2016/06/22 のログ
真乃 真 > 「それがハンバーグを目指して作ったんならハンバーグですよ!
 もしそれが豆腐ハンバーグを目指して作ったんじゃないのなら材料はともかくそれはハンバーグです!」

材料がどうあれハンバーグであろうとするのならハンバーグだし。
豆腐ハンバーグとして作るのであれば豆腐ハンバーグである。
どこを目指しているかの違いであると真は考える。
例え人が焼き豆腐と呼ぼうともそれがハンバーグを作ろうとしてできたのなら真はそれをハンバーグと呼ぶだろう。

「…油断してました。こんなことならもう少し考えて食べるべきでした…。」

さっきまで一口で食べていた量を半分の半分くらいに切り分けて味わって食べ始める。
それにしても序盤に飛ばしすぎた。

「あっすいませんご飯おかわりお願いします!」

こうなってはご飯で時間を稼ぐしかない!
大体一口のハンバーグでご飯これくらいはいけるから…
うん!いける!はず!

リビドー > 「違いない。しかし、そうだな。」

 悔悟を見せる真へメニューを差し出す。
 デザートの項を開いて渡す。

「デザートがある。記憶が確かなら、ここに来る前も気にしていたじゃないか。
 そっちは食べなくていいのかい?」

 無理に時間を稼ぐ必要はない、と、言外に選択肢を示してみせる。
 

真乃 真 > 「…。」

そうだった忘れていた。デザート。
ハンバーグの次くらいに甘いものが好きなのだ正直子供っぽいと思うけども気にしない。
しかし、ここのデザートも割と大きなものが多い。
いくら好きでもきついのではないだろうか?

「…すいません!このチョコバナナチョコパフェを一つ!」

ライスのおかわりを持ってきた。店員を呼び止め注文をする。

「どっちも!どっちも行きます!ええ、まだ行けますとも!」

力強くそう言い切って自信ありげに笑って見せる。
そうして残しておいたハンバーグをおかずにライスを口に運ぶ。

リビドー > 「くく、実に好い。
 食べ終わる頃にはボクも食べ終わるだろう。」

 そう告げれば食事に専念。
 ほどなくすれば食べ終わるだろう。

「そう言えば、生徒を卒業した後の進路は決めていたりするのかい?
 詮索されたくないなら答えなくても良いぜ。」

真乃 真 > 「進路ですか?何か人を助けられるような仕事かなと思ってるんですけど具体的に思いつかないんですよね…。」

もう三年生である真はこのままいけば再来年には卒業することになるだろう。
どんな仕事であっても人を助ける事は出来るだろうから「これだ!」と決められない。
あっそれとこの島での経験とかも活かせるならそういう仕事の方がいい。

「あっとりあえず実家の方には帰ろうと思ってます!」

ここに残ることはあまり考えていないし進学についても考えていない。
実家の周辺で働くことになるだろうか。

「参考までに先生はどうして先生になろうと思ったんですか?」

自分の進路を決める上のヒントになるのではとそんな事を尋ねた。

リビドー > 「今のご時世だと難しいだろうな。
 社会に身を寄せて労働に従事する事は大なり小なり社会、ひいては人を助けるようなものだ。
 違法な労働や詐欺などの実態は別にして、社会通念上……と言うよりは理想上か。
 理想上としては社会を助ける事で人を助け、その報酬として発揮した能力に応じた賃金を貰う事でもあるだろう。」

 当然狡賢く金や人が流れるものはある。
 とは言え、それはまた別の話だ。
 人を助ける事と正義を成す事と悪を滅ぼす事は完全に一致するものではない――リビドー自身はそう認識している。

 その上で教職に就いた理由を問われれば眺めの逡巡を見せる。
 思考に少々の時間を掛けてから口を開く。

「難しい話だな。一言二言でで語れる話ではない。
 だがそうだな、今の気分で語るなら欲深いからかもしれないな。……ああ、白泉椿丸って教師を知っているかい。
 その先生と話した時に、ちょっと感じるものがあってね。」

「動機は数あれど、智識や意志を教えたいし導きたい。
 しかしながら甘えるのではなく自立して進む道を選んで欲しくもある。
 とは言えそれでも認められて頼られたい。――尊敬や礼を受け取る事は心地が良い。
 それは認められるかもしれないし、理念通りに動けた達成感かもしれない。
 だが、いずれにしてもボクはそういうものを欲深く求めていた所もあるかもしれないな。」

