2016/06/01 のログ
浅田扁鵲 >  
【鍼治療は一般に運動器……筋肉の凝りや痛み、神経痛、関節痛などの治療に用いられる、というのが西洋医から見た立ち位置である。
 しかし実際は、内科系、特に心療内科の領分も適用範囲だ。
 ただ、そういった治療は継続的な治療が必要となり、期間は短くとも一月や、長ければ何年とかけて行う物になる。
 その理由は、鍼治療は症状そのものを抑えるのではなく、体質を整え改善し、根本的な治癒を目指すものだからだ】

「……普段と比べて少しむくみが強かったか。
 まあこの季節で湿が溜まるのもあるかもしれないが」

【そう考えつつ、カルテに新しく記入をしていく。
 配穴と書いた横に、太谿、足三里、豊隆、などと経穴(ツボとも言う)の名前を書き足していく。
 いずれも湿や痰濁……要するに水や血流の流れに関係する経穴である】

「こんなものか。
 さぁて、また暇になってしまったな」

【書き足したうち、いくつの経穴を使うかはその時の患者次第な部分がある。
 要するに今のは、使いそうな経穴をメモしただけだった。
 今日も今日とて患者は少なく、しかも珍しく手の掛かるペットの子竜は遊びに行っている。
 来客が訪れるまで、見事に暇を持て余してしまうことになりそうだった】

ご案内:「学園付属治療室」に詩想八宮さんが現れました。
詩想八宮 > あー……すいませーん、浅田先生居らっしゃいますかー
(教師の治療室に、ドアのノックする音と在室を確認する声が響く。
気だるそうな、余り調子の良くなさそうな声である。
実際眉を寄せて、少し開いた唇から漏れる息は少々荒い。
手には封筒が一つ、握られている)

浅田扁鵲 >  
「うん?
 ああ、いらっしゃるから入っておいで」

【ドア越しに聞こえる声は随分と気だるげ。
 間延びするような口調が普段からなのか、体調不良からなのかは分からないが、患者かもしれないと思い、チェアの上で姿勢を正した】

詩想八宮 > 失礼します
(入室許可にひと声かけて、するりと治療室に入る。
入ってきたのは、男子の制服を着崩した女子が1人。
汗こそ掻いていないが、顔色も余りよろしくない。
教師の方まで歩み寄ると、手にしていた封筒を差し出しながら)

保健室の××先生の紹介できました、詩想です。
ええと、これ紹介状……
(と、封筒を差し出した。
とある保健室の教師の名前が書いてある)

今まで使ってた痛み止め効かなくなってしまって、こっちの治療室の紹介受けました……
(と、特に許可も貰わずに手近に座れる椅子があればそこに座るだろう。

封筒の中には便箋が入っており、おおよそのこの少女の診察記録が書いてある。
入学当初から時々腹痛と頭痛を訴え、痛み止めを投与してきたが、度々効かなくなって今回で4回めとのこと。
身体検査等では特に異常は認められないこと。
西洋医学ではなく、そちらの治療室で一度治療を試みて欲しい、との旨が記入されている)

浅田扁鵲 >  
「ああ、紹介か。
 なるほど薬が効かなくなってしまったと」

【勝手に座る生徒に注意する事も無く、ただその容姿に少し興味を惹かれる。
 とはいえ、顔色がややくすんでいる事、疲れている様子だが汗を掻いていないことは確認して、目を合わせるタイミングが有ればその潤みや充血の有無なども確認するだろう】

「腹痛に頭痛、と。
 薬には耐性が出来てしまうものだからなあ」

【そう、使い続けていればいずれ効かなくなってしまうのだ。
 患者となった生徒の様子を見つつ、治療記録を眺める】

「一応確認するが、この症状にあわせて異能や魔術を扱う際に不都合が出たりはしなかったか?
 いやなに、体の不調が異能の不調に繋がることはよくあるからね」

【と、新しいカルテを取り出し、治療記録から諸々の様子を書き写しながら尋ねる】

詩想八宮 > (少女らしい、と言う衣服からかけ離れた服装だが、特に性別を偽っている様子でもなく、髪も肌もちゃんと手入れがされていることが解るだろうか。
とは言え、今は調子が悪いです、と言う様子を全面に押し出した表情をしているが。

