2016/11/16 のログ
■綾瀬音音 > (自身の味付けは母親から受け継いだモノ、と言うわけでもなく。
大体はこちらに来てから興味本位で本などを読みながら覚えたものが大半だ。
好きであるが趣味というほどではない、といった程度。
勿論、家の味が恋しくてそれに寄せようとは思っていたのだが、何分母親から料理を教えてもらったことは殆どなかったので、
最近は諦めて“自分の味”でいいかな、と思うようになっていた)
それはそうかもしれないですけど。
――過去もあるから、今の先輩がいるんです。
だったら知りたいって思うのは、当然の事じゃないですか?
(他にも似たような過去を持つ人は居るのかもしれない。
だけど、五代基一郎――もしくは違う名前だったのかもしれないけれど――と言う人間が辿った人生は一つっきりだ。
ならば、それだけで聞く価値がある。
少なくとも、自分にとっては。
傾けられた顔の頬に唇を寄せてから、その、流れるような、
耳触りの良い声を聞いた)
うん……そうですね。
(世界は優しくない。
人は時としてとても醜い。
それくらいは知っている。
異能を持って――12歳くらいだったと聞いたが、多感な時期だっただろう。
そんな頃に黄昏時へと足を踏みれて、どんな思いだったか。
考えるのも烏滸がましいかもしれないが――考えずにはいられない。
身体を更に寄せて、空いている手で、彼の手を探り握って)
力は力で捩じ伏せるしかないし、そうして世界が変わってきたのは、解っています。
だけど、そこには誰かのこの世界をより良くしようとした“祈り”だって含まれているはずです。
それもねじ伏せられてしまったものもあるとは思いますけれど。
正しいかなんて、私だってわからないです。
異能が一体どういうものなのか――世界を変えるための力なのか、
それとももっと違う何かなのか――それも解らないですけれど。
でも、きっと。
大変容も異能もなかったら、
私達は出会うこともなかったですし。
それとも、違う形で出会って――こうして二人でいれたんですかね。
先輩。
先輩は――どんな世界にいたいと――
もしくは、この子に――どんな世界を用意してあげたいと思いますか。
(自分に世界を変える力が――せめて、彼“ら”を笑顔に出来る様な“何か”があればいいのに。
自分の手のひらは小さくて、無力だ。
いくら異能が使えても。
いくら祈っても。
だけど、望むことができれば――それに近づけることは出来るのではないだろうか。
そんな儚い、それこそ夢物語のような希望。
そんなことを思いながら、
睦言を囁くように口にした)
■五代 基一郎 > [歴史が綴られているだけで2000年以上。人間はこれからも力で世界を変えていくのかな……」
祈りがあったとしても。力で掲げればそれは……
大変容が起きたとしても、変わらない真理になってしまうのか。
大変容で一体何が変わったのか……何も変わっていないだけではないのだろうか。
より世界は醜く腐り、人は人で争うことをやめられない。
その争いで自らを焼くとしても……
「俺と出会えなかったとしても、いい出会いはあるよ。
そういう魅力があるのは保証する。」
たとえ異能がなくても、幸せになれるとか
二人とも出会えているだろう……というのは、ロマンではあるが
ナンセンスだなと笑ってしまうのは悪い部分か。
であるが、自分のようなのがいなくても……きっといい出会いがあったり
家族に祝福されて生まれ、生きて、生涯を歩んでいくんだろうという……
希望でもある、祈りのようなものが零れた。
「……世界か」
現実的に想定する未来を数えていく中で、どのような世界を用意できるかなど。
大きな話だ。自分には手が余るのだろう。
現実的な世界を知ってしまえば、それは。
「謂れのないことで苦しむことのない……一人の人間として生きていける
その存在が、認められるような世界……穏やかな、世界の中で…暮らしていけたら」
どれだけよいのだろうか。
無理な話だ。
無茶とか、出来ないとかそういう類の話ではない。
世界を変えろというようなものが、願い。
求めるべくするものを知ってしまったのなら願わずにはいられない。
謂れのない恐れを抱きながら……妥協して生きていくのか
それが大人なのか。それとも……
「いっそこの星の世界に行くのもいいかもなぁ
宇宙の新天地。」
■綾瀬音音 > ん……きっと、そうなんでしょうね。
でもいつか。
愛で世界を変えられたら素敵ですね。
