2015/07/23 のログ
ご案内:「ちはやのゆめのなか」に神宮司ちはやさんが現れました。
■神宮司ちはや > 【前回のあらすじ!】
神宮司ちはやは常世島は常世学園に通うちょっとどじな男の子!
ある日夜に流星となって落ちてきたハムスターのぽよ丸に魔法女装少年になってくれと頼まれる。
突然のことに驚き戸惑うちはやの前に悪の魔法女装少年リグナツァと白犬アルヴァーンが迫り来る。
成り行きで変身したが、その力で二人を撃退するちはや。
悪の魔導帝国と戦う決意を固め、同じ女装少年ソウルを持つ仲間を探すことにしたのだった……。
■神宮司ちはや > 「っていっても……そうすぐに見つかるわけがないよね……」
休日のお昼、ぽよ丸と外へ繰り出し彼?の言う女装少年ソウルを持つものを探しに来たもののそんな相手すぐにわかるわけがない。
大体なんで女装に限定してあるんだ、普通は女の子ではなかろうか。
根本から疑問を感じるがぽよ丸に訪ねても『それはそういうルールだから』と一向に会話が進まない。
結局夏の日差しの中町中を歩けばすぐに疲れ果て、近くのカフェで休憩を取ることにした。
案内されたテーブルで頬杖をつく。外とは違い中はクーラーが聞いていてとても快適だ。
胸ポケットからぽよ丸が顔を出す。
「諦めるのが早すぎるぽよ~。なんかほら、そういう性癖に目覚めている人が一人くらい思い当たらないぽよか?」
ハムスターは胸ポケットでおもいっきりちはやの体臭を嗅ぎまくっているだけだった。役に立たない上にちょっとくすぐったい。いやらしい。
「性癖って……だいたいぼくはそんなのないし……うーん」
■神宮司ちはや > 口元に指を当てて考える。女装の性癖……。
思い当たる人物はひとり居た。ビアトリクスだ。
常日頃からの学校生活でもシャツにスカートだし、この間出かけた時もかなり気合の入った姿で表に出ていた。
だが、彼のあれは性癖というより……
「トリクシーくんは……自分があんまり好きじゃないんだろうなぁ」
そういう気持ちはちはやだってよく分かる。自分の持っているものが全部惨めで汚くて、認めがたい。
そういう気持ちに似たものをお互い持っていたからこそ、仲良くなれた面があるのだろうけど。
「ん、なんかあてがあるぽよか?折角だしその子に声をかけてみたらいいぽよ」
「うーん、でもかなり気難しい相手だし、なんかそういうこと言っただけで……」
『ちはや、大丈夫か?熱中症で頭ゆだった?』
『いやだ、なんでぼくがそんな面倒で珍妙なことをしなけりゃならないんだ』
ビアトリクスならこんなふうに返してくるのではないだろうか。
そう考えるとうかつに声もかけづらい。
だって内容が魔法女装少年になってぼくと一緒に悪の帝国と戦って下さい、だものなぁ。普通速攻で拒否する。
■神宮司ちはや > 「だめだぁ……こんなことお願いしたら嫌われちゃうよぉ」
机に突っ伏して頭を抱えるちはや。
胸ポケットからぴょいと机に飛び乗ったぽよ丸がその姿を見て腕組みをしつつ答える。
「でもでもちはやくん、ぽよは感じるぽよ。
この島には未だ数多くの女装少年が生息しているぽよ。
その息遣い、生態……ビンビンにレーダーにひっかかっている、気がするぽよ。
きっとソウルの持ち主は女装のポテンシャルもめちゃくちゃ高いぽよ。
そのせいでちはやくんが見つけづらいってこともあるかもしれないぽよ?」
「っていうかレーダーあるなら最初から使っちゃ駄目なの?」
「身近に居ないと判別つけづらいんだぽよ~ごめんぽよ~」
ちょっと悲しそうに目元をうるませるぽよ丸。哀れに思って指先でその頭を撫でた。
「ううん、仕方ないよね。ごめん、ぼくももうちょっと頑張るよ」
■神宮司ちはや > その時突然表の通りで女性の絹を裂くような悲鳴が上がった。
『キャー!だれかー!私のポトスがいきなり巨大化して暴れまわっているのー!!』
その悲鳴に席を立ち、視線を向けるちはや。
中年の女性がじょうろを振り回してこっちへ逃げてくる。
そうこうするうちに通りの他の人々も騒ぎ出した。
『わーなんだあれは!蔦だ!つたが伸びてくグワーッ』
『ああ、マー君!私の可愛いマー君が捕まってしまった!誰かたすけてー』
『うわーんママー!』
阿鼻叫喚の騒ぎになっている。慌てて表通りへ走った。
そこで見たものは……?!