 動機には別のものもあるし、此処まで綺麗な感情ではない。
 とは言え、これも嘘ではない。そう思うが故に(思いたいが故に)、はっきりとした口調で真へと答えてみせた。
 
「……と、ご馳走様だ。ボクの方は食べ終わったよ。」

真乃 真 > 「うーん?つまり仕事で直接、人を助けるのは難しいってことですか?」
 
どんな仕事でも間接的に人を助ける事になるのかもしれない。
しかし、間接的に人を助ける事は少し、ほんの少し満足感が薄いのも事実である。
…今まで通り趣味で助けるしかないのかな。

「欲深いからですか?」

教師と言う仕事に欲深いというイメージはあまり持っていないのでその答えは意外だった。
そして、語られた内容に少し混乱して自分の中で整理する。

「つまり、一言でいえば、自分の持ってるものを人の為に使って人に認められたいから
 そして、自分を認めたいから先生をしているってことでいいんですか?間違ってたらすみません。」

リビドーの言葉は難しくいくらか分からない部分もある。
だが、共感できる。共感できた部分を言葉にする。
だからこれはきっと真の言葉でもあるのかもしれない。

「僕も食べ終わりました…。ごちそうさまでした!」

少し無理をしすぎたかもしれない。いやこれぐらいでは無理じゃない!
だがこのぐらいならあの時に比べれば全然余裕である!

「美味しかったです!ありがとうございました!」

リビドー >  
 
「直接人を助けるには少々実力主義の世界になってしまったからな。
 その分世界には異能や魔術、大変容以前は考えられぬ程の発達した科学が齎されてもだ。」

「いくらキミが望む正義や道徳を謳おうが、
 スペックやスキルだけで踏み潰せる力を持つ輩や化け物が存在してしまっている。
 我が物顔でプライバシーを蹂躙するような力だってある。
 言葉や理念では通じぬものと殴り合わなけばならん。
 覚悟して打ち克たねばキミが思う通りに人を助けられない。
 個人的にはそれでも頑張って欲しいとも思うが、何が正義かは語らん。」

 其処まで言えば、立ち上がる。
 食休みも終えたと判断し、会計を済ませるつもりなのだろう。

「……恥ずかしくなるがかみ砕けばそうなるよ。
 勿論そうでない教師もいるだろうが。」

 少しのうしろめたさ、決まりの悪さを覚える。
 それが悪いとは思っていないが、同時に教師のキャラクターとしてそこまでおっぴろげに言う事に抵抗も覚えている。
 だからその為に難しい言葉で誤魔化す事もあるのだろう。当然、それ以外で使う事もあるが――。

「いえ、構わんよ。ボクとしても収穫はあった。
 この辺は言う程治安も悪くもないが。どうするかい。
 もし寄り道をしたいなら送らない方が良いだろう。」

真乃 真 > 「別にそこまで凄いモノを相手にはしませんよ!?
 僕の人助けは手の届くところにいる困っている人を取りこぼさないことですからね!
 そして、僕は正義じゃあないですし道徳も場合によっては置いときます。
 …ただただ、僕は僕の手が届くところで困ってる人がいるなら助けるだけですよ!」

真乃真は正義の味方ではない。
ただ、困ってる人を助けるだけである。
目の前で困ってる人を放っておけないだけである。

「まあ、先生にも色々あるんですね!」

そんな風に簡単にまとめてしまう。

「そうですね!今日は別に大丈夫ですよ!ほら僕の家異邦人街の近くですし!
 駅からも遠いですからね!」

そういいながらお腹を擦る。
もう、お腹いっぱいである。

「それじゃあ、先生今日はありがとうございました!進路とかもそろそろ本気で考えてみます!」

そう言って一度ピシりと礼をすると自分の家へと歩いていくのだった。

リビドー >  
「ああ、そうしてみるといい。
 ――また学園で会おう。真乃 真。」

 気を良くして支払いを済ませ、その場を後にする。
 

ご案内:「ハンバーグ&ステーキハウス「タベタイガー」」からリビドーさんが去りました。
真乃 真 > 「進路、進路か…。」

時間は有限である。
ああ、でもそのうちにきっと何か見つかるだろう。
そんな風に楽観的に考えながら今日のハンバーグの味を思い出すのだった。

「ハンバーグを食べ続ける仕事とかないのかな…。」

ご案内:「ハンバーグ&ステーキハウス「タベタイガー」」から真乃 真さんが去りました。