2016/08/15 のログ
ご案内:「落第街 地下カジノ」に五代 基一郎さんが現れました。
ご案内:「落第街 地下カジノ」にレイチェルさんが現れました。
■五代 基一郎 > 先日の集まりよち捜査を始めた案件。
雨の日に落第街で起きる異邦人を狙った殺傷事件。
雨の日が起きれば、と落第街にそれこそ気配を消してもぐりこみ
散策し、何がしかの気配が現れれば……と向かい、捜査を続けているが
本日も、またそれは一歩遅かったのか。
何がしかの気配を感じて向かった場所から人が何人か、溢れだすように……
といっても慌てた様子を殺して、そそくさと逃げ去るように各々ので消えて行っている。
廃ビルからは連想できないその人々に、それらの流れが引けばと入り込み
入り込めばわかる”血臭”と”冷気”が漏れ出ては満ちていく……通路
それらを辿れば、地下に設営された大型の賭場が広がっていたことがわかる。
最もそこに残るのは血と水と切断された死体の数々しかない。
護衛の人間もいただろうにここで生きている者は何一つ存在していなかった。
自分たち以外は。
「ここまでの人数をというのはまだ起きていなかったけどさ……」
■レイチェル > 廃ビルには到底似つかわしくない出で立ちの少女。
彼女が歩く度に、闇の中で金の髪が揺らめいて、煌めく。
その軌跡は目を引くべきものがあったが、しかし彼女の気配は見事なまでに、廃ビルの中に
自然なものとして在った。
そうして、やがて地下の賭場へと辿り着き。
「一歩遅かったか……」
惨状の中。凛、とした声が響き渡る。
地下の賭場に残された爪痕を見た彼女の口からは、ふぅ、と一つの溜息が続く。
顎に左手をやって、何やら思案顔をしながら、撒き散らされた血と、
かつて人型であったものを見つめる。
落ち着いた表情と声色で、しかし瞳の奥底に燃え滾るものを秘めながら。
顎にやっていない方の手は、クロークの内へ滑りこませているようであった。
彼女の落ち着いた心から生まれる感覚は、この空間の中で研ぎ澄まされている。
■五代 基一郎 > 無論レイチェルと共に、その気配は完全に溶け込んでいた。
どのような容姿であっても、既に動きの所作から気配、歩くルートまでが……しかし
それらが、果たして意味のあったものだろうかと疑問を持たせる程度に
人の気配より……いや生の気配よりも死の気配がここから広がっていた。
前回のから続く。異質な事件。魔術か、異能かともあるがここまでとなると
絞りにくい程度には……いや、暴力といえば暴力なのだが
ここにいる人の形をした……それこそ精査すればわかるが異邦人のみを狙ったような手口には、また別の存在が想起される。
先日からの捜査、またあと一歩というところで姿を見せない。
先の戦いの、と思われるようなのとは違い今回この件をとしている者は
中々姿を見せようとはしなかった。
しかし、この空間にヒビを入れるように……何がしかの振動が二度三度なり
空間に介入してきようとするのを感じれば、適当なスロット台に体を動かし様子を伺おうとする。
伺おうとするが、そのような行為はただの繊細な行為でしかないことを告げるように
四本足の鋼の巨体がいくつもこの空間に割り込んできた。
後始末に現れたかはわからない。だが動くものを見つけ次第、というような
何がしかを探す動きをしながら、壁や天井を破りそれらは出現した!
