2016/12/08 のログ
ご案内:「大型商業施設」に五代 基一郎さんが現れました。
ご案内:「大型商業施設」に綾瀬音音さんが現れました。
五代 基一郎 > 学生、教員居住区の沿岸部……常世港の近くにあるショッピングモール。
外部から一時的に来た人間が利用したり、学生街のほうの商業施設ではなく
また纏まった場所で買い物がしたいという者向けなのか。
海を展望できる大型商業施設に足を運んでいた。

元々現在これといって何かしているわけでもなく。
ほぼこの島でやることなどもうなく。卒業までほぼ休みのようなものであるからして
日々の買い物から少し、足を延ばしての買い物というように出てきた。

モール内といえば今週で終わる常世祭の音は遠く。
もう早い、そこまで迫っているかのように知らせるクリスマスの音色が流れていた。
食料品の買い出しなどそこそこに、休憩をとしてモール内部にある飲食店
パンケーキ屋を見つけ薦めて誘い入ったもので。

「平日だとやっぱり人が少ないから、こういう所に入るのは楽だね」

来ている人間は、それこそ学生のほうが珍しいくらいだ。
学生は今頃学生街のほうで期末のやら何やらに追われているのだろうし。
そこらはメインの人間は今の時期大変だろう。
かといって今店員が水の入ったグラスを置いた……向かいに座っている彼女も
その学生なのであるが、現在特有の目立つその姿も相まって
実情とは裏腹にここにいるのは平日買い物に来た男女の夫婦としか見えない。

「今年はまた一段と冷えるから防寒具も見ていこうか」

何にする、とメニューを先に薦めながら他愛もない話を始めたが。

綾瀬音音 > (海が見えるショッピングモ―ルは、閑散としたと言うほどではないが、人気は少ない。
ラストスパートを迎えた祭りは賑やかなものだろうが、それも今は遠く、
クリスマスの装飾のされた店内は、もうすぐ今年も終わることを知らせていた。
一年なんてあっという間ですね、と笑ったのはつい先程のことだ。

パンケーキ屋の日当たりの良い席に座りつつ、
薦めてもらったメニューを熱心に眺める。
自身も今年度卒業に向けてと言う目標もあったが、思ったよりは楽に単位は取れそうであったし、
元々勉学は苦手な方ではない。
期末も近いがぬかりはなかった。
尤も、祭り期間とは言えこの姿で男性と一緒となると、学生にはあまり見えないだろう。
随分若い夫婦だな、とは思われそうではあるが)

まだお祭り期間ですしね。
空いてる分には静かでいいですよね、ゆっくり出来ます。
(お冷で口を潤して。
外は冷えた空気が舞っていたが、暖房の効いた店内は温かい)

そうですね……身体を冷やしても何ですし。
ニットコート欲しいんですけれど、アレって防寒性は今一で――。
(等と話しながら、バナナパンケーキとホットミルクを頼んで。
今度はメニューをそちらへと向けた。
それから、何かそれとは別の話が有るような気がして、首を傾げて)

五代 基一郎 > 「祭りの期間は長い方だし、最初と最後のほうが騒がしくなるものなのかな」

四年ともなろうというのに、案外身に付いてこなかった情報の類なんだなと
思うものの改めてどうというものでもなく。
祭りがどうというより、今年度で向かいの人間と卒業することに関わる事柄の方が多い自分にとっては
それらよりすぐそこに迫っているクリスマスやら、新年やら何やらの方が
実感の伴う”慌ただしさ”を纏っているものであるからして……
この異能の園の傍にいた人間でありながら、それらをどこか遠くに感じるようになっていた。

着られる毛布ってあったけど、あれとかどうなんだろう。
ゆったりできていいんじゃないだろうかとか、などと話しながら。

「ずっと色々考えてたけど、そうだな……なんていうのかな。
 今まで考えてきたことは……身に余る、ってものじゃないけど。
 大きすぎたんじゃないのかなってさ。
 確かに異能とか、世界のこととか考えなくてはいけないのだろうけども……
 1人の人間であるある限り遠い未来のことに思いを馳せるのもいいかもしれないが
 まず出来ること、するべきことを考えていくべきなんじゃないのかなって」

中々に浮いているような言葉が出てくる。
所在ないというより、元々それについて言及するそのもの自体が浮ついたものであるからかのように。
言ってしまえば、今までのものはそれでしかなかったものであるのだろうかと。
逆に自分を灌ぐように言葉を出していく。

「この先のことで、やるべきことは指し示すべき先を大きく広げるよりも
 身近なこと……音音やその子のために今の世界の社会で最大限努力することが重要なんじゃないかってさ。
 いや、こう……政治的な運動とかではなくてさ。働いたりとか、地域ので一家庭としてどうとか……
 そういうさ」

なんだろうな、とか。
これが”学生を卒業すること”なんだろうかな、とかつぶやきながら。
ベリーミックスケーキを頼んで。
言葉を探すように口を開いたり閉じたりしながら。

