2016/06/07 のログ
ご案内:「学園付属治療室」に浅田扁鵲さんが現れました。
■浅田扁鵲 >
「なるほど、それで喧嘩したわけか。
まあ口喧嘩で済んでよかったな」
【いつもの治療室、浅田は男子生徒とトランプをしていた。
1:1でやるばば抜きはなんとも面白みが無い、と思いつつ、本題は話を聞くことなので構うまいと。
この男子生徒、友人と些細な事で言い争ってしまったそうだ。
しかし、話を聞いてみればどちらにも非があり、彼も仲直りしたいと思っているようだが、謝れないでいるらしい。
まあ、こういった場合で自分から先に謝るというのは、案外難しい物だと、ハートのQを二枚揃えて捨てながら】
■浅田扁鵲 >
「しかしそうだな、この場合先に謝ったほうがよっぽど気分がいいと思うんだがな。
――いやなに、相手も君と同じ事を思っているだろうからな。
だとしたら、先に謝ってしまう方が……すっきりするじゃないか。
きっと相手も君が先に謝ってあげれば、ほっとすると思うがなあ」
【スペードの8を引かれて、ついにジョーカーを引いてしまった。
眉を顰めつつ、ぐしゃぐしゃとトランプを並べ替える。
結果、浅田は見事ジョーカーを守りきってしまい、男子生徒はなぜか迷いが晴れたような表情で治療室を後にして行った】
■浅田扁鵲 >
【浅田はトランプを適当に混ぜてケースにしまい、机の上に放り投げた。
この治療室には、いつの間にかカードやボードゲームが一角に置かれ始めている。
それもこれも、浅田がいつも暇そうなのに加えて、雑多な相談や治療に来た生徒たちがついでとばかりに暇を潰して行く様になったためである。
最初は茶を出して他愛も無い会話をしていただけだが、いつだったかトランプを持ち込まれたのが最初だったか】
「……まあ別に構わないんだけどな」
【浅田としては、患者が来れば治療し、相談者が来れば話を聞くものの。
それ以外の時間は単純に暇なのだ。
その暇が潰せるのなら、多少生徒に付き合うくらいはむしろありがたい所。
とはいえ、これがあまり大っぴらになると、後で怒られるような気もするので、あくまで『ついで』の範疇を超えないようにする必要くらいはありそうだが】
■浅田扁鵲 >
【男子生徒が去って暫く、特別やることもなくなってしまえば、また暇な時間】
「……掃除でもするか」
【椅子から立ちあがり、ク●ックル●イパーを持って床を拭き始める。
それが終わればベッドを整え、カルテを整頓し、持ち込まれた暇つぶしグッズをぱっと見て分からないように片付ける。
こうして浅田扁鵲の勤務時間は、まったく忙しい事もなく、今日も終わってしまうのだった】
ご案内:「学園付属治療室」から浅田扁鵲さんが去りました。
ご案内:「訓練室」に迦具楽さんが現れました。
■迦具楽 >
【夜の人気が失われた訓練室。
そこにこっそり忍び込んで、なぜか中空で逆さ吊りにようになっている少女がひとり。
まあ、やっぱり迦具楽である】
「……なるほど」
【何がなるほどなのか、長い髪を地面へ垂らし一メートルほど浮いている迦具楽は、納得したような表情を浮かべていた。
足にはまた【S-Wing(スウィング)】という魔道具を装備しているのだが、またバランスを保つのに失敗したのか、ひっくり返って逆さまになっていた。
スカートを履いていなくて良かったと心底思いつつも、ジャージの上着がずれてお腹が出てしまっている事は気にしていないあたり、どうやらそこは見られても構わないと思っているようだ。まあ、そもそも人が来るような時間ではないのだが】
