2016/10/22 のログ
ご案内:「滝川宅」に滝川 浩一さんが現れました。
ご案内:「滝川宅」にソニアさんが現れました。
ご案内:「滝川宅」に羽切 東華さんが現れました。
滝川 浩一 > 「…ふむ」

異邦人街近くにあるアパートの一室。
その中で一人の少年がカーペットの上に胡坐をかいて座っており、壁に取り付けられた時計を眺めていた。
秒針がカチッカチッと右回りに傾き、一周すれば分針が僅かに傾く。ただ、それをジーッと凝視していた。

「…ちょっと早く準備し過ぎたか?」

腕を組んでため息交じりに息を吐く。
ローテーブルの上を一瞥すれば、置かれた四つの茶碗と小皿。
そしてその中央には赤いフレームのコンロが置かれていた。

今日は引っ越しの正式な挨拶として隣人であり友人の人外殺しくんと半人半刀ちゃんがやってくる予定である。
その為、料理でおもてなしをしようと思ったのだが気合いを入れ過ぎて少し早めに食器の準備を終わらせてしまった。
後は同居人である古龍の彼女がご飯を完成させるのみであるが…

ともかく、今の自分に出来ることは床に座して待つのみであった。

ソニア > アンコウを捌きました。唐突に鍋にしたかったんです。
ガスコンロとかその辺は彼に任せてしまったが 料理自体の段取りは此方が担当をした。
日頃の料理当番は確実に女子力?正妻力をつけつつある嫁たる?赤髪の少女。

小さいキッチンであらかた鍋に材料を投入をし、野菜も入れて蓋をし、
その少し大きめの鍋をコンロの上にずんと置いて これで再度温めれば食べ頃的まで作り済み。

特に喋る必要がないと 喋ろうともしない。標準装備が 寡黙か無言だった。序に表情は乏しいとも

同じように終わらせてしまうと 小皿にお玉とか置くと滝川少年の隣?に座ってしまう。

お出迎えはすべきだろうか?差して玄関は遠くないけど。
目線が滝川少年の方を向く。目で語っている―出迎えすべきか否か。

羽切 東華 > 「…うーん、結局引っ越し祝いの差し入れが地味なモノに落ち着いてしまった気がする…」

お隣宅のドアの前に立ちながら唸る。黒い革手袋を嵌めた右手に提げるのは紙袋。
中身は「と○や」という高級和菓子の店の羊羹5種類の詰め合わせと、高級宇治茶専門店「ふ○や」の玉露の茶葉。
それらを一瞥してうーん、と唸りつつ。ちなみに、何故これらをチョイスしたのかというと。

(滝川君は緑茶とか普通に好きそうだし、ソニアさんも確か和装ぽかったし)

完全に推測であった。ともあれ、本来なら相方である半人半刀の少女が隣に並んでいる予定だったのだが。

「うーん、バイト長引いてるのかな…連絡無いけど」

一度、スマホを取り出して確認するがメール着信も電話の着信も無い。
仕方ない、先にお邪魔するとしよう。そんな訳でインターホンを押してみる。ポチッとな。
後は、そのままちょっとの間だけ待機しておこう。相棒もぼちぼち合流する、と思いたい。

滝川 浩一 > 時計の秒針を見上げ、その動きを目で追っているとキッチンの方が急に静かになる。
料理が終わったのだろうか、そちらを振り向けば大き目の鍋を持ってこちらに歩いてくる和ゴスの少女が居た。
少女がローテーブルに近づき、豪快にコンロの上に置く様子を目で追うとなぜか自分の隣に座った。

「料理ありがとうな。アンコウ鍋とか俺全然わからなかったからさ…
 お前が居て助かったわ

 一緒に出迎えよっか?」

頬を掻き、苦笑いで彼女へそう発言する。
目で何かを語っている。どうやら出迎えすべきかどうかと問いかけているのだろう。
それを察すれば、付け加えるようにそう口にする。

