2016/08/23 のログ
■鞍吹 朔 > 「……雨宮さん、考え方が少しひねくれてますよね。
私もそう思いますが。……似た者同士かもしれませんね。」
目の前の少年の中身がどのようなものかはわからない。それは承知している。
それでもまぁ、悪い相手ではないのだろう。
黙々と食べ続ける。かちゃかちゃという食器の音だけが響く。
それでも、美味しそうに食べる朔の顔は、雫の目に映る。
「………。はい、気に入りました。
…今度、私の好きなものも紹介しますね。……蕎麦ですから、お礼にはならないでしょうけど。」
笑ったような気がする。一瞬だけ、ほんの一瞬だけ。
目の錯覚だったかもしれないし、顔の角度でそう見えただけかもしれない。
その笑顔はすぐに消え、いつもの無表情に戻る。しかし、いい笑顔だった。気がする。
■雨宮 雫 > 「ボクと似た者とか、大変だと思うけど……
まぁ、ボクは嬉しいからいいけど?
ん、ボクは蕎麦とか麺類も大好きだから、全然いいのだね。
連れてってもらうの楽しみだね、だ ね。」
ハッキリ言うと、雫は悪い存在だが……更に何かを言う前に。
ナプキンを手にしたまま動きが止まった。
今見えたその、なんだ。
朔の笑顔はちょっとこう、"あぁ、いいなあ"とでも思ったというか。
少し、顔を横に向けると眉間を指で押さえて自分に何かを言い聞かせる。
次に、グラスの中のお茶を煽った。
■鞍吹 朔 > 「別に、今更直す気もありませんから良いんです。
……嬉しい、ですか。………はい。」
その『はい』に何が篭っているのかはわからない。
「………?どうしましたか?」
無表情のまま、首をかしげる。
釣られるようにこちらもお茶をすすり、麻婆豆腐を食べ終わる。
よく見れば、テーブルの料理も残り少ない。
■雨宮 雫 > 「ぁ、うんちょっと。
うんと 喉が渇いたなって、思って。
麻婆が辛かったかな、かな。
大丈夫、問題ないないのだね、だね。」
大丈夫、大丈夫と手を振って顔を朔の方へと向けると、もう、いつもの愛想のいい顔に戻っていた。
一通り食べ終わったテーブルの料理皿をちらっと見て。
「朔ちゃん、もうちょっと食べる?
追加注文もいけるけど。
無かったら、お茶飲み終わったら出ようか。」
■鞍吹 朔 > 「そうですか。私も喉が渇きました。
でも、美味しかったです。今日はありがとうござました。
……ごちそうさまでした。」
ぺふ、と手を合わせて頭を下げた。
表情の変化に関しては特に気にすることもなく。
「いえ、もう大丈夫です。腹八分目です。
繰り返しになりますけど、今日は楽しかったです。
……お茶も美味しいですね、ここ。」
■雨宮 雫 > 「楽しんでくれたのなら、良かった。
朔ちゃんが気に入ってくれるかなって結構ドキドキしてたから、安心したかな、かな。」
ふーっと大きく息を吐く仕草。
大袈裟なようだが、割と真実そのままだ。
最初の誘いでミスったらもうそこから続けられないし。
うん、今後もこういう風に遊びたいと思ってた、のだ。
グラスのお茶を少しずつ飲みつつ、朔に頷く。
「あ、このお茶気に入った?かな、かな。
これならボクが家でも淹れられるから、作ってあげられるのだね、だね。
じゃあ、帰りにちょっと前に使ってた家にでも来てもらっていいかな、かな。
目の診察させて欲しいかな、かな。」
■鞍吹 朔 > 「………。ありがとうございます。」
自分のためにそれほど気を張ってくれていたのか。
そう思うと、少しだけ嬉しくなった。
ともかく、雫の試みは大成功となったようだ。
よかったよかった。
「本当ですか?……はい、気に入りました。
それじゃあ、その時はよろしくお願いします。
はい、大丈夫です。……何事もないと良いのですが。」
そう言って、席から立ち上がる。
雫が立ち上がれば、雫の後ろについて店から出て行くだろう。
■雨宮 雫 > 控えていた店員に合図をすると、朔を伴って、店を出る運びとなる。
後は散歩のように歩いて、家に連れて行くことになる。
何事もないかどうかは、正直…… 何かあるだろうと思っているが、ここでは言わない。
「うん、まぁ何とかなるのだね。
医者の腕の見せ所だからボクに任せて欲しいかな、かなー。」
安心させるように、へらっと笑いながら、店から出ていった。
ご案内:「歓楽街 四川飯店 「九寨溝」」から雨宮 雫さんが去りました。
ご案内:「歓楽街 四川飯店 「九寨溝」」から鞍吹 朔さんが去りました。