2017/07/08 のログ
デーダイン > 「…………ッッッ!??!」

少女 の ダメ出し!
デーダイン は 精神的 に 死んでしまった! ▼

デーダインは和元月香のダメ出しに、言葉にならぬ、しかし何か言ってるっぽい感じの声で後ろに後退した。
結構効いてるみたいである。

「―――少女よ。」

神妙な声色。

「貴様、この仮面の良さが分からんと言うのかッッ!!!


―――――見よッッ!!

この白く輝く光沢ッッ!!
プラチナの如き圧倒的な美しさッッ!!
それでいて軽く、そしてなによりも実用性が高いッッ!
最ッ高の特注品なのだぞ貴様ッッ!!!」

デーダインは激怒した。みたいだ。
仮面の表情は分からないが、
しかし随分声がうるさい。こんなところで近所迷惑甚だしい暑苦しいボイスが響き渡り。

「ほう。なんだそれは、貴様も良く分からんのか。
私も当然良く分からん。だが、そんなものばかりだし仕方ない。」

これもきっと、常世は大体こんなもんの一つなのだろう、たぶん。

「……何とかって、何とかって―――

―――『何とか』って何だよッッ!!!」

最早哲学の様な質問というか、ツッコミの斬り返しであったという。

「で、私は何を手伝おうか?」

でも手伝いはする様だ。

和元月香 > (アッなんか死にかけとる)

そうさせた張本人のくせして、後ずさる相手に悟りきった眼差しを送る月香。
更に仮面の素晴らしさを語り始める不審者に、鼻をほじる幻覚さえ見えるかのようなめんどくさそうな表情で肩を竦めた。

「いや、うん...。なんかね、デザインがね!」

だからあんまり実用性と素材は関係ないよ。
へらっと笑って、月香はさり気に更に一撃。

「だから、何とか、何とか...。

...あんたのせいで分からなくなったやんけ!

何とかって何?!え、こいつどうすればいいの?!」


哲学的な質問を考えたのが運の尽き。
彼女自身どうすればいいのか分からなくなったようで、堪らず突っこんだ。



____.....、さっさと、どっか行けば...?


「アッ喋った」

そろそろ周りで延々と叫び続ける2人に堪忍袋の緒が切れたのか、ようやくモヤが言葉を発した。

どう聞いても少年の声である。

デーダイン > 「真面目に聞けよオイ。闇に葬るぞ貴様。」

暗黒オーラ(何か良く分かんないけど黒い!)を背に纏いながら
ゴゴゴと言う効果音(音魔法)を鳴らしてお気に入りの仮面を侮辱された事に抗議をする。

「デザインだと?言うまでもない、シンプルイズベストだ。」

ふふんと得意気に鼻を鳴らす様な音を聞かせつつ、自慢気に仮面に手袋の指を置いて。

「知るかッッ!!どうすればいいかなんぞ私が聞きたいわッッ!!」

情報を纏めると、二人は
・このモヤについて何なのかはあんまり分かってない
・どうすればいいかもあんまり分かってない

これが正しいと言えば、それはもう、二人の間に飛んできた第三者の言葉がド正論であろう。
さっさとどっか行くべきである。

「しゃ、喋ったぁぁぁッッッ!?!?!!」

少なくとも、
このモヤが少年の声で喋ると言う情報が新たに付け加えられたのだった―――!

和元月香 > ゴゴゴ、と闇を背負う明らかにヤバげな不審者。
黒魔術っぽいそれを感じ、月香は咄嗟に____。

「ごめん★」

テヘペロした。
残念ながらメンタルの強さには定評があるのだ。

「.....そんな気に入ってんならいいんじゃね!?私の負けですよっ!」

どう言っても仮面大好きな相手に、何を言っても無駄だと理解し降参する。
よそ様の趣味です好きにやってくれ!そうじゃないと物理的に不屈だからツッコミを永遠に入れ続けてしまう。

「消すとかは何か後味悪いし、なんかあれだ、成仏?いやこいつ死んでんの?」

うーん、と一見真剣に悩んでいるように見える月香だが、彼女自身何を口走っているのは分かっていない。
圧倒的情報不足、しかも何ともやかましい2人である。

そんな2人に飛んできた冷たい言葉にテンプレどうりの反応を見せる相手。
モヤはあからさまに不機嫌になり、2人を睨みつける(?)。目がないので分からない。



____だから早く出てってよ。あんたら何なの?ほっといて。


「喋ったぁぁぁぁぁぁぁ!!!