(力よりも不確かで、曖昧な――でも、時として人を動かす原動力になるそれ。
それもまた力なのかもしれないけれど。
そんなものが世界を変えてくれたら良いと思う。
大変容で“力”は大きく変貌を遂げて、強大なものとなり。
それでも、それらを操るモノが人であるのなら、
ただただ争いを醜いものにしただけだとしても。
この世界は、生きる価値と意味があるのだろうか。
あると――信じたい。
生まれてくる子もまた、異能者であるが故に)
そうだったとしてもですね。
私はまた、先輩と出会って恋に落ちたら素敵だなーって思いますけどね。
運命なんて信じてるわけじゃないですけれど。
(勿論、異能がない平和な世界に二人共生まれていれば、
出会うこともなく、またこう言う風になってはいないのだろう。
ナンセンスと言えば勿論ナンセンス。
だけれど、誰に祝福されて生きるよりも、彼と一緒に居たいと願うのが、
この今現在の綾瀬音音と言う少女なのだ)
世界なんて、それこそ変えられるものじゃないですけど。
でも、良いじゃないですか夢物語みたいな話だって。
希望と夢のある世界に、幸せになる価値のある世界に、
生まれてきてほしいじゃないですか。
(この世界は絶望に満ちている。
一歩踏み出せば暴力と無秩序が支配するような世界だ。
そんな世界にこの子を産み落とさなければならないのだ。
その世界が絶望しかないなんて、あまりに悲しすぎる。
だって、この子もまた、この世界でしか生きていくことは出来ないのだから)
そうですね。
三人で、いやもう一人くらいは増えても良いんですけれど。
お互いが認めあって、違いが当たり前のように受け入れられる世界になったら――
(自分だって、そう思う。
無理な話なのは、解っている。
出来ないからこの世界であり、
出来るのならこの世界はもっと違う形をしていたはずだ。
だけれど、また同じく。
願わずにはいられない。
せめて、幸せを願い立ち向かっていけるような――
いや、そこまででなくてもいいから、
向かい風でも、それがどれほどに強いものだとしても顔をあげることができれば)
大きく出ましたね。
確かに宇宙はまだ地球人類にとっては手付かずですしね。
可能性だらけです。
宇宙移民一号でも目指しますか
(それこそ、ロマンの世界だ。
まだ見ぬ世界、宇宙旅行だってまだ早々行けるよな世ではないけれど。
出来るのならそれも良いかもしれないだなんて。
出来るの、なら)
■五代 基一郎 > さて、そんな夢物語はここまでにして帰ろうかと
若干日が傾き始めた農業区を後にしようと
夢から醒ますように呟き立ち上がろうとした。
だが、果たして冗談や夢物語で〆られる話なのだろうか。
力により変革を行う……力を振るわず踏みにじられるか。
いやしかし。
それらではなく、同様に新世界を切り拓いた歴史もあったのではないだろうか。
その後の歴史は力に寄るものであったが……
そして、夢物語とした新世界を切り拓くことは……
果たして。大変容以後の今切り捨てるような話なのだろうか……という疑問が強くなる。
それが希望かのように、まだ人の歴史であれば
人の範疇で行われるが故に繰り返すことになるかもしれなくとも。
「目指そうか、新世界」
それが冗談めかしたものでもなく、だがどこか不思議な現実感の話のように
呟くのではなく……人に向けた言葉と共に口付けして。
ピクニックのような、夢の世界を覗く時間の終わりを告げた。
■綾瀬音音 > (そうですね、とつぶやきを返すと立ち上がり、ひざ掛けを丁寧に畳む。
新世界。
未知であるが故に、何を願っても許される世界。
それがあれば、もしかすれば。
幸せでありたいと願い、幸せであって欲しいと祈り。
そんな願いが、叶うような世界が作れるのなら――新たに切り開くことが出来るのであれば――。
自分はそれを選ぶだろうか。
その世界がどのような形になるか解らないけれども
またそこも悲劇と絶望の世界にいずれ移り変わるような世界であったとしても。
願いと祈りを託せるような、そんな世界――)
ん。
そうですね、それも、良いかもしれないですね。
(彼から向けられた言葉を聞いてそんな事を思いながら、笑みを浮かべて口づけにそう返すと腹部を撫でる。
日に日に大きくなってきてそこ。
自分は――自分達は、この子に何を用意してあげられるのだろうか――
。
いつものように手指を絡めながら、今は現実の世へと)
ご案内:「農業区」から五代 基一郎さんが去りました。
ご案内:「農業区」から綾瀬音音さんが去りました。