2017/03/17 のログ
真乃 真 > 「そんな!?普通だろう!?」

くっ!普通ってなんだ!!
確かにいくらか普通ではないけど服の着方ぐらいは普通であると思っていたのに!!

「そりゃあそうさ!人を見てないと人助けなんてできないよ!」

そう、些細な事で困っている相手でも(困ってない相手でも)見つけて助けているのだ!
ちゃんと見えていないと困る!
そんな事を言いながら…大事なところを見落としたりするのだけれど。

「…でも、いや、それなら良い!それならいいんだ!!もっとガンガン相談してくれていいからね!!
 昼のメニュー何にしましょうか?レベルでもOKだ!!」

何か言いかけたのを飲み込んで高らかに言う!
昼のメニューまで聞いてというのは流石に冗談だろう。うん、真面目に答えるが。

「…おっと、前菜のサラダが来たみたいだね!!」

ウエイターがドリンクとサラダを持ってくる。

龍宮 銀 >  
普通の人は先輩ほど飛んだり跳ねたり転がったりしませんから。

(せいぜい走る程度だろう。
 服の着方ではなく、行動の方が普通じゃない先輩なのだから。)

それに結構マメですよね。
ホワイトデーのプレゼントくれましたし、こうして食事にも誘ってくれましたし。

(若干雑把さは残るが、それでも年頃の男子学生としてはマメな方だと思う。
 いつかはお見舞いに来てくれたし。)

お昼のメニューを聞いても先輩の好きなものしか返ってこなさそう。
あ、でもそれなら先輩の好きなものがわかるのか。

(可笑しそうに笑う。
 そして先輩の好物を知る方法を思いついてしまい、今度聞いてみようと考えた。)

じゃあ、食べましょう。
いただきます。

(サラダを前に手を合わせて。)

真乃 真 > 「…それもそうか。でも、これ着てるときはなるべく慎重に転がってるから!」

確かに着方は普通、いや、着る時も異能を活用して着てるな!
普通の残滓すらも残っていなかった。

「ホワイトデーはね…返さないとそれはそれで凄く面倒だって妹に教わったからね…。」

一ヶ月くらい口をきいてくれなくなったりする。
理由すらも教えてくれずに!

「むむ、確かに僕が好きな物ばかりになるな。
 まあでも、知られて困るものでもないしな!」

きっと、ワンパターンになると思う。
今日来たこの店だって完全に行動範囲の外だし。

「いただきます。」

うん、いける!
野菜も新鮮であるし、ドレッシングの酸味と甘みのバランスも申し分ない。
シャクシャクいける!買って帰りたいぐらいだ!

龍宮 銀 >  
転がる時は脱ぐって選択肢はないんですか……?

(若干呆れた表情を見せる。
 先輩の異能ならそれこそ着脱は一瞬だろうに。)

先輩、妹さんいたんですか。

(初耳だった。
 この先輩の妹ならきっと一人でも姦しい――いや、反面教師として静かと言う事もありうる。)

困るどころか、お弁当作りますよ。
先輩が好きなおかず入れて。

(好きなものばかりにすると栄養が偏りそうなので、そう言うわけにも行かないけれど。
 楽しそうに笑いながら。)

ドレッシングおいしいですね。
――持ち帰りも出来るみたいです。

(レジのところにボトルが並んでいる。
 そこそこの値段はするが、その分量も多そうなのでコスパ的には普通だろう。
 自家製らしいドレッシングが美味しくて、あっという間に平らげてしまった。)

真乃 真 > 「…!!ば、場合によりけりだ!」

その手があったかとか思ってはいない。

「ああ、本土の中学校に通ってるよ!
 見る?写真見るかい!?」

答えを聞く前にスマホを操作して画面を見せる。
家族で撮った写真。父、母、自分、妹、入学前の物だから三年近く前だろう。
…おそらくこの黒い髪の少女が妹だろう。小学生ながら凛々しい感じの顔立ちである。
そして、この無駄にカッコいいポーズの少年はタオルを巻いていないが確実に…。

「本当かい!!うわ!それはガンガン昼ごはん聞いて貰わないとな!
 いや、直接言った方が早いか…。」

風情が無い気もするがその方が確実だろう。

「おお!いいな買って帰ろう!」

買って帰ったら異邦人街で買った変な色のドレッシングは早めに消費してしまわなければ。
目をつぶって食べたら普通なのだあれも!

