2017/05/31 のログ
美澄 蘭 > 「今あんまりそういう話、聞かないわよね」

と、同調するように頷いた。

「………いいの、そんな、無理して変えてもらわなくて良いの………」

悲しそうな顔で、ぶんぶんと首を横に振る。

「お嫁さんにしたい」。フィクションのラブロマンスならゴールだけれど。
でも、その評価も、まだずれていると感じる自分がいた。

八百万 頼 >  
シーズン的にはぴったりなんやけどなぁ。

(夏と言えば怪談である。
 ゾンビ映画が怪談であるかどうかは評価が分かれるところだろうけれど。)

いや、変える言うわけやなくて。
美澄ちゃんはボクの事どう思とるのかなぁ、と。
個人的な興味や。

(彼女が自身に問うたように、自身も彼女の正確な気持ちを知りたくなった。
 だからどう言う事を言えばいつものように顔を赤くしてくれるか、それを兼ねての問いである。
 と言うかそっちの方がメインである。)

美澄 蘭 > 「…ホラーは…映画館の音響で見たら、ちょっと怖過ぎるかも…」

「シーズン」という言葉で察したらしい。
ちょっと後ろ向きな発言をする蘭。音響効果は偉大なのだ。

「………えーっと、その………
近くにいたい、って話は、前にした、わよね………?」

恐る恐る、頼の表情を伺うように、ぽつぽつと語り出す。

「…私、八百万さんに色々してもらったし、背中も押してもらったし…他の人には、なかなか出来ないような話も、したし。
だから、私も…八百万さんの、背中を押してあげるとか、何かしてあげられるとか…話を聞いて、ちょっと肩の荷を分け合えるとか…
………そういう、風にあれたら、いいなぁ、って…そういう風に、傍にありたい人だって………

それだけじゃ、ない気もするんだけど………自分でも、その辺りはまだよく分からないの」


と。最後の方の言葉は、消え入りそうな声だった。

八百万 頼 >  
ゾンビ系はホラー言うかパニック映画やな。
でも美澄ちゃんが見たいんなら、ホラーでもええんやでぇ……?

(最後の方は何故かおどろおどろしい感じになる。
 ヒュードロドロなんて音まで聞こえてきそうな演技力である。)

うん。
――うん、なるほど、

(真面目な顔で聞いて。
 彼女の言葉と、お互いの行動を思い返し、至った結論は。)

それは、ボクにも頼って欲しい、言う事やないかな。

(最後の言葉はあえて聞いていないことにした。)

美澄 蘭 > 「…そうね…ただ、シーズンって話だったから…
………!?見ない見ない見ない、映画館では絶対に見ない!」

「パニック映画」と「夏」が蘭の中では繋がらなかったのだ。
…なお、ホラーを見る件については首を全力で横に振って拒否。若干涙目だ。

「………そう、なの。
対等に、頼り頼られる関係でありたいの」

真面目な顔をする頼に、こちらも真顔で頷き返す。

最後の方の言葉は、今掘り下げられても逆に困ってしまっただろう。
そのための言葉が、少女の中で育っていないから。

八百万 頼 >  
ゾンビ要素はホラーといえばホラーやからなぁ。
夏と言えばゾンビ、いう感じせん?

(そういえば確かに夏と言えばホラーだ。
 ならばパニック映画はどんな季節なのだろうか。)

頼られたい、なぁ。
――あー、ホラー映画見たいなぁ。
でも一人やと見れへんなぁ。
誰かチラッ一緒に見てチラッくれへんかなぁチラッ。

(とてもわざとらしい事この上ない。)

美澄 蘭 > 「………あんまり………」

「夏と言えばゾンビ」は少女にとってよく分からないものらしい。首を大きめに傾げる。
…が、とてもわざとらしくチラッチラッさせれば。

「〜〜〜〜〜〜…!」

口をぐっと横に引き結んで、声にならない声を出しながらもしばし逡巡する。
どう考えてもわざとだが、ここでばっさり逃げをうったら負けの気もするし、でも今頼られても応えられないのは火を見るより明らかだし。

「………暇を見て、修行しておきます………」

しおれた。

八百万 頼 >  
そか……。

(昔夏休みに友人の家でゾンビゲー合宿なるものをした経験からだったのだろうか。
 同意を得られず、ちょっとしょんぼり。)

やったぜ。
修行はせんでええよ。
そのままの反応が見たいだけやから。

(鬼である。
 にこにこと笑いながら、コーヒーを飲み干す。)