「そっか、足を中心に浮いてるわけだから、ある程度高度があればひっくり返っても頭を打たないのね」
【魔力を込めたS-Wingによって、浮力は維持されているから、魔力供給さえ途切れなければ落ちたりはしないのだ。
問題は、現状から魔力を加減したりすると、地面に向かって突撃したり、今の均衡が崩れて落ちたりしそうなところだろうか。
いやなに、手を伸ばした状態で魔力供給を切れば、大した事もなく着地できるのだろうが】
「せっかくだし、ここからどう復帰するか試してみたいような……」
【脱力してぶら下がった状態で、さてどうしようかと考える。
逆さ吊りのままぼんやりと、あまり人に見られないうちに上手い復帰の方法を見つけたいなあ、なんて考えていた。
いや、誰かが来て助けてくれるのならそれでも全然、構わないのだけれど】
■迦具楽 >
「――よい、しょっと!」
【掛け声をかけながら、思い切り右足を蹴り降ろす。
それと同時に背筋を使って体をそらし、右足が降りきる直前に左足も背筋を逸らした反動で蹴り降ろす。
するとあら不思議、ぐるんと半回転して、天地が順当になったではありませんか】
「おー、できたできた。
うんうん、案外やればできるもの――ね?」
【起き上がって、なにやら違和感があるかのように首を傾げる。
周りを見回して、足元を見て、ためしに上半身を動かしてみる】
「……あれ、私普通に浮けてる?」
【逆さ吊りになるような失敗と、そこから無理やり復帰したことで何かを掴んだのかもしれない。
自分では良く分からなかったものの、どうやら結果的に、無理なく浮くことができるようになったようだ】
ご案内:「訓練室」に八雲咲雪さんが現れました。
■八雲咲雪 > 髪をしっかり纏め、サイバーグラスを展開させる。
コツ、コツと歩く音が響くのは夜の魔力か。
半分日課になりつつ夜の稽古をするため、訓練室の扉を開け――。
「――」
浮かんでいる女性を見る。
まるで異質なものを見るかのように、無表情な視線をおくる。
■迦具楽 >
「おー、浮けてる、動ける!」
【喜んで腕をばたつかせても、体をひねってみても、何度も試行錯誤した体は覚えているのか。
自然とバランスを保つために微調整を行っている。
どうやら本当に、足だけで浮かぶコツを掴めたらしい】
「――あっ、コーチ!
見てみて、ちゃんと浮かべるようになったわ!」
【その時、訓練室の扉が開く音が聞こえて、そちらを向けば白い人影。
偶然にも一番に喜びを伝えたかった相手が訪れて、喜色いっぱいの声をあげた】
■八雲咲雪 > ――早い。
内心はその驚きで一杯だった。
S-Wingは足を基本にして飛ぶものだが、足だけつけていても飛べるものではない。
いや、初心者にはまず無理なものだ。
各企業は脚部S-Wingにバランサーとしての役割を求めていない。
そんなものを入れる隙間があるなら、更に効率よく飛べるよう、設定するからだ。
子供の時とはいえ、咲雪は足だけで浮くのにものすごく時間がかかった。
それを彼女はすぐに浮くことができたらしい。
軽くジャンプし、脚部と背中のS-Wingに魔力を籠めて浮かび上がる。
「……うん、上手。
うまく浮けてると思うわ」
迦具楽の周りを回りながら観察しての一言。
「ずっと、練習してたの?」
ご案内:「訓練室」に紗衣留アルミさんが現れました。
■紗衣留アルミ > ばーん!!