「っと早速来たみたいだ。行こうぜ」

部屋に鳴り響くインターホンの音。それを聞けば彼女の手を引き立ち上がる。
そして玄関の方へと歩を進め、玄関の照明をつけるとドアを開ける。

「おっすおっす。久しぶりだな。まま、上がって上がって」

扉を開ければ、伊達眼鏡の彼が居た。
手に紙袋を持っているが要は『つまらないものですが的なアレ』だろう。
そう考えつつ彼に部屋に上がるように促す。

ご案内:「滝川宅」に影打 鈍さんが現れました。
ソニア > 序に謂えば 足音も静かだった。気配も加えて薄いので意識していないと
かなり薄い。ただ存在自体は派手なので、認識及び気を付けていると見つかりやすい。
彼の隣に腰かけたのは 何となくだった。髪の色の変化はあまり変化ない=落ち着いているの印。

「 はい。分かりましたわ。 」

目で訴えていたが 割と喋って返事をした。
でインターホンが鳴った、手を取られれば一緒に腰を上げるし
そのままついていく。実際の対応は彼が主体で行われている。

いそいそと客たる彼ら(羽切さんと影打さん向け)にスリッパを用意するのはさり気無い気づかいの表しよう。
その際は腰を落として 彼らの足元に揃えておくのだ。

無言で。

羽切 東華 > 暫く待機していれば相棒も無事に合流できた。…と、いうかやっぱりメイド服じゃねぇか!!

「……鈍。それもう完全に普段着になってない?」

この問い掛けするの今回が初めてではないような気がするが、ともあれ苦笑い気味に。
この姿はもう何か完全に慣れてしまったが、相棒が気に入ってるようだし強くは言えない。

ともあれ、そんな会話をしていれば扉がガチャリ、と開いて二人が姿を見せる。

「こんばんわ、あとお引越しご苦労様です。これ、この前のお肉セットのお礼。大した物じゃないけど」

と、二人に軽く笑顔で会釈しつつ、右手に持っていた羊羹と玉露の茶葉の詰め合わせが入った紙袋をどちらかに渡そう。

そして、中に招かれればさり気なくスリッパが二人分揃えられていた。無言で控えているソニアさんが気を利かしてくれたらしい。
軽く「これはどうも」とお礼を述べる。前回の印象があって、まだ彼女との距離感が分からない。

まぁ、それはそれとして相棒と共にお邪魔することになるだろう。

影打 鈍 >  
(アパートの通路から見える道路から、たったか走ってくるメイド姿が見える。
 走っているこちらからも見えた。
 ので。)

――とうっ。

(跳んだ。
 一度ブロック塀へ登り、そこから更に大きくジャンプ。
 そのまま主たる少年の隣へ、着地。
 ぱんつとか見えたと思う。)

すまん、遅れた!
――コレがなかなか着てると楽でな。

(やや汗の浮かんだ顔を彼の方に向け、ぱん、と手を合わせて腰を折る。
 メイド服のことを突っ込まれれば、普段着にしたくなるぐらい楽なのだと言う事を答えよう。
 ともあれ一緒におとなりさんちへお邪魔します。)

滝川 浩一 > 「うん、やっぱりその喋り方の方がいい」

彼女の言葉を聞き、今の口調に満足気な表情をする。
前回の口調も悪くは無かったが如何せん威圧感があるので好きにはなれなかった。
しかし、口調を変えても表情と感情が皆無なのは変わりはしないけれども。

「おぉ、これはこれはどうも。僭越ながらいただきます」

何故だか敬語で笑顔でぺこぺこ頭を下げながら紙袋を受け取る。
その動作はまるで会社の平社員のそれだろう。
こういう所でなぜかよそよそしくなるのは彼の癖だろうか。
ついでにスリッパを用意してくれたソニアさんには『ありがとう』のウインクを送るのだった。

「あれ……い、いつの間に…ってかなんか見えたような…
 いや、とりあえず上がって上がって。お鍋食べましょ。お鍋」

紙袋を一瞥し、羽切少年へ視線を戻すといつの間にか隣に出現している半人半刀のメイドさん。
何処となく汗ばんでいる。走ってやって来たのだろうか…というより、さっき一瞬見てはいけない何かを見たような…
その正体を掴もうと悶々とするも、諦めて考えないようにして「どうぞどうぞ」と部屋にあげる。

そのまま二人をリビングへ誘導し、アンコウ鍋がどどーんと置いてあるローテーブルの前に敷かれている座布団に座らせようとする。

ソニア > 彼と己が認めたモノに対してはまともに喋るつもりだ。
それ以外は標準装備たる無表情と無感情と無口と寡黙を全面的にだしてやろうと。
接客する態度はそれにより微塵にもない事に成るが、態度はアレになるがその振舞方は鮮麗された無駄のない動き方。

