2016/06/15 のログ
ご案内:「学園付属治療室」に浅田扁鵲さんが現れました。
■浅田扁鵲 >
「……さて、これで大部分は抑えられるが、すぐに消えるわけじゃない。
慢性の病と同じでな、要するに体質改善をしているのと同じようなものなんだ。
だが心配しなくとも、治療を続けていけばいずれは完全になくなる。
君の場合はそうだな……長くても半年といったところだろう。
勿論、途中で治療をやめれば、徐々に元に戻っていく。
だから今後、力を失いたくないと思ったなら遠慮なく言うんだ。
そう思ったのなら、その力は君にとって必要なものだからな。
それだけ約束できるなら、今日は終わりだ、帰っていいぞ。
学園には私の方から治療中の申請を出しておくから」
【神妙な様子で頷いた女生徒は、浅田に頭を下げると退室していく。
異能を消したいと相談に来た生徒が、浅田のもとで異能を『治療』していたのだ。
それを見送れば、浅田は疲れたようにチェアに深くもたれかかり、すかさず膝の上に飛び乗ってきた仔竜を撫でながら一息ついた】
ご案内:「学園付属治療室」に音原 結奈さんが現れました。
■音原 結奈 >
ひょこっと扉から顔が出てきました。
黒髪のお姉さんです。
「あのー、マッサージ屋さんってここですか?」
ちょっと間違ってる気がする。
でも目がキラキラしてるので、否定しにくいかもしれない。
希望に満ちていますよ彼女。
■浅田扁鵲 >
「ほんとに、異能の治療は疲れるな……」
【異能の治療に関しては、治療中に暴発や制御不良などを起こす恐れもあり、非常に気を使うのだ。
それだけでも疲れるのに、異能を治療したいと来る患者は、大抵精神的に不安定になっている事が多い。
そして、治療して力を失ってから、やっぱり失いたくなかったと嘆くケースも多いのだ。
浅田は別に、異能は失われるべきだとは思っていない。
ただ、その患者、力の持ち主にとって一番良い形に持っていってやりたいのだ。
だからこそ、患者の迷いにいち早く気づけなければならない。
そういう意味でも、神経をとがらせなくてはいけないのだ】
「……うん?
まあ、マッサージもやっているが」
【退室した女学生と入れ替わりに顔を出した女性。
そのなぜかきらきらとした視線に、少しばかり困惑した表情を向けた】
■音原 結奈 >
「わー、よかったー!
こっちのお仕事大変で、肩こりがひどくて……
あれ?」
とっても嬉しそうにひょこひょこ入ってきました。
お胸が揺れます。
で、近寄ってきたあたりで、その膝の上に乗るトカゲちゃんに目が行く。
嬉しそうな笑顔のまま、目をぱちくり。
「せんせー、その子は?」
気になったので先に聞いてみた。
■浅田扁鵲 >
「ああ、なるほど。
そういう事なら……?」
【入ってきた相手の胸が揺れようと、仕事中はまったく気にならないのが浅田である。
しょっちゅう女性の裸とか見てるしね。
けれど、近寄ってきて膝の上の仔竜に興味をもたれれば、頭を掻いた】
「あー、こいつは私のペットでね」
【今日は赤い鱗に、赤い角。
触ると爬虫類の癖にひんやりでもなく、この季節には少々温かすぎる体温。
体長は鼻先から尻尾までで大体60cm。
目をぱちくりさせる女性を見上げるように、爬虫類顔が見上げている。
爬虫類のつぶらなお目目】
■音原 結奈 >
にっこり笑顔のまま、ちょっとしゃがみ込む。
子竜と目を合わせながら見つめて、ちょっとだけ首をかくんとかしげる。
頭のあたりを軽く撫でてあげて、にこっと笑顔。
「えへへ、かわいい子ですねー。
大人しくしてるし、とってもいい子」
ちょっと嬉しそう。
ひらひらーっと手を振り振り。
「あ、それで肩こりでした!
マッサージお願いしてもいいですか?」
胸の前で握りこぶしを作ってウキウキしてる。
■浅田扁鵲 >
「まあ大人しくしている内は、それなりに。
癇癪を起こすと手を着けられなくて困ってますよ――ったいだろシャオ」
【浅田が仔竜を褒める女性に答えていると、抗議するかのように仔竜が浅田の太ももを噛んだ。
叱られるとすぐに頭をそっぽに向けてしまう】
「あー、そうですね。
それじゃあやりましょうか。
座ってと横になってならどっちがいいですか」
【膝から仔竜をおろして立ち上がると、軽く背伸びをしつつ。
確認しながら、新しいカルテを取り出す】
「ああそうだ、先に名前を教えてもらえますかね」
【忘れる前に、とカルテとボールペンを持ってたずねた】
■音原 結奈 >
「あはは、やんちゃさん!
女の子の短所を言ったりしちゃダメですよせんせー。
とっても繊細なんだから」
ねーっと竜の子に笑いかける。
まさにお姉さん。
「音原 結奈です!
29歳でえーと、一応生徒?扱い?
