2017/03/24 のログ
ご案内:「Free2」に龍宮 銀さんが現れました。
ご案内:「Free2」から龍宮 銀さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」に龍宮 銀さんが現れました。
ご案内:「訓練施設」にセシルさんが現れました。
龍宮 銀 >  
(訓練場の端末をぽちぽちと操作。
 特に何か目的のプログラムを起動するつもりではなく、単に人を待つ間の暇つぶしだ。
 現に訓練場はさっきから少しも変化していない。)

――ふう。

(端末から手を離して一息。
 鍛錬の相手が見付かって良かった。
 相手が見付かるまで何人かに掛け合ってみたのだが、悉くその全員に振られてしまった。
 特に後輩の中には顔を青くして「勘弁してください」と半泣きで逃げて行った者も一人いた。
 嫌われているわけではないと思うが、流石にちょっと悲しい。
 しょんぼりとした背中を入り口に向けて立ち尽くす。)

セシル > さて、そんな銀の鍛錬相手というと。

「シロガネ先輩、今日はこちらでよろしいですか?」

と、何の気なしに訓練場の入り口にやって来て。

「………シロガネ先輩?」

しょんぼりした背中を見つけて、不思議そうな声を出すことになってしまった。

龍宮 銀 >  
――は。
いえ、なんでも。

(彼女の言葉で我に返る。
 過程はどうあれこうして応じてくれたものもいるのだ。
 先輩からの言葉通り、友達は量より質だ。)

今日はありがとうございます。
――正直相手が見付からなかったらどうしようかと思ってました。

(ちょっと暗い自嘲染みた笑顔。
 なんだかんだ言ってもショックなものはショックである。
 すぐに切り替えられるほどの鉄のメンタルは持っていない。)

セシル > 「…そうですか?ならば良いのですが」

我に返る銀の様子に、腑に落ちないながらも引く様子を見せて。

「いえ、私も共に鍛錬出来る相手は欲しておりましたので。
声をかけて頂いて光栄ですよ」

銀の自嘲じみた笑みには、そんな朗らかな笑顔を返した。
相手に性別の認識がなかったら…いや、あったとしても誤解を招くやつかもしれない。

龍宮 銀 >  
ありがとうございます……。

(彼女の優しさがまぶしい。
 その笑顔はさぞかし女性からモテるのだろうなぁ、なんて考えた。
 なおさらまぶしい。)

――ええと。
じゃあ早速お願いしたいんですけど……。
こう、武器を持った相手に対する素手での応戦の鍛錬をしたいんですよ。

(自分の戦闘力は正直大したことはない。
 武器を持たないとなれば尚更だ。
 なので彼女の練習になるかどうかは微妙なところである。
 それを気にして、申し訳なさそうに。)

セシル > 「お気になさらず。同じ風紀委員でもあるわけですから」

そう、地声で穏やかに言って笑う。
「風紀委員」モードであるならば基本的には作った声を心がけるセシルだが、「仲間」だし、少し沈んだ様子だったからこちらの方が良いだろう、と。
…しかし、相手の要望を聞いて、目を丸くした。

「………素手、ですか?」

目の前の先輩が「強い」とは、セシルは聞いたことがない。

「…逮捕術であれば、警棒や、その他の武装が認められると思いますが…どうして、また?」

そう、意図を問うてから…

「いえ、反対ということではなくて…ただ、先輩の意図次第で私がどう相対するかも変わりますので」

そう、やや慌て気味に意図を補った。

龍宮 銀 >  
(その問いには少し言葉に詰まる。
 言おうか言うまいか、しばらく悩んで、)

――私、人を傷付けると動けなくなるんです。

(言う事にした。
 こちらの鍛錬に付き合ってもらっているわけだし、隠すのはあまりフェアじゃない。
 そもそも隠している事でもないのだから。)

特に刃物なんかで血を流させるとダメで。
刃物じゃなくてもあんまり精神的に良くなくて。
――だから、そう言うのに頼らないような戦い方も出来るようになっておいた方がいいかな、と。
あと、武器を落とした時の為にも。

セシル > 「………なるほど」

銀の説明を聞いて、微妙な顔をして腕を組む。
「意図は理解出来るが、その前提に色々物申したいことがある」雰囲気は感じ取れるだろう。
…しかし、腕を解いたセシルは、もう普段の表情に戻っていて。

「…それならば、私はサーベルと同じ形と長さのの木剣を探して来ましょう。
レイピアでは、間合いの詰めづらさが体感しづらいでしょうし…鍛錬で、うっかり大怪我になっては良くないですから」

「それでよろしいですか?」と、セシルは銀に柔らかい表情で尋ねた。

龍宮 銀 >  
(彼女の表情も最もだ。
 だが聞いてこないのであればこちらもなにも言わない。
 聞かれても理由など答えようもないのだから。)

はい、ありがとうございます。

(その申し出はありがたかった。
 流石に真剣相手は怖い。
 彼女の方が力量は上だろうけれど、言うとおり事故が起きない可能性もありえなくは無い。)

セシル > 「それでは、借りてきますので少々お待ちを」

そう言って出て行ったセシルが曲刀気味の木剣を持って戻ってくるのに、さほど時間はかからなかった。
訓練施設は暇を見て借りているので、スタッフとも大分顔なじみなようだ。