ウィンクを受けると無言で頷く位。全くを持って必要最低限喋らない。
唐突に表れた半人半刀のメイドさんの姿には驚く事もなく 黙々と―見えていけないもの?
しゃがんで尚且つスリッパを用意していたので見ていない。顔を上げた際に見たのは 汗をかいた様子位。

リビングへと移動後 隅っこでごそごそとしてから
手に取ったのは真新しい清潔なタオル―を、メイドさんたる影打さんに差しだすのだ。

「汗拭きに どうぞ」

渡せられれば いそいそと鍋のカセットガスコンロの火を点火させよう。

羽切 東華 > (うーん、これを機にソニアさんの人となりを把握して普通に会話できるようにならないと)

友人、というより若干悪友のノリになりつつある滝川少年の相棒だ。出来るなら仲良くしたいもので。
そんな思いを抱きつつ、合流した相棒たるメイド…否、半人半刀娘さん。

(おい、思いっきりパンツ見えたんですけど!?…中々にアダルトなデザインだったな)

ただ一人、バッチリ見てた(見えてた)男の脳内感想がそれである。年相応にスケベだからしょうがないね。
ともあれ、渡す物も無事に渡せたので、お招きに預かって二人して中へと。

「おーお鍋か。それはいいかも。これからの季節は特に……って」

そうして案内されたリビング。どどーん!という効果音が幻聴で聞こえた気がする。
アンコウ鍋…テレビで見た事はあるが、実物はこれが初めてだった。
と、いうか地味に豪華なお鍋ではなかろうか?この前のお肉といい、お隣さんはリッチなのか!?

(うーん、これはウチに二人を招く場合はそれなりに豪華にしないといかんなぁ)

と、内心で唸りつつ座布団の一つに腰を下ろそう。多分阿吽の呼吸で相方はお隣のポジションになると思う。

影打 鈍 >  
(主と言えど人の心は読めない。
 読めないが、考えてる事はなんとなくわかる。
 彼が靴を脱いでいるときに、思い切りケツをつねっておいた。
 尻よちぎれろとばかりに思い切り力をこめて。)

――おお、すまぬな。
人の身体と言うのは不便だな。
お邪魔します。

(そうして差し出されたタオルで顔をごしごし。
 化粧などさっぱりしていないので、思い切り顔を拭ける。
 そうして二人に深々と頭を下げ、彼に続いてリビングへ。
 タオルはどうしたものか迷った末、持ったままだった。)

鍋は初体験だ。
――どうした東華。

(アンコウがそれなりにお値段の張る食材と言う事は知っている。
 知っているが、見ただけでそれとわかるほど、未だ食に対し詳しくない。
 首を捻りながら、当然のように彼の隣へ。
 流石にひとんちで膝の上には座らない。)

滝川 浩一 > 隣人組を座布団に座らせれば、こちらはキッチンへ行き冷蔵庫から麦茶の入ったピッチャーを取り出す。
それを持って来て、同居人であるソニアの動きをよく観察する。

「相変わらずいい動きするなぁ~」

そそくさとあちらのメイドさんに清潔なタオルを渡し、コンロを点火させる彼女を見てそう呟く。
先ほどのスリッパもそうだが周りの気遣いとそれに伴う動きが洗練され過ぎている。
一体こういう気遣いは何処で勉強したのだろうか。正妻力が高すぎる。

「うんうん、ソニアの提案でな。
 カニ鍋?かアンコウ鍋かってなって、アンコウ鍋にしてもらったんだ」

彼が内心驚いていることなど露知らず、ピッチャーを持ってない方の手で人差し指を立てる。
アンコウをどこでどうやって手に入れたか、どう捌いたかなどは彼女に一任したが
改めて考えればどうやって準備をしたのだろうと考え込む。
なお、この少年はアンコウ鍋が豪華高級料理であるという事は知らないそうです。

「……メイド服で来たのか?あれ…汚れないの?」

ローテーブルに置かれたコップに、持ってきたピッチャーに入ってる麦茶を注ぎ込む。
自分の分、相方の分、羽切少年の分、そして最後にメイドさんに注いでいるときにそう問いかける。
心配と呆れが半々のその微妙な表情。というか普段着がメイド服…いや、自分の相方も似たり寄ったりなので強く言えませんけども

