2016/10/02 のログ
ご案内:「落第街」にセシルさんが現れました。
セシル > あちこちで、魔力が、力が奔流を起こしている。

風紀委員主導の、落第街における「妖怪もどき」大規模討伐は、退魔能力を持つ他委員会所属者やその他の者への協力要請も合わせて、大規模に行われていた。

少し遠くで、魔力が広範囲に展開された。白魔術を得意とする他委員会所属者の行動だろう。

(あまり元の住人を刺激しないで欲しいんだがな…)

セシルは、大規模にその手の術式を展開する事は出来ない。
だから、もっぱら住民の誘導や「討ち漏らし」の片付けに専念していた。

セシル > 風紀委員会の通常職務で扱う警棒。
セシルが今手にしているそれは、白く清らかな光を放っていた。
退魔…「聖」属性の魔力を付与してあるその警棒は誘導の目印にも都合が良かったし…

「そこっ!」

住人の背後にくっついていた「妖怪もどき」の一匹に、警棒での刺突を喰らわせる。
警棒が纏った魔力を受けて、それはシュウ、という音を立てて消えた。

「心の隙を探り当てられると憑かれるぞ、気をつけろ!」

誘導しながら、周囲の人々に向けて声を張り上げるセシル。

落第街に迷い込んだ「妖怪もどき」は昏い情念を吸い、その数をおびただしく増やしていた。
…大規模討伐でも計画しなければ、減らす事自体が困難だっただろう、というくらいに。

ご案内:「落第街」にシング・ダングルベールさんが現れました。
シング・ダングルベール > バリバリと耳を引っ掻き回すようなロール音。
高度にして100m程に俺は居た。
話に聞いていたよりも落第街はしっちゃかめっちゃかで、フライパンをひっくり返したってこうはならない。
陸路はズタズタ。避難民だけでも夥しい数だ。

「今回車が出ないってわけ、納得です。
 それでコイツらなんなんです? 魔獣か、呪いの類か……。」

「わからない。なんせ『妖怪"もどき"』らしいからな。それが何なのか、特定はいつだって後付けだったろう。今回も同じだ。
 そこに現れて、島民を襲っている。それが全てだ。今はな。
 ならお前の役割だって自然と決まる。」

風紀主導だからって、公安が出張らないとは限らない。
だけど役割が違う以上、大っぴらに投入しては本来の役割がこなせない。
その代わりに投入されるのが俺ってわけだ。
まるでミサイルやら弾丸やら、その手の殺戮兵器みたいで癪だけど、これが人助けってなら悪くもない。
それも、これだけの大人数……街ごと救うってわけだからね。

俺は依頼主であるレイネスさん(公安委員会の人)に手を振って、滞空するヘリの上から飛び降りた!

「《疾風》(ゲイル)、《焔》(フレイム)、《岩石》(ロック)!
 三唱連鎖、《屑星》(スターダスト)ッ!」

炎で赤く色づく夜空に、魔法陣が浮かび収束する。
中心は言わずとも。一間に交わり一面に広がって、次々と赤熱化した岩石が降り注いでは、妖怪もどきを質量にて粉砕していった。

「常世学年一年生。無所属。シング・ダングルベール!」

ヘリの離脱を横目に見つつ、舗装された地面まであと僅か。
自由落下により生じる風が、ローブの端をばたつかせる。
俺は叩き伏せるように長剣を振るう! 廃ビルの壁に打ち込んで、両足を踏みしめ減速を行った。
地面まであと数m。飛来する妖怪もどき。首元を狙うそれをスウェーで交わし、続くもう一匹には蹴りをくれた。
地面まであと数cm。外壁を蹴って地面を転がって、起き上がりざまに剣撃を見舞う!

「職業、魔法使い! 少しの間、宜しくお願いします!」

セシル > 『ラフフェザー、あっちで奴らが集まりつつあるらしい!
何してくるか分かんないから、念のため前衛のサポートに回ってくれってさ!』

同じ持ち場にいた同僚が、無線を受けてセシルに向けて声を張る。

「了解した!」

セシルもそう声を強く張って返し、駆け出す。
…と、そこに大音声とともに飛び降りてくる人影。そして、その人物が放つ魔術。
妖怪もどきを、質量で圧し潰すような…小規模の『浄化』で対処する自分とはまるで異なる攻撃。

「…助太刀、感謝する!」

喧噪のただ中に現れた大柄の人影に、そう声を張った。
大規模の攻撃が出来る者は多くない。街も無傷では済まないが、既にことは大きくなっている。セシルは、無理矢理思考を割り切った。