ご案内:「ちはやのゆめのなか」に正親町三条楓さんが現れました。
■正親町三条楓 > 「うふ、うふふふ……」
あたりに不気味な笑い声が響く。
そう、阿鼻叫喚の中にたたずむ一人の少女。
何故かぴちっとしたラバーっぽいスーツに身を包み。
やたら露出の高い衣装にこれでもかというくらい黒いマント。
極めつけとして、武器は鞭。
そう、まさに「悪の女幹部」のような格好をした少女は慌てふためく群集に告げる。
「さぁ、いらっしゃぁい、『女装魔法少年』ちゃん♪
この私、『ショタイーター』が、可愛がってあげますよぉ♪」
――いくら夢とはいえ、そのキャラでいいのか。
■神宮司ちはや > なんと!観葉植物のポトスが巨大化し、うねうねとその蔦を伸ばし地面をたたき、人々を捕まえ宙吊りにしているではないか!
しかも何故か捕まっているのは少年ばかりだが!!
「な、なんで?!なんで急にこんなこと…!」
「悪の魔法女装少年のちからを感じるぽよ!ちはやくん、急いで変身するぽよ!」
驚愕するちはやにぽよ丸が叫んだ。
■神宮司ちはや > しかも悪の女幹部らしき黒ずくめの美女までついていた!
なんということだろう、彼女は妖しく笑い人々が混乱するさまを眺めている。
「お、おまえは悪の四大幹部の一人『ショタイーター』!?
まさかお前のようなものまで出てくるなんてぽよ!!?」
ぽよ丸が驚愕の声を上げる。ちはやはその人が誰かに似ているなんてつゆほどにも思わない!
「し、知っているのぽよ丸?!」
「かつて魔法女装少年達が束になっても敵わない相手で、そのあくどい噂は正義側にも轟いているぽよ……。
なんでも彼女は三日三晩捕まえた少年たちを責め抜いて足腰を立たなくさせてしまうという技量を持つぽよ……。
羨ましいぽよ……」
■正親町三条楓 > 「うふふ、何でですってぇ?」
『ショタイーター』はびしっと鞭で地面を打つ。
ポトスがまるで従うかのように彼女の背後で蠢きながら。
ぽよ丸に向かい、堂々と対峙する悪の軍団!
「あなたがぁ、性懲りも無く『魔法女装少年』なんてものを見つけるからですよぉ。
私はぁ、楽しめるからいいんですけどぉ♪」
くねくねと身体を捩りながら嬉しそうに呟く『ショタイーター』。
そして彼女はちはやを見つけると。
顔を紅潮させながら舌なめずりする!
「うふふ……今度の子はぁ、特に美味しそうですねぇ……♪」
■神宮司ちはや > 「ぽよたちには希望の光りが必要ぽよ!それが『魔法女装少年』ぽよ!
ちはやくんはお前たちになんか負けないぽよ!」
ショタイーターに言い返すぽよ丸。とはいえ鞭にはびびっている。
ショタイーターの舌なめずりに何故かちはやはぶるっと体を震わせた。背中に冷たい汗が流れる。
これが悪の女幹部の持つオーラだというのだろうか……。
「とにかく相手が出待ちしている以上待たせるわけには行かないぽよ!さっさと変身するぽよ!」
「そうだね!なんかわからないけど早回ししなきゃいけないよね!変身!」
悪の軍団に囲まれるも怯むこと無く『トランスパワーメイクアップ』と叫ぶ。
きらきらきらーと魔法的エフェクトがかかりちはやの全身が映るバンクシーン。くるくるっと光り輝くとその身がミニ丈の巫女服に覆われる。今回は省エネ変身だ。
「魔法女装少年ちはや、ただいま参上!
