2017/11/04 のログ
ご案内:「ハロウィン前の休日」に美澄 蘭さんが現れました。
ご案内:「ハロウィン前の休日」に八百万 頼さんが現れました。
美澄 蘭 > さほど買い物が趣味というわけではないが、雑貨などに対しても趣味はある。
蘭が心寄せる青年を誘って最初に向かったのは、女の子が好みそうな雰囲気の雑貨屋だった。
普段はフェミニンな雰囲気の雑貨に溢れているのだろうが、今の時期ばかりはそういったものは店の隅の方に追いやられ、店のメインエリアはハロウィンのイベントに合わせたような雑貨、小物…オレンジや黒、紫に溢れている。

「オレンジってあんまり得意じゃないんだけど、こういう時期に見るのは楽しいわ」

楽しげに笑って、蘭は連れ立つ青年を店に導き入れる。

八百万 頼 >  
(彼女と訪れたのは、女性向けの雑貨屋。
 とは言えそれほど臆すこともなく、彼女に続いて店の中へ。
 やはりこんな時期だけあって、カボチャやらなんやらの雑貨が多い。)

ハロウィンもすっかり日本に馴染んでしもたなぁ。

(カボチャをかたどったアロマキャンドルを一つ手に取り、しみじみと呟く。
 月が変われば一瞬でクリスマス一色になるだろうに、そこはやはりお祭り好きの日本人と言うことだろうか。
 キャンドルを戻して店内を見回す。)

美澄 蘭 > 「おじいちゃんが物心ついた時には割と普通だったみたいだから、そんなものじゃないかしら」

「あ、田舎の方のおじいちゃんじゃないけど」などと付け足しながら蘭が目をやるのは、ロウソクを中に収める形の、カボチャのランタンのようなオーナメント。
雑貨店なので、商品は「飾るもの」「置くもの」が注文だが…仮装用の小物や、店の片隅にはチープながらコスチュームもあるようだ。

八百万 頼 >  
ハロウィン言うてもお菓子貰えるだけやったからなぁ。

(クリスマスのように何かが貰えるわけではない。
 あまり興味のない子供も多いのではないだろうか、と考えてみる。)

――蘭ちゃんああ言うのは着いひんの?

(店にあるコスチュームを指差してみる。
 魔女だったりカボチャの精霊?だったり、猫メイドだったり。
 ――何故メイドなのだろう。)

美澄 蘭 > 「あら、小さいうちは夜に友達と練り歩けるだけでも結構楽しかったわよ」

「子どもを飾って楽しみたい親の気持ちもあったとは思うけどね」と言いながら、お菓子を入れるためのコウモリモチーフのバスケットに目をやっているところで、仮装ネタを振られて、しばし真顔になった後。

「………小さい頃はやったけど、今はね」

そう言って、困ったように笑う。
流石に雑貨屋なので、露出出来るようなコスチュームは置いていないが。

八百万 頼 >  
ボクはずっとココで暮らしとったから。

(人懐っこい笑みを浮かべる。
 親の顔を知らない、と言うわけではないが、相当長い間あっていない。)

えー、魔女っ子蘭ちゃんとかかわいい思うけどなぁ。

(むしろ露出とは真逆の、古き良き魔女と言った感じの衣装だろう。
 黒猫メイドもロングスカートだし。)

美澄 蘭 > 「………そう、なの。
…ああ、でもそれで異能を自然体で受け止められてるのね」

「ずっとここで暮らしていた」という言葉が意味するところが、蘭の相槌を滞らせる。
ただ、それでも軽く顔を振って気分を入れ替え、それが意味するところの正の面を指摘して、頷いた。

「魔女は………1回だけね。お母さんは、私には寒色系とか明るい色の方が合うと思ったみたい。
自分で選ぶようになった時に、1回だけ」

雑貨で扱うような衣装は当然フリーサイズで、身体のラインなんか出るはずも無い。
何気ない風に話しながら、蘭の視線が仮装関連の商品の方に向かう頻度は少し上がっている。

八百万 頼 >  
生まれた時からの付き合いやからな。

(気にしない、と言うようにへらりと笑う。
 それを不幸とは思っていないのだから。)

ボクは似合う思うけどなぁ。
ほら、知的な感じとか。

(チラチラそちらを見る彼女を面白そうに眺めながら。
 魔女の帽子を被ったカボチャの面を手に取り被ってみる。
 鏡に映った姿はいつもに増してとても胡散臭かった。)

