2016/05/28 のログ
ご案内:「日本某所」にルギウスさんが現れました。
■ルギウス > 薄暗い部屋だ。
大量の書物と呪具に囲まれた部屋だ。
歴史だけを感じる重たい本に書かれてある事はさっぱり理解できない。
実践なんてもっとわけがわからない。
しかし、やらなければならない。
やらなければ―――
「やぁ、そこの貴方。
精が出ますねぇ……勉強は進んでいるようには見えませんが」
■ルギウス > なんなのだ、コイツは。
ここに入ってこれるのは血縁者だけのはずだ。
あの人が整えた結界なのだから、そこに間違いは無い。
異常だ、この事態は。
「そんなに警戒しなくて結構ですよ……貴方に力を授けにきたんです」
■ルギウス > 「ええ、貴方に力を。
力ある存在である私を使役すれば、貴方はこの家どころか魔術師世界でも一躍……いや、唯一無二の存在になれるでしょう」
カラン。
硬い金属音と共にナイフが足元に転がる。
「契約条件は“そのナイフで私を殺すこと”。
死者であっても私は何も変わることはありません」
■ルギウス > 心臓が早鐘を打つ。
殺せ? こいつ正気か?
そんな事できるわけがない、倫理とか色々な面で考えろ。
叩き返すつもりでナイフを拾う。
さぁ、声を出してこいつに返――――。
ナイフを拾った右手が、迷うことなく滑らかな動きで胸に突き刺さる。
肉を貫く感触。キモチワルイ。
何が起こった???
いったい なに が
■ルギウス > 「いやぁ、流石。
殺人者の魂を込めたナイフはいい仕事してくれますねぇ」
ナイフは抜かない。
返り血が面倒だ。
「ふふふ……さぁ、これで貴方は私となり力を得ましたよ。
ああ、貴方がとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとても強ければ私を使役できたかもしれませんでしたねぇ?」
あははははは と キチガイ染みた嗤い。
「さて、これでちょっかいの準備はよし と。
ああ次の舞台が楽しみですねぇ」
ご案内:「日本某所」からルギウスさんが去りました。
ご案内:「落第街海底地下」に”マネキン”さんが現れました。
■”マネキン” > 【明かりの届かない薄暗い海底通路に、人が歩く革靴の音がする。
錆で薄汚れたコンクリートの壁にはめ込まれた非常灯が瞬くたびに、学園制服のズボンが暗く映し出された。】
カツン コツン カツン コツン
【廃棄された施設に偽装されているが、電源は生きている。
プレートの文字も読めなくなったドアの電子ロックを解除すると、空気の抜けるような音と共にゆっくりと開閉した。】
ひどい目に会った。
直感的にアレは同種の存在で、しかもそれがさらに上位になったものだってことはわかる。
何が予言だ、くそったれ。
できればあの怪サングラスには大人しくしていて欲しい所だが絶対にありえねえ。
こっちのステージを急ぐ必要がありそうだ。
【薄暗い部屋のモニターを全て立ち上げ、印刷された資料をテーブルに投げ出す。
施設は劣化しているが、埃はそれほど積もっては居なかった。】
■”マネキン” > 【資料には伊都波姉妹の写真とデータがそれぞれクリップで留めてある。
ついでにその周辺人物、例えば烏丸秀などのものも用意してあった。】
伊都波凛霞。年齢17、身長172cm、独身。
社交的で全般的に能力は高い。周囲からの評価は優等生。
…その妹、伊都波悠薇。年齢15、身長169cm。
外観上は血縁関係を彷彿とさせるが、その能力は対極。
社交性は低く友人関係はほぼ無い。能力も姉ほど特筆すべきものはない。
時折何かに離しかけている兆候が見られる、か。
【手に取った二名の資料を読み上げる。】
■”マネキン” > 両親は異能持ち、だが姉はささやか、妹は異能を持たない。
…以前学園の運営体制における意見書でも疑問点として提示されていたが、
現在の学園のカリキュラムにおける異能解析プロトコルでは、単独によらない異能の解析には欠点がある。
つまり、この姉妹はセットで発現する異能を所持している可能性は否定されない。
【日常行動及び各種生理データを手にとる。】
…ブラックボックステストと行こう。
未知の異能に対し入力と出力があったとして、その間に異常性が見られれば仮説に裏づけが付く。
【データチップを端末に挿入し、室内のモニタにそれを表示させた。】
■”マネキン” > この二人の能力及び性格の対象性は自然か?
No、現在の時点では否定する。家庭環境及び遺伝的に特筆すべき差異はないと思われる。
双子の実験から考えて、また心理学から妹のほうがこのように育つのは奇妙だ。
環境が姉との比較を圧力とした?それにも限度がある。
【二人の日常行動を比較してモニターに並べていく。
赤く表示される一致点があまりにも少ない。】
一般的に異常に見られるのは妹のほうだろうが、姉妹で異能を所持している可能性も高い。
妄想癖については…異能の可能性は否定されているな。こちらは正常な思春期の精神活動か。
共有できない、異能か?
もしそうだとすると、烏丸はかわいそうなことになるな。
【流れる文字列で照らされたマネキンの顔に薄ら笑いを浮かべた。】
■”マネキン” > いや、今のところ異能を所持する可能性を示唆しただけだ。
ブラックボックステストは、大きなシステムが存在する場合その一部だけしか解析できないと言う欠点を持つ。
もっと入力が必要だな。
あと、この二人の遺伝情報解析も。もともとこちらが本題だったのだが。
姉が適合者だとすれば、妹にもその素養はあるはずだ。
【ピー、と電子音が響き、解析が終了する。下部に表示された一致率を見て、口の端を吊り上げた。】
しかしどういう入力を行う?
姉は一度踏み込んだとはいえ、妹は一般人だ。
姉もあれだけの経過を辿れば二度と同じ目に会わないよう警戒はするだろう。
【軋むような音を立て、古びたデスクチェアの背もたれが音を立てた。】
■”マネキン” > 片方だけ吊り上げても意味がない。
両方を吊り上げられる、都合のいい釣りえは…。
ああ。
【チェアを回して、そのあたりに放って置いた資料を探す。
やがてすぐに目的のものを見つけて、手に掲げた。】
いたな。
そういえばこの二人にあやふやな立ち居地をもつ生徒が。
【その資料には 高峰司 と書かれていた。
地味そうな装いの、帽子を目深に被った少女の写真が添付されている。
マネキンはその笑みを深め、解析を終えたモニターが入力を与えられずに終了していく。】
九九九。九九九九九。
【笑い声だけが響き、やがて室内は暗闇に包まれた。
その明滅する一瞬。部屋の奥に何か巨大な蠢くものの影のなか、何かの空気を含むような水音がやけに大きく響く。】
ご案内:「落第街海底地下」から”マネキン”さんが去りました。