てかそこにいられると近道塞がって迷惑なんですけど!!!」

結果、月香は悪ノリした。
モヤは苛立たしげに舌打ちを繰り返している...。

デーダイン > 「畜生!滅びてしまえッッ!!」

デーダインは手袋の指先からほとばしる暗黒オーラビームを放つのであった。
当たっても別に痛くないけど何かちょっと当たった所が足の裏並にくすぐったくなるかもしれない。
ごくごく、しょうもない呪いの魔法である。

「フン、最初から負けて居れば良いのだ。
この完全無欠の絶対悪たる私に勝てるわけがないのだから。」

凄く、誇らしそうである。
暗黒神の情けない勝利であった。

「ふむ。成仏とか昇天だとか聖水だとか、悪いがそういうのは専門外だ。
私は暗黒神なのでな。
寧ろ呪ってこの地に縛られる地縛霊だとか、アンデッドにしてやるくらいなら出来るかもしれんし、魂を地獄に落としてやる事も出来るぞ。
……クックック、冗談だ。」

一体何処まで本気で言っているのやら。
だけど多分、モヤには可哀想な事に五月蠅いまんまである。

「私は異界より舞い降りた絶対にして悠遠なる闇の化身―――暗黒神!
貴様こそ何者だ!そうだ、そこに居たら―――!!!



―――あ、私は別に何も困らんな。」

和元月香 > 「.........ッッッんんんあぶねっ!??

ちょっ、何すんじゃごらー!」


突然放たれたビームを思いっきり体をのげぞらせ、紙一重で避け、抗議するように叫ぶ。
あんまり殺気は感じなかったが、ろくな目には遭わない気がする。

「貴方が絶対悪ならこの世の死刑囚は一体何なんだろう?悪を超越した何か?」

相手の決め台詞に、大真面目な顔で悩む。
とてもこの人物が極悪人とは思えない。
...まぁ、決して善人でも無い。断じて無い。

(仮に極悪人だとしても、私には関係ないし!)

「あんこくしん...?せいすい...?
あー、もしかして貴方ただの不審者じゃないんすか。

あれですか、異世界人」

今更すぎる答えである。
しかも反応は薄いというかなんというか。
目はどう見ても患わっしゃてる方を見るそれであるし。

可哀想に放置されていたモヤを指差す。

「安心して下さい、こいつもう堕ちてます。1回怪物化しましたし」

____.........。

憎々しげに睨みつけてくるモヤをさらっとスルーして、月香は笑顔で相手の問いに答えた。

「和元月香、常世学園1年。

何者って聞かれればそうと答えるしか無いです暗黒神さん!
あと、多分あんたが困るような事もしませんぜ」

デーダイン > 「クハハハ、脆いわ人間ッッ!!!
次は確実に心臓を射てくれる。覚悟せよ!」

背中に山ほど暗黒オーラを纏いながら得意気に抗議をそよ風の如く受け流す不審者。

「絶対悪だ。
この世の死刑囚?……フン、そんなもの、有象無象だよ。
悪と言う物とは根本的に違うのさ。」

含みのある物言いである。

「その通り!異界より舞い降りし暗黒の化身だともッッ!!!」

ただ、そう…どうみても中二病である。
しかも闇属性に目覚めている。
冷ややかな眼差しは致し方ないのであろう。

「なんだそりゃ。ワケありもいいとこじゃないか。
堕ちたり怪物化したり災難すぎないか。」

答える和元月香に、しかしデーダインはうぬぬと唸り。

「自己紹介ついでに一つ良いかね、和元月香よ。


―――貴様が答えて、どうするッッッ!!?!!?
今のはそっちの……黙ってる少年?少年ッ!!少年に言ったのだが。」

何か人相悪い?(顔ないから良く分かんないけど多分怒ってそう)な、
モヤモヤさん(仮名)に仮面と手袋の指を向けて。

「さて…良いだろうか?貴様は何者なのだ?ああ、私に害意はないのだ。
ただ、乗り掛かった船なのでな。答える気がないならそれで構わないし、
煩わしく思わせたのなら謝った上で去らせてもらうよ。」

不審者の割に、意外と真面目に向き直って、言いだしたのだった。

和元月香 > 「悪役みたいな笑い声上げんといて.....、いや悪役?」

結局あなた悪役?とのげぞったまま問う月香。
悪役だろうが何だろうが、どうでもいいや的な感情しか無いのだが。

「あらそうなの...。国を何個か滅ぼしてたりするんですか?」

暗黒神だから、と言いたげに尋ねる。
言い方を変えてしまえば月香だって悪人である。
.....家族を平気で殺しといて誰が善人だよ★のノリなので、この不審者が悪人だろうが気にしない。