食堂で働いてますけど、正直よくわかってないです!」
ぺかーっと輝くドヤ顔で、聞いてないことまで言い切った。
そして下ろした仔竜をおいでおいでする。
次はお姉さんの膝の上でどうだと言わんばかり。
「……横になってっていうパターンもあるんです?
座ったままやるのかと思ってました」
■浅田扁鵲 >
「……よく雌って分かりましたね」
【そんなところに感心しつつ、足元に付きまとう仔竜を押しのけるように足で転がす。
男女比の関係上、なに言っても勝ち目がないので他の部分はスルーである】
「それなら職員でしょう。
どちらかといえば教員扱いですかね、多分ですが。
えー、音原さんですね」
【これで同い年なのか、と少しばかり思いつつ。
名前を繰り返して記入を終えたカルテを置いた】
「どっちでも出来ますよ。
好きな姿勢で構いませんから」
■音原 結奈 >
「昔取った杵柄っていうやつですよー。
こういう子はなんとなくわかっちゃうのです」
ふふんと自慢げに笑い、背中を向けた。
「じゃあこのままでお願いします。
私ちょっとうつぶせって苦手なんですよね」
たははーと笑う。
こんなたわわなものが付いてたら苦手なのも仕方ないかもしれません。
■浅田扁鵲 >
「なるほど。
こういうのと縁があったわけですか」
【足元ではしきりに音原を気にした様子の仔竜が、鼻をひくつかせている。
随分興味がありげだが、とりあえず近くに居られると邪魔なので、足でさらに遠くへ押しのけた】
「ああまあ、そうでしょうね。
それじゃあこのまま、失礼しますよ」
【そう言って手ぬぐいを取り出し音原の肩にかけると、両肩に手を置いて軽く擦るように撫でる。
それから首の付け根辺りから軽く摘むように把握して、骨や筋の形、凝りの場所なんかを確認する】
「……大分慢性的な肩こりですね。
ここで仕事を始める前から、結構あったでしょう」
【などと、とりあえず見ただけで分かるような事を話しつつ】
■音原 結奈 >
膝の上に乗せたかったけど、邪魔っぽいなら仕方ない。
仔竜ちゃんに手を振って、また後でねーって囁いてあげつつ。
「お願いしまぁぁぁぁぁぁぁ...」
男性から受けるマッサージというのが大分久々なのか、ちょっとぞわぞわしつつ。
でもそのマッサージが、軽くで非常に心地よさそうで、鳥肌が立ってる。
「ふわぁぁぁぁ……
そーなんですよ、それなりに……
昔は気にならなかったんですけど、やっぱりちょっと年齢がかさむと……ぉぉぉ……」
幸せそうなゆるーい声が漏れだしています。
■浅田扁鵲 >
「そうでしょうね、どうしたって私達くらいの年齢になると、少しずつ無理が利かなくなってきますから。
ああ、背中側もですけど、前も凝ってますね」
【そう言いつつ、肩の前面、鎖骨の下のあたりを薬指から人差し指を揃えてマッサージ。
大胸筋の付着部分で、ここをほぐすのは需要なのだ】
「一応弱めにやってますけど、力加減はいいですかね?
強かったり弱かったりしたら言ってください」
【そういいながら、肩だけでなく首や後頭部、頭蓋骨の付け根も揉んだり圧迫したり。
背中から腰もしっかり揉んで、最後は大きく肩を動かしてストレッチ。
時間にすればおよそ三十分ほどだろう】
■音原 結奈 >
「ぷええー……あれ、もしかして先生も同じくらいの年です?
はわぁぁぁぁ、そこ気持ちいい~……」
鎖骨下をマッサージされて、鳥肌が増えた。
ついでに頬がとってもゆるむ。
「とっても気持ちいいです~……
専門家さんはすごいですね~」
ふにゃらふにゃらとマッサージを受けている。
その合間もずっと変な声を上げたりしてただろう。
そして終了。
「……ふぇぇ、すごい楽になった……」
ほへーっと大きな息を吐いた。幸せそう。
■浅田扁鵲 >
「まあ同じくらいですよ。
気持ちいいなら何よりです」
【心底気持ちよさそうに脱力しているのを見れば、浅田も自然と表情がゆるむ。
患者が気持ちよさそうにしていると、施術者も嬉しいのだ】
「そりゃあ、これで食べてるわけですから。
技術がないとすぐに患者さんに捨てられちゃいますからね……っと、はい、お疲れ様」
【マッサージを終えて幸せそうな音原を見つつ、薄く笑いながら常備しているお茶を入れる】
「よかったらどうぞ、黒豆と小豆のお茶です。
疲労回復に効果があるので」
【そう言って差し出したカップの中には、確かに二種類の豆。
香りや味は、予想通り豆豆しいだろう】
■音原 結奈 >
「ひやー、とっても効きました!
こんなに楽になるなら、もっと早く来ればよかったです!」
肩をぐるぐる回して、とっても上機嫌。
んーっと伸びをしました。
「ほうほう、黒豆と小豆のお茶ですか……
色んなお茶の葉は扱ってきましたけど、これは初めてですねー」
ふんふんと匂いをかいで、ずずーっと啜る。
ぷはー。美味しそうな顔だ。
なんでもおいしくいただく女の子。
「なかなか美味しいですねこれ!