龍宮 銀 >  
――せんぱい。

(気付いていなかったのか。
 何も言うまい。)

良いんですか?
――うわ、先輩が若い。

(妹さんよりもまずそこに目が行った。
 改めて写真を見れば、なるほど先輩と似ている。
 先輩もこうやって凛々しい顔をしていればモテるだろうにと思うも顔には出さない。
 出していないつもりだ。)

ああじゃあもう今教えてください。
今度作って持っていきます。

(わざわざその都度聞くより今聞いた方が早い。
 鞄からメモ帳を取り出して書き取る用意。)

真乃 真 > 「うん、この頃は若かった。今の三倍は空回ってたね!!」

写真を見ながらそう言う。
今の三倍、そう空回り過ぎて真空が起きるレベルである。

「僕に似て美形だし!僕と同じで運動もそれなりに出来るし!
 そして、なんと僕より頭が良いんだ!
 …まあ異能があるってところで僕の方が圧倒的に凄いんだけどね!!」

自分を褒めたいのか妹を褒めたいのか。
恐らくどっちも褒めたいのだろう。そのうえで自分が上であると言いたいのだ!
なんか小さい!!

「そうだな。じゃあハンバーグ、ハンバーグがいいな!
 あと、好きな食べ物か…この僕が働いてた屋台のチャーハンがおいしかったなぁ。」

ふと、思い出して言う。毎日でも食べられる味だった!
次にあの味が食べられるのは来年かなぁ。

龍宮 銀 >  
うわー。
今よりちょっと可愛さありますね。

(恐らく今の自分より二つ三つ下ぐらいだろうか。
 あどけなさの残る顔で可愛い。)

お兄ちゃんって大変ですよね。
いつか会わせてくださいね。

(妹さんが嫌がらなければ。
 そして妹を褒めつつ自分が上だと言う先輩に苦笑。
 兄より優れた妹など、とまでは言わないが、妹に抜かれる訳にはいかないのだろう。)

ハンバーグと……チャーハン、ですか?
私得意ですよ。

(チャーハンは得意な料理の一つだ。
 小さい頃、前の暮らしのそのまた前の暮らしをしている時に教わったのだ。
 ――いったい誰に、教わったのだったか。)

真乃 真 > 「ああ、大変だよ。情けないところは見せられないしね。凄く、大変だ。
 うん、僕は良いよ!まあ、すぐにってわけにはいかないだろうけど。」

実際は見せているだろうし、見せまくっているだろうけど。
それでも、弱いところはあまり見せていないはずである!

…会わせるのか。なるべく良いところを言ってくれるように頼まなければ!!

「本当かい!?いやあ、楽しみだよ!!
 あの屋台で食べたのとどっちがおいしいかな!?」

果たして、屋台補正がかかったチャーハンに勝てるのだろうか!?
そんな話をしていればパスタとピザがテーブルに届く。

「おっと、ついに来たね!カルボナーラとビスマルク!!」

続いて、銀の品もテーブルに置かれるだろう。

龍宮 銀 >  
兄妹ですからね、頑張ってください、お兄ちゃん。
ありがとうございます、今から楽しみです。

(笑いながらからかうようにお兄ちゃんと呼ぶ。
 口には出さないが、妹さんも大変だろうなと思いながら。
 妹さんと気が合えば良いのだけれど。)

ちょ、ちょっとハードル上げるのは勘弁してください……!
ほ、他には何が好きなんですか?

