2016/06/21 のログ
ご案内:「女子寮・佐伯貴子の部屋」に佐伯貴子さんが現れました。
■佐伯貴子 > (佐伯貴子の部屋は、入ってすぐにキッチン&ダイニングになっている。
テーブルは4人がけのもので、椅子も4つ。
テーブルには、器に盛られた夕食が並んでいる。
肉じゃが。じゃがいもと豚肉、人参、糸こんにゃく、サヤエンドウを醤油と砂糖と酒などで煮たもの。
千切りキャベツともやしのおひたし。キャベツは茹でてから千切りにしている。
ひじきの煮物。油揚げ、人参、ゆで枝豆が入っている。
二人分の小鉢にはもずくときゅうりの酢の物。甘酸っぱい。
茶碗と汁椀が準備されているが、まだ盛りつけられてはいない。
ちなみに味噌汁は、えのき、こんにゃく、玉ねぎ、もやし、豆腐の角切りが入った、だし入り味噌のもの。
黒いタンクトップとハーフパンツにエプロンをした姿で、
鍋などを洗っている)
もうそろそろか…
ご案内:「女子寮・佐伯貴子の部屋」にレイチェルさんが現れました。
■レイチェル > とんとん、とノックの音が響いた後、すぐに扉が開く。
「入るぜー」
一声だけかけて、金髪眼帯の少女が部屋へと入って来る。
手には紙袋を持って、普段通りの制服姿である。
「うわ、すっげーいい匂いだな。って、もう殆ど出来てんのか?
悪ぃな、もうちょっと早く来てオレも手伝えば良かったんだが……」
たはは、と。申し訳無さそうに、人差し指で頬を掻くレイチェル。
彼女の目の前には、美味しそうなご馳走が並んでいる。
貴子の手料理が大好きな彼女は、心の底から嬉しそうに手をぽん、と胸の前で
組む。
「今日はよく動いて、結構腹減っちまっててな、食べるのが待ちきれねぇぜ~」
■佐伯貴子 > やあ、レイチェル。
もう出来上がっている。
座って待っていてくれ。
(レイチェルに軽く微笑んで水道の水を止める。
エプロンで手を拭い、茶碗にご飯を盛る。
これは雑穀の入ったブランド米である。
続いて汁椀に味噌汁を盛る。
小さめのお盆にそれを載せ、テーブルに運ぶ)
お盆からお椀をおろして並べてくれ。
手伝うとかは別に気にしなくていいよ、他人行儀だ。
ところで、この食事風景を動画にとって提出する課題があるんだが、
音声を消せば構わないよな?
(嫌だったらしないけど、と付け足しつつ、
携帯デバイスをシンクの横辺りにセットする)
■レイチェル > 「りょーかいだぜっ……と。
まぁ、他人行儀って言えばそうかもしれねーけど……でも、
なんつーかほら、最近会えてなかったから一緒に喋りながら
料理するっつーのも良かったかな、とか……な?」
言われた通り、お椀を並べていきながら、そう口にするレイチェル。
そう、二人が会うのは結構久々だ。レイチェルは一番の親友である貴子と
会うことを、とても楽しみにしていた。
「ん、動画を……か? 飯食ってるところなら、いくら見られたってオレは構わ
ねぇが……しかし、どんな課題なんだそりゃ。調理の課題なら、食べる
ところなんて記録しなくたっていいんじゃねぇのか?」
シンク横の携帯デバイスをまじまじと見つめて、ちょっと手を振ってみたりなど
した後に、レイチェルは貴子の方へ振り向いて首を傾げた。
■佐伯貴子 > 一緒に料理か…それもいいが、
今回はなんとなくレイチェルに栄養をつけてやりたい気分でね。
ダンピールにとって血液ほどエネルギーにならないかもしれないが、
栄養バランスは保証しよう。
(箸置きと箸を並べれば食卓は完成である。
エプロンを取って自分も椅子に座る)
調理の課題じゃないんだ。
自分の得意分野を、友人と協力してこなす、っていう、変わった課題。
私の場合は一緒に食べるってことだな。
何事も、他者と協力すると一人よりうまくやれる…みたいな講義だったな。
それはさておき、食べよう。
頂きます。
(動画の説明を要約すると、
両手を合わせた)
■レイチェル > 「……いや、すげー助かるぜ。そりゃ血が一番『効率』は良いかもしれねぇ。
でも食事って効率だけを求めるもんでもねぇと思うんだよ、オレは。
大事な奴が作ってくれる料理、これ以上の『心』の栄養はねぇぜ」
貴子のことだ。栄養バランスにしっかり気を配っていることは、レイチェルも
知っていた。その辺りをぬかる人間ではない。
「へぇ……友人と協力してこなす、ね。確かに変わった課題だな、そりゃ。
でも大切なことなんだろうな。オレの苦手なことだよ。講義受けときゃ
よかったかな」
肩を竦めてそんなことを言った後、手を洗って箸を手に取り、貴子に合わせて
両手を合わせる。異邦人であるレイチェルも、既にここでの生活に慣れたものだ。
■佐伯貴子 > そう言ってもらえると作った甲斐があるというものだ。
『心の栄養』…いい言葉だな。
私もこうやってレイチェルと食事することで、
心の栄養が体に満ちてくるような気がしているよ。
(普段あまり表情のない佐伯貴子が微笑み続けている。
レイチェルはわかっているかは判断できないが、
それはかなり珍しい光景なのである)
(箸を手にとってまず手を付けるのは肉じゃがである。
じゃがいもの火の通りは合格点。
口に入れてみると味も染みている。
『味覚の栄養』としても満足してもらえる出来であろう)
講義を受けなくても、いろんな人と関わっていればわかってくるんじゃないか?
