃かせることが出来る。
両者に気配は無い。
しかし、レイチェルの内側には確かな闘志が在る。
確かに、目の前の敵を打ち倒そうという意志がある。
その心は、雰囲気や気配でなく、剣士へと向けられた彼女の鋭い眼差しのみが
語るところであった。

五代 基一郎 > 一瞬の煌めきだったが、何かに呼応するようにその装飾品は存在感を強めめていく。
まるでこれから起きる戦いの始まりを知らせ、また待つように。

■翆の剣士「こいつは元々異邦人と戦うための術だ。わかるだろ、こういうのがさ。
      この世界の人間には必要なんだよ。魔術師やら異能者や異邦人と戦うにはな。」

ま、お前みたいな存在自体が色濃い異邦人にはわからないと思うがと
呟きながら、その腰にある装飾品に手を当て握る。

■翆の剣士「レプリカだろうがこいつの元も同じ……お前らみたいな人間じゃないものと戦うためのな。
      まぁ、そういうことだ。特にねぇなら始めるか。俺もお前に恨みはないが
      お前の存在は気に入らない……そうだろ。

      目覚めろ、芽生えな……”ミストルテイン”!」


その装飾品の明滅が一層強くなり、輝きが終われば以前レイチェルのみた
翆の長剣が剣士の手に出現し……煌めく。
まるで戦うべき相手の前にいるがために力強く反応するように。

そこから先には、剣の名前より言葉はない。
軽く、しなやかに風が流れ滑るようにレイチェルへ向けて翆の刃が煌めく。
殺意はない。殺意はないが今そのレイチェルを確実に破壊するための暴力を放つ。
横薙ぎの一閃……軽やかではあるがその長剣の幅から容易く両断できるふり幅で、振り抜き放つ。

そう、剣士の殺意はないが、長剣からはこの世界の人非ざる者に対してむき出しの敵意が放たれている。
その剣士と長剣の異様な気配のかみ合わせがレイチェルに向かい繰り出される。
以前のよりもずっと強い敵意がレイチェルへ向けて。

■翆の剣士>「こいつはちょっと、俺じゃ押さえきれないな!」

レイチェル > 「オレもてめぇに恨みがある訳じゃねぇさ……ただ借りは返す、それだけだ」
淡々と、必要最低限の言葉だけを口にするレイチェル。
その心は波立たぬ水面のようでありながら、確かな意志を抱き続けている。

目の前に現れる、神話に登場する其れの名を冠した剣。
繰り出される剣撃は、レプリカとは言えその名に恥じぬ煌めきを見せる。
目の前で振るわれる、研ぎ澄まされた暴力。

(この剣……意志でも持ってんのか……?)
レイチェルの心の内にそんな言葉を浮かばせる程に、目の前の男と長剣の間に生じている違和感は際立っていた。
普通、剣は一度放たれれば持ち主の意に沿って敵を斬りつけるものでしかあり得ない。
剣は武器。剣は道具。通常ならば。
しかしながら、目の前の剣は違った。
まるでそれ自身が意志を持って、レイチェル自身を破壊せんと、
憎悪の『心』で以てその身を振るっているようで――。

あわや両断という所で、後方へ大きく跳躍。身を躱す。

剣士と、その剣士の手の内にある筈の剣が持つ敵意。
そのちぐはぐとも言える攻撃に、レイチェルの動きが一瞬鈍った。
あとほんの一瞬でも元の立ち位置に居たのであれば、今頃は剣の餌食だったであろう。

一度間合いを取ってから、レイチェルも自らの得物をクロークの内から取り出す。
彼女が常日頃から愛用し、最も信頼を置いている漆黒の魔剣、イレギュラーだ。

目を細め、疾駆するべく両の足に力を込める。
目の前の剣士は、剣の意志らしきものに振り回されているように見える。
まず狙うべきは、あの武器か――。


魔剣を下段に構え、疾駆。
レイチェルの狙いは剣士の首でも心臓でもなく、自分へ明確な敵意を向けている翆の長剣だ。
剣を上空へと打ち払うべく、魔剣を振り上げる一撃を放つ。

五代 基一郎 > 翆の長剣が、レイチェルの振り上げにより撃ちあがる。
虚空へ打ち上げられたそれは煌めきを失うことなく飛びあがり……

■翆の剣士「そいつを狙ったか。いい判断だ……と言いたいところだが
      舐め過ぎだぜ。俺もこいつも、異邦人”お前ら”と戦うために存在するんだからな!」

その言葉と共に剣士の気配は剣とあった時よりも薄く、また落第街の闇の中に消えるように溶け込む……
剣が、その煌めきが存在を明かしていたが故になのか、剣士の気配は
非常に捉え難く……徐々に消えていく。

それとはまた別に、打ち上げられた長剣はまた自由になったままというのに
煌めきを失う事はなく……だがその敵意と殺意は一層鋭くなる。

■翆の剣士「ま、そういうことだ。俺もこいつも程度の差異はあっても
      持つべき者が、あるべき者がで組んでいるんだ……とりあえず、なんて考えは縮めるぜ!命をな!」

まぁお前の命についてはどうとも、といわばかりにその声は放たれる。
そしてその言葉と共に翆の剣からは……ミストルテイン”やどりぎ”の名前の通り
以前ここで放たれたように翆の水晶体……やどりぎがいくつもレイチェルへ向けて放たれる。
それがどのような力を持つかは、レイチェルの記憶にもあるだろう。
まともに受ければそれにより磔にされればいい方であるが、その相手が人間ではない今回
どのような目に会うかは、最初に見た異邦人の如く……

■翆の剣士>「戦いの組み立ては最初を躓くと後に響くぜ!」