(なんかハードルガン上げされた。
 もしプロが相手だと勝負にもならないので、慌てて話を逸らせよう。)

うわぁ美味しそう……。
いただきます。

(チーズと生地が焼ける匂いやトマトの香り、にんにくの良い匂い。
 頭の中を直接殴られるような、暴力的な匂いである。
 先ほどよりしっかりと手を合わせて、ピザへとナイフを入れる。)

真乃 真 > 「大丈夫!大丈夫!普段は不良やってる子だから!」

姉妹対決が図らずとも実現しようとしていた!
それが起きるている事をしるのは真ただ一人だけだけど。

「他か…うーん?グラタン?
 弁当には入らないな。唐揚げとか?」

好きな物が全て子供っぽい。
イメージには合っているかもない。

「…ビスマルクも卵が乗ってるんだね。」

この店のカルボナーラは半熟の卵が上に乗っているタイプ!
卵と卵でダブってしまった!
そんな風に思いながらそのピザにナイフを入れる。
当然!卵から!ナイフに割かれた半熟の卵から黄身が広がって…。

「絶対美味しいな、コレは!」

手を合わせて口に運ぶ!
とろけた卵の黄身とチーズが合わさってとろけ!
そこに生地の食感がメリハリを生む!

龍宮 銀 >  
先輩の交友関係って広すぎて謎ですよね。

(若干顔をしかめながら。
 まさか不良やってる人とも仲が良いとは思わなかった。
 ついでに自身の姉でしかもそれを知らずに電話友達をやっている相手だとは知らずに。)

グラタン入りますよ。
でもお弁当だから冷めちゃいますね。
唐揚げは定番ですね。

(ホイルカップで仕切りを作れば入れるだけならなんとかなるが、冷めてしまっては美味しさも半減だ。
 唐揚げはお弁当の定番おかずなのでこちらは問題なし。)

ジャガイモと卵のピザですね。
良ければ半分こずつしましょうか?

(卵と卵で卵が被ってしまった一人で静かで豊かな救われていなきゃいけないグルメみたいになってしまった先輩にそんな提案。
 ビスマルクもちょっと食べてみたいだけだったりもする。
 とにかく切ったマルゲリータを口に運ぶ。)

――!!

(熱いくて喋れない。
 が、美味しい。
 目をきらきらさせながら何かを訴えるように先輩の顔を見る。)

真乃 真 > 「――美味い!!」

一口食べてそう言う。これは当たりだこの店は当たりだ!
ありがとう八百万君!
猫のような笑顔の男を思い浮かべて感謝の言葉を心の中で告げる。

「ああ、自分の事ながら凄く広いなって思うよ。
 でも、知り合いが多くて困る事は無いよね!!」

でも流石に裏の世界で生きる人とはあまり面識がない。
無いと思う。恐らく、多分…言い切れないけど。

「出来たらグラタンは熱々のを食べたいな…。」

唐揚げとハンバーグ。そして、グラタン。
大分贅沢な感じの弁当である。うん、悪くないな!

「本当かい!?いやあ、凄くありがたいよ!」

そう言いながら半分に切る。少し、卵が偏った気もするけど…多い方を分けてあげよう!
カルボナーラとビスマルクならどっちにも卵はいってるし少ないくらいでちょうどいい!

「落ち着いて食べなよ熱いだろう。
 それにしても、そっちもおいしそうだね!!」

その表情をみれば期待がどんどん高まって行く。

龍宮 銀 >  
――ほんとにおいしいです。
はぁ、しあわせ……。

(美味しいものを食べたので顔がとろんととろける。
 幸せが口の中から全身に広がっていってとてもしあわせ。)

先輩って誰とでもすぐ仲良くなれそう羨ましい。
私友達少なくって。

(今は多少マシになったとは言え、以前のイメージからか未だに友達は少ない。
 だから先輩のそう言うところがとても羨ましく、溜息。)