「…それでは、シロガネ先輩の準備が整い次第始めて構いませんが…
シミュレーションしたい相手の戦い方など、ありますか?可能な限り寄せようと思っていますが」

木剣を軽く数回振って、感覚を確かめながら、銀にそう尋ねた。

龍宮 銀 >  
(彼女が木剣を取りにっている間、軽く身体を動かしておく。
 春先とは言えまだ寒い。
 身体が硬いままではそれこそ怪我をしてしまう。)

ええと、特には。
――ああ、私のレベルに合わせて貰えると助かります。

(自分はそんなに強くない。
 彼女が実力の八割も出せば自分はボコボコにされてしまうだろう。
 手を合わせたことは無いが、彼女なら戦っているうちにわかるはずだ。)

それじゃあ、どうぞ。

(構える。
 腰を落として、右手を前に。
 足を広く開いた、中国拳法のような構え。
 基本的に自分の所属はこちらから仕掛けることはない。
 ならば攻撃を捌くところから始めるのが妥当だろう。)

セシル > 「…分かりました、善処しましょう」

適切な手加減というのは逆に難しい。少しだけ困ったように笑った。
…それでも、相手が構えをとれば…セシルにとっては見慣れない構えだが、一朝一夕で出来るものではない程度の均整は見て取れた…こちらも、表情を引き締めて構える。

「…では…参ります」

ヒュッと、鋭い呼吸を一つと共に、ぐっと踏み込んで、片手ながらも、素人ならば気圧される程度の鋭さを持った振り下ろし。
剣ならば有効打になり得るが、素手ならばもう一歩の踏み込みがいるだろう。

ただ、上段から振り下ろす場合、その僅かな間とはいえそれなりの隙になる。
「踏み込んで」。セシルのそんな意図が、見え隠れするかもしれない。

龍宮 銀 >  
(木剣とは言え当たれば痛い。
 そもそも実践ではこれが鈍器とも限らない。
 であれば受けるのは悪手だ。
 ギリギリのところで――狙ったのではなく、本当にギリギリだっただけだ――半身をずらし、右足を一歩前に。)

――っは!

(踏み込む瞬間身体を僅かに沈め、上半身を捻り肩ごと突き出すような突き。
 鳩尾めがけて放たれた拳。
 しかしいくらカウンター気味に放ったとは言え、多少ケンカに慣れている以上の相手であれば防ぐ事はたやすいはずだ。)

セシル > 「…っと!」

身長差こそあるものの、生身で受けるのは、恐らく銀以上に苦手だ。
振り下ろした木剣を手元に素早く引き寄せるようにして、剣の面で突拳を受け止めた。
そして、そのまま、木剣を振るう動きに乗せて銀の拳を払おうとする。

そのまま払われてしまえば、体勢が泳いでしまうかも知れないが…銀はどう出るか。

龍宮 銀 >  
(ごつん、と硬い音と反動。
 木というものは予想以上に硬く、それが木剣とも尚更だ。
 その衝撃に顔をしかめて怯んだ隙に剣で拳を払われた。
 抵抗する間もなく身体は泳ぎ、しかし泳ぐがままにしているほど素人と言う訳でもない。
 追撃から逃げるように身体が泳いだ方へ転がり、距離を取って振り向いた。)

――っ。

(そうして再び先ほどと同じ構え。
 素手で武器と対峙するのは思った以上に体力を使う。)

セシル > 身体が泳ぐのを利用して距離を取ったのは正解だろう。
セシルの木剣は、銀が身体を泳ぐままにしていたらいただろう位置に、突きつけられていたのだから。

「………見事ですね」

そう、少しやんちゃな笑みを向けてから。
再度表情を引き締め直して、間合いを詰め直す。

再度の鋭い振り下ろし…と見せかけて、今度は途中で軌道を変えての横払い。
銀の対応が遅れて腕を木剣で払うことに成功したならば、剣の先を銀の鳩尾に突きつけてみるつもりではいるが…。

龍宮 銀 >  
(振り返れば、さっきまで自分がいたところに木剣があった。
 冷や汗を拭う。)

――たまたまです。

(とにかく距離を取る事を優先しただけだ。
 表情と気を引き締めなおす。
 振り下ろされる木剣を今度も右側へ、先ほどよりは多少余裕を持って避ける。)

――!

(が、今度は軌道を変えてきた。
 もう悪手だのなんだの言っている場合ではなく、腕を払うようにして防ぐ。
 がつんと言う痛みに顔をしかめている間に、今度は鳩尾へ突きが放たれて。
 身をよじって避けようとするが、避けきれずに脇腹に衝撃。)

っ、は!

(それをねじ伏せるように左腕を外から回す。
 力任せのその拳は、やはりそれほど速くはない。)

セシル > 「…!」

強引な相手の動き。鳩尾への突きは寸止めにしたつもりだったが、結果として相手の脇腹に入ってしまった。
しかし…それ以上にセシルが驚いたのは、それでも相手が強引に攻めてきたことだ。
何という闘志か。

「…っと!」

力任せに振るわれる拳を嫌って、横に飛ぶ。
身体の重心の操作には慣れているようで、それなりの鋭さを籠めた剣を振るうかと思えば、魔法か何かの力を借りているかのごとく、一歩二歩と弾むように剣の間合いの更に外へ。

「………すみません、止めたつもりが手元が狂ったようです。
大丈夫ですか。続けられますか」

改めて、姿勢を整えて銀に問う。