含みのある言い方に、少し眉を顰めたりしたが。

「完全に患ってます、ありがとうございました!!」

全力で一礼。
でも分かる、こんな異能なんてザラな世界患っちゃうのもしかたない。
月香だって一時期ガチで患っていた。

「だってさー、他人のトラウマ掘り返して幻痛を味わせてその挙句物理的に食べる怪物ですよ?どう考えたって堕ちてまっせ」

まるで体験、いや体験してるので詳しくモヤのことを伝える月香。
物言いはやけに軽いが。

「だって!こいつ!絶対名乗らない!
ほら見てくださいよこいつ!誰がお前みたいな不審者に名乗るかみたいな顔してやがる!」

表情は見えないが、モヤはあきらかに相手も睨んでいた。


しかし、数分黙った後ぼそぼそと呟くように問に答える。


____何者?さぁね、もう自分でも分からない...。
あぁでも、そうだな。僕はただの人間だった。

____名前は覚えてない。もう人間扱いされずに久しいからね。


意外と饒舌である。
真面目な相手の表情に、心打たれたのかもしれない。
多分。

デーダイン > 「ウム、悪役だが。魔王とか邪神とかああいうやつ。
ああ、ラピュショーンとか言う方が分かるかね?」

悪役なのに悪びれない。

「クックック、それこそ有象無象…野暮な問いだ。」

格好つけているけれど、多分答える気はなさそうである。

「フン…中二病だ何だと言いたいのだろうがッ!!否定はしない。
まぁいいだろう、そうして患ってるだ何だと言ってくる高二病も似た様なものだ。
ちょっと一個ランクは上だろうがな。」

腕組みしながらうむうむと頷き。

「ほーぉう、どっちかっていうと悪霊や悪魔みたいな怪物だな。
夢喰いみたいなもんか。夢じゃないだろうが…うーむ。
それは堕ちてるというより、単にそういう生き物なのではないか?」

横から突っ込んで来る不審者とかいうヤジを華麗に受け流しながら。
答えに耳(?)を澄ませたまま、暫く。

「もともと人間だった、と。
そういう生き物でないなら…否。

なるほど、色々あったようだが…それを聞くこそ野暮だろう。

……フン、なれば、人間だったという貴様にもう一つ聞こうか。
何か望むことはあるかね。クク、あいにく私では成仏はさせてやれんし、
人間に戻してやれるかも分からんがな。」

和元月香 > ガチめの悪役らしい相手に患っていた頃の血が騒ぎかけるも、何とか無反応を装う。
ここで悪役の話に花を咲かせれば確実に黒歴史待った無しなのだから。

「患ってるも何も、この世界自体が患ってるんですからもう中二病も高二病も無いかもですね!」

さり気に失礼な一言を爽やかな笑顔で言った。

「そうかなー?最初は人間な訳無いと思ってたんですけど。
でもこいつ、明らかにバケモノじゃないですよ」

モヤを見下ろし、首を傾げて思い出すように。
そしてその言葉は、間違ってはいなかった。


モヤは沈黙した後、ゆらゆらと体を揺らめかす。


____僕は、憎いんだ。

____僕を、こんな風にしたあいつらが...。

____人の体、あんなにいじくり回したくせに、僕を、僕を、僕を、僕を、僕を、僕を、


ぶるぶる震えるモヤを指差し、月香は苦笑する。

「...これ放置してても更に堕ちそうなんですけど」

デーダイン > 「……身も蓋もない事を言うんじゃないッッ!!!
剣に魔法は浪漫だろう。」

患ってる者としては、何とも歯がゆい感想である。
さりげにってれべるじゃねーぞ!

「じゃあどっちなんだよ!そもそも最初って何だよ。」

根源的な哲学の問題が、再び。


「…フム…可哀想だが、彼は成仏なりさせた方が良さそうだな。
随分、この世に未練を抱えている様だが…。放っておくほうが良くないかもな。」

デーダインは一考して。

「―――だが、私に現状打てる手はないッッッ!!!
さっきも言った様に専門外な上に、こいつのことを良く知らんからな。下手な手は打ってはならん。
何かしらの前例が見つかったらまた、来てみるとするか。」

戦略的撤退である。
火遊びはすれど、危険は極力排除するのがデーダインのやり方である。

「…それから貴様も、
あんまりこういう迷路みたいなところで遊ばんように。迷っている訳ではないらしいが。
まぁ…どうやら、既に化け物に襲われた上で来た様だから、無用な警告だろうがね。
縁があったらまた会おう。」

最後に一つ、言葉を残して。
何となく、話してるうちに、アレに襲われた事くらいは察しがついたらしい。
ばさり、と赤マントを翻しては、姿を包んで消えてしまう。
残ったマントは何処へやら飛んで宙へふわり、燃える様に焼失して。

ご案内:「学生街路地裏」からデーダインさんが去りました。
和元月香 > ____憎い、憎い憎い憎い憎い憎い

相手が浪漫を語ったり、考察しているうちにもぶつぶつと呟くモヤ。
でも襲ってくる心配は無さそうである。

「いっそ消えちゃえば楽になるの、かな...?」

憎しみ、恨み、それから苦しみ。
全くその感情が理解できない月香は、疑問形をつけながらもやはりダメかと思い直す。

そして、相手が去り。
呪詛を撒き散らすそれを眺めるのも飽き、月香はくるりとあっさり背を向けた。

「.....、私も帰るか...」


薄情者の2人しか居合わせなかったその場所に残された亡霊は、ただただ憎悪を呟き続けた。

ご案内:「学生街路地裏」から和元月香さんが去りました。