と口頭で述べながら、ゆっくりと入り口の戸を開き、ちゃんと閉めてからその人物は姿を現した。
片手に提げる鞄は咲雪のもの。返そう返そうとしていたもののすれ違ったりなんやかんやでこんな時間になったところで、
最後の目的地でようやく巡りあったという寸法である。
よって、目の前に広がる健全な体に健全な精神が宿ると良いなぁ的な活動にはさほど縁がない、はずだった。
「……そっか、この時代は、人類は飛ぶんだったっけ。」
少しだけ懐かしそうに目を細める闖入者。
■迦具楽 >
「でしょでしょ、自分でもびっくりしたわ!」
【上手く浮けてると褒められれば、無邪気に喜ぶ迦具楽。
咲雪が驚いてることはなんとなく分かったが、それ以上にちゃんと浮かべた事が嬉しいらしい】
「うん、昨日と今日と、S-Wingを用意してから練習してたの。
山菜採ったり、狩りしたりでずっとは出来なかったけど」
【自給自足生活のため、一日中練習していたわけではないが。
時間を作っては浮かんでいて、迦具楽にしては一生懸命に練習していたと言えるだろう】
■八雲咲雪 > 「……昨日今日で……そっか。
迦具楽さんは才能ある、かも。
私は足だけで跳ぶの、もっとかかったし――」
大人になれば自分の体も制御できるようになるし、もしかしたらそんなものなのかもしれない。
そう思いながら、彼女に祝いの言葉を送ろうとしたところで、突然の擬音語が響く。
びくっとし、声のする方を見れば昨日の人。
「あ、私の鞄」
すい、すい、とアルミのほうへいく。
■紗衣留アルミ > 「はろー、恋してる?御存知のキミの鞄の登場です」
「そしてボクがこちらの咲雪の鞄」
粗雑極まりない自己紹介とともに手をひらひらと咲雪へ、そして迦具楽へと振ってみせるアルミ。
あいにくながら異能の自己紹介には『咲雪の鞄』というタグはないので口頭で述べるしか無いのだ。
「二人はその……それ。えーと、空飛ぶ何かを通じたお付き合いなの?」
移転先の過去、つまりこの時代のことについてはある程度予習済みではあるものの、
何分付け焼き刃の一夜漬け、知らないことなら蓮根の断面くらいある。
■迦具楽 >
「才能、才能かあ。
でもまだ浮かべただけで、全然飛べないし……」
【才能がある、なんて短い人生で言われたのははじめてだった。
にやにやと表情が崩れてしまうのも、無理の無いことだろう。
と、話の途中でなぜか響く擬音語。
そこにはなにやら新しい人物がいて。
――コーチの知り合いかしら。
そんな風に眺めながら、どこからともなく肘まで覆うグローブ型の補助S-Wingを《創造》して装着し始めた】
■八雲咲雪 > 「この間はありがとう。
おかげでキモカワが増えたわ。
あ、あと鞄」
すた、と優しく降り立ち鞄を受け取る。
とりあえず、これで明日からの授業はなんとかなるだろう。
アルミの質問には少し首を傾げるが
「そう、ね。
多分、先生と生徒の間柄。
これからちょっと彼女に色々教えようと思って」
と、答える。
「迦具楽さん、ちょっと遅くなったけど、おめでとう。
浮ける様になったなら、後は姿勢とかを直せばエアースイムに参加できるとおもうわ」
少し遅れたが、迦具楽に祝いの言葉を述べ、その先にある、競技への参加が可能なことを告げる。
■迦具楽 >
「あ、一応、はじめまして。
咲雪コーチにエアースイムを教えてもらってる、生徒の迦具楽よ」
【咲雪が簡単な紹介をすると、後を追うように自己紹介をした】>>アルミ
「……ほんとに!?
あ、でもまだどう飛んだらいいかわかんないし……」
【そもそも。学生どころか身元も証明できない存在である。
そんなのが公式の試合に参加できるんだろうか、と】
「えっと、参加できるかはともかく、今度は飛び方を教えて欲しいわ。
とりあえず手にも着けてみたけど、凄くバランスが取りやすいのね」
【両手に付けたS-Wingの効果もあってか、浮いた状態で横回転してみたり、立っているだけじゃないポーズをしてみたりと、楽しそうに何が出来るのか試しているような様子だ】>>咲雪
■紗衣留アルミ > 冗談はさておき、下りてきた咲雪に鞄を手渡すのにためらいはない。
「ゴメンね、鞄を預かりっぱなしになっちゃって。
あの子とも仲良くしてくれてるなら何よりだけど…え、増えた?
つまりそれってお付き合いする相手は複数居ても構わないタイプ…?