私は最近思うんだが、「一人では一面しか見えない」んだ。
どんな物事も、自分の基準でしか判断できない。
いくら客観的になろうともね。
だから他人と関わることで新たな発見がある。
それは必要でもあるし素晴らしいことだとも思うんだ。
(じゃがいもを飲み込むと、
味噌汁をすする。塩加減はしょっぱめ。
疲れているであろうレイチェルには良い加減ではないだろうか)
■レイチェル > 「そうか、そいつは良かった。貴子も元気になるって言うなら、オレはいくらだって
一緒に飯を食べるぜ。できたら毎日でも良いくらいだ」
しれっとそんなことを言いながら、貴子の微笑みを見つめるレイチェル。
よく笑うようになったな、とレイチェルは思う。
今のレイチェルの持つ貴子のイメージは、『よく笑っている』親友、だ。
肉じゃがを口にする。
うめぇ、と思わず一言。
丁度良く火の通ったじゃがいもに、しっかりとした味付け。
箸もどんどん進もうというものだ。
「まぁ、人と関わるのは勉強だよな。
『一人では一面』しか見えない、ね……。
一人で突っ込むのを抑えるにしたって、結局一人のまま多面的に見よう見ようとしてたから、
それもマズかったんだろうな。
いや何、最近ちょっと先輩に言われてな。
一人で突っ込み過ぎだ、周りの風紀を信じろ、……みたいなことをな。
確かにこれまでオレはこの学園で一人で突っ込みまくってたと自分でも思う。
時には、貴子にすげー心配かけちまったし……。
ただ、改めようとも思ってんだ」
一人で突っ込んだこと……特に、炎の巨人事件だ。
西園寺偲のことが放っておけなくて、彼女は走り、そして走ること
をやめられなかった。
炎の巨人と対峙したあの時のことを思い出して、レイチェルは溜息をついた。
■佐伯貴子 > ふふ、ルームシェアするか?
とはいえ、もう生活形態が決まってきているし、
お互い不規則な仕事だから、こうして会う方がいいのかもな。
(風紀委員には当然夜勤がある。
夕食時に夕食を食べられることは、なかなか望めない。
だとすれば、時間があった時に、濃密に過ごすほうが良いだろう)
(一度席を立ち、キッチンの戸棚から鰹節を取り出す。
おひたしに鰹節と醤油をかけ、また戻して座る。
食べてみると、茹で過ぎないもやしの食感がいい)
先輩って五代先輩のことだろ。
改めると言っても色々方法が思い浮かぶな。
私は一人で突っ込むレイチェルを頼もしいと思っているし、
無理なら他人と協力しなくてもいいと思ってもいる。
死ななければこの島では何度だってやり直せる。
心配はするけどね。
もちろん、取り返しの付かない事態だってある。
でも後悔しているのはレイチェルらしくないな。
するなら後悔より「反省」だ。
もし、レイチェルのせいで私が死ぬことになっても。
いつまでもくよくよ考えていて欲しいとは思わないね。
たまに墓参りをしてもらえれば、いや思い出すだけでもいい、
完全に忘れなければ、私の死を糧にして走って行ってもらいたい。
(こんな話題になれば真顔になる。
いくら嬉しいからといって、笑うだけが好意の表し方ではない。
共感も重要な要素だ。
だからといって箸は止まらない。
食べなければ頭はよくないことを思い浮かべてしまう。
これは原始時代獲物を取れなかった時からの本能だという)
■レイチェル > 「ルームシェア、ね……してみたくはあるが……その為にはうちの部屋に
置いてある物騒なもんを全部持ってこないといけねぇな」
冗談っぽく笑いながら、貴子の言葉に頷く。ちげーねえ、と。
貴子の料理は美味で、いつものごとく箸がどんどん進んでいく。
どれもこれも美味く、口に合う。
「後悔してるのはオレらしくない、か……」
ふと箸が止まり、考えこむ様子を見せるレイチェル。
反省で済ますことが出来たらどれだけ良かったか。
改善点を考えて、次に活かそう、それで終わりにしよう、と。
思ったこともあった。それでも、いつまでも心の中にしがみ続けている
ものがある。それでも、貴子の心はレイチェルにとって大きな励みとなった。
「ありがとう、貴子。少し気が楽になったよ。持つべきものは友達、だな」
そう言って再び箸を動かそうとするレイチェルであったが、貴子の言葉にその手
を止める。止めかけて、貴子の意図を知ってか知らずか、再び箸を動かし始め。
「やめろよ、お前が死ぬなんて考えたくねぇ……。
親しい奴の死ってのは、何度経験してもダメだ。慣れやしねぇ。
お前がもし死んじまったらオレは……」
そこでレイチェルの箸はぴたりと止まってしまう。箸を持つその手に力が入っているのが、遠目にも分かるだろうか。