グラタンは別容器で保温かレンジで温めれば……。

(とは言え肉が多い。
 グラタンは野菜を多めにして、追加でサラダなんか入れればバランスも良いだろう。)

ありがとうございます、こっちもどうぞ。
――あぁ、こっちもおいしい。

(ビスマルクを受け取って、代わりにマルゲリータを半分返す。
 早速一口食べれば、卵がとろんとろんでジャガイモがホクホクでチーズが香ばしくて美味しい。)

真乃 真 > …ここまで喜んでくれるなら今日ここに来て良かった。
道に迷ってまで、来た甲斐はあったというものだ。

「おっと、僕も知り合いは多いけど友達は多くないよ。
 少し助けて、一回話したきりみたいな人は山ほどいるし!
 …友達は量じゃなくて質だよ!」

真の区分としては知り合い、同僚、先輩、後輩、先生、友人、身内がある。
多くの人と関わる分、誰かと深い関係になる事は殆んどない。

「なるほど、そうすれば熱々のグラタンを出先で楽しめるってわけだね!!」

うん、これで完璧だ!多少偏るが、まあ、うん!
美味しければ問題はない!

「ありがとう、うん、このシンプルさが良いね!」

チーズとトマトソースだけというシンプルさがこの生地の良さを直接舌に伝えてくる!
何枚でも食べれそう!

龍宮 銀 >  
そう、なんでしょうか。
……ありがとうございます。

(それでも自分より少ない事はないだろう。
 そもそも彼ほど多くの人とも関わっていないし、関わってこない。
 でも励ましてくれているのだろう、と言うのは分かったので、お礼だけは言っておく。)

魔術を使ったものとか、色々ありますからね。

(熱々のまま状態を固定したり、冷めたものを瞬時に温める魔力札だったり。
 保温出来るお弁当箱も、本土より性能の良いものが多いと聞く。)

そうだ、パスタもあるんだ。
――こっちもおいしい。

(麺は絶妙な茹で加減で、ソースの量も味もちょうど良い。
 ピザを食べた時から疑ってもいなかったが、予想以上の味に大満足である。)

真乃 真 > 「うん!そうだ!大事にしなよ!」

友人を大事にするのはとても大事である。
多すぎると大事にしきれなくなりかねない!

「あるね!そう言えばこの前弁当内の時間を停止させるっていうのもあったな。」

振ってもぐちゃぐちゃにならないし、汁がご飯とかに沁み込まないし、冷めない。
パーフェクトなものだったが酷く高い。弁当がじゃなくてその維持費が…。
何か凄い魔石を使うらしい。

とろけた卵にベーコンの塩気、ソースが絡み絡んで…。
そこに胡椒のアクセントが加われば!!

「滅茶苦茶美味しい!!龍宮さん!これ凄いよ!!
 カルボナーラ好きなら食べないと損だって!ほら食べてみなよ!」

興奮した様子でフォークで一口分巻き取って銀に勧める。
今まで食べた中でも一番おいしい!胸を張って言い切れる!

龍宮 銀 >  
――はい。

(友達を大事に出来ているのだろうか。
 それ以前に、自分が友達だと思っている人は自分の事を友達だと思っているのだろうか。
 そんな考えがぐるぐる回る。
 ぐるぐるぐるぐる――)

――あ。
……え、――あ、え。

(考えと一緒にフォークも回してしまっていたらしい。
 到底口に入りきらないほど巻き取られていたパスタを外し――ていたら目の前に差し出されるカルボナーラの巻き付いたフォーク。
 驚いたようにそれを見て、先輩の顔を見て。
 何度か視線を先輩の顔とフォークの間で往復して。)

――いただき、ます。

(顔を赤くしてフォークを口に。
 味なんてさっぱりわからない。)

真乃 真 > 「ね!本当に美味しいよね!
 いやあ、今まで食べていたカルボナーラはなんだったんだろう。
 いや、レトルトのかファミレスのしか食べたことないんだけど…。」

口に入れたのを確認すると言いながら再びパスタを巻いて自分の口に運ぶ。
うん!やはり美味しい!なんだろうこの濃厚なんだけど飽きが来ないというか!
もったりしつつもスッキリしてるというか…。

「ってどうしたんだい龍宮さん!!顔真っ赤じゃあないか!!
 大丈夫!?風邪?風邪なのかい!?」

あまりに美味しすぎて発熱したとか流石にそれは無いだろう。
無いならば、じゃあ体調不良。すなわち風邪だ!!

