2016/09/22 のログ
浅田扁鵲 >  
「……なんでこう、具体的に修行にかかる時間を教えるとみんな逃げていくんだろうな」

 一度身に着ければ一生物で、少しでも使えるようになれば日常生活がぐっと楽になるというすばらしいものだと言うのに。
 面倒ごとが嫌で、横着物であると自分を評している浅田としては、気を使うことの出来ない生活など考えられないのだが。
 それどころか、面倒を見てるペットの相手をするのにも、気を使わなかったらたぶん死んでしまう。
 浅田の生活には、気を扱うことが必須になっているのだ。
 それもこれも、物心ついたころから修行させられていたためだろう。
 母からは魔術、父からは医術、祖父からは気を学ばされていたのだ。
 それでも、浅田が気を使えるようになったのは高校生の頃である。

 ……さて、一人になった浅田はまた暇になってしまうわけだが。
 はたして客人はやってくるのだろうか。
 

浅田扁鵲 >  
「……今日もようやく店じまい、っと」

 後片付けを終えて、鞄を持って立ち上がる。
 廊下からは、間隔の短い軽い足音が近づいてきていた。

「まったく、いつも廊下は走るなって教えてるんだけどなぁ」

 バン、と扉を開ける小さな影に苦笑し、迎えと一緒に帰宅するのだった。

 

ご案内:「学園付属治療室」から浅田扁鵲さんが去りました。