2016/10/02 のログ
ご案内:「落第街の一角」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
櫛鉈 蛟 > 「…お~お~あっちこっちで派手にドンパチやってるな…流石風紀委員の主導なだけあるってか」

と、暢気に呟くのはサングラスを掛けたややチンピラ風味の格好をした男。
口の端に既に火の点いた煙草を咥えつつ、あちらこちらで湧き上がる魔力の流れを感じる。

(ったく、魔力が無くても感じ取れるってのも変な感じだが…しっかし、誰か派手に浄化術使いやがったなこれ)

少し離れた一角から強烈な聖なる気配じみた魔力の流れを感じた。
単体か複数人かは知らないが、結構派手にやってるようだ…ここの連中に刺激を与え過ぎないといいのだが。

「…さぁて、”非公式”の依頼があった以上、俺も加勢するしかねーんだが…面倒だなぁ、ったく」

ボヤきながら溜息。元・風紀委員というのもあるが特別監視対象ならではの協力要請。
断る事も当然出来たのだが、下手に断ると後が面倒になりそうだ。
と、いう訳で仕方なく引き受けたはいいが…これは、さすがに風紀委員会の主導でも厳しい気がする。

「…そもそも、浄化術とかそっち系統の異能を持つヤツはそんな数は多くない気がすんだよなぁ」

櫛鉈 蛟 > 「……んで、どっから手ぇ付けたらいいんだこれ…」

適当に風紀委員らしき赤い制服のヤツをとっ捕まえて指示を仰ぐ…面倒だ。
そもそも、非公式な依頼なので民間協力者的なアレだし、あまり目立ちたくない。

「…とか思ってる間に来やがった……あ?」

妖怪もどきの気配に面倒くさそうにサングラス越しに視線を向ければ。
何かすっごい巨大な黒い塊のようになって猛接近してくる…ピンポイントで男の方へと。

「おいおい、猛烈アピールは美女だけにしてくれねぇかな…!」

全く嬉しくもなんともないアピールが辛い。思わず天を仰いで大袈裟に顔を片手で覆って。
次の瞬間、ヒョイッと軽い身のこなしで黒い塊をギリギリで交わしていく。
黒塊はそのまま、バラック小屋の一つに激突して破壊していく…破片が飛び散ってうざったい。

「…ったく、俺はお前等のお仲間じゃねーんだって。襲うなら他所当たれよ…」

と、黒塊へと向き直りながらボヤく。遭遇した以上、コイツは自分がやらなければならない。
…凄い面倒だ。と、いうかかなり凝縮された悪意やら殺意やらを感じる。

(こりゃ、相当数のもどきが寄り集まってんのか…ここだけじゃなくて他にも出てそうだな)

櫛鉈 蛟 > (それと、何時もの公安の監視の目が緩い…と、なれば公安も多少出張ってんのかね)

内心で一人ごちながら、腰の後ろに差した短刀…【蒼月】を右手で逆手持ちに引き抜く。
相手が何であろうが、こっちは”死なない”からいいとして…どう倒すかが問題だ。

「ったく、せめて浄化のマジックアイテムとかそういうの用意してくりゃ良かった…ぜ!」

反転して迫ってきた黒塊の”妖怪もどき”を再びスレスレで交わし、同時に右手の短刀を振り抜いて――。

「…うっわ、手応えが軽ぃ…寄り集まって密度が濃くなってやがんのか」

何かに纏わり付かれるような、泥の中に短刀を突っ込んだような鈍い感触。
即座に短刀を振り抜いたままの態勢で離脱をしつつ、すかさず身を翻して向き直る。
まがりなりにも、この青白い刀身を持つ短刀は神剣の欠片を基礎としたもの。
それで擬似的に浄化させるノリだったのだが、寄り集まったもどきのガードが固い。

「鉄壁のスカートじゃあるまいし、もうちょい楽にやらせて貰えないもんかねぇ」

が、飄々とした独り言と態度は崩さないままだ。最悪、纏めて自分に憑依させて…

(内部で纏めて潰す、ってのもアリなんだが…あの密度だとまず俺の体が潰されっかな)

ご案内:「落第街の一角」に蒼穹さんが現れました。
櫛鉈 蛟 > 「…っと!?」

今度は体当たり、ではなく触手の様な物を複数形成、ご丁寧に先が円錐状に尖ったそれを伸ばしてくる。
数は10、目で見切れるモノは最小限の動作で交わし、幾つか不意の軌道で飛んで来た触手だけを右手の短刀で斬り飛ばす。

「…流石に触手の方は密度が薄いから切れる…とはいえ。」

目の前で切れた触手があっさりと再生していくのを眺めて苦笑い。こりゃ本当に面倒だ。
軽く右手に握った短刀を手の中でクルン、と回転させて改めて逆手持ちで握り直し。

「…って、速っ!?」

先程よりも速度を増した触手が今度は20、倍の数だ。流石に短刀一本だと捌き切れない。
とはいえ、下手に後退する時間も左右に飛んで交わす時間も無い。真っ向から迫る触手を斬り、刃の腹で受け流す。

