2016/09/25 のログ
■阿曇留以 > 「あっ、そういうこというのね寄月くん!
男性はわからないけれど、女性はすぐに変わるのよ~!
お腹には簡単にお肉がつくし、胸だって簡単に減ったり増えたりするし。
ほんとに、大変なんだから~」
若干、赤い顔でそんなことを訴える。
しかし席を立ってビールを取りに行く彼には軽く手を振ってお願いし。
「おかえりなさ~い。
とってきてくれてありがとうねぇ~」
といって、またソーセージをがぶり。
■寄月 秋輝 >
「今まで知り合った女性、ほとんど軍部の人で、皆スレンダーだったので……
女性の体のことを知らないのは問題ですね。
すみません」
申し訳なさげに頭を下げた。
知識不足で気に障ることを言ってしまっては仕方がない。
「……もうちょっと酔い始めてますね。
大丈夫ですか?」
ぐび、とビールを一口。
確かに苦いが、これはこれで口に合う。
そんなお兄さんは完璧に素面です。
■阿曇留以 > 「……それは遠まわしに私が太ってるってことかしら~……」
ちょっと悲しそうな顔と声。
いいもん、やせるもん、みたいな拗ね方をしてビールぐい~。
痩せるのは明日から。
「大丈夫~だいじょうぶ。
まだ飲めるわ~。
ちょっと酔ってきてるだけで~。
寄月くんは…酔わないのよね。酔わないって体質も便利かもしれないわよねぇ~」
まだ、歩く程度は大丈夫だろう。
とはいえ、やはり顔は赤い。
■寄月 秋輝 >
「……本当にすみません、そうじゃないんです……」
珍しく随分焦った様子で、手を伸ばそうとしたり引っ込めたり。
どうすべきか迷っている。
謝るしかない。
「……ええ、まぁ……このくらいならいくら飲んでも……
いいですよ、好きなだけ飲んで。
酔いつぶれても、ちゃんと連れて帰りますから」
ちびちび飲みながら呟く。
保護者がいるなら、好きなだけ飲んでもいいものだ。
■阿曇留以 > 慌てるような様子をみせる寄月に、小さく笑う。
「ふふっ、冗談。冗談よ~。
ごめんなさい、いじわるなこといっちゃって。
気にして……はいるけど、怒ってないから安心して」
くすくす。
実に楽しそうに笑い、テーブルに肘をついて寄月の顔を見ていた。
「あら~、じゃあお言葉に甘えて酔いつぶれちゃおうかしら。
寄月くんは信頼もできるから、安心して潰れられるわね~」
そしてに二杯目のビールをごっきゅごっきゅと飲んでいく。
豪快、というほどの飲み方ではないが先ほどより早くビールは減っていく。
■寄月 秋輝 >
「……すみません……」
どのみち気にしていることをつついてしまったのは申し訳ないことだ。
アルコールが入った相手に翻弄されるのは仕方がないのだろうか。
こうなると本当に素面の自分は本当に損な気がするな、と思ってしまう。
「……せっかくこんな場ですし、ちょっと聞いてみたいんですが……
留以さん、あまり武勇伝とか語りませんよね。
何か以前祓ったもので、苦労したものとか、誇れるものはありますか?」
二杯目を空にしつつ、何の気なしに聞いてみる。
あまり彼女のことを知らない、と思った。
■阿曇留以 > もう、べつにいいのに。
律儀に謝る寄月に笑みで返しつつ、武勇伝、といわれると首を少し傾げる。
「武勇伝……。
そう、ねぇ……武勇とは違うけれど……苦労した話、一番の失敗談ならあるわ。
ちょっと恥ずかしい話だけれど~」
誇れるような武勇はない。
が、自分の中でいつまでも覚えておくべき失敗はあるようだ。
「私が、鬼に負けそうになったときの話。
話すの、凄く恥ずかしいのだけれどねぇ~」
■寄月 秋輝 >
「一番の失敗、ですか」
冷めてきたソーセージをかじり、咀嚼して飲み下す。
話を聞く体勢になり、赤い顔の女性を見つめる。
「負けそうになった時……?
