2016/05/20 のログ
ご案内:「寄月家」に寄月 秋輝さんが現れました。
寄月 秋輝 >  
データを集め、計算を始めて数日が経った。
さしもの無表情も歪み、苛立ちが見て取れる状態。

「チッ……やはり思い過ごしか……?」

並列思考も長時間持続すれば、脳が焼き切れるような痛みを伴い、疲労する。
頭痛と疲労と苛立ち、それらに体を引っ張られながらも調査はやめていない。

「……可能性はありそうなんだが……
 この一定期間の波は十分……」

一年ほど前の記録を確認すれば、恐ろしいほど多くの事件、そして重い犯罪が起きている。
そしてここ一年でも、比較的軽微な事件から大きな事件まで目白押しだ。

寄月 秋輝 >  
しかし、決定的な要素が足りないのだ。
事件の収縮、その中心点における螺旋の頂点。
それが見えなければ。

「確率位相のズレは見抜けない、か……」

そう教わり、叩き込まれた。
故に結論を出せないでいる。
この世界の理が別の可能性も否定できないが、魔術式がここまで似ていて、この位相のズレのパターンが違うのだろうか。

思考は堂々巡り、答えを出せずにいる。

のだが、ここで投げてしまえば、近いうちまた大きな事件が起きてもおかしくはない。
その強迫観念に駆られ、寝る間も惜しんで調査と計算である。
そろそろ倒れそうだ、と体が警鐘を鳴らす。

寄月 秋輝 >  
「……ダメかな、これは……」

大きな息を吐き出し、端末と指を繋ぐ光の糸を切り、こたつにべたーっと突っ伏す。
おそらくそうそう人には見せない、だらけきった状態。
表情まで、若干幼い顔に戻った気がする。

「……やめだ。やめ。
 少し息抜きをしよう」

端末を懐にしまい、大きく伸びをして。

トレーニングをするために、家を出た。

ご案内:「寄月家」から寄月 秋輝さんが去りました。