2016/09/28 のログ
■五代 基一郎 > 男の子か、女の子かどちらかが気にならないというわけではないが
そもいるのではあるが、まだ姿を見られないその存在にはただ
無事に育つといいな、という言葉から連なるように
「早く会いたいね」
という言葉が出た。もちろんそんなすぐ会えるものでもないし
準備というものもある。今ころっと出てこられても困るのだが。
確認の折に音音の目を見れば、互いに生まれるだろう子を祝福するのはわかりきっていたことだが
それでもいざ、その姿を見てからの確認となればまた違っていた。
この子は両親から祝福されて育ち、生まれるのだと。
ふと、その後思ってしまったのは。
では祝福されずに生まれた子はいるのだろうかということではあるが
それは遠い世界の、別の世界の話であるからその考え自体はすぐに消えてしまった。
だが、しかしそう思うと。自分たちはこれから理想の世界を作るのかなという気分にもなってくるものであり。
今後は、さてどうしようかなともうれしい意味での迷いが出始めてくるものであった。
「なんていうか、こういう世界とは遠いかなと思ってたからさ。
いやでも女の子なら遅かれ早かれこういう世界には来るもんじゃないのかなってさ。
考えていなかったわけじゃないでしょ、だって。」
さて楽しむ、といわれても着道楽ではないのであるからして。
服装を着て楽しめ、といわれても正直なところ着ている音音を見ているほうがずっと楽しいわけなのだが
かといってそういえば「わかりましたから自分の分も選んでください」と言われるのだろうからそれはそれとなってしまうわけであり。
個人的な希望でいえば、ここにあるドレス全て来てもらいたいものであるがはて何日かかるやらとも
現実的な問題が出てくるものだからそうもいくまいとなってしまう。
別世界に浸れる時間というのはこうも少ないのは、その世界の住人になってしまわないための制約であろうかなとカタログを見ながら思う。
音音の女としての希望は知っているつもりだった。
というよりもそれは、自分にとってもまた同じで最高の花嫁であり女性でいてほしいというのはあるわけだが
普段の着るものでさえ、また然りでありその”最高”という基準は天井知らずだ。
そして尚、この別世界の所謂晴れの着物となれば尚更別だ。
それこそ天高く、聳え立つ不遜な塔のように果てなどないだろう。
気楽に、といわれてもこれから出てくるその天貫くような別世界の住人となる彼女に何を選べというのか
何を伝えればいいのかというのも考えれば困ってしまうわけであるのだが。
撮影プランに関して聞いていけば、もうそれは花嫁と相談して決めます……
という他ない、ような花嫁に決めてもらいますとしか言えなかった。
別段頓着しないわけでもない。どうでもいいわけではないが、やはりというか
そこは主役は彼女なのかな、と思ってしまうわけであり。
だからこそ彼女の満足いくようなものが残さればなと思えるわけで。
「あぁ、いや……」
そして、いざそのそういった姿を見れば先のようななんともといった言葉を繰り返してしまった。
普段の着る衣装とはまた別の、特別な姿を見てしまえば……
何か特別な意匠がというわけではない。王道的な、誰が見ても誰から聞いても”花嫁”というその姿を見れば
ただ真っ直ぐに自分の、相手が”花嫁”なのだと伝えられるようであり
証明のようにそこに出てきたわけなのだから今までにない気恥ずかしさで言葉に詰まってしまった。
「うん……綺麗、だと思う。」
詰まってしまったものであるから、フォトプランの説明をしていた店員が
助け舟を出すように何やら促すもののまだ言葉はうまく出せずそんな拙い言葉で伝えることしかできなかった。
「いいと思う。」
■綾瀬音音 > もー本当に来年の5月が待ち遠しいですよね
(医師から告げられた出産予定日は5月上旬。
勿論その通りに生まれるとは限らないのだが、それでも具体的な日にちが解ればそれだけ、
まだ先のようなもうすぐのような、そんな不思議な気分になるのである。
それまでに色々な準備を進め無くてはならないのだ、早く会いたい反面、準備が間に合うかも不安である。
でも一番の準備――自分も彼もこの子を愛して育てる、と言うそれはとっくに出来ているのだからきっと大丈夫だろうと思う。