そしてそのうえ夜の練習室で二人は先生と生徒の間柄…!?」
驚きとともに、ポケットから取り出したメモに書きつけられる誤情報。
そして驚いた表情とは裏腹に空飛ぶ何かについて冷静に観察しながら、
「そしてその競技がエアースイム、と……見た感じだと、空中で踊ったりする感じ…?」
先ほどの情報と同じだけ大きくメモに書きつけた。
「うん、よろしくね迦具楽。キミも恋してる?」
そうして新しいページを開いてもう一つ、書きつけた。
■八雲咲雪 > 「別に参加は絶対じゃないから、気になったら参加でいいとおもうわ。
今はまだ、飛ぶほうが楽しいと思う」
彼女の身分証明ができない、というのは流石に咲雪もしらないためなんともいえない問題だが。
しかし、今は飛ぶほうが楽しい時期だろう。
咲雪も、そうだった。
「腕のS-Wingは安定性に優れてるのが多いの。
だから、足のみよりかなり安定すると思う。
慣れすぎると他の部位をつけたとき、ちょっと不安定になるけれど」>迦具楽
「…………?」
アルミの早とちりに首を傾げる。
確かに友人関係的意味でお付き合いをする人は複数いても構わないと思う。
というか、普通そうじゃないのだろうか、と。
「そう、ね。
話すのは得意じゃないけれど……、沢山いたほう楽しいとおもう」
そして誤解を解かずにアルミの言葉を肯定する。>アルミ
■迦具楽 >
「うん、そうするわ。
今はこうして動いてるだけで十分楽しいもの」
【姿勢を傾けたり、わざとバランスを崩してみたり。
傍から見ると少々滑稽な動きに見えたかもしれないが、それで少しずつ動けているのだから、無駄ではないはず】
「ふうん、だからこんなに安定するのかしら。
はあい、三つ目を付けるときは気をつけるわね。
それでコーチ、飛ぶにはここからどうしたらいいの?」
【今はまだ浮かんでいるだけ。
S-Wingの出力も浮かぶだけにとどめている状態だ。
なんとなくどうしたら良いかは察せられても、ちゃんと教えてもらわないと、不安な部分も残るのだ】>>咲雪
「よろしく。
ええ、今は空に恋焦がれているわ」
【そしてこちらに返す言葉も、また面倒な言い回しで。
勿論そういう意味でない事は分かっていて、冗談交じりに、けれどどこか本気で言っている】>>アルミ
■八雲咲雪 > 本当はコーチって柄でもないのだけれど。
なんせ、ほとんど独学で鍛え上げた技術だ。
どこか、おかしいところがあるかもしれない。
それでも、教えを請われるなら教えよう。
「まず、進むには魔力を一定量流し続ける必要があるの。
車なんかと同じ。
アクセル踏んでもガソリンがなきゃ動かない。
魔力を脚部のS-Wingに、少しだけ多めに流し込んで。
後は、体を倒したり足の角度を曲げたりすることで方向転換できるから」
そうすれば脚部S-Wingは推進力を発揮するだろう。あとは、自分の体でコントロールだ。>迦具楽
■紗衣留アルミ > 「ふむむ…情熱的なお答え。
じゃあそのうちいずれ、この訓練室が生徒で一杯になったりすると、
咲雪は凄くとても楽しいのかな」
それはそれは、アルミからすると過激な意味合いになるのだけれども。
それはそれとして、本気で実現を祈る表情でアルミは頷いた。
「空かー……」
漢字を一文字、メモ帳に書き込むと、
迦具楽をまっすぐに見てから、
「ライバルは多いと思うよ。
しかも相手はこっちの想像もつかないほど気長で、
そうかと思うと『天気屋』で、
そのくせ付き合いきれないと思う時でもいつでも近くに居るんだ」
ペンをくるくる回しながら、ちょっとしたアドバイスのように口にした。
■迦具楽 >
「ふむふむ、とりあえず魔力を込めればいいのね」
【言われた通りに、軽く前傾になって少しずつ魔力を流し込んでいく。
そして、体が少し前に進んだあたりで同じ量を供給し続けた】
「わ、わ!