ピッチャーで麦茶を注ぎ終えればそれを傍らに置いて、彼らとは反対側の座布団に座す。
箸を持って、いただきますの準備完了と言ったところだ。

ソニア > …タオルを回収すべく 鍋の点火をして即動いたのは タオルを持ったままの影打さんの元。
タオルを回収後はそのまま洗濯機へと直行。そのまま摺足で動くと足捌きとしては和服を着ているような動き方。

気遣いと御持て成し精神がただ単に高いだけだ。裏方として正妻力は日々向上の手を緩めていない。
もうすぐ温まるので いそいそと席を立つと戻ってきたときには野菜とかしらたきとか豆腐とか
後で入れるといい具材を揃えた大皿共に。それは邪魔にならないローテブルの上に鎮座。

「…お味の保証 主の保証済み」

アンコウは一寸した伝手です。手に入れ方法は秘匿だった。
裏とかではない ただちょっと手段は選ばなかったけど。アンコウに限らず季節と味と旬にうるさい存在としては、
アンコウ鍋は外せなかったし、彼らに渡した肉も金に糸目をつけなかった だって 美味しいのは食べたい 以上。

「…」

メイド服に関してはもう何も言わない。やっているのは鍋の用意。
温まってきたので火の調節をするようにスイッチのつまみを動かしている。
お玉と長い箸―鍋の中たる具材を取る為に用意したものを置くと。

「食べ頃。 どうぞ」

羽切 東華 > しかし、先ほどからソニア嬢は無駄に洗練された手際の良さを発揮している。
あと、自然と彼女の足捌きを眺めていたのだが実家の祖母と似た歩き方だ。

(あー和服だからそういう歩き方がベストなのかも…)

等と変に感心しつつ、改めてアンコウ鍋を見る。と、いうかカニ鍋になってたとしてもリッチに変わりは無い。

「ハァ…ソニアさんどっからアンコウなんて魚を…常世島の周囲に居るのかな?」

と、滝川少年の言葉に感心しつつも不思議そうに。ともあれ、相棒もお隣に着席して準備完了。
流石に何時も家でやってるように膝の上に乗っける事はしない。そこはお互い自重である。

「あークリーニング代はそれなりに掛かるよ。ほら、普通に洗濯できないしどう見ても」

麦茶を注いでくれる滝川少年に「ありがと」と、お礼を言いつつも、彼女に質問している彼に横からそんな一言。
むしろ、このデザインだと専門のクリーニング店じゃないと破損や色落ちさせてしまう。

「と、いうかソニアさん。アンコウとかこの前頂いたお肉とかお金は大丈夫なんですか?」

と、そこも気になった所ではあるので、給仕作業を完璧にこなして着席する彼女に尋ねてみつつ。
相方からの質問には苦笑気味に何でもない、と答えよう。ちなみに銀髪モードは基本二人きりの時ぽい。

(と、いうか滝川君も鈍もアンコウ鍋がそれなりにお高い事に気付いてないよなこれ…)

でもまぁ、美味ければいいじゃない!とは思うし、お値段を考えたらキリが無い。
問題はいずれ自分達が招く側になった際に何を用意するのかだけども。

「あ、ハイ。じゃ頂きます!」

食べ頃、とソニア嬢が口にしたので軽く手を合わせてから箸を取り。

影打 鈍 >  
おお、すまぬな。

(タオルを彼女に手渡して、床に手を着いてお辞儀。
 なんというか、ソニアの動きは気の利く奥さんと言った感じの手際のよさを感じる。
 誰の、などと言うまでもあるまい。
 勉強になる、と彼女の一挙手一投足をつぶさに観察。)

――アンコウって高いんでないか。

(目をまるっとして鍋を見る。
 そうか、コレがアンコウか。
 ぶっちゃけ普通の白身魚と見分けは付かないが。)

つっても服なんて汚して何ぼだからな。
流石に醤油やソースなんか使うときは気を付けるが。

(普段着と言うよりは外出着、よそいきと言った使い方が主だ。
 あとバイトの制服。
 クリーニング代は流石に自身の稼ぎから出している。
 滝川少年が麦茶を注いでいる間、自身は鍋の灰汁をせっせと取っている。
 正妻力ならば負けてはいない。)