ぼくの舞でみんなを清めて祓います!!」
びしっと決めポーズ。何故か身体が勝手に動いた。
「アアアアアアアア~~!!」
ものすごい恥ずかしさと敗北感にその場で打ちひしがれて涙する。
■正親町三条楓 > もちろん、変身中には手を出さない。
それは『お約束』というものだ。
そして、ミニスカ巫女服のちはやを見て……
「――イイ」
ぼそりと呟く『ショタイーター』。
どうも恥ずかしがる姿が琴線に触れたらしい。
「うふ、うふふふふふふ!
私ぃ、今こんなキャラですしぃ、もちろん! 勝ったらお持ち帰りしていいんですよね!
夢ですし。夢ですし!!」
メタな台詞を言いながら鞭を構える『ショタイーター』。
ヤる気十分である。
■神宮司ちはや > 「ぼ、ぼくはお持ち帰り専用のお弁当じゃありません!
それはともかく覚悟して下さい!今すぐその少年たちを助けて、あなたを追い払います!」
彼女の視線から身を守るように身体のあらわな部分を腕で隠す。
とはいえ露出部分が多いので全く効果はない。
ちはやは懐から取り出した自分の武器、扇を開きくるりとその場でターンして舞い始める。
桜吹雪と神気がその場に満ち始め、竜巻のように立ち上った!
油断ならない相手なら最初から全力全開だ。
「チェリーブロッサム・バイブレーション!!!」
ショタイーターや悪の軍団、ポトスに向かって桜吹雪が雪崩のように舞い込んでくる……!
■正親町三条楓 > 桜の渦に飲まれていくポトスと悪の軍団。
しかし、『ショタイーター』はうろたえない。
「アデージョ・サイレント!!!」
手を掲げ鞭を回す『ショタイーター』。
その鞭は恐るべき器用さで桜の花びらを打ち払っていく!
まるで子供をあやすかの如く軽い仕草で。
魔法女装少年の必殺技を、いとも簡単に跳ね除ける!
■神宮司ちはや > 「そ、そんな!チェリーブロッサム・バイブレーションが効かない?!なんで?!」
「くっ、やはり幹部というだけあってそう簡単にはやらせてくれないぽよね!」
自分の必殺技が児戯のごとく打ち払われて驚愕する。
必殺技とは読んで字の如し、必殺する技であるのに……!
しかも今のちはやにはこれ以外に技がない、万事休す!!!
■正親町三条楓 > 「ふふ、今度はこっちからいきますよぉ♪」
『ショタイーター』が構える。
そして、その鞭を構え、大きく振りかぶり――!
「サキュバス・キッス!!!」
投げキッスと、精神攻撃!!
鞭の意味、ゼロ!!!
■神宮司ちはや > 全く用をなさぬ鞭はともかくショタイーターのサキュバス・キッスはたやすくちはやの精神に響いた!
真正面から彼女の投げキッスをまともに喰らい、頭がふらふらとふらつく。
「あ、ああ……ぽよ丸……変だよっ身体が熱いの……!」
キッスを受けたちはやがよろよろとその場に尻餅をつく。
何故か身体が熱っぽくなりぞわぞわと言い知れぬ感覚が走る。
はぁはぁと息を荒げ、潤んだ瞳でぽよ丸を見た。
「な、なんだってー?!それは大変ぽよ!