進んでるっ、コーチ、私飛んでるっ!」
【本当に緩やかな前進だったが、まっすぐに、そして姿勢を変えて体重移動をすることでゆっくりと旋回もし始める。
最初のようにバランスを崩しそうな危うさも無く、安定した状態で空中をゆっくりと移動して。
出力された魔力が粒子となって、おぼろげな赤い軌跡を描く】>>咲雪
「そうね、でも、だからこそ憧れるんじゃないかしら。
まあ私は、正確に言うと空を飛んでたコーチ、咲雪に憧れてるのだけど」
【なるほど、恋愛脳でもこじらせてるのかな、なんて思いながら。
ゆっくり空中を泳ぎつつ、笑って冗談交じりに返した】>>アルミ
■八雲咲雪 > 「……流石にここ一杯は。
あんまり多いと、大変だから。
適度な人数がいい、かな」
適度、といっても何人かは具体的に言わず。
もちろん、沢山居ると楽しいとは思うが。
きっと喋れずに終わってしまうかもしれない>アルミ
脚部に魔力をこめ、迦具楽と、離れているが、並走するように飛ぶ。
「ちゃんと制御して。
楽しいのは分かるけど、落ちて怪我したら大変だから。
興奮するのは降りてから」
楽しそうな声をしている迦具楽に、冷ややかに声をかける。
楽しいのは凄く分かるけれども、彼女が怪我をしないように勤めるのが先生の役割だと思い、厳しく言う>迦具楽
■紗衣留アルミ > 「憧れより近くまで行くと、そこからが大変でね」
「一度抱かれるともう抜け出せないって評判が立ってるのにみんな返ってこないんだから
……でもまぁ、手遅れかなぁ?」
自慢気に講釈をたれると、恋愛脳の化身はくすくすと楽しそうに笑ってから、
「とっくに手遅れになってそうな人に憧れたら、もう八方ふさがりだと思うよ、ボクは」
「多いほうが良い、と多いのが良い、じゃあ全然違うしね」
それでも。並んで飛ぶ二人を見ていると、
「……でもさ、話半分も聞いてないのに何だけど。
きっと競い合う相手って代えがたい楽しさをくれると思うんだ。恋もそうだしね」
ちょっとだけ、この訓練室の空いた隙間が寂しそうで。
■迦具楽 >
「はあい、気をつけます」
【厳しく言われても、楽しそうな表情はそのまま。
けれど言われた通りに制御に集中して、危なげなく飛行しているのが分かるだろう。
徐々にスピードを上げていくが、それでもしっかりと安定している】>>咲雪
「ふふ、確かにもう手遅れかも知れないわね。
だってこんなに、飛ぶのが楽しいんだから」
【アルミの周囲を咲雪と共に飛びながら、まさに楽しそうな声で返す。
なぜか恐らく、まったく違う話をしているはずなのに、かみ合っている。
謎である】>>アルミ
■八雲咲雪 > 「……うん。
私もそう思う。
競う相手が居ると、きっと凄く楽しいわ」
勿論、競うとしたら相手が十分に育ってからだが。
育たぬうちに競ってしまっては、芽を潰してしまう。
大事に、育てるのだ。>アルミ
初心者にしては、うまく飛行している。
ほんとに、すぐ成長していく姿は、みていて面白い。
迦具楽の飛び方をみつつ、アルミと雑談していれば、アラームがなる。
時間だ。
「……迦具楽さん、私そろそろ帰らないと。
最後まで練習みてあげられなくてごめん」
ちょっと申し訳なさそうにしながら言い、先に地上に降りる。
「紗衣留さん、私、先に帰りますね。
もう部屋に戻らないといけないから……」
アルミにもそのようにつげ、二人にぺこりと頭を下げる>二人
■紗衣留アルミ > 「っと。ボクもそろそろ行かないと。次のインタビューの時間だ。」
パタン、とメモ帳を閉じると学ランの人物はさも自分が場違いと気づいたようだった。
訓練室には訓練室の装いがある。咲雪のそれや、廉価なものとは思えない二人のS-wingという器具を見ていれば、制服などで居るのは失礼もいいところ。
時に危険なこともある競技に対して慢心はご法度だ。
「そういうことなら、途中までご一緒してもいいかな?咲雪
大丈夫、今度は鞄はちゃんと返すから」
そう言いつつ、
「それじゃ、迦具楽も存分に楽しんでってね。空との逢瀬ってやつをさ!」
現れた時のように、適当に手を振っている。
■迦具楽 >
「ええっ、もう時間?
