2016/09/28 のログ
ご案内:「国立常世新美術館」に美澄 蘭さんが現れました。
■美澄 蘭 > 待ち合わせのきっかり五分前。
蘭は、美術館にたどり着いた。
「…よし、ぴったり五分前ね」
携帯端末で時間を確認すると、鞄にしまった。
ご案内:「国立常世新美術館」に八百万 頼さんが現れました。
■八百万 頼 >
(美術館の入り口近くに立って、難しい顔でスマホを弄っている男。
派手な金髪は遠くからでも良く目立つだろう。
真剣な顔でスマホを操作していたが、顔を上げて待ち合わせの相手を見付ければ笑顔になった。)
美澄ちゃーん。
こっちこっち。
(手をぶんぶん振って大声で呼ぶ。
周りの通行人がなんだなんだと自身に、続いて彼女へ目を向ける。
自身は全く気にしていないようで、ニコニコしながら大きく手を振っている。)
■美澄 蘭 > そうして、入り口の方に再度目をやると………派手な髪の、見知った男性の姿が。
蘭の口が「あ」と縦に開く。
「八百万さん、早かったのね…待たせちゃってごめんなさい」
気まずそうに、慌ててぱたぱたと駆け寄る。
通行人の視線は感じないでもないが…それよりも、相手を待たせてしまっていることの方が問題だ。
「八百万さんは美術館って初めてなのよね…一人で待ってて気まずくなかった?」
頼の方に駆け寄った蘭は、そう気遣わしげに問うた。
■八百万 頼 >
ええてええて。
女の子待たすのはボクの趣味じゃないよって。
(彼女が駆け寄ってくるのをニコニコしながら待つ。
待った事に対しては一切気にしていないし、女の子を待つと言うのは自身にとって当然だと口にして。)
んー、そんなことないよ。
パンフレットとか貰ていろいろ見とったし、むしろ面白かったわ。
(言って尻ポケットからパンフレットを取り出して見せる。)
■美澄 蘭 > 「………そ、そう………」
ニコニコと気にしていない風のことを口にされれば、どう言っていいのか分からず、軽く視線を泳がせて俯く。
…待ち合わせ前にきているのだし、後ろめたく感じる必要はないはずなのだが。
「あ、パンフレットとかもらってたのね。
ここ、「異能アート」のコレクションが多いから常設展だけでも結構面白いんだけど…何か、八百万さんが興味をひかれる展示あった?」
パンフレットを頼が取り出してみせれば、今度は口が楽しげな形に開き、そして頼に興味の方向を問う。
美術館という行き先を提案したのは自分なのだから、楽しむ内容は相手優先でも良いだろう、という考えがあった。
折角の休日に、時間を取ったのだ。自分だけでなく、相手も楽しまなければ、と。
■八百万 頼 >
気にせんでええて。
ボクが勝手にはよ来てるだけやねんから。
(へら、と笑いながら手を振る。
そう、まだ待ち合わせの時間ではないのだ。
それよりも楽しもう、と言外に。)
うん、受付のおねーさんに貰っといた。
せやなぁ、メールでも言うたけど、ボク芸術に関してはさっぱりやから。
やっぱ異能アートが一番気になったかなぁ。
――あぁ、これ美澄ちゃんの分の入場券。
(普通の絵画や彫刻はここでなくても見れる。
であればやはり常世ならではの異能アートを見ておこうという気持ちが強い。
そうして思い出したように財布からチケットを取り出して、一枚を彼女に渡した。)
■美澄 蘭 > 「………そう、ね………
………ありがとう、八百万さん」
はじめ、ぎこちなく頷いたが…その後、はにかみがちな微笑とともに顔を上げ、そう頼に伝える蘭。
…人と一緒に美術館に来るのは、かれこれ1年くらいなかったことだから。
「うん、せっかくこの島の美術館に来たんだし、まずはそこからよね。
………え、あ…あ、ありがとう」
異能アートが気になる、という頼の言葉に、いかにも楽しそうな満面の笑みで頷くが…スマートに頼の財布からチケットが出てくれば、意表を突かれたという感じで、ぎこちなく受け取る。
………蘭とは対照的に、相手は、どこまでもスマートだ。
「…じゃ、じゃあ、展示の方見に行きましょうか!」
ぎくしゃくとした早足で、異能芸術の展示がされているエリアへ向かって歩き出す。
■八百万 頼 >
(彼女が笑顔になれば、自身もますます笑顔になる。
せっかくのデートなのだから、お互いに楽しまなければ損だ。)
ほなそこから見て回ろか。
おーし、ほないくでー。
(ぎくしゃくした感じで歩き出す彼女の横に並んで歩く。
物事はスムーズにスマートに。
デートならばなおさら。)
――美澄ちゃん、もっとリラックスしよ。
あ、手ぇ繋ごか?
(今にも右手と右足が一緒に前に出そうな様子に思わず笑う。
そうしてへらりと笑って右手を差し出して。
勿論冗談である。)
■美澄 蘭 > 一応手足の出方は間違っていないものの、いつものように立ち回ることが出来ないでいる。
血縁でもない同年代の異性と一緒に遊ぶ等、かれこれ5年はなかったことだ、それも仕方ないだろう。
…分かっている、つもりだった。相手との「経験」の差は。
しかし、更に手をつなごうかと誘われると…
「え、えぇっ!?」
まだエントランス部分だから良いものの、それでも、静かな美術館に蘭の少女らしく澄んだソプラノが通る。
「………〜〜〜〜〜」
腕を縮こめ、紅潮する蘭。
誘われたこともだが、大きな声を出してしまったことが、余計に蘭の焦りを加速させていた。
■八百万 頼 >
(手を繋ごうと言う提案をした途端、彼女が声を上げた。
その反応を合えて無視。
続けてどうする、というように首を傾げれば、縮こまってしまった。
その反応があまりに初々しくて、笑ってしまった。)
――あっはは、冗談や。
美澄ちゃんそう言うの苦手そうやもん。
普通に回ろ。
(言って歩き出す。
数歩先で立ち止まり、異能アートの展示場所への順路を示して、こっち、と声を掛けた。)