すぐにぽよがお熱を測ってあげるぽよからさぁ!脇を大きく開いてぽよを受け入れ……ぽよおおおおおおお!!!」
ちはやに近づこうとしたぽよ丸はポトスの蔦にあっさり打ち払われて道路に転がった。
■正親町三条楓 > 「うふふふ、私のサキュバス・キッスは効くでしょぉ♪」
嬉しそうにちはやに近づく『ショタイーター』
まさに獲物を前に舌なめずりをする獣の如く。
ポトスには邪魔くさい、というかちょっと親近感を感じなくもないマスコットを排除するように命じ。
「――大丈夫ですよぉ。
今から、あなたを『魔法女装少年』から『雌男子』にしてあげますからねぇ♪」
そう、『ショタイーター』は、数々の『魔法女装少年』を悪の道に誘い込み、哀れな『雌男子』としてきた恐ろしい悪の女幹部なのだ!
■神宮司ちはや > 「あ、あ…!ぽよ丸……!しっかりしてー!
め、めす……?ち、違います!ぼくは男の子です!
魔法女装少年になったから、……絶対に、悪い人には負けない!」
サキュバス・キッスの効果は残っているが、最後の抵抗としてキッと相手を睨みつける。
だが自分の手は出し尽くしてしまった。しかも身体の自由が効かない。まさにピンチである。
今ならショタイーターの好きなようにできるぞ!
■正親町三条楓 > 「うふふふ……いただきまぁす♪」
そして、『ショタイーター』の毒牙がちはやに襲いかかり……!
「んっ♪」
ぎゅっと抱きしめたり、その豊満な胸を推しつけながらすりすりしたりしている。
こう、雌男子とか言った割にはプラトニックにイチャイチャしてるだけである。
そう、これはちはやの夢。
つまり、ピュアボーイちはや君の想像の埒外にあるピーッ!でピピーッ!!な事は、この世界に存在していないのだ!
残念!!
「んふ~……♪」
――まぁ、当の『ショタイーター』はそれなりに幸せそうなのだが。
■神宮司ちはや > ショタイーターのナイスバディな身体に包まれれば
ちはやだってさすがにどぎまぎする。柔らかいし女の人のいい匂いがする。
お肌はすべすべ、黒髪はつやつや、そして胸を強調するようなド派手なコスチューム。
「や、だめぇ……。恥ずかしいですこんな……!」
四肢を必死に動かそうとしてショタイーターの腕でもがく。
恥ずかしさで死にそうだ。それに近くによるとこの人誰かに似ている気がする……。誰かは思い出せないが。
そうえっちなことは少年誌レベルまで。ショタイーターの気遣いに感謝しつつちはやはいいように弄ばれる。
だが、ここで屈しては常世の平和は守れない。
「ショタイーターさんっ……!だ、だめーーーー!」
ぴかー!その時ちはやの身体に光が宿りその場を覆うようにまばゆく輝く!ショタイーターや悪の軍団を射抜くような強い光だ!これが魔法女装少年に秘められた力……?!
■正親町三条楓 > 「な、この光は……!?」
うろたえる『ショタイーター』。
そう、この光は彼女が失ってしまった純粋な光。
というか、最初から持ってたっけ?
「きゃぁぁぁ!」
真っ向から光を浴び、浄化しかけられる、危うし!
■神宮司ちはや > ショタイーターが光に目をくらまされた隙にその腕からすり抜ける。
さっきは距離があったが、今度はこの至近距離で必殺技をしかける。
鞭をこんな近くで振り回して防御するには苦労するに違いない。
「ショタイーターさん!純粋な心を取り戻して!!
チェリーブロッサム・バイブレーション!!!」
再びちはやの身体から桜吹雪が吹き上がる。それがまっすぐショタイーターと悪の軍団へ飛んでいった!
■正親町三条楓 > 「あ、あ、あ……!」
光に飲まれる『ショタイーター』。
そして……!
「覚えてらっしゃ~い!」
あまりにもベタベタな捨て台詞を残し。
『ショタイーター』は光の中へ消えた。
ちはやが彼女こそ、ちはやの隣に住む寮の管理人さん(夢の中のみの設定)とは思わないだろう。
次回登場予定は未定だぞ♪
ご案内:「ちはやのゆめのなか」から正親町三条楓さんが去りました。