いただきます。
――ほれ東華。
そっちの二人も。

(食べごろと言われれば、彼の分を取り分ける。
 続いて、目の前の彼らに皿をよこせと言わんばかりに手を伸ばす。)

滝川 浩一 > 「では、いただきます」

合掌し、俯いて目を瞑ればそう呟く。
そして箸を手に持ち、まず最初に用意した白米に手を付ける。

「ほら、もう忙しなく動くのはそれくらいでいいだろ。一緒に食べようぜ。な?」

せっせとあちらこちらへ縦横無尽に動く相方。
火加減を調節し、お玉と長い箸を用意した彼女にそう声をかけ、隣に座らせようとする。
客人が来たから少し慌てているのだろうか。表情には相変わらず出さないがその内心はどうなのだろうかと彼女の髪色に注視する。

「いやいや、どういたしまして。
 クリーニング代か。そりゃ毎日毎度メイド服を着てりゃ掛かるわな…ん?クリーニング?」

顎に手を添え、やはりかと言った様子でメイド服を一瞥する。
どう見ても家で洗濯できないそれを見て納得した様子で頷けば、少し疑問が残る。
そういえば、自分の同居人は着物や和ゴスの洗濯はどうしているのかと。

「まぁ、それは尤もではあるが…あぁ、カレーうどんも気を付けた方が良い。
 …あれ、アンコウって高いの?」

彼女の発言に苦笑いしつつ、カレーうどんにも注意をしろと。
あれはいつの間にか服が汚れている魔の食べ物だ。全く、誰が考え付いたのやら…
そんなことを考えつつ、彼女に言われれば羽切少年とメイドさんの分の小皿を渡す。

そしてアンコウが高級食材という事は知らなかった様子の少年。
影打の発言を聞いて、ソニアへそう首を傾げて聞いてみる。

ソニア > 床に手をついてのお辞儀をする影打さんの礼に対して此方も座ったまま礼は返した位。
観察されているとは気づいて…いても何も言わない。

「此度のアンコウ鍋は 醤油をベースにした味わい。全て食べつくした後で卵とごはんと出汁を使った雑炊も予定。」

「…諾」

食べろと主に謂われたので 給仕行動が止まった。
髪の色?特段 変化は少ない。一瞬大きく揺らいだが 落ち着いたくらい。

カニ鍋は主の諸事情により変更を余儀なくされた。
変更がなければ季節的に微妙かも知れないがズワイガニによるカニ鍋を用意しようとしていた。
値段的に高いカニを用意する寸前だったとも。然し本日用意したのはアンコウ。リッチなのは主たる浩一少年ではなくその僕。

「入手先は秘匿」「金の問題はなし」

秘密主義を貫く気か、質問に対してはほぼまともな回答をしていない。
給仕作業は続行。しらたきとか豆腐とかキノコとか鍋に投入して最後に春菊を入れていくのだ。
入れる手順としては間違ってもいない。

「アンコウの値段。本土の北に行くにつれて 一匹27,000円程。高くてそれ位。此度のは5,000円。」

あっさりと主からアンコウは高いかと言われると 値段その物を告げたという。
これは高い方だった。さて いただきます、と手を合わせて食べたいところ。

羽切 東華 > (と、いうか山奥の田舎暮らしだったから、魚介類とそもそもあんまり縁が無いんだよなぁ、俺…)

川魚とかはめっちゃ食べていたけれど。ともあれ、正妻力?が高いソニア嬢の給仕で準備は万事滞りなく。
そんな訳で食べようとしたら、相棒がこちらの皿を取って盛り付けてくれていた。

「お、ありがと鈍。…うーん、けどこうしてみるとただの白身魚なんだよなぁ」

と、盛り付けられた中身を眺めてボソリ。初めて食べるので味も未知数だ。
まぁ、美味い事に変わりはないだろう。と、いうか予定通りカニ鍋だったら、全員無言で食べる光景になりそうだ。
ともあれ、アンコウだけでなく豆腐や野菜も一緒に満遍なく食べていこう。当然白米も!
ご飯は基本的にお米派なので地味に嬉しい。そんな訳で食べ始めるのだ!

