2016/05/28 のログ
ご案内:「廃棄ステーション」に五代 基一郎さんが現れました。
ご案内:「廃棄ステーション」に六道 凛さんが現れました。
五代 基一郎 > 鉄道というのは場所と場所を繋ぐものであり、またその繋ぐ場所が無くなれば
必要性がなくなるか、また新たな場所へ接続するように造られていくものである。

現在使われている地下鉄駅から凛を伴って移動し、そこから路線を切り替えて
移動すること少し。人を乗せる、というより人員と物資を乗せるような輸送車両にて
組織にて支給される防寒コートを凛にも手渡したりはするものの……
何処に行くか、何をするか特に説明することはなく。
車輛に揺られた先は……

車輛が止まる音と、警告音のアナウンス。
車輛ドアが開けば中へ侵入してくる季節外れの冷気……

そこは廃棄された地下鉄のステーション。
ただの廃墟ではないことは、作動し続ける機械音と固定されている窓から見える
巨大な艦船が物語っていた。

「今なら艦内のハンガーデッキへは直接行った方が早いな……そうだ、手袋も忘れずに」

鞄を開けてまた、コートと同じく防寒用の手袋を引っ張り出せば
凛に投げてよこす。
列車から降りれば、誘導灯を明滅させるオートマトン、自動で動くクレーンアームや
物資コンテナを輸送車両から下ろし運搬していくロボットがせわしなく動いていく姿が見えるだろう。

ここは廃棄ステーションを再利用、あるいはそうして作られた地下ドックだというのが
建造中のものから、またはその環境から察せられるだろう。

六道 凛 >  
つなぐ場所と、いわれて想像するのは舞台の上。
線路に乗ってる間も、どこか凛の表情は上の空だった。
移動している間はもくもくとついてきて、渡されればなにはともかく、着るとする。

説明は、まだ必要ないからだ。
説明されても、今は関係ない。
むしろ、実物を見せられたほうが理解が早い。

そして艦船をみれば――
少し、胸が躍った。

ついていくついていく

久しぶりの――美術が見れると笑みを浮かべながら

五代 基一郎 > 外部からでもわかる艦船の開かれた部位……大きく開かれたそこは
本来内蔵する艦載機を発艦させるためのフライトデッキがある場所なのではあるが
建造途中のためか、そこだけはまだ仮設のエレベーターが備え付けられていた。

巨大な作業用機械……自律するオートマトンのためのか、巨人の住処のようなこの場所
そしてそれらの設備もまた巨人向けなのか、車が数台入っても余裕がありそうなエレベーターに乗って、フライトデッキからハンガーデッキへと降りていく。

お互い特に聞くこともなく、伺うこともなく。
その1フロア分ありそうなエレベーターの中、黙って降りていく。
周囲を見渡せば自律する機械らが艦内の建設作業を慌ただしく進めていくのが見えるだろう。
見えるが故に察せられるだろうが……人の姿、気配は見えなかった。

そしてエレベーターが降り切った所がハンガーデッキ……
そこはこの巨大な艦船が収容するものらの保管とメンテナンスを一手に担うところである。
近くには所謂航空機のような艦載機は見えないが、本来そこにあるべきだろうというようなスペースはいくつか見えた。

エレベーターから降りて、中枢方向に歩いていけば
そういった巨大な収容物のためのスペースとはまた違って
すでに仮として搬入されているのか、建造途中故に物資用なのか。
それらが見える……車輛や輸送するものらのためのスペースに変り

そして、それらに並び凛が……いや、美術屋が最も見慣れた者達が佇むように安置されているのが見えた。
外から見ても、所謂手荒にあされた形跡がない、というより大半が既に修復されており
また強制的な拘束をされた形跡のない姿で主を待つように伏せていた。

「会わせるのにだいぶ時間が掛かったけれど、というか待たせたけど
 まぁ色々あったわけだから……必要な時間だったし、そこは許してほしいかな。」

六道 凛 >  
機械音が嫌に懐かしい。
といっても、こういった現地に行くのは初めてに近い。
なにせいつもは工場の”中”にいた。声をかけ、様子を聞いて。
備品の調子を、内側から確かめる。