世界で一番愛されて育った、と思ってもらえるように愛したい。
そんな祈りがある。
してあげたいことは既に沢山あり、それが全部出来るのかも解らないけれど。
本当にこの生命が愛おしいのだ。
それを、授けてくれた彼も)
――……そう、ですか。
そりゃあ憧れは当然ありましたけれどね。
考えって言うほど確かなものじゃないですよ、何となくいつかは着てみたいな、位のぼんやりとした思考です。
(遠い、といった彼の意味はわかったから、一瞬目を伏せたけれど。
だからこそ、彼も幸せにしたいと思うわけでもあり。
自分に関して言えば、そう思えば先の――未来のことを前向きに捉えれるようになったのが、人生の中でもつい最近のことだと言うことに気づいて自分でも驚いた。
考えてみれば、小さい頃から未来に特に希望らしいものは持っていなかった。
何となく、その“当たり前の日々”が永遠に続く様に思っていて、それに対して夢も希望もなく――。
――――一度頭を振った。
あまり自分の着るものに対しては頓着しないのに、此方の着るのもについては楽しげにしているのだから、
それは理解しているのだが、やっぱり一生に一度の――式をあげることになれば2度か――ことなのだから、
楽しめばいいのに、と思うわけで。
ドレス全部、なんて言われれば流石に無理ですよ、と笑ったのだろうけれども
困ってしまっている彼に小さく笑いつつ。
――そう、解らなくもない。
彼も思っていることは一緒なのはわかっているし、
今まで生きて生きた環境が特殊なのも知っているし、
俗に言うような女の子を喜ばせる気障なセリフが言えるわけじゃないのだって、知っている。
だから、彼が思ったままを言ってくれればそれでいいと思っていたし、
そう言う楽しみがあってもいいと思ったし、
いやまあ、自分だって楽しいし嬉しいけれど、彼だって同じになってくれればいいな、
なんて思うわけで。
主役は自分だ、と言われれば先輩もですからね!
と声を大にしていうのだろうけれど。
一人では意味が無いのだ、二人だから、こう言う写真を取ることに意味があるのだから)
――――ふふ。
(メイクはいつものとおりだし、髪の毛だって結っているわけでもない。
言ってしまえばただ衣装替えをしただけだったのだが、その反応に満足そうに、
――幸せそうに目を細めて笑った。
そんな様子を見られただけでも十分であり、羽根で心の柔らかな部分をくすぐられているような感覚。
ムズムズとした、とてつもない幸福感。
拙いとも言えるような、褒め言葉に笑って頷いてから)
はい、ありがとうございます。
じゃあ一着はコレにしましょう。
髪の毛結ったりアクセサリーつけたりすればまた印象も変わりますしね。
(反応を見て、そう決める。
その飾らない言葉がドレス以上に気に入ってしまったから。
後はどうしましょうかコレだけか、もう一着着るなら和装と洋装どちらがいいですか?
なんて笑って)
■五代 基一郎 > 現実としてさし迫ってくるとやれあれがこうで、どれがこうとなってくるわけであるからして
式は生まれてからだなぁとか、またさらに遠いような近いようなとなってくるわけなのだ。
実際来年のそのぐらいというと、今年でいえばまた再びと音音と会い始めたあたりだったなとか。
そう考えてしまえば生まれるのもすぐな気がして色々急がなければとなるのだが、こればかりは前もって準備できるものもそう多くはない。
やはり逐次なんとかしていくしかないな、と思いつつも
こうして寄り添って病院にとあれば気持ちの準備があれば十分なのかなとも思う。
迎える準備であり、また…愛する準備というものだろうか。
「あぁいや男ってこう……そういうのに夢見る方じゃないからさ。
ほら、そういうのとはまた違うわけなんだよ。いつかにここがある人もそういないって」
何か物騒なことではなく、男で結婚を夢見る人というのもそう多くはないだろう。
何か遥かな海や宇宙に思いを馳せる者はいるかもしれないが、結婚夢見た経験がある男子はとも。
その点、女の子は憧れはあるのだろうなと思っていたからと。
一度頭を振る姿を見れば、どうしたのと聞くけれども。
それこそなんでもないと答えられるなのだろう。