瞳は特に潤んではいないし、充血もしていない)

それはあっちの先生も言ってました。
あんまり強い薬出すのもあれだって、ここ来てからは4つ目ですけどこれで痛み止め効かなくなるの何度目だよ……
(ブチブチ誰にというわけでも無い文句を言いながら、あー、と意味のない声を上げる。
口調もある程度確りしたもので、痛みはあるがそこまで強い痛みでないことは知れるだろうか。
とは言え、痛みが消えない、と言うのは大きいストレスの元なのは事実なのだが)

異能、魔術ですか。
いやー、私あんまり異能とか魔術普段使いに向かない系だから普段使わないんですよねー……
(なので因果関係は不明である。
普段異能も魔術も使う機会は滅多にない。
平和な生徒会委員である)

浅田扁鵲 >  
「なるほど、元から薬が効きづらい体質なのかもしれないな。
 とりあえず異能や魔術が暴発したり使えなくなったりと言う事はない、と」

【見て分かる様子を肌の色から声質、背格好、爪の様子まで見たままを記入し。
 それならば、通常の治療で問題なさそうだと当たりを付ける。
 配穴は腹痛頭痛があり、それによる強いストレスもあるから、と幾つか候補をカルテに書いていく】

「ああ、私が鍼灸での治療をするのは聞いてるかな。
 おそらく初めてだと思うが、何か不安があったりはしないかい?」

【これはどんな患者にも、初診では必ず聞くことだった。
 鍼灸での治療は患者との間に不信感や不安があると上手く効果が出ないことも多い。
 話して解消できる部分は、解消しておきたいといったところだ】

詩想八宮 > なんですかねぇ。自分の体質ながら嫌になりますけど。
……異能や魔術はそもそも暴発するタイプのでは無い……はずなので
つーか、暴発していいことなんざ何も無いっしょ
(何となく論点のずれた事言いながら。
どちらかと言えば痛みそのものよりも、痛みからくるストレスの方が大きいのは見て取れるかもしれない。
椅子の背もたれに寄りかかりながら、一度眉間を揉んだ)

……東洋医学が専門って話はあっちの先生から聞いてます。
鍼灸って言うと、あれですか、刺したり、なんか煙出るやつをツボにするやつ
(とても大雑把な把握の仕方をしていた。
成績は良くても医療の知識に深いわけではない。
ので首を傾げながら問いかけて)

不安……取り敢えず痛み取れるならなんでもいいです、マジで
(話している感じこの教師は信頼できるタイプなのだろう、と見当つければ不安についてはたいしてない、と頷き。
何度目になるかよく意味のない唸り声を上げた)

浅田扁鵲 >  
「たしかに、暴発してもいい事なんて一つもないからなあ」

【非常に強いストレスがあるのだろう、あまり話をするより早く治療に移ってあげたほうがよさそうだ】

「そうそう、刺したり、温めたりね。
 鍼や灸が怖いとか、そういうことが無いならよかったよ」

【そう言いながら先に立ち上がって、カーテンで仕切られたベッドへ向かい、ベッドに座るように促す】

「それじゃ、早いところ治療にはいろうか。
 この患者着に着替えたら呼んでくれ、その間に準備を済ませるから」

【ベッドの上に置かれた患者着は、前開きの、甚平のように紐で止めるタイプの物。
 着替えるよう伝えると、浅田はカーテンの外でカチャカチャと準備を始める。
 覗き見てみるなら、シャーレや消毒液、綿花やピンセット、灰皿、艾や鍼と用意していくのが見えるだろう。
 今回用いるのは0.2mmの鍼で、髪の毛より少し太いくらいのものだ。
 準備を終えれば、声が掛かるまでそのまま待っているだろう】

詩想八宮 > (だろう? と言う風に笑うが余り力はない。
はー、と大きく息をついて)

まあ、あんまり怖くはないさね。
テレビで見たことはあるし、ちゃんと研究されて伝えられた技術だしな
(敬語が崩れてきた。
促されるままベッドの方へと向かい、腰掛けて。
治療に入ると言われれば、些か安堵したように頷いた。

着替えたら呼んでくれ、との言葉にも頷いて患者着を手にとった。
ブラジャー取ったほうがいい? 等と特に羞恥も無く尋ねただろうが、言われたとおりにするだろう。
チラチラと教師――と言うよりは医師か、の手元を見て珍しそうに目を細めて)

終わりましたー。ベッドに寝ればいいですかね?
それとも座ったまま?