シング・ダングルベール > 「手ごたえが浅い……!?」

切り伏せたと思った妖怪もどきは、まるでぬるりと沼魚のように致命傷を躱し、俺の片腕に触腕を巻き付けた。迸る雷光。

「があああ……ッ!!」

咄嗟に切り払うも、片腕には黒く焼け焦げた跡。
そいつは痛みを感じないのか、尚も俺に迫ってくる。

「一体何者なんですか、こいつらは!」

続く猛攻を寸でで避けながら、俺は近くにいたその人に問う。

セシル > 「…ッ、やはり『浄化』でない攻撃は効率が悪いか!」

助っ人にきた者の様子を伺おうとして近づけば…彼が潰したと思しきそれは、まだ消えていなかった。
応援要請があるので、あまり手間はかけられない…
セシルは、急いで彼の元に駆ける。長い足が、もはや足場すら良くない地面を軽やかに、飛ぶように走る。

「付与・聖《エンチャント・ホーリー》!」

そう叫んで、警棒に白い光を強く纏わせると…

「ハッ!」

助っ人と黒い塊の間に割り込んで、袈裟斬りの要領で警棒を黒い塊に叩き付けた。
一瞬にかけ、魔力を集中させる事で威力を増した魔法剣だ。

「…人の負の思念が、中途半端に自我と力を持って動き出したものらしい!
この辺りに巣食ったせいで酷く数が多い上に、退魔以外の手段は効率が悪い!注意しろ!」

黒い塊のその後と、周囲に気をつけながら…背中越しに、助っ人に声をかけた。
いかにも戦士然として強い、中性的な胸声。

ご案内:「落第街」にソニアさんが現れました。
シング・ダングルベール > 「怨嗟が具現化したものが、ここまで大量に沸き立つだなんて……。
 人の業はここまで醜悪と、まるで誰かが誇示しているようだ。」

黒煙を上げる片腕を握り、開き、また握る。
裂けたローブ越しに覗いた肌は、既に血肉の色を取り戻していた。

「悪いんですが退魔なんて器用な術式、俺は行使できません。
 けど成り立ちが人の悪しき心ならば、焔を以って浄化としますッ!」

ソニア > 落第街は騒乱に包まれていた。何時もだと思うが此処はいつ来ても争いが絶えない気がしている。
あちらこちらで風紀やら公安やらの関係者と協力者と?それに先導される避難民と。
完全に落第街に一寸物を探しに来ていて 巻き込まれた感の感じの為、避難民に交じっていたのだが。

黒い塊が避難民に襲い掛かってくるのを 適当に 斥力で弾き飛ばしてバラックやらビルの壁にめり込ませていた。

「…………造作もない。 怨念め 塩かけてみるか。」

半避難民だが、協力者でもない だって 協力を要請されていないので
適当に弾き飛ばすとかしかしていない。

無表情で尚且つ無感情の声でブツブツと呟きながら また 見えなき壁で?弾き飛ばした。 

セシル > 「残念ながら、ここは特にそういう街だからな…
全く、厄介な場所で増えられたものだ!」

そう答えながら警棒に付与した魔力の残滓を再度叩き付け、弱った黒い塊にとどめを刺す。
こちらの剣士には、広範囲展開こそ出来ないものの「浄化」の心得自体はあるらしかった。

「そうか…ならば、人に取り憑いたものだけは他の者に任せろ。
いくら「裏」の住人とはいえ、そうそう死なすわけにはいかんからな。

私は救援に………ッ」

そう助っ人に指示して、救援に向かおうとしたその矢先…セシルの前に立ちはだかる、何人かの「人」。
しかし、その目つきは尋常ではなく、その肌は、通常より黒ずんで見えた。
…身なりからするに、避難民の一部が取り憑かれたらしい。

「言った傍からこれか………すまん、援護はしばらくいけそうにない、持ちこたえてくれ!」

無線にそう吐き捨てると、警棒を手に突剣術の構えをとった。

…しかも、何やら異様な気配が増えている。

(…そろそろ、きついな)

「ヒト」以外との戦闘経験の浅いセシルに、「浄化」の出来ない助っ人。
なかなか、一筋縄ではいきそうにない状況だった。顔の横を、嫌な汗が伝う感触があった。

シング・ダングルベール > 「けどその数じゃ……ッ!」

それ以上の言葉は俺には言えなかった。
この人は覚悟をしている眼だ。浅い考えではなく、納得の上でここにいる。
この場に立っている。誰がそれに異を唱えられるんだ。
俺は力任せに刃を打つしかなかったが、それでも次々と怪異は立ち塞がる。