そう……それがなんであれ、今見ている世界からすれば、本当に何でもないことなのかもしれないのだから。
それこそ奇抜な、というより装飾を増やすわけにもいかないのが男性のものであろうか。
もちろん内に着るベストなどはあろうけれどもそこは調整のようなものであるから
大体何をというのは決まっているようなものではないだろうか。
決めるとしたらそれこそ色がメイン、なら合わせるドレスが決まってからでも遅くはない。
といいつつも、合わせるなら合わせるでこちらも何度か試着しないといけないのだろうなとも感じてはいた。
服を着るのに楽しみは、と思うものの着て並ぶことには楽しみを見出せそうだなと思い
また思い描きながら待っていたが。
そうか、自分もなんだなと実感が漣のように寄せてきた。
礼を言われても、またむず痒さよりもやり場のない恥ずかしさが募り
目を伏せたくもなる。だが目を伏せるよりもまた、その姿を見ていたくて
その姿を通して、隣にいる自分を見ていたかった。きっと隣にいるのだろうけれども、である。
音音の言葉には、どう返していいのかはわからずじまいであったが。
「えぇと、そうだな。今日はドレスにしてさ。後日和装でいいんじゃないかな。
いざ着るとなると準備もまた別になると思うし」
そう言いつつ、言えば自分も席を立って店員に頼み
衣装合わせを始めようと、した。ドレス姿を見て自分もと思ったのだ。
その姿を見れば腰を上げるに十分な気持ちになり、気分も乗ってくる。
とりあず、まず一着。音音のと合わせてスタンダードなブラックから始めようと思うとも告げて
店員と相談し始めた。だからまだ次は少し、待ってほしいとも伝えながら。
他はグレー、ネイビー、ホワイトが候補だろうかともカタログで見ていたものを話しながら……
■綾瀬音音 > (まだ色々あたふたするという段階ではないえれど。
式を挙げるならそうなりますねぇ、と此方も答えるわけで。
準備する、と言っても揃えないといけないものは大方妊娠後期でもいいわけであり、
それでも全てはあっという間に過ぎていくように思えるのだ。
いつかこの日を思い出して――この日も、また別の日だって――幸せだったと、そのまま地続きのようにその時も幸せだと思えればいい。
自分も彼も。
そのための準備なら惜しまないつもりである)
まあそれは解りますけれどね。
男の人が結婚式に思いを馳せるっていうのは中々聞きませんし
(そう説明されれば一つ頷いた。
然しながら男性が人生に夢を見るのであれば一体何処に夢見るのだろうか、そもそもそういう生き物ではないのだろうか、とか何とかも思い。
当然、ウェディングドレスに対する憧れはあったけれども。
そこに希望やら何やらがあったのかと言えば皆無だったのだ。
きれいな洋服を着てみたい、位のもので。
だから、こうして今回“わがまま”を言ったのは、一番は彼と一緒に写真を取りたいからであって――
こう、記念に残るようななにかを、と言う思いが強い。
どうしたの、と訊かれれば彼の予想通りなんでもないですよ、とへらっと笑って答えて。
そう本当に何でもないのだ。
今は夢を見て希望を抱く未来があるのだから。
見つめられてしまったら、ほんのりと染まる頬。
たとえ試着だと言ってもこれが特別な装いであることには変わりなく、
そう、見つめられてしまえば照れてしまうのだ。
果たして自分は最高に可愛い花嫁になれるのか、それが気になって仕方がない。
彼の隣に立って、恥ずかしくない自分になれるだろうか――。
ドレスを着る日だけではなくて、これから先、ずっと)
うん、そうですね。そうしましょう。
ドレスが白なら和装は色打掛が良いですかね……。
ですね、写真とかは日取りとかも決めないといけませんし、揃えるものもありそうですしね
(そう言って立ち上がった彼を見て、今度は先輩の番ですね。
と笑いながら。
どうせなら格好良く決めてくださいね、と彼に――では無く店員に。
男性の服は自分も詳しくないのでプロの視点をお借りしつつ。
今度は自分が彼の衣装姿を見て照れる番だろうか、ああでもないこうでもない、なんて口に出しながら、少しばかり照れくさくも楽しい時間を過ごすのであった)
ご案内:「フォトスタジオ」から綾瀬音音さんが去りました。
ご案内:「フォトスタジオ」から五代 基一郎さんが去りました。