美澄 蘭 > 「物心ついた時にはもう…ってことよね。
「そういうもの」だったら…変わるのかしら」

ぽつりと呟きながら視線を落とす。
自分の異能は発現して1年ほど。母の異能は…母の母が、亡くなってから。

「私が当てはまるかどうかはおいといて、知的っていうと、色は黒より青の方がそれっぽい………ぷっ、あはは…」

頼の方に話しかけようとしたところで、カボチャのお面を被った彼の姿を見てしまい、思わず吹き出した。

八百万 頼 >  
「もし」とか「たら」とか「れば」とかは過程の話でしかないやろ。
自分の選んだことが自分の宇宙の真実やで。
――ってアニキがアニメで言うとった。

(いつか見た昔のアニメのセリフを、いつも以上に胡散臭い格好で言ってみせる。
 説得力も何もない。)

ひどいなぁ笑うなんて。
――お、これええやん。

(眉をハの字にして笑う顔は、面に隠れて見えない。
 更に売り物の仮装用マントを羽織れば、どこからどう見ても胡散臭いパンプキンメイガスの完成である。)

美澄 蘭 > 「………まあ、そうなんだけどね」

アニメ由来とはいえそれなりに真理を突く台詞を、恐ろしく胡散臭い格好で言う頼に、もはやどんな顔で答えたら良いのか分からず、微妙に引きつった笑顔を向けるしかない蘭。
しかし、そこにうさんくささの上乗せである。

「…やだ、ある意味クラシックで、凄く良い…!」

少女らしい澄んだ笑い声を、数秒高く上げて…それから口を抑えて、何とか抑える。
鼻で深い呼吸を何度か繰り返して、ある程度落ち着かせてから…

「八百万さんがそんな感じで行っちゃうなら…ハロウィンパーティ、2人で仮装して顔出しても楽しいかしらね?」

「無理にとは言わないけど」と、一応は付け足しつつ。
落ち着けた分声こそ高く上げないものの、まだ楽しそうに笑っている。

去年もあった、大通りやそれに面した公園で企画されるハロウィンパーティが、今年もある。
蘭の頭の中にあったのは、とりあえずそれだ。

八百万 頼 >   
ふっはっは。
我こそは良い子にお菓子をばら撒く由緒正しいパンプキンメイガスであるぞ。

(こちらもノリノリで意味のわからないことを言う。
 そのまま店の迷惑にならない程度にばさりとマントを広げる。
 あやしい。)

あー、そやったらにゃんこ魔女とかかわいい思うよ。
ほらねこみみ帽子もあるし。

(ひょいと指差すのは、今被っているカボチャの横においてある、猫耳付きの魔女帽子。
 ご丁寧に尻尾付きベルトとセットである。)

美澄 蘭 > 「ああ、撒く側なのね…」

何か、凄くそれっぽい。
楽しみつつ、自分は「大人」のポジションを揺るがさない感じとか。

…そこまで考えて、涙まで目の端に浮かべる勢いで笑っていたはずの笑顔が、一瞬だけ固まった。自分と、相手の間の「差」が、頭の中をよぎってしまって。
軽く頭を振って、それを振り切るのだが。

「…それは…流石に属性盛り過ぎじゃない?魔女だけじゃ駄目?」

猫耳セットを提示されれば、困ったような笑顔で首をゆるく、自然体に横に振る。

八百万 頼 >  
良い子にはお菓子撒いて、悪い子には煮た黒豆を撒くんや。
――どした?

(ついでにその判断基準は完全な独断と偏見。
 悪戯は子供だけの特権ではないのだと言わんばかりに悪いポーズでふはははと笑っていたのだが。
 一瞬固まった彼女の表情は見逃さない。
 にゅん、と首をかしげて彼女の顔を覗き込む。
 パンプキン顔で。)

――言われてみれば。
でもボクかてパンプキンでメイガスやで。
ただの魔女やと目立たんやろ。

(でも彼女が嫌がるのであれば押し付けたくはない。
 蘭ちゃんがやりたいようにやるのが一番や、なんてその後に続けるだろう。)

美澄 蘭 > 「やだ、何そのチョイス…!」

煮た黒豆って。しかもそれを撒くってどういうことだ。
こういうセンスは自分にはどう足掻いてもないので、やっぱり笑わされる蘭だったが…表情の翳りを、やはり見逃してはくれないらしい。

「…ううん、大したことじゃないのよ。
八百万さんは「大人」の立場から揺るがないっていうのがやっぱりなって思ったんだけど…ちょっと、自分のことも考えちゃっただけ」

蘭が頼に対して引け目のようなものを感じていることは、既に頼のよく知っているところだろう。
パンプキンのお面の下の視線を気にしてか、少し困った、程度の笑顔を顔に張りつけて、蘭は何でもない風を装って答えた。

「別に、そこまで目立ちたいわけじゃないし…目立つつもりならもうちょっと本格的なところで衣装探すけど、きっと高くつくわ」

一応演奏者として舞台に立つこともある人間だ、本格的な衣装とかその辺の心当たりはある。

「お祭りに参加してる感を、八百万さんと共有出来るならそれ以上のこだわりはないし。
だから、仮装っていうのが分かれば、貧相じゃなければシンプルで良いの」

そう言って、思い切ったように、吟味するつもりでコスチュームの方に近づく。

八百万 頼 >  
貰って絶妙に嬉しくないやろ?

