2016/09/23 のログ
謎のディアンドル兎仮面 > (まあ普通逃げるわな。)

呆れた、と言わんばかりに肩を竦めてから、傷口が痛む様子の滝川を見つめる。
まあ外出許可が下りたか下りないかくらいの容体だろうし、さもありなんと言わんばかりに眺めていたが、
流石に回復し此方へと声を掛けて来れば無視するわけにもいかず。

ふるふる、と首を横に振って気にするなの意を表する。
何やら怪訝そうにしているが、自分で認めるのも悲しいほどに今の自分は少女寄りだ。
普段は襟足の辺りで束ねている髪も解いてポニーテールめいた形に変えていし、
何しろディアンドル着用中で口元を除いた顔は隠しているのだから、そうそう勘付かれる事もないだろう。

滝川 浩一 > 「…い、一応言っておきますけど、ストーカーとかじゃありませんから…!」

首を振り、少しばかり怪訝そうにしているその人物へ何の心配からかそんなことを言い出す。
目の前の人物の正体を知っていればそんなこと言うわけないのだが、如何せん、現在の状況では他人と思うしかないのでそう注意を入れておく。
何故なら自分の行動を顧みて、その行為が何やらストーカーのそれと似たような雰囲気がしたと自覚したからだ。

しかし、やはりどこかで会ったようなことがある。
赤い髪の知り合いは割と多いが一体誰だろう…と思案する。もしや…

「……鬼灯?」

と口にするが直後に「いや、すいません」と否定する。
赤髪と言えば自分の契約相手だがそんなハズはない。彼女の髪は先端が夕日色でグラデーションめいているし、第一こんな絶壁ではない。

そう考えながら胸を見る。目の前の人物の。

謎のディアンドル兎仮面 > (あ、そー………)

あんまり説得力無かった。
まあ、それはそれとして仮にも友人の言葉なので信じてあげることにしたウサ仮面だが、
続く滝川の挙動には若干の気持ち悪さを感じずには居られなかった。
見られて困る胸は無い、そもそも男なのだから当然である。
それでもじろじろと見られれば気味の悪さは覚えるものだ。相手が同性なら尚更。

(女の子ってこういう視線にさらされてるのか……大変だなあ。)

いや自分も見ちゃうけど、と言い訳はしつつ、
今度からあからさまに視線を送らないようにしようと心に誓う謎のディ以下略だった。

滝川 浩一 > 「あ、いや、失礼…」

目の前の人物が自分の挙動に対して嫌悪を抱いている様子を察し、即座に視線を逸らす。
気分を害してしまっただろうか。その人物に対し軽く謝罪すると明後日の方向を腕を組んで見る。
胸とか顔とかジロジロ見ている割に相手が男だという事を看破出来てない。

「何か、その…お騒がせして申し訳ありません」

申し訳なさそうにディアウサへ謝罪をする。
少しばかり外に出れたのでテンションが上がり過ぎたのかもしれない。
目の前の人物から見れば明らかに営業妨害だろう。

今日のところは素直に帰った方がいいか。そう思案し時計を見る。

謎のディアンドル兎仮面 > 滝川の謝罪に対し、緩やかに首を振って意を表す。
口を利かないのは契約上の都合なので遵守しなければならないし、兎仮面自身も徹底したいところである。
そもそも首を縦に振るか横に振るかで大体の意思は伝わる事は去年経験済みだったりする。

(とはいえ、まあ……そっか。さっきの人、あの時校舎に居た人か。)

そうかそうか、とようやくその事実に思い至った様で、遠くを見て小さく頷く。
だとしたら自分としても話したい事はあるのだが、少なくともこの祭りの期間は口頭での会話は厳しいだろう。

滝川 浩一 > 緩やかに首を振るその人物に胸を撫で下ろしホッとする。
少なくとも今この場で通報されるなんて事態に陥ることはないだろう。
というのも目の前の人物が友人であるからなのだが…本人は気づいていない。

「すいません、ここいらで邪魔者は退場します。…それでは、お仕事頑張ってください!」

何処かであったような雰囲気に最後まで首を傾げるがまぁ、いいかと諦め頭を下げ歩き出す。
その人物へ激励を飛ばすと歩き出し、時折そちらを向いて小さく手を振る。

そのまま歩いて病院へ帰るのだが、時間が過ぎていると怒られたのはまた別の話。

ご案内:「学生街・広場」から滝川 浩一さんが去りました。
謎のディアンドル兎仮面 > (てか何しに来たんだよ……)

励まされたのはそれなりに心強かったが、結局のところ彼が何をしに来たのかはさっぱり分からなかった。

去っていく姿を首を傾げつつ見送って、それから先客が残していったディアンドルの衣装問題について解決に取り掛かり始める。
大きなサイズのものがハケて、それより一回り小さいサイズが残った。

少なくとも店主には報告しておかなければならないし、その場合の弁償や立て替えも自分がしなければならないだろう。
ただでさえ不慣れな格好で仕事をしなければならないと言うのに、初っ端から躓いてしまった。

今度から宅配中はもっと慎重に行動しよう、
胡蝶蘭がそんなに高いものだなんて知らなかったんだ、と密かに反省会を始める謎の兎仮面だった。

ご案内:「学生街・広場」から謎のディアンドル兎仮面さんが去りました。