■佐伯貴子 > 物騒なもんって…そんなもの管理したくないぞ。
(レイチェルが言うのだから相当物騒なのだろう。
やはり部屋は住み分けたほうが良さそうだ)
レイチェルらしくないレイチェルもレイチェルだ。
きっと、成長している段階なんだろう。
私が言うのも何だが…
時間はかかるかもしれないが、きっと乗り越えられるよ。
君が元の世界からこちらに来てこうして馴染んでいるように。
(乗り越えるとは忘れるということではない。
自分の一部として取り込むこと。
佐伯貴子は思う、きっかけがないのだろうと。
レイチェルの引っ掛かりを解くきっかけ。
それさえあれば「乗り越え」るんじゃないかと)
礼を言われるようなことじゃないさ。
ははは、冗談だよ。
私には、本土の大学に行って就職して、結婚して、
おばあちゃんになって死ぬという大きな夢があるんだ。
それに…レイチェルの方が私より「死」に近い所にいる。
君の気持ちは嬉しい。だから。
私にも、「私達」にもそんな経験はさせてくれるなよな。
(もしかしたら薄情に見えるかもしれない。
謝罪の言葉はなく、淡々と続けた。
箸が止まる様子もない)
■レイチェル > 「乗り越えられる、ねぇ……。
ま、貴子がそう言ってくれると、ほんとに励まされるぜ」
本音だった。目の前の親友の言葉は、レイチェルの心を根本から支えてくれる。
かけがえの無いものだと、彼女は改めてそう感じた。
「本土……島の外の大学に行ったら、いい人見つかるかもしれねーしな。
貴子だったら、男がほいほい釣られそうなもんだから、あんま悪い男に
引っかからないように気をつけろよ、マジで。しかし結婚か、オレにとっちゃ
別世界の話だぜ」
料理も上手いし、しっかりしていて、また優しさも備えている。
更に、女性として美しいときた。彼女がその気になれば、すぐ結婚だって出来る
のだろう。
「……わかってるよ、貴子が居る限り、死なねーって。そこは安心しといてくれよ」
ふっと笑って、再び箸を動かし始める。
既に結構食べてしまった。もう、あとほんの少しだけおかずが残っている程度だ。
それらをぱくぱくと食べおえて、レイチェルは手を合わせた。
「ご馳走様。ほんとに美味かったぜ貴子……じゃあ、その、シャワー借りていいか?」
そう口にして、席を立つレイチェル。頬を掻きながら、ちょっと恥ずかしそうに。
■佐伯貴子 > 私はレイチェルに惚れているからな。
いつもレイチェルのことを考えている。
力になれたのならこの上なく嬉しいよ。
(どこまでが冗談なのか分からない言葉を口にする)
いい男と悪い男の区別なら付いているつもりだよ。
そう簡単に釣られていたら…今頃彼氏の一人くらいは…
いても…
(苦しそうな表情。
食事を喉につまらせたのではない。
モテそうで実はモテていないという事実。
苦しい。
レイチェルのほうがモテそうなのに)
私がいなくても死ぬなよな。
君は私が大切だといったが、君を大切に思っている存在は案外多いんだ。
ご馳走様。
(食べ終えると手を合わせる)
ああ、私はシャワー終わったから使ってくれ。
さて、私も準備しないとな。
(レイチェルがバスルームに行けば、自分は寝室に行く。
ドアを開けたまま、タンクトップを脱いで裸になる。
血を捧げる儀式、というより、
今ではお互いの存在を確かめ合う行為だろうか。
この後、何度目かの吸血行為を受け入れるのであった)
■レイチェル > 「お、お前な……そういうこと軽々しく言うなよ!」
流石に少し頬を赤らめながら、わたわたとするレイチェルであった。
「まぁ、そういうことなら良いんだ。ちょっとだけ心配でな。
将来、貴子が良い結婚出来ることを心から願ってるぜ」
と、他人の幸せを願いつつ、自分の幸せのことはあまり考えていないのが
レイチェルという少女である。
「あ、そうだ……」
洗面台から。
服をするりするりと脱ぎ捨てて、一糸まとわぬ姿になったレイチェルが、ちらりと顔を
覗かせて。
「今日はちょっと激しくなっちまうかも……まぁその、最近全然してなかったから……
こう……抑える自信があんまり無くてな……だから、その、なんだ……
引かないでくれよ?」
すっかり頬を赤くしたレイチェルは、小走りでシャワールームへと向かっていった。
夜遅くまで。
身体を重ねあわせながら、二人は存分にその存在を確かめ合ったことだろう。
ご案内:「女子寮・佐伯貴子の部屋」から佐伯貴子さんが去りました。
ご案内:「女子寮・佐伯貴子の部屋」からレイチェルさんが去りました。