ここに風紀が呼ばれる可能性は低い……もとよりないに等しい。
だが我々のような追跡者の存在を感知していたならば、こうした置き土産めいたものが現れてもおかしくないのか……
レイチェルへ特に支持等するまでもなく、それらから距離を取るよう動いていく。
ここでどうすればいいかとか排除の許可や支持など、もう既に彼女には必要ないのだと。
■レイチェル > 「今回の件に関わってる奴は……前回の奴のように簡単に姿を見せちゃくれねぇな」
当然である。言うまでもなく、前回のあの男が異例と考えるのが妥当だ。
しかしそれにしても、姿を隠すのが上手い相手であるようで。
先日から捜査をしているにも関わらず相手が見つからない、というこの状況に
レイチェルは肩を竦めていた。これまでにも、風紀の仕事や、それ以前の本業で
何度か経験してきたが、こういう追いかけっこはどうも好きではない。
「……逃げるだけじゃなく、遂に妨害の手を講じて来やがったか。
しかし置き土産とは、礼儀を弁えてやがる」
数は――多数。五代に危害が及ばない内に――被害が拡大しない内に、
仕留める必要がある。異能の行使も考えておかねばなるまい。
姿勢を低く構える。
呼吸を整えて、クロークから魔剣を抜き放つ。
同時に。
疾駆。跳躍。振り下ろす、斬撃。
まず手近な巨体を片付けるべく、一呼吸の内にそれを行った。
■五代 基一郎 > 「そういう場合は先手を打たないと、ってなるな。追ってばかり、迎えるるばかりだと”らち”が明かない。」
そんなことを言いながら、首から右わきの下にかけてがさっぱり切断されている
遺体を引きずりながら動いていく。
スロット台、カード台からバーカウンターにまで……とにかく遮蔽物があるところに。
一方で四足の巨大な無人兵器……だろうか。機械のそれらはセンサーを最初に動かすのみで
以降は見つけた、まず最初に動きが補足できたレイチェルに向かうが
それも少し。機関砲やら何かを使うまでもなくレイチェルが駆ければ、魔剣を振れば
次々に破壊されていく。
前回のあの男を、と知っていながらこうしてそれらにも劣る数を出してきたのは何がしかの意図があるのか。
それとも挑発行為なのか……はたまたレイチェルの言うように置き土産なのか。
ともかくとして、レイチェルが一度鋼を抜けば、それらは難なく砕かれて
破砕されていく。特に自爆装置などのものがあったわけでもなくだ。
「終わった?他にも出て来なさそうかな。」
やれ終わったのか、と感じれば……無論レイチェルのほうが、ある程度の技術を習得した上でなら
そういった探知の能力は鋭い。一応自分でもいなさそうだな、と感じてはいるが
そうして聞きながら、また良い方はあれだが遺留品の捜査……遺体漁りに戻っていく。
■レイチェル > 「所謂鼬ごっこ、ってやつだな。何とか先手を打ちてぇもんだが……」
豪速で振るわれる漆黒の魔剣が、一瞬の内に無人兵器を切り捨てていく。
一つ瞬きすれば、ニ機。二つ瞬きすれば、四機……といった具合だ。
「派手に爆発するもんかと思ってたが、そういう訳でも無かったな。
……しかし、手応えが無さ過ぎる。本当に、こいつらは
オレ達を排除する為に放たれたもんなのか? 疑問だぜ……」
前回の件で、こちらのことはある程度知れてしまっている。
ならばこちらの戦闘力も向こうは既に――まだ見せていないものを除けば――
ある程度知っている筈だ。にも関わらず、このようなものを差し向けてきたことには、
何か理由があるのではなかろうか。
五代の言葉を受けて、レイチェルの思考も幾分か刺激される。
あちらは逃げる為に、少しでも時間が稼げれば良いと判断したのか。
或いは、こちらのデータを収集する為の――
「……考えすぎか、ね」
五代の問いかけを受けるレイチェル。
魔剣イレギュラーを血振りの形で振るえば、鋼血《オイル》が地に飛び散った。
周囲を注意深く見渡した後に、再び魔剣をクロークの内へ仕舞う。
それが、『こちらへ出てきて構わないだろう』という合図であり、返答であった。
■五代 基一郎 > 「排除できるとは思ってないんじゃないかな」
今異能が使えない、というより戦闘能力のほぼない五代を除けば
レイチェルをどうこうするというのなら前回のようにある程度のものが必要になる。
それこそこれらの機械の獣では、と思う。
それでも向けてくるのならば……レイチェルの言うように、考え過ぎということは無いだろう。
最も仕掛けた人間でないので、それこそ考えることしかできないのだが……
「お疲れ様。やっぱり死体はどれも異邦人だね。例外は護衛らしいのが人間ってことぐらいだろうけど」
先の侵入により崩れたカジノの外装により遺体が被害を受けるところもあったが
比較的それらからは無傷のものを集めてみる。
外傷としては、刃物で一閃されたか。それこそ傷口が鏡のように、であり