ダイヴ……

人がいないのは不思議に思う。
工場を放棄しているわけではないだろう。動いているわけだし。

では、管理者は? 整備車は?
まさか、こんな良い場所を捨てるわけではないだろう。
そして、視線を辺りに回せば。

少し目を見開いた。

「……壊さなかったんだ?」

五代 基一郎 > 「直接的な戦闘能力が美術屋……凛自身に備わっていないのは明白だ。」

五代がそういうと同じくして、キャタピラの音を慣らしながら
家にいつもいた……凛もその姿を見たことがあるお茶汲みロボットが姿を現した。

「という戦力的な面もあるが、何よりこいつらはお前の一部だという雰囲気があったから……かな。
 本来は傍に置いておいてほうが健全なのだろう、というのはわかっていたが
 それでもそういったことから……あの段階の凛には依存する先となるやもという心配があったから
 こうして離していた、離す必要があったと判断した。」

一昔前なら機械が家族、最も身近な存在だと言えばその精神を危ぶまれるような
フレーズだが実際それらが発達した現在にてはそう邪険にするような価値観ではない。
最もそれらであると判断したのは、部隊の示威行動としても活動した
以前のそれらの戦闘……その時の、戦い最終局面での不可解な部分を察してのことからなのだが
つまり、単純に機械として切り捨てていいとは言い難い精神性”メンタリティ”を保有すると判断されたからである。

故にまた、それらが関係している存在がおりそれと関係しているのならば
と破壊をせず修復はしたものの一時的な凍結……というより、自粛を促したわけなのだが。

■お茶くみロボット>「彼らは既に独自の精神性”メンタリティ”を保有する存在だ。破壊することは殺すことに他ならないと私は判断する。」


いつもの調子、機械にあるまじきお茶らけた口調とはうってかわり
また別の存在かのような機械的な言葉と口調でそのドラム缶型ロボットは語る。

六道 凛 >  
「戦闘能力とかは、期待されても困る。睦言の最中に暗殺とかならまだしも――」

さらりとウィッグをの髪を指ですいて。蠱惑を演じてみる。
まぁ、その演技はかつての、不死鳥の面々に比べれば赤子のようなものだが。
それでも、経験はにじみ出るものだ。それなり、には見える。

「……一部ってわけでもないけど」

彼らは歯車だ。システムだ。
友人とはまた違うものだ。隣人、になりつつはあったけれど。
でも部隊のためなら切り捨てる。そういうものだ。

しかし、目の前の男にそういわれればなるほど。納得はする。

「AIに、精神なんて宿らないよ。演技が精いっぱい」

その演技が見てて楽しかっただけ。
そう元美術屋は、ロボットに向かって告げた

五代 基一郎 > 「気にするな。俺はそんなの求めてはいない。自らを護る手段があるかどうかだ。」

艶めかしいその動作が近くにあっても、特に何かということもなく
また続けるべきことを続けていく。凛からすれば思い当たる節はあるだろうが
共同生活最初の時に、所謂学園社会の中での規範から相応しくない所作は
無用のトラブルを招くと注意を受けた時にどうこう言ったぐらいで
それ以降別段そういうった所作を家の中で見せても特に何も言う事はなく
興味がないというよりそういったものに無関心なのかとも思わせることが常だった。
といっても肌色の見えるゴシップ誌を定期的に買い足しているのでより不自然さはあるのだが。

■お茶汲みロボット>「私の名はネヴィリムと呼ばれている。この星系の外……外宇宙から来た。
           故あり、この男と共に戦い護衛を務めている。この場所や関わるメカニックの管理を担っている。」

かつて自分がいた惑星はそういった機械の物資文明が発達した世界であり
些か事情があり、その場所から遥か遠くのこの青い惑星で眠っていたのだとも。
五代の家のネットワーク等のセキュリティの穴、構築されたものも彼が作成したものであり
その管理を引き受けていたり、この場所の機械の制御、建造工程計画の設計もである。

■ネヴィリム>「それは人類である君から見た所感だ。人が作りし物は人の知りうる範囲の中だけのパーソナリティしか持たないというのは
        高度に発達した物質文明世界では化石のような思想だ。
        精神性”メンタリティ”と表現したが、生態系としてとらえれば機械種は人と身近にありながら別の進化を辿る可能性を持っている。
        人はまだその彼らの進化について想像をする力がないだけだと私は評する。
        人の種であり最も隣人となりえる君が」

話の途中だし、それは後で頼むと五代が区切ったところでまた話は戻る……
というより戻らせた。これ以上先は哲学的な話になり、この寒い場所に長時間置かれるのは勘弁して欲しかった。