「……!おーおぉぉ…!アンコウってこんな味なのか!あ、でも醤油ベースだからお醤油の味も利いてるなぁ」

そして締めには雑炊もスタンバイしているらしい。これは楽しみだ!!
…まぁ、入手先が秘匿だったりお金の心配が無かったりと謎が増えたが。

(…あれ?これってもしかして滝川君よりソニアさんの方が稼いでるって事なのか?)

フと食べながら思う。こちらはお互いバイトして生活費などに宛てているが。
ちなみに、クリーニング代は最初こちらが出そうとしたが断られた。
なので、彼女の意思を尊重して基本的にクリーニング代は相棒持ちである。

影打 鈍 >  
(自身と相方の分を皿によそって席に戻る。
 正面二人の分はソニア嬢がよそうらしい。
 パン、と手を合わせて、いただきます。
 むしゃり。)

――、……。

(黙る。
 一口、もう一口と無言でひたすら食べ進める。
 すぐに皿の中を空にして、もう一度鍋からよそって。)

ハムッ ハフハフ、ハフッ!!

(夢中で白飯とアンコウ鍋を喰らう。
 アンコウの値段は知っていたのでそこまで驚きはしない。
 ゴッゴッゴと麦茶で口の中を一旦冷やし、またかっ込む。
 正妻力どこいった。)

滝川 浩一 > 白米を咀嚼し、飲み込めば次はお玉を手に取ろう…とした所で相方の和ゴス古龍さんにお玉を取られ、
自分の小皿へと具材をよそわれる。何処となく白身が多い気がする。

「ん、センキュー
 …えっ、そんな値段するのか…わざわざ買ってきてくれるなんてありがとな。
 褒美としてあーんとなでなでをしてやろう。はい、あー…」

自分の問いかけに対し、さも当然と言った具合に値段を伝えられ、唖然とする。
その後、首を横に振り小皿に移された白身を箸で取り、彼女の口へと運んでいく。
天然なのかワザとなのか。隣人二名の前でも平然とこれをやるのが彼のスタイルらしい。
恐らく前者。

「ふっふーん。どうだ?美味いだろう?
 …どこで仕入れたのかわからないが料理のスキルだけ上がって行ってな。
 本人は『嫁だから当然』とかどうの抜かしてるんだけど…」

ソニアの口に白身を近づけつつそう羽切少年に返す。
なぜか料理に全く関与してない彼がドヤ顔で自分のごとく自慢する。
そして何故、彼女の料理スキルが高いのか。その理由を一部だけ暴露する。

「…と、いう訳でメイド長影打さん。
 アンコウ鍋をムチャムチャハフハフ頬張るのはいいけど、料理関連ならソニア嬢に聞いてくださいませ。
 ソニア嬢もスマートフォンを手に入れたからな。後で連絡先交換してやってくれないか?」

必死に白身を食らい、熱された口の中を麦茶で冷やす彼女にそう伝える。
以前、病院で交わした料理を教えるという約束なのだが自分よりソニアの方が適役だと考えての申し出だ。
ピッチャーを取り、彼女のコップに麦茶を追加しつつ、頼み込んでみる。

ソニア > 因みに 卵もただものを用意していない。烏骨鶏の卵をさりげなく用意しておいた。
雑炊に烏骨鶏の卵を使用する 何とも豪華な雑炊になりそうだ。米は…味に定評のある米を用意した位。
つまり米だけは市民値段の良品たる代物だった。

彼に渡した具材は 白身6割残り野菜と豆腐と。自分のは…小食というのもあって普通の量しかよそっていなかった。

「うむ。  …う?  う はふ。」

あーんをこの場でするのか。まぁ 食べてやろう。
差し出された白身たるアンコウの身を咀嚼する。味付け自分、まぁ美味だ。
なでなでもされれば 髪の毛の色が色鮮やかに揺らぐ位だがすぐに落ち着く。

「もともと 高いんだが。一応 料理レベルは高いぞ。
 フグの調理師免許も持っているし……。」

もそもそと食べている。徐々にだが口数は多くなってきた。
料理スキルは元々高い、その腕前を披露する機会に恵まれていなかっただけであって。
あとで付け足し嫁だから当然説が足されたという。

す、と席を立ったのは 卵と雑炊用の器を取りに…すぐに戻って座り直したけど。

ご案内:「滝川宅」に羽切 東華さんが現れました。
羽切 東華 > (何で目の前でイチャつきしてるんですかね、このバカップル的な…)