あ、マッサージのお代払わないといけませんね!」
ぐいーっとお茶を飲み干し、ごそごそお財布を出した。
かわいい財布で、くまさんのアップリケがついてる。
■浅田扁鵲 >
「それだけ喜んでもらえると、こちらも甲斐がありますよ」
【上機嫌な様子に、また薄く笑い】
「まあ漢方茶ですからね。
あまり飲む機会はないでしょう……はは、お粗末さまです」
【美味しそうに呑む音原の表情に軽く笑い返して、御代をといわれれば首を振る】
「いや、学園の関係者なら御代は要りませんよ。
学園に雇われてるので、全部給料の内です」
【と、御代を貰うのは断って。
ちょうどその当たりで、仔竜が音原に近づいていく。
少しだけ構ってほしそうに、つぶらな瞳で見上げている】
■音原 結奈 >
「あれー、そうなんです?
じゃあ今度来るときは、お金の代わりにお菓子とか軽食でも作ってきますね!」
めげない。
何かタダっぽいのが気に入らないらしい。
「……あ、お待たせ!
おいでおいで~」
しゃがんで手を差し出し、だっこする構え。
「せんせー、この子のお名前は?」
首だけ扁鵲に向けて尋ねてみた。
■浅田扁鵲 >
「ああ、それはありがたいですね。
人の作った物を食べる事が、最近はとんとないもので」
【タダが嫌だという人はよくいる。
一番は気持ちよく治療を受けてもらう事なので、こういう好意は素直に受け取る事にしているのだ】
「ああ、そいつはシャオって名前ですよ。
すいませんね、構ってもらっちゃって」
【仔竜は素直に抱き上げられるだろう。
訊ねられれば答え、抱き上げられた仔竜は機嫌がよさそうにしている】
■音原 結奈 >
「あ、じゃあ今度特製ハンバーグでも作って、タッパーに詰めてきますね!
食堂でも私が出勤の日は作ってますからぜひぜひ!」
最近ちょっと食堂の味が上がったらしい原因がここにいた。
「へー、シャオちゃんっていうんですね!
えへへ、いい子いい子」
抱っこしたまま、片手でおなかをかいぐりかいぐり。
シャオちゃんからは、ちょっとだけ優しいお姉さんの香りがわかるでしょう。
元同族の血は、表に出ずとも消え切ってはいないのである。
■浅田扁鵲 >
「ははは、楽しみに待ってますね。
それじゃあたまには食堂に顔を出してみますよ」
【話す様子から、中々自信があるんだろうと察して、期待が少し高まる。
美味しい食べ物が嫌いな人間など居ないのだ】
「普段は結構人懐っこいんですよ、そいつ。
人に構ってもらうのが嬉しいみたいでして」
【抱かれているシャオは、どこか少し甘えた様子を見せながらされるがままに撫でられている。
非常に気分がよさそうなのは、音原ならすぐに分かるだろう】
「……ほら、そろそろ満足したろ。
音原さんにも時間を取らせたら悪い、こっちこい」
【それが放って置いたら何時までも続きそうなのを感じて、浅田がシャオを呼ぶ。
すると、非常に、とっても名残惜しそうにしつつも、音原の手から抜けだして床の上にぼてっとおちる。
改めて浅田の足元に移動して、今度は浅田に抱き上げられた】
■音原 結奈 >
「えへへ、可愛い~……
看板娘さんみたいなものですね、シャオちゃん」
抱っこしたまま、普段とはちょっとだけ違う雰囲気の微笑みを浮かべる。
お姉さんというより、まるで母親のように。
自分の娘を優しく抱くように、慈しむように。
が、扁鵲の声を聞いてシャオが手元から抜け出した。
あっ、と小さな声が漏れ、同じように名残を惜しむかのように手を少しだけ伸ばし。
すぐに引っ込めた。
「えへへへ、また来るからね、シャオちゃん。
その時にまた遊ぼうね」
その時はもう普段通りの笑顔。
手を振って、再開のお約束。
「それじゃせんせー、ありがとうございました!
またよろしくお願いしますね!」
ぺこりと頭を下げて、ぶんぶん手を振って出ていきました。
■浅田扁鵲 >
「看板娘……になるにはまだまだ子供過ぎますがね」
【年齢相応、いやそれとはまた少し違う種類の表情を見せる音原に、少しばかり意外そうな顔になる。
しかし、それも少しの間で、仔竜の首根っこを掴んで持ち上げたまま、軽く頭を下げる】
「お大事にどうぞ。
またあまり酷くならないうちにいらしてください」
【そして浅田と共に仔竜も手を振って】
『また遊んでね、おねーさん!』
【出て行く瞬間、そんな声が聞こえたかもしれない】
ご案内:「学園付属治療室」から音原 結奈さんが去りました。
ご案内:「学園付属治療室」から浅田扁鵲さんが去りました。