「……ありゃ」

で、触手が左腕を貫いたかと思えば、そのまま”侵食”してくる。
どうやら寄生しようとしているようだ。このうざったい感触は何とも…。

「人の体に勝手に入るんじゃねーよ、触手野郎」

ザンッ!と、無造作に右手に持つ短刀で己の左腕を躊躇い無く斬り落とし、後ろに飛んで距離を取る。

「精神的にじゃなくて肉体的に侵食、となるとかなりヤベぇな…」

そう呟く男の左腕は既に再生を始めており、あっという間に元通りとなっていた。
軽く左手を握ったり開いたりして調子を確かめつつ。

(しゃあねぇ、この塊だけは俺がここで仕留めておくかぁ)

他に被害が広がってもそれはそれで面倒だな事になりそうだ。

蒼穹 > 真っ黒な悪意、殺意の塊の妖怪のなりそこねを、
浄化でも聖属性でもなく、ただただ魔力だけで接近を許さず破壊しまくる、青髪の少女。
通る場所通る場所に破壊にのみ特化した、そんな術式を
惜しげもなく、まるで出血大サービスとばかりに、
音もない、ただ真っ黒に球状に広がっていく破壊の爆風をお見舞いしながら、落第街の一角をゆっくりと歩いている。
歩いていく場所は、まるで嵐でも通ったかのように、跡形もなく、
世界の空間から切り離されたかのように、妖怪モドキが消え去っていた。
その魔力の根本たるは、現在多数の黒い塊と接触中の櫛鉈蛟の方へ、人が歩くスピードでゆっくり接近していく。

「だっるぅ……。」

落第街大規模討伐作戦、などというふざけた作戦。
勝手にやってろって思ってたら何故か。どうしてか。
サボれず団体に参加させられた挙句流れで落第街まで連れてこられた。
そういうわけで、不真面目な蒼穹にしては珍しく、まともに裏方で地味な戦闘しているというわけだ。
というわけもあって、何だか凄い機嫌悪そうだ。

「はーい、退いた退いた~。
これ終わるのかなぁ?」

壊しても消しても、あっちこっちから性懲りなく黒い塊が飛んでくる。
近寄ってくるヤツには指を向けて直接柱状の破壊魔力のレーザーを吹っかけて、消し飛ばす。
それを繰り返しているのだが…。

「んー?…大丈夫かい?
ああ…大丈夫そうだね。」

黒い魔物を間に挟んで、片腕が落ちていた男の姿を目撃した。
ほっとくのも良心がとがめるので一声…
その頃には良い意味か悪い意味か知らないが、遅かった。
最近よく見る不死身と言う奴だろうか。
とりわけ、サボりが多い蒼穹だ。何か見覚えあるかもなぁと思ったが、
あんまり彼については知らない様。

この黒い奴らと戦ってるように見えるが…さて。
単に落第街の人が黒いのと絡まれただけなのかも。

間髪入れず暇もなく飛びかかってくる黒い何かを、後ろ目で確認すれば、

「ひっこめっての。」

無感動に破壊の術式が爆破して吹き消す。
大規模討伐でも、割とお気楽ムードなのはいつものこと。

櫛鉈 蛟 > 「あーもう、相手がせめて美女な姿してたら、ちったぁ気合も入るんだがなぁ」

が、どんな姿をしていようがここで潰す事に変わりは無い訳で。
単にモチベーションの問題である。と、何か悪寒を感じさせるような魔力を不意に感じる。

(…おいおい、なーんかこの魔力覚えがあるんだが…)

風紀委員時代に偶に感じていたソレを思い出す。アレは誰だったか――…。
と、何か凄い場違いな暢気さで接近してくる女を捉えた。

「……あ~…アイツかぁ」

うん、面識は殆ど無い。あちらはサボリ魔で、こちらも不真面目だったのもあるが。
少なくとも見覚えはある。感じた魔力は矢張り記憶違いでもなかったか。
ただ、肝心の彼女の名前が出てこない。こう、喉元までは出てきているのだが。

(つーか、そう軽々と消し飛ばせるのが羨ましいぜホントに…)

こっちは死なないのと神剣の欠片から作った短刀がある程度。
あとは、それこそ体一つでやりあっているのだ。異能も魔術も使えやしない。
ともあれ、こちらに声を掛けてきた女に、再生した左手をヒラヒラ振ってみせる。
同時に、地面に落ちていた左腕は赤い粒子のようになって消えていく。