と、ジト目になりながら滝川少年とソニア嬢を交互に眺めていた。で、何となく隣を見たら――…
うん、ひたすらにアンコウ鍋を食いまくる相棒の姿があった。
うーん、凄い落差があるが、自分達は自分達らしく行けばいいかと思いつつ白米を掻き込む。

「と、いうかフグの調理師免許って難易度高かった気が…凄いなぁ」

ただ、単純な刃物捌きならウチの相棒も負けてはいない。と、いうか刃物捌きが突出してるからバイト先の肉屋でも重宝されてると聞く。
看板娘ならぬ看板メイド(肉屋)になっているようだが真相は知らない。

ちなみに、少年の料理の腕前は和食だけならプロ級である。
洋食は多分相棒の方が上だ。
アンコウだけでなく、野菜もバランスよく食べたいので2杯目からは自分でよそっていく。
今度は相棒の分はKといらでよそって行こうか。

「ほら、鈍。半分人になってるんだから、あまり急いで食べると喉に詰まらせるよ?」

と、保護者気分で笑いつつそんな事を言っていた。そんなこんなで鍋の中身も減ってくる。
ソニア嬢が席を立ったので、そろそろ締めの雑炊タイムだろうか?

影打 鈍 >  
――これはあれか、爆発しろと言うヤツか。

(口に米粒をつけたままジト目で。
 ふと視線を感じて横を見れば、なにやら残念そうな顔の相棒。
 しばらく考えて、)

――よし、あーん。

(鍋から取り出したばかりのアッツアツのアンコウの身を突きつける。
 勢い余って彼の頬に向かうが、問題ないだろう。
 東華だし。)

ん、なんだこの世界ではフグ捌くのに免許要るのか。
そんな難しいモンでもないぞ、フグ捌くぐらい。

(事実、そこまで難しいものではない。
 免許は正確には営業するときに必要で、捌くだけなら必要ないのだが、免許の存在すら知らなかった自身が知るわけも無く。)

ふむ、ならば今度教えてくれ。
東華の胃袋掴もうと思ったら、私がガッチリ捕まってて困っとるんだ。

(口に米粒付けたまま頼み込む。
 最近肉料理ならばそれなりにこなせるようになってきたが、飯のレベルはやはり彼の方が高く。
 女性として若干あせりだしたところ。)

滝川 浩一 > 彼女にあーんとなでなでを完了させれば満足そうに白米をもぐもぐ。
麦茶を飲んで一息つく。こうやって複数で食卓を囲むのは久しぶりで何故だか懐かしい感じがする。

あーんとなでなでをしたあと、少し色鮮やかになった髪色を見逃さず、揶揄おうとしたときだった。

(ゑっ フグの調理師免許って何…!?)

驚いた様子で彼女の発言を聞き、箸の手が止まる。
田舎にずっと住んでいたためか、料理は山菜と魚と米のワンパターンだったため食材にはめっぽう疎い。
最近やっと料理をはじめ、他人に教授できるまでになったがまだ知識は浅い。
食材の調理に一々免許がいるなんて知る由もなかったのである。

「あ…う、うむ。すまない」

ふと視線を前にやればジト目でこちらを見る少年と鍋にがっつくメイド服の女性が居た。
少年の視線の意味は即座に察することが出来た。この状況だ。先ほどソニアにした行動はナンセンスだったかと反省するとともに
少年とメイドへ謝罪をする。因みにこの中で料理スキルが一番下なのは滝川少年この人かもしれない。
(い、いや、俺は別のところで得点稼いでますし~)と内心言い訳するのであった。

「はは、対抗って奴か。そうしてくれた方が助かる…何だかあれ、すんごい熱そうだけど…
 という訳で俺からも頼む。流石に料理スキルが最下位の俺が教えることには色々と限度があるからな」

あーんを開始した隣人組を見て、苦笑いをしてその光景を見る。
彼の頬に当たるであろう白身がすんごい熱そう。ヤバそう。
それを苦笑いで見送ると隣の相方の方を向き、自分からも頼み込んでみる。
さらっと料理スキル最下位であることをカミングアウトするも、こっちは温泉作ったんだ。別スキルで補えばよい。