「暮れと新年のあいさつとかもさ。まぁなんていうか、らしくやるよ。
 いや嫌悪しているから我慢とかじゃなくて……なんだろうな。
 家の中までというのじゃないけど。卒業したら社会一般でいう大人をやってみせるよ。
 たぶん、それが今本当に必要なものなのかなと感じてる。」

社会と迎合する努力なのか、社会を変えるあきらめなのかは
言葉の表裏なのかそもそも同じものなのかも判断しかねるようであるからしてのものか。
そもそも世界にどうとか、異能者でないものとのどうとかいうものが
もしかして夢物語なのか……熱病により出たものなのかもしれないと
幻想なのか、幻影のようなものを見てきた時から覚めたように話す……

「今は、世界より二人を……色々な意味で守ることのほうが、大事かな」

これからは、か。と
最後に綴じて……どうだろう、と伺った。
そもそも問いかけていた側の人間であるのに、問いかけ続けていた人間ではあったが
その問いから絞るように編むように生まれたのは
どこの世界でも……というより至極”普通”のものであったからか
輝く一等星のように特別なものではないそれは、どうなんだろうかと
音音の言葉を待った。

綾瀬音音 > 最初の方は皆わー!! ってなってますし、終わりの方はやり残したことが有る!
って感じで慌ただしくなっちゃうんじゃないですかね。
どうせなら楽しまないと損ですしね。
(今年こそ身体のこともあっておとなしめではあったが、例年はめいいっぱい楽しむ、そんな気持ちばかりが早っていたように思う。
今年で最後かぁ、と街の喧騒の方を眺めるように外へと視線を飛ばしてから。

あれは暖かそうですし、でもダメ人間になりそうですよ、と笑い。

それから――向かいに座る彼を見る。
冬であっても日差しは暖かい。
窓から光が差し込む明るい世界で、眩しそうに彼を見て、話を聞いた)

――そうですね。
いやまあ、今まで考えてきたことを投げ出すわけじゃないですけれど、
どんなに思っても願っても、私たちに出来ることなんて、たかが知れています。

(頷いて。
今まで考えてきたこと、話したこと。
それらは無駄ではないと思うし、願いが世界を変えていくであろうことを、否定する気はない。
だけど、世界を変えるような大きな力を持っているかと思えばきっと否だ。
それを行うには自分の手のひらはあまりに小さい)

ん……解りますよ、言ってること。
なんて言うか、それこそ“普通の家庭”みたいな。
当たり前のことを当たり前だって思えるような、そんな感じ。
両親に愛されて、当たり前のように毎日暖かいご飯があって、学校に行って、友だちと遊んで、
帰ってきたら「おかえりなさい」と「ただいま」を言えるみたいな。
そんな手の届く範囲だけのちっぽけだけど、幸せな“家庭”。
(それを維持するためには働いたり、人付き合いや、地域の役割などをこなすことが必要で。
だけど、それは一番必要で、大切なものだ。
自分が焦がれてやまなかったもの。

勿論、一歩踏み出せば世界は混沌なのかもしれない。
目を背けてるだけなのかもしれない。
だけど、自分はそれに関わること無く16までは生きてきた。
そして、多くの人がそうして生きてきているのも事実だ。
この世界で。
この、決して優しくないけれど、誰かに守れている世界で)

無理しなくてもいいですよ。そりゃあ喧嘩されたら困りますけれどね。
それに、今なら何を言われたってされたって、言い返すことも抵抗することも出来ます。
いや、変な意味じゃなくて……こう、もっと“聞き分けのいい子供”じゃなくて、
ちゃんとした一人の人間として、と言うか。
大人なのはいいですけれど、家の中で位は甘えてくれないと困ります、寂しいじゃないですか。
そっか……考えたらここを卒業したら社会人なんですよね、先輩。
私は暫くは主婦みたいな気がしますけれど。

(どちらでも構わないとは思う。
世界は変わっていく。
大変容で変わったように、そんなものがこれから先無くても、
きっと変わっていく。
それが幸せな世界であればいいとは思うけれど、
――手が届く範囲だけでも、幸せな世界を用意してあげられればいいと思う。

自分達が見てきたものは幻想ではない。
感じてきたものは偽りではない。
だけど。
だから)

――それってプロポーズですか?
(いやまあ、そんなものはとっくに済ませている気がするけれど。

守ってあげたいと思う。
世界がどんなに優しくなくったって。
それでも、この世界が素晴らしいと思えるように。
膨らみが目立ち始めた腹部に触れる。
この子だけではない、目の前の彼も守れたらいいと思う。
嬉しい日に顔を寄せて笑いあったり、
辛い夜に寄り添ったり。
それだってちっぽけだけど、
守ることだと思うのだ。

キラキラ光るような特別なものなんて、きっと最初っから必要なかったのだ。
極々普通の、なんでもないような。
愛する大切な人と永遠につづく日常が、それが多分――心から望んでいたものだ。

だからそれを模索した。
結局は、きっと。
そういうことなのだ)