龍宮 銀 >  
(もぐもぐもぐ。
 顔を赤く染めたまま口を動かす。
 はっきり言って味なんてこれっぽっちもわかりゃしない。
 だって、)

――せんぱい。
流石にあーんは、はずかしいです。

(いきなりあんなことされた日にゃ、味がどうとか言ってる場合じゃねぇ。
 フォークもナイフも全部皿の上に放り出して、膝の上に両手をちょこんと揃えて俯いたまま。
 狙ってやってる訳がない。
 この先輩はこういう人だ。
 だからこそただただひたすらに恥ずかしい。
 店員さんのなまあたたかい視線を感じる気がする。
 気のせいであってくれ。)

真乃 真 > 「あーん?」

あーん、あーんって何だっけ?
何かテレビとかで恋人同士とかがやってるあれだ。
…良く考えたらさっきやったのは完全にそのそれだ。
それに思い至った時、一気に顔へ血が流れるのを感じた。

「いや!あの、ちが!」

店員さんはハイハイといった様子で頷くと去っていく。
完全に誤解されてしまった!!
いや、あーんしたというのはどうしようもなく事実なんだけども!

「…何というか、その…ごめん。」

恥ずかしそうに、顔を隠して謝る。
珍しく照れている!真乃真が本気で照れている!!

龍宮 銀 >  
いえ、あの、――
――ごちそうさまです。

(いろんな意味で。
 店員さんの動きが見えてしまったが、幻覚だ。
 そう思わないと恥ずかしさで死にそうになる。
 いや死ぬ。
 死ぬのは困るから幻覚だと言う事にした。)

――あの、もう一口、ください。

(味が分からなかったからもう一口食べたいだけだ。
 他意など無い。
 無いったら無い。
 店員さんが今にも口から砂糖を吐きそうな顔をしている光景なんて見えない。
 見えないのだ。
 見えない事にしておいて欲しいからそんなアメリカンなノリで
 「ヘイシェフ、あの初々しいカップルのためにケーキへ乗せるハート型のチョコを用意してくれよ」
 「馬鹿なことを言っていないでちゃんと仕事をしろよ給料泥棒」
 「オーケーわかった、たった今お前さんが今冷蔵庫から取り出したモノには気が付かなかった事にしておくぜ、給料を削られたくはないからな」
 みたいな動きをするのはやめろ!)

真乃 真 > 「っ!!」

そんな風に言われると更に照れてしまう!!
一度、落ち着こう。深呼吸!よし、落ち着いた!
顔が赤いのも少し引いた。

「もう一口かいっ!!わ、分かった!」

意識した上でやるのと、無意識にするのでは全然違う。
落ち着け!無意識!平常心!
…凄く視線を感じる気がするんですけど!!
仕事は良いのか給料泥棒ども!!

「あ、あーん。…口に出したら死にそうなぐらいに恥ずかしいな。」

普段、やってるあの無駄にカッコいいポーズは全然恥ずかしくないのにだ!!
うん、あのポーズはカッコいいからな!
そんな今まで最高潮の恥ずかしさにも負けずに再びフォークを差し出す。
正直恥ずかしさでタオルを自分の顔面にぐるぐる巻きにしたいぐらいだが。
それだと、正確にあーんが出来ない!!