実際は勝った、ということですか?」
ちょっとまだ話が見えない。
■阿曇留以 > 「ええ、ほんとにぎりぎり。
最後の幸運がなければ、もう生きてなかったわぁ~」
小さく笑ってはいるが、その頃の記憶は若干トラウマ。
鬼なんてそれ以降見かけては居ないが、みたら怯えてしまうほどに。
「昔……といっても数年前なのだけれど。
地元に鬼がでちゃってねぇ。
鬼なんて、妖怪の最上級クラスだから本当なら本部あたりに応援要請して助けてもらうのが筋なんだけれど。
あっちから攻めてきたから時間がなくて結局私一人で祓わなきゃいけなくなっちゃって。
準備はなし。援護もなし。使える武器は大太刀と最上級の御札山ほど。
でも、当時の私は今よりもっと弱かったから鬼さんにすぐ負けちゃって……」
あの頃の大太刀はただ切れ味のよい刀でしかなかった。
そして、最上級の御札を山ほど、とはいっても結局持っていける数には限りがある。
そんな中で、援護も何もなく単体で、妖怪の頂点、鬼と戦えという。
緊張と絶望と、それでも勝たなくちゃいけないという使命感しかなかった。
そして実際に対峙した結果、ほぼ秒殺だった。
■寄月 秋輝 >
唇を指先でなぞりながら聞き入る。
確かによくあるシチュエーションだ。
自分も似たような状況で、勝てない相手に挑んだことがある。
まさに最後の戦いのことだが。
「……またとんでもない強さなんですね。
数年前となると……留以さんも十代半ばのころですか」
割と軽く話しているようだが、状況は絶望的だ。
剣士として、その恐ろしい状況はよくわかる。
それ以上に、逃げようとしなかった彼女の勇気が凄まじいものに思える。
■阿曇留以 > 「そうね~、まだ18歳とかその頃かしら。
今やれば2割の確率で勝てると思うわ~」
当時は十割の確率で負けが確定していた。
言ってしまえば人身御供に近かった。
勿論、強要されたわけではなく自分から討って出たのだが。
「私より何倍も大きくて力も強くて環境は妖怪に有利な夜の森。
そんな環境で勝てるわけがなくて。
すぐに負けて、それで……その、装束を破かれちゃって……」
ちょっとだけ小声になって語る。
負けたという恥ずかしい話でもあるが、そちら方面でも恥ずかしい話らしい。
■寄月 秋輝 >
「ふむ」
顔色一つ変えずに話を聞いている。
留以が別の意味で顔を赤くしようとも、こちらは表情一つ変えない。
服を剥かれることくらいのことは十二分にありうる。
かつての同僚も似たようなことは起きたものだ。
食事にも手を付けず、留以の話に耳を傾ける。
■阿曇留以 > 「で、えっと……。
当然鬼も妖怪だから”そういうこと”してくるんだろうなってわかって、鬼のってすごいから……もう死んじゃうんだろうなって思って諦めたときにね。
鬼が急に足を滑らせてこけたの。ずるって、後ろ向きに」
それこそが幸運。
足を滑らせたこと。そして、その状況を作られたことが幸運。
「私を持ったままこけてくれたから、勢いにのって鼻を踏みつけたら痛がって手を離してくれて……。
その隙に刀を拾って、転がってる鬼を刺し殺したって感じで……。
ほんとに、技量もなにもない、幸運だけで勝てたって感じ」
ねっ、失敗談でしょ?と恥ずかしそうに言う。
■寄月 秋輝 >
途中までは顔色を変えずに話を聞いていたが、その話のオチを聞いて、急に表情が変わった。
「……ありえない」
ぽつりと口から漏れた。
「……鬼、つまり妖怪が……バランスを崩した?