うー……仕方ないか、うん。
今日もありがと、また教えてね咲雪コーチ!」
【帰るといって降りるなら、感謝を告げて、迦具楽は浮いたまま頭を下げるだろう】>>咲雪
「あら、アナタも帰るのね。
うん、たっぷりと楽しんでいくわ。
縁があったらまた会いましょ」
【手を振るアルミには、空中でくるりと回って見せて】>>アルミ
■八雲咲雪 > 「大丈夫だけど。
ちょっと着替えないといけないから……」
ふ、と思う。
どうせ夜中だし、このまま飛んで帰ったほうが早いかもしれない。
「……うん、別に大丈夫。
かえろっか」
そう、アルミに言い直す。>アルミ
「うん、また今度。
……あと、エアースイムについての座学もちょっとだけやるから、そのつもりでいてね」
頭を下げている迦具楽にそんな言葉を投げかける。>迦具楽
そして、ふわふわうきながら訓練室の出口へ行く。
ご案内:「訓練室」から八雲咲雪さんが去りました。
■紗衣留アルミ > 「縁は探すものに作るもの。
きっといずれまた会うよ。きっとね!」
首尾よく鞄を預かることは出来たのか。
それはさておきおそらくきっと、帰り際の二人のうち、歩く方は飛ぶ方に向かって、
「もし良かったら今度、ボクもエアースイムってのに参加してみたいな」
なんてことを言うのだろう。
ともすればどうしようもなく歩くことをもどかしそうにしながら、
空へのあこがれを欠片だけ覗かせて。
ご案内:「訓練室」から紗衣留アルミさんが去りました。
■迦具楽 >
「うぇ、座学かあ……。
はーい、それじゃあ気をつけてねコーチ」
【すこし肩を落しながら、ふわふわと浮きつつ去っていく背中を見送り、】
「ええ、いずれまた、ね」
【追いかけるアルミも見送ってから、一度、気持ちを切り替えるように大きく深呼吸】
「……よし、早速思いっきり飛んでみようっと」
【そう言って、前傾姿勢になりながら思いきって多量の魔力をS-Wingに込める。
すると、ぐんぐんと加速をはじめ、速度を上げていくのだが】
「あはは、気持ちい――いひゃっ!?」
【調子に乗って速度を出しすぎたのか。
姿勢制御が崩れて、空中でぐるぐるとでんぐり返しをはじめる】
「わ、わわわ――!?」
【そのまま、まともに減速もされないまま、訓練室の壁に『ガツン』と言う鈍い音を立てて激突するのだった】
■迦具楽 >
「……う、一瞬意識が飛んだ」
【地面に落ちて、かなり強く打ち付けた背中の痛みに、つい涙ぐむ。
けれどそこは、腐っても、弱くなっても怪異。
明らかに背骨が大変な事になっていたみたいだが、何とか体を部分的に再構成して事なきをえる】
「うあー、腰も痛いし、頭も痛い……」
【致命的な損壊の無かった部分は、軽い打撲程度だったが。
それでも痛いものは痛い。
さすがに調子に乗りすぎて無謀な事をやったと後悔しつつ。
今度は制御しきれるぎりぎりのところで飛ぼうと、再びS-Wingに魔力を込めて飛び上がった】