2016/08/13 のログ
ご案内:「>落第街、地下施設書類倉庫」に”マネキン”さんが現れました。
■”マネキン” > 【明りの消えかけた薄暗い通路。
罅の入ったコンクリートの床に朽ちたベンチが一つ置いてある。
フードの男がそこにいた。光の届かない場所にいくつかの存在の気配がある。】
ドラマだね。
科学的にはあまり興味はないが。
【何らかの資料を見つめている。】
どうやらあの姉妹は喧々諤々とやりあっているようだ。
高峰司がそれにかまけてこちらへ来ないのは予想外だったが…忘れているのかな。
いまだに彼女の身にはウィルスが潜伏していることに。
【彼の前には扉があった。
朽ちかけたプレートには『書類倉庫』と書いてある。
地下施設の存在を知っていれば、もしくは高峰司関係の事柄について知識があればこの場所に侵入できてもいい。】
■”マネキン” > どう遣り合っても構わないが、決着だけはされても困る。
どのタイミングでうまく誘導したものか。
少なくとも今の伊都波姉の状態では高峰司は有効に餌として機能しなさそうだ。
直接危害を加えれば別かもしれないが…。
【手に持っていた資料を処分する。
ライターの炎に照らされて、廊下の奥で複数の目がまぶしそうにした。】
妹のほうを誘導するほうがいいかもしれないな。
どうにも、こういうものの考え方というのはよくわからない。
姉に執着して発現した異能に思えたが。
本人はどうにもそれを否定する。その矛盾もまた肝なのだろう。そして矛盾を内包するから、誘導しづらい…。
■”マネキン” > いや、どうせ最初からそう得意なことでもない。
無駄なことに手を打つなら予定通りに進めたほうがよさそうだが。
異能がやはり障害となる、か。解析に専念しよう。
…そういえば、誰かがあれを天秤と呼んだとか。
正しいのかどうかは知らないが。天秤には支柱が必要だ。傾きを調整する存在が。
運命の等価さを判定する何かが、自我を持っていたとしたら。それこそが彼女の価値であり、我々の望むべきものなのだろう。
推定どころか、希望にすぎない話だ。
【含み笑いが通路に響く。】
さて、姉妹のどちらが、先にこの場所へ来るか。
そう、決着のときにあの姉妹は必ず邂逅する…あの異能に阻まれることもなく。
そのための準備を。もう一度あの姉妹に会う必要がある、か。
■”マネキン” > 【フード姿の男が立ち上がる。】
君たちの信じた心のありようなど、信じてはいない。
だからあの姉妹のやり取りには分析することしかできない。
だが。
フラットになった我々の感情にも何か感じるものはありますね。
人とはそう、あのようにすれ違う生き物だったぜ。
だからたまには、お休みを言いに来ました。
単なる礼儀にすぎないが。
【扉の前に立つ。
”マネキン”がその前に独り言を語り掛ける。
儀礼的な動作を済ませ、踵を返した。】
……そういえば。
適合者たる伊都波妹にも感染は進んでいたが。
そちらの影響はどうなったか…まさかウィルスが自我を持つ、ことも……いや、まさかな。
中期の研究段階で指摘されてはいたが…適合した宿主に対し、ウィルスがウィルス本来のあるべき肉体を形成しようとする可能性を。
まだ、日数的にそこまで感染は進んでいないはずだが。
今までのデータは未適合の実験体のもののみ…想定外は予想しておくべきか。
【男子生徒の姿が影の中へ速足で消えていく。】
ご案内:「>落第街、地下施設書類倉庫」から”マネキン”さんが去りました。