出血はあるがそこから飛散したわけでもなく、どれも即死であり
形容しがたいが綺麗に殺害されていた。そして、先の侵入で些か収まったが
異様な冷気も未だ漂っており……この夏場の空調と言えど、湿り気を帯びたその空気と
それ以上に冷たさの残る空気には、異質さを感じずにはいられない。
「どうやら、何がしかの集まりみたいだったのかな今日は」
そしてレイチェルを呼び寄せ、遺体の一部……胸元を見るように促せば
何がしか、この世界のらしいとは言えないような意匠のバッチを付けているものが殆どだった。
つまり、何かしら共通の関係性をもつ人間らがここに集まっていたことになりそうだが……
先日までの、であれば殺された異邦人に関係性など無かったと思われてきたが
ここにきてまた、新しい何かが浮上してきた……
■レイチェル > 「……なら、こちらのデータでも集めたかったのかね。
まぁ、実際の所は分からねぇが……」
先ほど脳裏に浮かびかけた考えを、投げるだけ投げてみるレイチェルであった。
しかし実際の所は分からない。全ては憶測の域を出ないのだ。
肩を竦めて、首を振るレイチェル。
呼ばれれば、五代の所へ歩を向ける。
「こりゃどうも。……やっぱり異邦人ばかりか。そうでないのも巻き込まれちまってるようだがな……」
改めて、少しだけ目を瞑る。
レイチェルとしてはこの惨状を前に、少しでも弔いの意を示したかった。
しかし、自らの心をこれらの死体に移し過ぎれば、それは今後枷となる。
故に、弔いは最小限のものに留めて、レイチェルはすぐにその目を開いた。
死には、慣れている。
「追いかけてきたばかりだったが……そのバッチ、結構な手がかりになるかも
しれねーな。一体、……異邦人ばかりが集まって、一体何してたんだろーな」
五代の見つけたバッチを見て、レイチェルはふむ、と頷いた。
そして、首を傾げて、再び肩を竦めて見せた。オレにはさっぱりだ、と。
■五代 基一郎 > 「それこそ、会ってみないとな」
そういいながら、その異邦人らのピンバッチをいくつか取って
一つをレイチェルに投げてよこす。
この世界にありそうな意匠ではないあたり、異邦人の印か……それとも何かのツールか
「何をしていたか。それはわからないが、まぁ……場所が場所だから
あまり何かってことじゃないんじゃないかな。例えばボランティアとか救済団体の会合じゃなさそうだけど」
他にも何かないかと漁るが、女性か何かのバッグの中身とかが精々だ。
場所が場所なだけか、手がかりに成りそうなものはぱっと見ないようだが……
「正直ここで何をどうって詳細を調べる手がないが。今日はここで引き上げようか。
……他に何か気になるところとかある?あとはマシーンの方だろうけどさ。
データ如何収集してたとしても足がつくようなものは入れてないだろうしなぁ」
レイチェルがバラバラにした機械の獣を見やりながら伝える。
個人的な……所謂主観だが、何がしかの目的かがあったとしてもだ。
それによって、態々遠ざけている相手が場所を知らせるようなものを置いておくとは考えにくい。
ここで出来ることはもうないのだろうかと、意見を求めた。
■レイチェル > 「……まぁ、そうだよな」
予想通りの返答であった。レイチェルもこくりと頷く。
手を振るって、投げられたピンバッチをぱしり、と受け取れば、
クロークの内へとしまい込んだ。
「念のため、こいつは調べておこうぜ」
唯一の手がかりらしい手がかりである。
レイチェルもそう言いながら、死体を見て回るが、それらしい手がかりなど
残されていないように見えた。
「ここまでしっかり姿隠してるんだから、考えなしに手がかりを残すことなんか
ねぇだろうな……」
意見を求められれば、首を振る。
今日はもう引き上げよう、賛成だ、と。
■五代 基一郎 > 「色々パーツはあるんだ。収穫としては十分だよ。」
あとはどう探して、どう先に回るか。
どう頭を抑えるかなのだが……
「頼んだ。そっちからも調べておいて欲しい」
今日はここまでだな、として帰る準備を始める。
出来ることと出来ないことがあるが、今日はできることを十分にやった。
しかしここまで我々に対して慎重に、としておきながら
このやり方、一切合財……と言わないが、目標と思われる異邦人は
誰一人逃さず……のような、敵は逃さず殺すそのやり方には若干矛盾があるように思うような……
派手とは言わないが、いや矛盾ではなく何かそういった……良い方があれだがメリハリがある考え方をしている。
前の男よりも、ある程度というか厄介な雰囲気が今からでも滲んできている。
「次は、としたいな。まぁなんというかまだ知らないことも多そうだしさ。
色々ね」
そうして、先導するように……というより、先に行くのを頼むよ
という風に促し、レイチェルへ声を掛けた。
レイチェルが外に出るならば、そのままついて外にでて今日は解散だろう。