そんなことあるわけがない……
自然の権化の一つが、突然こけるなんて……」
秋輝も退魔師の端くれであるがゆえに感じる。
何かがおかしい。
「……幸運だけじゃない、はずです。
なんらかの加護か、足元に落ちた札か……
別の要因が働いていると思います」
それは神がかり的な何かだと感じる。
失敗の一言で済ませていいものではない。
■阿曇留以 > 「ええ、ほんとにそう。
その時は全然不思議に思わなかったのだけれど、ちょっとたって思い返したら不思議だなっておもって」
ありえないのだ。
なにかしらトラップでもあって、ひっかかったならわかる。
しかしそういうわけでもないのに、こけた。
そのことを疑問に思ってくれた寄月に笑みを浮かべ。
「その日も、その前日も、ずっと晴れてて、快晴だったの。
いくら森の中といってもそれだけ晴れてれば地面は乾いてて泥なんてありえない。
なのにね」
一拍おき、言う。
「足元のじめんね、泥だらけだったの。
それも、鬼のところだけ。
正確に言うなら、鬼のところと、刀が落ちてる場所までの地面まで」
うふふ、と笑う。
■寄月 秋輝 >
「……なんで……?」
混乱しきった顔で呟く。
理解が及ばない。
「泥だらけって……
それなりの量の水が無いと、そんな滑るようなことは……」
なのにずっと快晴。
魔術師としても理解が出来ない。
■阿曇留以 > 「確証はないし、希望的観測のほうが強いけれど。
多分、あの子……私の大太刀が助けてくれたんじゃないかなっておもうの。
仮に何かの超常現象が起こって鬼のところだけ泥だらけになったとしても、おそらくこけるなんて起こらないと思うの。
さっきいってくれたように、別の要因がないとこけないはずだから」
妖怪の頂点。自然の顕現。
そんなものがただの泥にこけるわけがない。
残っていたお芋を揚げたもの、ソーセージをがぶっと食べて少し息をついて。
「これは最近になってわかったのだけれど、あの子、頼んだら水流を出せるみたいなの。
もしかしたらそれで……なんて、最近はもう希望的ながらも確信してるわ~」
その頃の留以は、武器は武器としかみてなかった。
相棒ではなく、道具であり、手段。
命を預けるなど言語道断で、あらゆる手段を用いて魑魅を祓う。
それが正しいとおもっていたし、周りも特に言わなかった。
けれども。あの大太刀は、もしかしたらだが、留以を助けてくれた、かもしれない。
■寄月 秋輝 >
「あぁ、そう……か……」
思い出した。
以前、刀の扱いに関して問い詰めた末に、見せてくれた彼女の剣技。
秋輝が編み出した『八雲流抜刀術』を越え、生み出された水流の剣撃。
自分の道着を破壊した出来事は記憶に新しい。
あの力が刀によるものだとするなら、それはつじつまが合う。
「……そうですね。
きっとあの太刀が、あなたを助けたのかもしれません」
かもしれない、と呟くが、きっとそれが事実なのだ。
自分の愛刀も、この身を守ってくれたものだ。
……その守り方が、恐ろしく歪ではあったが。
「……ならそれは、幸運だったのかもしれませんね。
その刀と出会えたそれ自体が」
■阿曇留以 > 「そうね……うん。
出会えたこと、それが一番の幸運ね……」
誰が作ったかもわからない、神社に奉納されている大太刀。
所有者が自分なのでこの学園にもってきても問題は無いが、本当ならあの神社に祀って置くものだ。
「だから、寄月くんにも感謝してるのよ~。
あの時、ちゃんと私のこと怒ってくれたから、こうやって謎も一つ解けて。
ありがとうね、寄月くん」
優しい微笑みで、お礼を言う留以。
その笑みは――若干、眠たげでもあったが。
■寄月 秋輝 >
「……いえ、そんな。
僕は今の留以さんが無事であることが喜ばしいです」
神刀の類なのだろう。
だとすると、彼女の家系をずっと守っていたのだろう。
留以もまた、同じように。
「……本当にアルコールに弱いですね。
大丈夫ですか?」
留以を見つめながら尋ねる。
たった二杯で眠そうになっているとは。
■阿曇留以 > 「ん~……、日本人は民族的にアルコールに弱い民族だから仕方ないとおもうの~。
うちの家系は……親もあんまり飲まないから余計だろうし……。
まだ、大丈夫だけれどね~」
お酒が入って、お腹もいっぱい食べれて。
眠くならない要素はない。
きっとこのまま寮にもどれば朝までぐっすりだろう。
■寄月 秋輝 >
「そう、なんですか?」
日本人がアルコールに弱い、とは初めて聞いた。
勉強不足だろうか。
いや、異邦人の自分と彼女の言う『日本人』では別なのかもしれない。
「……潰れるまで飲んでもいいですよ、って最初に言いましたからね。
今夜は飲み明かしましょうか」
笑いながら、次のビールと食べ物はどうだ、と提案してみる。
■阿曇留以 > 「ふふっ、それじゃあもうちょっと付き合ってもらおうかしらぁ~。
申し訳ないけれど、帰りは宜しくお願いしますね」
ふふりと笑みを浮かべ、青い髪を揺らし、酔いつぶれの宣言をする。
そして次のビールと食べ物をお願いする。
留以が酔いつぶれるまで、あと一時間もあるか、わからない。
ご案内:「学生街・広場【オクトーバーフェスト】」から阿曇留以さんが去りました。
ご案内:「学生街・広場【オクトーバーフェスト】」から寄月 秋輝さんが去りました。