浅田扁鵲 >  
「ああ、そういう受け取り方をされると嬉しいね」

【こちらもまた、口調が崩れつつある。
 もともとこちらが地だ】

「そうだな、下着は……まあパンツは履いてていいぞ」

【ともすればセクハラとも取られかねない返答をし、覗かれているのに気づいてわざと3cmくらいある鍼を見えるように持って見せたり】

「いや、座ったままでいい。
 最初は頭に刺すからな」

【着替え終わったと言われれば、カーテンの中に入り正面から向き合う形になるだろう。
 浅田の傍らには諸々の道具が載ったワゴンがある。
 シャーレの上には二十本ほどの鍼が出ているのが見えるだろう】

詩想八宮 > じゃなかったらこの異能魔術が反乱してるこの中で残ってるはずもねーしな
(だから、信頼がおける技術なのだと思う。
異能を使えば、魔術を使えば解決できる症状もあるのだろうが、それでも廃れずに残っているということはきっとそういうことだ。
だから特に不安は感じない)

はーい、じゃあパンツは履いときますわー
(セクハラギリギリの発言に鸚鵡返しのようにやっぱり羞恥心もなく返すとブラも取って着替える。
元々無いような胸だ、まして医師相手なら恥ずかしがる必要もない。
鍼が見えれば興味深そうに目を細めて)

頭……ですか
(ベッドに腰掛けたまま医師を見て、続いてワゴンの方へと視線を向けた。
結構な数の鍼が並んでるのを見て)
そんなに要るもんなんだな。
じゃあ、よろしくお願いします
(と、息を吐き出して――余り体が緊張しているのも良くないだろうと心がけて力を抜くと、瞼を落とした)

浅田扁鵲 >  
「もう随分と数は減ってしまったらしいけどね。
 それでも異能や魔術を受け付けない人もいるから廃れずにいられたわけさ」

【まあ。
 東洋医学の世界観自体がそもそも魔術のようなものだという事は、話しても仕方の無い事である。
 今日は講義じゃないのだから、小難しい話はやめるべきだと判断し】

「躊躇がないなあ。
 その方がおr……私としても楽だけどな」

【一瞬、くだけた態度に釣られて一人称まで地が出そうだったが、言い直し。
 左手にはアルコールを付けた綿花、右手には一本の鍼と言った状態に】

「ああ、頭の天辺には百会ってツボがあってな、これが所謂万能ツボみたいなものなんだ。
 鍼の数はまあ、初診だから少なめにするつもりだが、一応な」

【よろしくされれば頷いて、何度か頭頂部を押しつつ、最も反応(痛みやむくみ)があったところに鍼を刺すだろう。
 刺された瞬間は、少しちくりとするかもしれない。
 が、頭皮と骨の隙間を縫うように入っていった鍼は、鋭い痛みではなくじんわりと響いていくような鈍くも重だるい感覚が広がっていくように感じられるだろう】

「よし、とりあえず一つ刺してみたが、どうだった?」

【これもまた初診相手には尋ねること。
 鍼は感受性が良すぎると、効きすぎて立ちくらみのような感覚やふらつきなどが現れたりもする。
 特に異能を持っていたりする相手には、その刺激で制御が狂ってしまう患者もいたりで、最初の一本はベテランでもかなり慎重になるものなのだ】

詩想八宮 > ふぅん。なんかそう聞くともったいない気もするさね。
……体質って奴か。私が耐性つきやすいのと同じで
(勿論東洋医学が魔術的なものである、など知る由もなく。
まあ医学で受け継がれてきた知識だから信頼できるだろう、と思っている。
小難しい話は聞かされればそれなりに面白く訊いたのだろうけれど)