「とりあえず、そいつらを起こしてやってくれ。この島で何をするかということはそれからにしよう。」

護衛として日常生活にも連れて行って構わない許可は下ろすからとも補足し促す。

六道 凛 >  
「――守るって言ったって」

どちらかといわれると、守るよりも守られるのほうが自分は特許をとれるくらいあると思っている。
そんなことを言われても、ピンとこないのがこの凛という”美術屋”だ。

「……相変わらず、なんていうか。男してないよね? 男性、してる? 大丈夫?」

妙な心配をしつつも、話に耳を傾ける。

「そうなんだ。別の、ね……実感はわかないけど。ウィザード級ってのは理解したよ」

自分よりも、こういったものに優れてるかもしれないと思うのは
初めてだった。個性のかぶり。あんま珍しい話じゃない。

「――別の進化ってのは同意だよ。だって、一番進化してきてる生物をまじかで見てるんだから、当たり前でしょ。演技ができるのに、物語が作れないなんてありえない」

頷いて――言われたことを。実行する。

「ll the world's a stage And all the men and women merely players. 」

言葉が、なぞる
舞台への始動の言葉を。それは、なんでもいい。

ただ、団長が好きな舞台の言葉が。
そのどれもが、機動となりうる。

鉄に命が、宿る

五代 基一郎 > 「近いうちにわかるさ。凛が美術屋であることが変わらないことであるのは承知しているが、それは許されない」

何が許さないのか。何に許されないのか。
おそらくそれを身を持って感じ取らない限り理解することができないだろう。
無理矢理にでも学園社会を体験させたがそれだけでは足りなかったことが全てを物語っている。

「定期的に女の子引っ掛けて遊びに行ってるから御心配なく。」

妙な心配にらしくないというか、まず出ないだろうお言葉で返し
話は続く。正直そろそろ場所を移したいところというのが、白い息が仮か居させる。

■ネヴィリム>「創作的表現は理解できるが、物質世界においてその私的表現が……」

「さておきこいつの仕事はあくまで俺の護衛だ。他の何事にも優先する。
 これらの実働のサポートには関わるが、メインは凛だ。あくまでここの学生が、だからな」

凛の言葉から、また凛のオートマトンを起動させるそれらを見ながら思う。
恐らく近いうちに大きく痛みを伴うことが起きるだろうと。
美術屋である時から、その時に出会ってきた時から警告をしていたが
捨てきれない、変えることのできない価値観とパーソナリティを砕くようなことが。

この世界に舞台裏などないことを……誰もが当事者であることを
言ってしまえば有りもしない書割と舞台が溝になり守られているとしているのが彼だ。
もはや守るものなどない今、いずれ、きっと、丸裸で理解させられるだろうと思うし
理解してもらわなければならないのだ。

「起動が出来たのなら、護衛を選んで追従させてもいいしそのままでもいいから場所を移そう。
 だいぶ冷えてきたもんで、機械にはいいかもしれないが人の身には辛すぎる。」

六道 凛 >  
「――……」

静かにため息一つ。ダメだと言われても、今はダメという言葉も届きにくい。
今は、終幕を特等席で見れなかった事実のほうに頭が行っている。
しかも、もっとも見たかった演劇のだ。

「……想像しにくい」

はぁっと息を吐く。
ふるりと体を震わせた。

だから、男の言葉にはこくりとうなずいた

五代 基一郎 > おそらくきっと、それらが完全に解かれることはないのだろうが。
それでもそうあり続けることがどういうことか。
それが一体何を意味して、何故そうであってはならないと言い続けるのか。
受け入れなくとも理解しなければならないだろうと思いつつも
まだ深くはとしなかった。
その根本的な何かに対してどうこうできるものは、恐らくいない。

「一応休憩室は出来上がっているはずだから、そこで今後の話と今までのことを詳しく話そう。」

■ネヴィリム>「空調を入れておいた。コートが不要な程度には整えられているだろう。」

それはどうも、と凛を……凛が望めばオートマトンを伴って休憩室に向かうだ折る。
ハンガーデッキの休憩室は、近くにありかつ防音等の処置のため分厚い自動ドアと一スペース空けた先にあった。

中に入れば、外の気温と大して変わらない程度には調整されていた。
真新しい……まだビニールの包装がつけられたままのソファがいくつかある。
適当な椅子に腰かけ、ネヴィリムに本来の用途……ではないが、コーヒーを淹れてもらう。

「さて、と。まぁそうだな。この前話したが戦争状態に……と言ってたけども。
 大体において想像される戦争行為が他国からこの島に向けられて行われているわけではない……
 のは、言われて理解できるだろう。そういったことがないことを平和というのならば、平和であるしこの島は。」

