2015/06/28 のログ
サリナ > 「ああ、どうもありがとうございます。いただきますね」

顔を上げて餃子を見ようとすると眼鏡が曇っててよく見えない。
しかしお腹が減っているので外す事も拭く事もせずにそのまま箸を動かした。
餃子をタレにつけてから口に含む。そしてライスも口に入れる。いくらか咀嚼を終えればつけ麺に箸が移る。

(ああ、おいしい…)
黙々と食べているので食べるペースが早い。

「あ、椚さんも餃子食べてくださいね?私一人で食べきれるかわかりませんし…」
一人で食べ切れる気もするが、椚さんにも一つぐらいは食べてほしかったのでちょっと餃子の皿をそっちの方に移動させておく。

> 同じく、眼鏡が曇る。
困ったように眉を寄せながら、ふーふーと麺に息を吹きかけている最中だった。
サリナのように、豪快に食べられたらなぁと、若干憧れもわいていた頃だった。

戻ってきた餃子の皿に、視線が向く。
「はい、ありがとうございます。
では、ひとつ……」
言いかけて。
こうやって、家族以外と食べ物を分け合ったことがあったろうか。
箸が一旦とまる。
友人と外食自体、機会がなかったではなかろうか。

(嬉しいな……)
ふわふわとした感情に包まれながら、餃子を一口。
……熱かった。
口を押さえ、ほふほふとしばし下を向く。
熱かったけれど――

「美味しい……ですね」
その浮かんだ涙は、熱さゆえか、それとも。

サリナ > 「ええ、おいしいですよね。椚さんにも気に入っていただけたようで…」
冷たい麺でつけ汁が冷えたのか、眼鏡が次第に曇らなくなっていった。
それで気付いたが、椚さんは何か泣いているような…?もしかして餃子が熱かったのかもしれない。

「椚さん、熱かったでしょう?半分に割ってから食べた方がいいかもしれませんね」

テーブルの脇にある紙のナプキンを取って、さり気無い動作で涙を拭いてあげてから口元を拭ってあげる。

> 「そ、そうですね。ありがと……」
礼を言えば、拭かれる目元と口元。

……本当に、お母さんみたいだな。
こんなこと、本人にはいえないけれど。

ホームシックにかかりつつあったので、以前からの厚意一つ一つが胸に沁みるのだ。

「ありがとうございます」
改めて、お礼を言う。

サリナ > 「ふふ、椚さんはさっきからありがとうと言ってばかりですね。あまり遠慮しないで」
拭った紙ナプキンは隅に置きつつ、軽く微笑んで言った。

「さあ早く食べないと麺が伸びちゃいますよ」
食べるのに戻った。もうライスも麺も半分以上は食べている。
椚さんはどうだろう、息を吹きかけながら食べているようなのでまだまだかかりそうだ。

