2016/08/12 のログ
ご案内:「露天温泉」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 「はふぅ……疲れが、取れる……」

空に星が瞬き始めた頃、未開拓地区の端にある天然の露天風呂に七生は首まで浸かっていた。
今日は日課の走り込みを終えた後は一日未開拓地区にて虫取りに勤しんでいたのだ。
もちろん、遊びではなく夏休み中の課題のついで、である。転移荒野、ひいては未開拓地区全般に出現する異邦の昆虫たち。
それらを狩って回るのが、課題の一つだったりする。

「いやぁ、あの牛くらいの大きさのカマキリは流石にゾッとしたな。」

一歩間違えたら首を刎ねられるところだった、と湧きたつ湯気の中で事も無げに笑いながらの、独り言だった。

東雲七生 > 「とはいえ、夏はあんな虫がいっぱい来るんだな……」

軽自動車サイズの昆虫がわらわら沸いてた。
別段生き物の得意不得意や苦手意識の無い七生でも、少し背筋が冷える思いをしたくらいだ。
虫が苦手な人には地獄にも等しいだろう。それが未開拓地区から出て、浜辺や住宅街まで進出したら洒落にならない。

「だから何だかんだ理由を付けて駆除させるんだろうなあ。」

聞けば自分が受けている講義の風物詩らしい。
毎年毎年、夏休みに入ると巨大昆虫との戦闘が課題として出されているとか。
そういえば、去年は大きなアゲハチョウを何匹か斃したっけ、と思い出す。

東雲七生 > 「んん……はぁ。よし、そろそろ行くかな。」

明日も転移荒野で虫狩りの予定だ。
その為にも完全に体力を回復するためにしっかり食べて、しっかり寝なければ。

「……晩飯、何かなあ。」

相変わらず料理は深雪任せな居候は、ぐぅ、と鳴る腹を摩りながら温泉を後にするのだった。

ご案内:「露天温泉」から東雲七生さんが去りました。