美澄 蘭 > ゾンビゲー合宿なるものと縁のある生活をこの少女がしてきたはずもなかった。
幼い頃、親戚のうちに親族の子達と一緒に泊まり込む経験くらいはしたはずだが。

「………!?は、話が違うじゃない………!
頼りたいって言うから、頑張らなきゃって思ったのに………!」

にこにこと笑う頼に対して、思わず立ち上がってテーブルをペしん。
テーブルを叩く音が控えめだったのは無意識に萎縮したからかもしれないが、声はまあまあ通りそうだった。

八百万 頼 >  
一人でホラー映画行って、一人でびっくりするのもかっこ悪いやん?
でもほら、美澄ちゃんが居れば心強いから。
一人で行くより周り見る余裕が出んねん。

(ぺらぺらと口からそんなセリフを吐き出す。
 ニコニコと笑ったままで。)

――それにな。
少なくとも、そんな風に色んな顔見たい思うぐらいには、美澄ちゃんの事想ってんやで?

美澄 蘭 > 「………なんか、だしにされてる気がする………」

むぅ、と少し唇を尖らせるが、続く言葉には、「え」と、少し間の抜けた感じに口を開いて。

「………ありが、とう………」

少し頬を赤らめて、俯いた。

八百万 頼 >  
キノセイヤ。
キノセイキノセイ。

(誰がどう聞いたってそうとわかる棒読み。)

どういたしまして。
美澄ちゃんかわいいしな。

(猫のような人懐っこい笑み。
 ついでに頭も撫でておこう。
 うりうりうり。)

美澄 蘭 > 「………。」

分かりきっていることを問いただす気にもならない。少し、疲れた息を吐く。

「………何か、複雑な気分………。」

かわいいと言われ、頭を撫でられながら複雑な表情とトーンの落ちた声。
何か、軽く扱われている気分になるようだ。

八百万 頼 >  
美澄ちゃんは、意外と難しいなぁ。

(なんというか扱いが。
 とは言え不満から出た類のものではない。
 要は「女の子」の扱いは望んでいないのだろう。
 が、それはもう癖のようなものなので、勘弁して欲しい。)

ところで美澄ちゃん、それ食べへんの?

(殆ど手を付けられていないデザートを指差す。
 映画の余韻からここまでのゴタゴタで、さっぱり進んでいない。)

美澄 蘭 > 「あんまり気にしたことなかったけど………そう、かも。
文脈次第かな、とは思うんだけど」

「気難しい」みたいな意味で解釈して、腑に落ちないように軽く首を傾げる。
「「かわいい」よりも「きれい」と言われたいお年頃」は、間違いなくあるだろうが。

「………あっ」

ほぼ手つかずのデザートを指差されて、ちょっとやっちゃった、という顔。
冷たいものを頼まなかったのが幸いである。

会話の邪魔にならないタイミングで、ぼちぼち取りかかり始めた。

八百万 頼 >  
ほなら、気ぃつけるわ。

(ついそういう扱いをしてしまうのだが、彼女があまり好きではないというのなら気をつけることにしよう。
 こちらはデザートは頼んでおらず、コーヒー一杯のみ。
 あっと言う顔の彼女を見て苦笑いをしておいた。)

――ところで、映画の話戻るけど。
呪い解けるとこはやっぱトリやから気合入っとったな。

(そうして今日見た映画の感想に戻る。
 やはりその話をしている彼女が一番輝いているし、きっと彼女もそれを楽しみにしていたのだろうから。
 そんな感じであれがよかったこれがよかった、時にはここはいまいちだったとあれこれ感想を言い合って。)

ご案内:「映画館近くのカフェ・5月下旬の週末」から八百万 頼さんが去りました。
美澄 蘭 > 「………ありがとう」

「ごめんなさい」の言葉が出かけたが、ここで口にするべき言葉はそれではない、と思い直した。

「………あっ、そう!
あそこは舞台でもギミックが大評判でね…」

そうして再度映画の話が始まれば、舞台の時点でファンだった蘭の口の勢いが止まる道理はなく。
そして、なまじ相手の応答にもしっかり応えようとするものだから…。

デザートを食べ終わるまでに、とんでもない時間がかかったことは言うまでもない。

美澄 蘭 > 楽しい時間だった。それは間違いない。
けれど…蘭の中で、「表現に使うべき言葉が見つからなかった」という事態は、少しばかり引っかかり続けたのだった。

ご案内:「映画館近くのカフェ・5月下旬の週末」から美澄 蘭さんが去りました。