(貰って迷惑と言うわけではないが、あんまり貰いたくないものを考えた結果であった。)

んー。
前から思っとったんやけど、ボクそんな大人いうわけやないで?
やりたいことはやるし、オシゴトもあんなんやし。
そらボクの方がちょっぴし年上やけど、それはただボクが先に生まれただけやろ。

(周りが見えている、と言うことであれば、単純に親元から離れるのが人より早かったと言うこともあるのだろう。
 いつかのように、人が傷付けられているのを見て青くなるなんて優しさは自分にはない。
 人それぞれ違うのだが、それで解決するのならそもそも悩んではいないだろう。
 どうしたものか、とカボチャ頭は腕を組む。)

そか。
せやったらそう言うのはまた今度ボクにだけ見して貰う事にしよかな。

(うんうんと頷いて猫魔女はあきらめる。
 楽しみは後に取っておくのも良いものだ。)

美澄 蘭 > 「子どもは絶対喜ばないわね…」

苦笑いで応じる。少なくとも幼少期の自分にそんな味覚の持ち合わせが無かったことは間違いがない。

「………そう、なの?
…言われてみると、ああいう「オシゴト」と「大人」であるかどうかの関連って、なかなかピンとこないけど…」

あえて「表」の戦場で戦うことを選ぶ祖父や父を尊敬しているのは間違いない。
では、「裏」の戦場で戦うとはどういうことなのか。
蘭はまだ分かっていない。分かっていないから、ジャーナリズムを志している。

どう考えたら良いのかよく分からない蘭も、口元に手を当てて、首を傾げる。

「うーん、濃い紫と黒はどっちが合うかしら………え?」

魔女のコスチュームを見て、肌の色に重ねたりしてみていた蘭が、頼の言葉を聞いて固まる。
「ボクにだけ見して貰う」?何のつもりだろう…?

蘭は、思考をここで「留めた」。

八百万 頼 >  
こう言う地味ーな悪戯もするしな。
コレでも結構コドモやと思うで、ボクは。
あんなオシゴト、まともな大人ならやらんやろし。

(カボチャ頭をゆらゆら揺らす。
 大人であれば、表で真面目に働くだろう。
 ああ言うのは、子供だからできることだ。)

魔女言うたら黒やけど、濃い紫言うのもええと――あ。
あ、あー、しまった。

(カボチャ頭を右に左に揺らしながら答えていたが、彼女が固まったのを見てこちらも固まった。
 少しの間をおいて再び揺れだすが、先ほどまでの揺れ方とは明らかに違う。)

――えっと、ごめん。
失言や、あんま気にせんといて。

美澄 蘭 > 「…ああいう「仕事」なら「仕事」で、上の方には大人がいるものじゃないの?」

不思議そうに首を傾げつつ。
まだ「反社会的アウトサイダー」という概念が独立していないので、その辺りがよく分からないのだ。

「紫の色味によっては強烈に似合わないのよね………うーん、この色なら黒の方がまだ無難かも」

そんな風に言って、黒の魔女コスチュームに手を伸ばしたところで…何故か、頼の方が動揺し出す。お面のせいで顔は見えないけれど、何か動き方が違うし。

「………そこではぐらかされると、逆に恥ずかしいんだけど………」

「いや、ここであけすけにしろって話じゃないけどね?」としどろもどろ付け足す蘭の頬には、いつもより赤みが差している。
黒の魔女コスチュームに伸ばしかけた手を身体の近くに戻して、おろおろしている。

八百万 頼 >  
外やったら、な。
蘭ちゃん、ここはどーこだ?

(そう言う組織もあるだろう。
 だがそもそも違反部活なんて呼び方があるぐらいだ。
 この島の基本は生徒なのは裏も表も変わらない。)

いやぁまぁ。
蘭ちゃんのそう言うレアな姿は、ボクにしか見せてくれんもんやろなーと。
ほら、そういうアレちゅうかなんちゅうか。

(ふいとそっぽを向いて、いまいちわかりにくい言葉をぼそぼそ吐き出す。
 横を向いているので、面の隙間から僅かに赤くなった頬が見えるかもしれない。)