> 昨日は、ある青年にごめんなさいと言いすぎと言われ。
ここでは、ありがとうと言いすぎと言われ。

極端すぎるのだろうか、自分は。

サリナの柔らかい笑顔を見つめ、つられたように微笑んでしまう。

伸びてしまうと促されれば、はっと我に返って着々と食べ進める。
先ほどの餃子でやけどした舌が痛かったが、味は十分楽しめる。

「サリナさんが連れてきてくれたお店だけあって、美味しいですね」

ラーメンに対する気迫が、食べる場所選びのときに出ていたのだ。
よほど、お勧めだったのだろう。

ただ、猫舌の気がある自分は、サリナ以上に量は少ないのに、すでに追い抜かれている。
後はもう、一生懸命食べることに意識を向ける。

サリナ > 「この店には結構脚を運んでいるんです。行った事ない店も結構多いですけど今日は椚さんもいらっしゃるのでこの店にしました」

ひょいひょいと箸で餃子とライスをつまんで食べて皿の上を空にした。
残りのつけ麺も一気に啜って完食…

椚さんはまだ半分以上残っているようなので一先ずは箸を置いて眼鏡を外す。

(今日も結構汚れた…)
ラーメン屋食べる時は飛沫が飛んでよく汚れるのだ。待っている間に眼鏡を拭く事にした。

> 「ふふ……嬉しいです」

自分の好きなお店に連れてきてくれる。
冒険しても良かったのだろうが、確実に美味しいと太鼓判を押せるお店に。

スープが飛ばないようにと気をつけながら麺をすすれば、サリナが眼鏡を拭いていた。
同じ眼鏡をかけるものとして、気持ちはわかる。
視界の端に、汚れがさえぎるのだ。

いつも、自分と会えば綺麗に拭いてくれる手馴れた仕草を見つめ、目を細める。

サリナ > ─サリナの目は普段眼鏡のフレームに隠れてわからないが、切れ長でそして大きい。
どことなく猛禽類…梟のような雰囲気を纏わす瞳はじろりと、目の前の少女に視線を移した。


「………何か?」
なんだか見られているような気がして椚さんに視線を移す。
目が悪いのでよく見えず、目を少し細めて見た。

> 見つめられ、びくっと肩をすくめる。

「ご、ごめんなさい! なんでもないです!」

(綺麗だけど、綺麗なんだけど……!)

そう思いながらも、ラーメンを食べることに集中しだした。

サリナ > 「…?」
なんだろう、私の顔に何かついているのだろうか?
とりあえずメガネが綺麗になったので、それをかけた。

(あ…もしかして)
私の口元が汚れているのかもしれない。そう思って紙ナプキンを取ってすぐさま口元を拭った。

椚さんは食べる事だけに意識しはじめたようで黙々と食べている。
それを見つめつつ食べ終わるのを待つ事にした。

> しばらく、食べることに集中。
ようやく、先が見えた。

ちらりとサリナを見やれば、口元を拭いている。
待たせてるなーという緊張感からか、スピードは自分なりに徐々に上げていって。

「……ご馳走様でした」
割り箸を、そっと置いた。

「お待たせして、ごめんなさい」

サリナ > 「ご馳走様でした」
合わせて自分も言う

「いえいえ、私が食べるの早いだけですから…椚さんは大丈夫ですか?
すぐに行けます?ちょっと休憩してもいいですが」

私より幾分も小さい体躯をしているので、
ラーメンの一杯でお腹が張り裂けるんじゃないんだろうかと思った。

> ぽんぽんとお腹を叩いて、笑う。

「ふふ。これくらい大丈夫ですよ」

歩いているうちに消化もされるだろうし、これだけ回転の速いラーメン屋さんで長居はし難い。

サリナ > 「それじゃ行きましょうか…」
席を立って店内から出る。外に出た瞬間、いくらか開放的を感じて気持ちがいい。

「椚さん、もし今度一緒にどこか食べに行く時は椚さんが食べたい場所を選んでくださいね」
やはり、ラーメンは重かっただろう。自分なりにそう気遣って、提案してみた。

> じっとりと汗ばんだ肌を、はたはたと服をつまんであおぐ。

「……はい。わかりました。
なにか……考えて見ますね」

オンナノコといえば、スイーツかなとは思ったが。
最初、嗜好を聞けば脂っこい物。
完璧な食事を求めているのなら、何か探しておかなければ。

神妙な面持ちで、こくりとうなずいた。

サリナ > さて、この後はどうしよう。食事の後の事は決めていなかった気がする。
私はもう満足したし、今度は椚さんの番だろう。

「次はどこに行きます?」
商店街の中心に歩きつつ、聞いてみた。

> 「そうですね……」

口元に指先を寄せて考える。

「……あの……」
ちらり、と見やる。
「何も目的もなく……ウインドショッピング……とか、ダメ……ですか?
可愛い小物屋さんとかあれば、入ったり……」

サリナ > 「ええ、いいですよ。この辺は飲食店か書店ぐらいしか入った事ないので、なんだか楽しみです」
頷いて答える。椚さんはきっとそういう店とかによく行くのだろう。だから色々と教えてもらおう。

ふらふらした足取りに目的ができた。初夏の気候に少しばかり汗を流しつつ、二人は雑踏に消えていった。

ご案内:「商店街」からサリナさんが去りました。
ご案内:「商店街」からさんが去りました。