「…ほら、あーん!」

龍宮 銀 >  
――えっ。

(別にあーんじゃなくても良かったのに。
 と言うかそんなつもりじゃなかった。
 先輩の顔の赤さが自分に移ったかのように赤さが増す。)

あ、あー、ん――。

(だが二度目だ。
 何事も一度やってしまえば後はそれほどでもないのだ。
 初体験だって――ええい今はそんな事はどうでも良い。
 とにかく思い切ってもう一度差し出されたフォークを咥える。)

――あ、おいしい。

(濃厚かつしつこくないカルボナーラの美味しさのおかげで、恥ずかしさが少し薄れた。
 もぐもぐとその美味しさを味わっていたら、目の前にあるトマトパスタが目に入った。
 少し悩んで、フォークで一口分巻き取って、)

せ、せんぱいもどうぞ。
――うわこれやる方もすごいはずかしい……!!

(差し出す。
 店員達のアメリカンでハリウッドなノリが強くなった気がしたが気のせいだ。
 気のせいだから陽気なウエイターと寡黙なコックみたいな相棒感を出すんじゃないこっちを見るな!)

真乃 真 > 『えっ。』て言った。『えっ。』て。
もしかしてあーんじゃなくても良かったんじゃ…。
いや、そんなはずは無い。根拠はないけどそうでなければ恥ずかしさでしぬ。
やめろ!!口笛吹くなヒューってするな!!

「だろ、おいしいよね?」

行けるここから、カルボナーラの話題にシフトすれば場の空気もアメリカンからイタリアンに戻るはず!
そう思っていたのは束の間、ついにあーんされる側が回ってきてしまった。

「だろう!やる方も恥ずかしいだろう!?
 でも、やられる側も大分来るものがあるなこれは!」

なんだろうこのアメリカンな雰囲気何らかの異能による攻撃を受けているのだろうか?
だが!負けない!
…フォークに口を運ぶ。

「あっ、こっちもおいしいな!」

普通に美味しい。鰆がさっぱりとしたトマトのソースと相性抜群。
食べやすいとはいえカルボナーラの後に食べるといい感じ。

――そうして食べたり、食べさせたり、食べさせられたり。
注文していた品はなんだかんで殆んど食べきってしまって。

「…なんか、なんか凄い疲れたよ。」

龍宮 銀 >  
ね、おいしいですよね。

(アメリカンなノリをイタリアンの雰囲気に戻すべく、半ば無理矢理話を進める。
 あのHAHAHA!って笑いそうな連中は無私だ無視。)

――はい、凄く疲れました。
あぁもう、顔凄く熱い……。

(食事による発熱だけではない。
 ぱたぱたと顔を手で扇ぐが、別に悪い気はしない。
 これで先輩が自分を女の子だと意識してくれれば良いのだけれど。
 今までの後輩ポジションからの脱却のチャンスである。)

ええと。
――――最近、暖かい日、多いですね。

(しかしなにもおもいつかない。
 まさかホテルに誘うなんて大胆な事をする訳にもいかない。
 結局当たり障りの無い話代表格である天気の話を振ってしまった。
 脳内で自分のふがいなさとチキンっぷりにごろんごろん床を転げまわっていたが、顔には出さず。
 出なかったはずだ。

 デザートのケーキにはしっかりハートのチョコが乗っていたと言う。)

ご案内:「イタリア料理店」から龍宮 銀さんが去りました。
真乃 真 > 「僕も顔かなり熱くなってたよ…。」

それがシチュエーションによるものなのか相手によるものなのかはともかく…。
…かなり恥ずかしがっていたのだった。

「そうだね!そろそろコート仕舞わなくちゃだね。
 今日はまだちょっと寒いけど…!」

貰ったコートがしばらく着れなくなるのは少し寂しいが。
まあ、仕方ないことだろう。


――――そういえば今日なんか大事な事を言おうとしていた気がする。

まあ、言うような雰囲気ではないしこれはまた今度。
…いや、わざわざ言わなくてもいいかもしれない。

ご案内:「イタリア料理店」から真乃 真さんが去りました。