実際島の内部を騒がせているのはあくまで島の中でのことが殆どであり
時折……ハッキリ言えば戦時下のようなことも起きうるのがこの島だ。
その辺りは、だいぶに嫌気がさしているのだが。

六道 凛 >  
無人機たちはそのままに。
一人ゆっくりと歩き始める。今は別に会話の必要もないし。
わざわざ動いてもらう必要性もない。

飲み物は、いらないと首を横に振り――

「……そういうのをうまくやってるのが、この島でしょ?」

何をいまさらと、淡々と。
続きを促すように、ソファーに体を沈めた

五代 基一郎 > 「それはどこも同じさ。最もこの島にはそもそもとして特異な事情がある。」

ズズッと音を立てて受け取ったコーヒーを飲む。
暖かさが冷えた内蔵に優しく感じる。

「学生自治の社会だからというのが、その特異な事情と言っていい。
 特殊な自治体ではあるが学生が、子供が主体のところに武装してどうのというのもやる方を見れば情けない話だ。
 この島で起きる事件だって、大なり小なり学生が関わって起きているわけじゃないか。
 大体は学生だから子供だから、でそいつがこの島が何でもやっていいワンダーランドと思っていようが
 それなりにお許しがでるわけだし。
 つまり表立って介入してくる外国勢力なんてそうはいないわけだし、物騒なことをする外の連中もとなるわけだ。
 何がしかしても子供のしたことで済ます土地柄で何をと言う話になるじゃないか」

逆を言えば、表立って何かはしないということなのであり
つまるところそういう連中が相手になることを暗に伝えながらコーヒーを啜る。

「さりとてここには迎え入れていることもあって異邦人の技術も他よりは豊富であるし
 異能者も大なり小なり数は多く集まる。価値があるものは当然ある。
 加えて言えば、この島には法の届かぬ土地が堂々と存在するわけだから
 こそこそするのが得意な専門の連中からすると、無駄にことを荒げるより
 静かに何がしかすることのほうがリスクは少ないが得るものは多いというところとされているかな。
 実際落第街に居を構えていたのなら、あそこで誰がどうなろうか気に掛ける人間なんていないだろうことはご承知だろう。」

六道 凛 >  
それこそ、何度も聞いた話だった。
学生だから許される。
免罪符のようなもの。それがある程度適応される。
良い例が、自分だ。普通じゃありえない待遇。
だって考えてもみよう……
殺人の共犯。計画思案。危険思想――
どこをどうとっても、情状酌量は難しい。
でも、こうして学生をしてる――……

「……舞台裏で動くやつらがいっぱいいるってこと?」

それは、スポットライトがこっちに向くということ。
すごく、困った。自分だけの、特等席。
穢されるのはすごく、いやだった

五代 基一郎 > 「それらが裏なら、もうずっと動いていたさ。自分の場所だけ見ている人間に察するのは難しい程度にね。」

自分の居場所、定められた場所。
そうあると置いた場所にいる限り人間はそも自分がいる場所がどういうものか。
そこに連なるか、隣接するか。どこの中にあるかを知ることができない。
それは人を盲目にさせる。学生であるからと、自分には関わりがないと
している者達も同様であろう。

「俺が戦争と言う言葉を使ったのは、所謂国家間の戦闘行為を意味してのではないよ。
 これは力を持った者と、その力を持つ者を利用する者との戦いだ。
 力は存在するなら誰しもが利用するだろうが、力を利用する者と力を持つ人を利用する者とでは大きく異なる。
 大変容以降より濃くなった……そういった類の、表にはでない問題が生んだ戦いだ。」

そして利用する価値がある、利用しやすい能力を持つものと言うのは
目の前にいる元美術屋のように自分の世界のみしか知らぬものだ。
自分の世界でならば自分でどうにでもできる存在こそより上位の存在に陥れられやすい。
ここでいう上位とは、力の上下ではなく……子供か大人かというそれだった。
悪い子供は、悪い大人に騙されるものなのだ。

そうでなくてもこの島は子供が……学生が統治する世界なのであるから
広くその危険度、落とし穴があることは間違いないのである。

「要約すると外から来てこそこそ動いている悪い大人にご退場願うのが我々の活動であるし
 しなければならないことだ。こうして説明してても、まぁあたらないと分かりにくいだろうけどさ。」