「発生元を絶てば収まるだなんて、虫の良い話は知りませんか……!」

煌々と燃ゆる家屋の照り返しが、流れる汗をゆらりと照らす。

セシル > 「………大丈夫だ、まだ「切り札」を使うほどではない」

助っ人の方を、ちらりと伺う青い瞳は、懸命ではあったが自棄を起こしている風ではなかった。

「………そもそも「ここ」で発生した奴らではないからな、そんな虫のいい話はないだろう。

…付与・聖《エンチャント・ホーリー》」

セシルがそう唱えると、警棒が白い輝きを取り戻す。
そして、セシルは取り憑かれた人々に向けてあっという間に間合いを詰めてみせた。

「………フッ!」

強い呼気とともに繰り出される、胸部への突き。瞬く間の連撃。
警棒に宿る聖なる気配を嫌って、黒い塊が彼らの身体から抜け出ていく。
連携が上手くいき、その黒い塊「だけ」を素早く吹き飛ばせれば、手間はかなり省けそうではあるが…

ソニア > 「仕方ないな。  黒い塊を片っ端から高難度治癒魔法掛けて弱らせればよいのか。…あとで肉を寄こせ。」

近くで赤い制服の男に声を掛けられて、準協力者に成り行き上なった。
いやだって、先ほどから黒い塊(怨念)を弾き飛ばしたり捩り込んだりと一応 半避難民まがいが行動中。

袖の中から黒い鉄扇を取り出すと 広げもせずに 黒い塊をびしっと指差し

「  おまえからだ 『肉』になれ!  」

魔法陣がいくつか黒い塊を包む感じに囲い、
そしてその瞬間 何故か爆散する形で光り輝いて 煙が消えたと思うと そこにいた筈の 黒い塊 怪異というらしいが 消滅した。

「主は邪魔だ」

扇子を持っていない手をかざすと そちらは 怪異を弾き飛ばすという 孤立してても 妙な助っ人が誕生。

二人の視線には映るかどうか。そんな距離にいる。

シング・ダングルベール > 「《焔》(フレイム)ッ!」

剣先をタクトのように振り回せば、中空へと惑う黒霧は炎の中。
俺と名前も知らないこの人とはまた別の方。包囲の一角が崩れていく。

「……ッ!?」

まるでスイッチのオンとオフ。そこにあるはず、あったはずの怪異は姿がない。

「魔法……それも、ずっと高位の……ッ!」

人が行使する魔法は、もっとずっと、純度が低い。
俺の焔だって、一度人の手から形にする以上、どうしても純然たる力には及ばない。
しかしアレはどうだ。何を行っている? あれは……誰だ。

「あそこの彼女も助っ人で……?」

生じた包囲の隙に一呼吸。
酸素が、馴染む。

セシル > 「助かる!」

黒い塊が炎の中に跡形もなく消え、取り憑かれていた人々はその場に力なく倒れる。
支援要員の風紀委員達が、彼らを助け起こそうと駆け寄っていく。

そして、セシルと大柄な助っ人とは別の方向で、弾けた力。
セシルがそちらをあわてて振り向くと…先ほど感じた異様な気配の主たる赤髪の女性が、一人で涼しげに奮戦していた。

「………さあ………。
………ところで、彼女は?」

助っ人に尋ねられ、状況判断が追いついていないセシルは支援要員に確認をした。
…避難民のようだったが、闘えそうだったので急遽応援を頼んだらしい。

「………どうやら、即席のピンチヒッターらしい。
有難いな」

と、やっと一息つく助っ人に同調するように、少しだけ表情を緩めた。

ソニア > 現在 「肉」を報酬に 寄り付く怪異に片っ端から
高難度治癒…実際は最上級浄化魔法を濃縮して弱らせるどころか消滅させている。

数体ずつで掛けているのは 媒体たる鉄扇では限界だったに過ぎず、あまり周りの構築物―どうやら 落第街の住人のモノらしく
破壊は余りと釘を刺されての行動だった。魔法というらしいが 己からしたら 魔法より 純度の高い 技に過ぎない。

だって 詠唱とか 愚か 詠唱する筈の単語が違う単語にすり替えわってても 威力に代わり映えがない。

「 貴様は サーロインステーキになるがいい!!」

…本当に 肉の種類しか言っていなかった。しかも牛肉。
また 数体 爆散して 塵も残さず消え去った。単体で 攻撃と防御をやりきっている。

ちらりと セシルとシング・ダングルベールの姿を猩々緋の瞳で見た。
がすぐに逸らした、二人の行動も時折見ている、浄化が効くらしい。

「 きさまは ささみになれ 。」

肉の名称を言いながら また 怪異が爆散した。寄り付くものは片っ端から餌食と化している。