「まー何とかな。そっちが魔力ぶっぱなしてくれるお陰で割と俺が楽にはなった……訳でもねぇか」

目の前の塊を含め、あちこちから妖怪もどきの気配を感じる。
引き受けるんじゃなかった、と今更思っても後の祭りというやつだ。

「取りあえず、アンタ…えーと、俺の記憶違いでなけりゃ風紀委員のサボリ魔っつーか破壊魔?破壊神?
ともあれ、コイツ消し飛ばしてくれるとありがたいんだけど」

と、短刀の切っ先で目の前の触手生やしたキモい塊を示して。

ご案内:「落第街の一角」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
蒼穹 > 「おー。」

何か良く分からないけど、敵ってわけではなさそうだ。少なくとも、この場では。
なので、とりあえず寄ってくる黒いヤツを打ち消しながら、
空いてる方の手を振っといた。
肩や不真面目な風紀委員同士である。あんまり知らなくてもおかしくない。

「そりゃ何より。んー?って事はキミも狩りさせられに来たのかい?

面倒くさいよね。こういうタイプは心臓がないから嫌い。
オマケに数も多いしあっちこっちにいるもんだから、
まるで終わらないゴミ拾いでもさせられてる気分だよ。」

勝手すぎる個人的見解をぶちまけながら、
その男にぐちぐちと仕事させられるつらみを愚痴る。
こういうタイプは、核になるのがいないから、斬っても斬っても金太郎よろしく、
どこを斬っても平然と継戦してきて鬱陶しいこと。

「でもまあ…まだ普通に蠢いてるってだけマシかな。
これで魔法や異能を使いだしたら面倒この上ないと思うけどね…。」

話がてら、塀から通路から、黒い魔がまた湧いてくるのを見れば、
視界に入ったと思しきものが、同じく真っ黒な魔力に飲まれ、消滅していく。
ぴょこぴょことんできたりするのは、小さいヤツの分体みたいなのが多い。
たまに中くらいのもいるが、ひとまとめにして飲み込んでしまった。
でも、まだまだ一杯いるようだ。……この辺の近くにも、でかいのがいる気がする。

「…お、おーおー、サボリ魔だの破壊魔だの失礼だね!
…なんだこれ。ほーら、言われなくてもっと。滅爆っ。」

ちょっと中の上くらいのサイズだった。
大きくなるとその分色んな形を取れるらしい。
けども、そういうの関係なく、綺麗に球面波状に広がる真っ黒な爆風で、切り取る様に消し飛ばした。

「そーだよ。破壊神。……キミは、…んー?」

彼は、なんか見覚えある。刑事課の時の記憶かもしれないし、
或いは監視ナントカのアレかもしれない。
確かにそのサングラスの顔はサボリの蒼穹も見覚えがあるが…
こっちも同じく、思い出せない。

櫛鉈 蛟 > (何と言うか、変に親近感が沸いてくるのは俺だけなんだろーかねぇ)

見覚えがあるということは記憶に残っているという事。
つまり、大なり小なり印象に残っている程の何かがあるという事になる。
多分、男が彼女を覚えていたのはサボリ魔、というか飄々とした自由人な気質が似ていたからだろう。
本質や細かい部分はまた別としても、基本的な所が似通っている気はして。

「あーうん、まぁそんな感じ。一応、建前上は”民間協力者”って事になってるけどな。
…で、仰るとおり面倒なんだよなぁ、この手のは。
何か最近急にこの辺りとかで活発化してきたらしいけどよ。
ゴミ拾いの方が攻撃してこないだけまだマシだけどな…っと!」

背後から迫ってきた妖怪もどきを右手の短刀を振り抜いて切り裂く。
彼女と違い、纏めて消し飛ばすような攻撃手段が無い為、こうして”比較的”弱い部分を見極めて貫くか斬るしかない。
幸い、目の前のコレに比べたら雑魚な為に今度は一撃で仕留める事が出来た。

あと、彼女の個人的見解も、その愚痴もキモチは解るので割と自然体で聞いていた。
こんな状況でなければ一杯やってダベりたいくらいだ。

「確かになぁ、つぅか俺は魔法も異能も使えねーから、それこそ困るわ…今の時点でも面倒だっつーのに」

溜息混じりに、また短刀を振り抜いて別の妖怪もどき(小)を両断して消滅させる。
浄化が使えなくても、神剣の欠片から作られた短刀だ。小規模の相手なら切り裂けば一応は潰せる。

「へいへい、口が悪くてスマンね……っと、お見事。羨ましいねぇ魔術使えて」

と、羨望を口にするが、実際は大して気にしていない。無いもの強請りをしてもしょうがないのだから。
綺麗に球面状に黒い爆風で消し飛ばされたソイツを一瞥してから一息。

「ん?俺か?俺はクシナダ…一応、2年前までは風紀委員会刑事課に属してたぜ。
色々在って自主退学して風紀委員も退職してっけど…な!」

彼女の方へとノンビリと歩み寄りながら、不意に足元から現れた塊を踏んづけてからゾンッ!と短刀で突き刺してトドメ。
そのまま、何事も無かったかのようにそちらへと歩み寄りつつの。