先生医者だろ?
だったらどうせ裸なんざ見慣れてるだろ
(こっちは完全に口調が素になりつつある。
装うのが面倒になってきたものあるし、こうして話してる間も頭痛と腹痛は続いているのだ。
肌を晒すことに慣れているわけではないが、治療やそれに類いすることならそこら辺は簡単に割り切れる。

流石に鍼を実際に持っているのを見れば些か緊張して、少し喉がなった)

ふぅん……。
取り敢えずの一刺し、みたなのか。
備えあれば憂いなし、と
(説明には頷いて。
押された頭頂部、押されて眉が寄る程度に傷んだところに刺される。
いた、と呟きはしたが、思ったほどではない。
刺されている、と言う緊張が伴うようなそれではなく、どちらかと言えば変な力が抜けるような、そんな感覚。
はー、と息が漏れる)

や――変な痛みとかは、無いかな。
少し重い感じがするっていうか、ちょっとなれない感覚というか……。
(すごく楽、と言うわけではないが、取り分けおかしな反応は無い。
それに安堵したように、小さく息を吐いた)

浅田扁鵲 >  
「色々あるのさ。
 こういう話に興味があったら、どうせいつも暇だからな。
 聞きに来ればいつでも話してやるぞ。
 最近は教壇に立つ機会も減ってるしなあ。
 五行説やら陰陽論なんかの講義はそこそこ生徒が集まるんだがなぁ」

【東洋医学に関しては、需要はあっても学ぼうと言う生徒は案外少ないのだ。
 やはり医学と名前がつくと、興味はあっても距離は遠く感じるのかもしれない】

「私は慣れちゃあいるが、患者のほうはそうじゃないだろ?
 特に学園と言うだけあって若い生徒が多いからなあ。
 これでも結構気を使うんだよ」

【つまり、気を使わないで済みそうな相手は楽でいい、そういう意味である。
 そして実際鍼を刺してみれば、反応が素直で安心する。
 こちらに気を使うタイプの患者じゃないのはとても幸いだ】

「うん、それが鍼がちゃんとツボに入ったときの感覚だ。
 『響き』とか『得気(とっき)』と呼ばれているな。
 続けて問題なければ、まずは仰向けに寝てくれ。
 ああ、鍼はそのままでな。
 その位置のは寝てもずれないから安心してくれ」

【そう言って、抵抗無く従ってくれるようならそのまま治療を続けるだろう。
 仰向けで十数分、うつ伏せで十数分。
 治療時間としては四十分ほどといったところだろうか。
 特別に鍼との相性が悪いなどが無い限り、治療が終われば症状はおおよそ軽減されているだろう】

詩想八宮 > ちょっと気になる話ではあるな。
まあ……五行とか陰陽とかは、人気がありそうな気はするさね……
(実際触れる機会があれば多少は気にあなるのが人の性か。
本格的な話はついていけるかは不明だが、茶菓子でも持って、程度には気になる話ではある。
医学といえば専門的な学問で、東洋といえば耳慣れないのは事実だったが、如何わしい、というものではないのは理解できる)

まあ、年頃の女が乳見られて恥ずかしがらんほうが不思議さね。
だけど治療を受けるならそういう割り切りはある程度必要だと思うけどな、私は。
(楽でいい、と言われてるのは気がついたがまあ気にすることの程でもない。
医者と患者が双方楽ならそれでいいじゃないか、そんな感じ。
治療に関しては任せてしまったほうがいいのは解るので、変な気負いもない)

とっき、よりは響き、って言ったほうがしっくり来るな。
ああ、はい。
(当然ながら、自分で鍼を抜いたりはしない。
素直に頷くとベッドに仰向けに寝転がると、呼気を逃がしつつ指示に従うだろう。
特に相性が悪い、ということもなく、施術は順調に進んだはずである。

――従って40分後)

