2016/10/27 のログ
■東雲七生 > 「こんなとこで気絶してらんないっての……!」
取り敢えず気を失うなら家の近くで、と身を起こした。
激痛を伴うのも覚悟の内だったが、不思議とその気配は無くむしろ軽々と七生は立ち上がった。
「いっ………あ、れ? おっかしーな、あんなに痛かったのに。」
反射的に胸に手を当てて、それから得心がいったように一つ息を吐く。
胸の傷口は既に三本の蚯蚓腫れ程度にまで回復していた。
そしてふと思い至ったのは、以前同様に怪我を負った際に辿り着いた温泉の事だった。
あの時とは確かに場所も違うはずなのに、と首を傾げる。
■東雲七生 > まあ、細かい事は置いといて。
七生は改めて湯の中に体を沈めた。
体の傷は癒されたが、戦闘による疲労とかは遅々として回復しない。
きっと、この温泉は外傷にのみその効能を特化したのだろうと考えつつ。
「はぁ~……ま、それはそれとして暖かいお湯の中に居るのはイイよねえ。」
もう少しだけのんびりしていこう、と一度髪を解いてのんびりと体の力を抜いた。
薄紫色のお湯に、真っ赤な七生の髪が広がっていく。
■東雲七生 > 「ふわあぁぁ……」
少しだけ眠くなってきたのか、大あくびを一つ。
数時間に及ぶ戦闘の疲れが眠気に変換されたのだろう。
岩にもたれて少しだけ転寝をしようと目を閉じれば。
そのままぐっすり寝こけてしまって、気が付いた時にはもうだいぶ夜遅くなっていた。
そして濡れた地面と岩場を残し、温泉の姿は影も形も無くなっていたという。
ご案内:「露天温泉」から東雲七生さんが去りました。