六道 凛 > 「……パトロンつぶしってこと?」

身近にしてもらえたほうが、まだわかりやすい。
この男性は、話はすごく上手だし。説明も完璧。
だけど、イメージがしにくい。それは、美術を担当する凛には致命的だ。
だから、身近なもので。たとえる。

「美味い汁だけすする害虫を踏み潰すってことでしょ?
 ――あぁ、だからボクってこと?」

少し飲み込めたように。すっと頭をたたいた。

「情報戦……人海戦術――そのあたり?」

五代 基一郎 > 「実際そういった連中が、島内の学生勢力に関与していた事もある」

そして現在も尚、そういった干渉をすることで
そういった勢力の欲しい物を手に入れているのだろう。

「……そうだな。パトロンでもあるし、スカウトでもあるような連中がいる。
 確かに危険な遊び場で屯している連中に非がないことはない。
 しかしだからと言ってその連中を好きにしていいはずはない。
 そこに足を踏み入れてしまった連中も含めてね。
 まぁあまり派手には出来ないから、静かに駆除しに行くという話で。」

おそらく凛に、美術屋にとって倫理や規範と道理を説いても理解はできないだろうことがようやく呑み込めつつあった。
それがどうでもいい人間というよりもそれらは美術屋という観点からみれば
シナリオ、脚本的な話しであってビジュアル的なイメージでの話ではない。
故に懇切丁寧に具体的な説明するよりも、抽象的にイメージを優先させたほうがいいのだろうかと。

「それらを追い出すことはできないかもしれないが、対応する存在を当てて誇示すれば好き放題できなくはなるだろうということかな。
 情報と数を揃える、どちらもできるしそういった連中が根城にしている場所にいたというから美術屋が選ばれたということだな。」

六道 凛 >  
「たかが一人をつぶすのに動いては、意味がない。なら根絶やしにしてしまえばいいって、思考はネットで聞いたね」

ダイヴしたときに、どこからか流れてきた”情報”
さて、それは誰のものだったのか。凛が知る由もない。

「いいよ。もともとそういった立ち位置が専門だから」

問題はない。それに仕事をするのは契約というか、約束のうち。
寄りかかっている現状、断るのもおかしな話だ。

「――まぁ、誘導は任せるけど」

自分から動くのは苦手だ。というよりも、できないといったほうが正しい。
自分のためであり、依存相手のためであって初めて彼は動ける。
だから、指示待ちだ

五代 基一郎 > 「それこそ山ほどいる。これが完成する前にでも、動いた方がいい程度にはね」

そうしてもういいのか、話が終わるのか。空になったカップをネヴィリムに渡して立ち上がる。
説明するべきことは説明できたし、凛も理解してくれた。
しかし凛と自分との決定的なズレが明確になってきたのもまた、確かであった。
恐らくは、薄くながら互いが遠く感じ始めているのではないかと思う程度に。

「保持していたオートマトンの管理権は凛に復権させておく。
 大勢ぞろぞろ引き連れているのはどうかだが、日常生活に持ち込んでいいはずだ。
 そこらへんは任せるよ。俺も大体は護衛つけているしな。今はいないが。」

今は別件で出ている黒猫、家で豆を食う大鳥、そしてそこにいるネヴィリムのことを伝えつつ
今日はこの程度にして帰るかと、再び防寒コートを手にした。

「最近は出先での飯が多かったからな……」

業務のことは、質問が無ければ特に続ける必要もなく
さておいて晩はどうなるのかと。
ここ最近はそれこそ週の半分は外にいて、その旨を伝えていたがためか家で食う頻度が下がっていた。
それこそ定期的に女子を引っ掛けているという冗談のような言葉が思い出される程度には。

六道 凛 > 「……ん。まぁ、準備がいるようになるまで”社会勉強”でもしておくよ」

そろそろ、そっけなくしていた風紀委員の人たちと会いに行ってもいいかもしれない。
そっち側と連携は必要だ。配役というなら彩るのは、美術の役目。
ならより知らなくてはいけない。

「……いいよ、連れていくほどじゃないし。”いつでも会える”」

そう告げて。つぶやきを聞けば――

「……女の子にでも食べてもらえば? 両方の意味で」

クスリと笑って、先に歩く――

……今日は、牛筋の煮込みカレーだよ。

なんて、つぶやけば。工場に反響した

ご案内:「廃棄ステーション」から六道 凛さんが去りました。
ご案内:「廃棄ステーション」から五代 基一郎さんが去りました。