わー……思ったよりずっと楽だなこれ……
(体を起こして軽く首を回す。
少し気だるい感じはあるが、頭痛も腹痛も殆ど無い。
薬で抑える、と言う手段しか知らなかった自分からすればちょっとした驚きである。
すげぇのね、と笑った)

浅田扁鵲 >  
「はは、興味を持ってもらえるのはありがたいな。
 ま、その気になったら暇を潰しにでも来てくれ、お茶くらいは出すよ」

【なんにせよ、自分の専門に興味を持ってもらえるのは嬉しくなる。
 それもまた当然、人の性であるわけで。
 自然と浅田も嬉しそうな顔をしただろう】

「そう割り切れる子ばかりじゃないってこった」

【返答にあわせて軽く肩をすくめて苦笑するのだった】

――そして治療を終えれば。

【片づけをしつつ様子を伺えば、顔色は幾分良くなっているのが見て取れる。
 とはいえ、最初が酷かった分実際の効果よりも余計に楽になったと感じてる部分はあるのだろうが】

「楽になったからって、治ったわけじゃないぞ。
 まあ、それでも数日は楽に過ごせるだろうけどな。
 着替えたらまたこっちに出てきてくれ。
 ああ、急がなくていいぞ、急に動くと立ちくらみが出かねないからな」

【そう言いつつ、カーテンを閉める。
 浅田はカーテンの外でカルテを記入しつつ、最初のチェアに座って出てくるのを待つ。
 ついでにお気に入りのお茶……ケツメイシのお茶を用意して】

詩想八宮 > じゃあ茶菓子でも持って来てみますかね。
その時はよろしく
(なんて、笑って見せて。
まあ、気になるというのはこの医師の人なりの効果もあるのだろうが)

そりゃあ解るけどな。
私だって一応羞恥心はあるしな。
必要に応じて出し入れするだけで
(流石にこう言う場面意外では羞恥心を感じる……と思うが、取り分け人前で肌を晒したことがないことに気づいて首を傾げつつ)

(すっかり軽くなった気のする体で軽く肩を回してみたりと少しばかり調子を確かめてから、医師の説明を聞く。
実際かなり楽になっている。
人体って不思議だな、なんて呟くくらいには)

ああ、うん。
まあなんつーか、慢性的で突発的なモノなんで。
あー、でも本当に楽……
(しみじみ頷きながら着替えて、の言葉にもう一度頷くと患者着から着替えて――と言っても着崩した男子制服は相変わらずなのだけれど。患者着はちゃんと畳んでおいておこう。
独特の匂いに鼻を鳴らしながらカーテンから出てくると、もう一度椅子に座り直して)

ありがとうございます、助かったー。
正直こんなに楽になるとは思ってなかったわー
(そう言って、軽く頭を下げた)

浅田扁鵲 >  
「そいつは良かった、声音も随分良くなってるな。
 まあ、とりあえず座って、これでも飲むといい」

【カーテンから出てくれば、椅子を勧めてお茶を差し出すだろう。
 ケツメイシは香ばしさもあるが、目や便通に良いという効能もある。
 まあ今回はその香ばしさが選ばれた理由で、効能は二の次なのだが。
 味は……ハーブティーの類に慣れていないと、少々クセがあるかもしれないが】

「さて、そうだな。
 自分でもわかってるとおり、慢性的なものだから、正直治るまで時間が掛かる。
 治そうとすれば、やるのは体質改善のようなものだからな。
 だからなるべく週に一回、可能なら二回と通ってきてもらうことになるが、都合は大丈夫か?
 あまり間が開くと、また痛みが戻ってくる可能性が高いんだが」

【学生である以上、勉学に委員や部活など、時間がとられることは案外多い。
 その貴重な一時間を取られるのは、それそのものがストレスになる生徒も実際にいる故に】

詩想八宮 > いや、本当に楽。
先生腕いいんだな。
……あ、どうも
(疑ってたのか、と言われかねない台詞を口にしつつ、差し出されたお茶を受け取って、口に運ぶ。
普段コーヒーばかり飲んでいる自分には些かクセが強いように思えたが、嫌いな味ではない。
ズズズと飲みながら)

体質改善、か。
いやまあこれはこれでマジで困るんだけど――他は健康優良児だから余計。
週一、二回、か……
(少し考える素振りを見せる。
生徒会役員の仕事はそれなりにあるし、勉強だってそれなりにやらなくてはいけない。
でも一時間くらいならなんとかなるか、とも思う。
時間のやりくりはそこまで苦手ではない)
まあ、なんとかやってみるんで、よろしくお願いします。
ダメな時はダメな時に考えるさね
(まあなんとかなるだろう――位の気楽さで、少女は頷いた)

浅田扁鵲 >  
「お褒めに預かり光栄だよ」

【案の定疑われてたのかと思い肩をすくめつつ、一応信頼してもらえたことにはほっとした表情を見せる。
 この浅田は治療者のクセに、感情表現が分かりやすいのだ】

「今は他は大丈夫でも、人の体はバランスだからな。
 一つが崩れるといずれは別のところにも出始める……事もある」

【と、少しだけ脅かしつつも】

「そうだな、まあ目安としてはそれくらいの頻度のつもりでいてくれ。
 実際は来れるときに来てくれればかまわないよ。
 そのときに出来る治療をさせてもらうからな」

【結局、やらなくちゃいけないと思うと、だんだん義務的になりそれもストレスになりかねない。
 今後の説明はそんな軽い調子で終わらせると、自分もお茶を飲んで一息ついた】

詩想八宮 > 疑ってたわけじゃねーけど。本当だからな?
(信じてもらえるかは解らないが、一応付け足しておこう。
ホッとした表情を見て先生って素直なんだな、なんて言葉は少しばかり楽しそうに落とされる)

あー……それはちょっとしんどいかな。
一応健康でいたいんで
(脅かされれば少しばかりそっぽを向いた。
とは言え、治療の話になれば向き直るのだが)

ああ、了解。
ちょっと忙しかったりもするし、まあ出来る範囲でーって事で。
今後共よろしくお願いします
(と、もう一度頭を下げて。
お茶をズズズッっと再び飲んでから)

じゃあ、すいません、今日はこれで失礼しますわ。
今日はありがとうございましたー
(と、茶碗を置いて礼をして立ち上がろう)

浅田扁鵲 >  
「なあに、信じてるよ」

【くくく、と。
 わざわざ補足してきた事をおかしそうに笑い】

「ああ、出来る範囲でな。
 こちらこそよろしく頼むよ」

【同じように頭を下げて、立ちあがろうとすれば頷く】

「ああ、お疲れ様。
 治療もだが、なにか気がかりがあればいつでも相談に来るといい」

【『どんな相談も受け付けるぞ、暇だからな』なんて嘯いて。
 去っていくなら気だるげな笑顔で見送るだろう】

詩想八宮 > 本当かね
(何となく意地悪く見えてしまった笑みに不満気に目を細めたが、眼の奥がこちらとて笑っていた)

体調がよくなるのは良いことだしなー。
まあ、ぼちぼち来るさね。
ん、どーも。
なんかあったら相談させてもらうさね。今のところは気楽な生徒会役員なんだけどな
(他の委員会より圧倒的に平和な――気がする――委員会であることを告げてから、笑顔に向けてそれじゃあ失礼します、と告げてから治療室を出て行くだろう――)

ご案内:「学園付属治療室」から詩想八宮さんが去りました。
浅田扁鵲 >  
「……生徒会か」

【生徒が去っていくと、そうぽつりとこぼす。
 確かに生徒会という名称は、この学園ではあまり表立って聞こえない。
 本当に気楽な会なのかとも思ったが、まさかそんなこともあるまい】

「普通に仕事が多そうだよなあ」

【少なくとも学生時代の自分じゃ絶対に勤まらないとは思う。
 面倒くさがりは今も変わらないが】

「……さて、また暇になったな」

【詩想八宮と書かれたカルテを確認し、必要なことを書き加え。
 そうすればまた暇な時間。
 今日もこうして、浅田の治療室は業務終了まで平穏無事な時間をすごすのだった】

ご案内:「学園付属治療室」から浅田扁鵲さんが去りました。