2016/06/28 のログ
ご案内:「ゆめのなか」に鞍吹 朔さんが現れました。
■鞍吹 朔 > 黒。
黒である。
そこに立つ「おんな」も、どこまでも黒く感じる。
あたりを見回す。上下を見回す。黒かった。
しかしそこにある黒は黒であって黒ではなく、赤青緑黄茶朱水紫灰桃金銀銅。
あらゆる色のクレヨンで紙をぐりぐりと塗り潰したような、歪な色合いだった。
■鞍吹 朔 > 遠くを見る。
黒い。黒すぎて距離感がつかめない。仕方ないので、その中を泳いでいった。
黒い黒の中に、黒くないが黒であるものがあった。
人がいた。
囚人服のような姿で、首から番号の書かれた板をぶら下げた人々がいた。
顔はなかった。溶けたように、そこだけがなくなっていた。どこへ行ってしまったのだろう?
人々は、体を引きずるように何処かへ歩いて行く。どこへ行ってしまうのだろう?
あれは、4月の中頃の■■■さん。
あれは5月の初め頃の■■■■さん。
あれは■■■■■さん。
あれは■■さん。
あれは■■■さん。
みんな、わたしがころした。
溶けるように、体が歪む。
この世から消え去ってしまいたいと、奥底から黒が湧き上がる。
どこの?
こころの?
■鞍吹 朔 > こころ? こころの? こころのどこ?
ふっ、と世界が開けた。
黒い世界に、純白が広がっていた。そこだけ、綺麗に整えたように、何もない白が広がっていた。
赤色も青色も緑色も黄色も茶色も水色も灰色も桃色も金色も銀色も銅色もない、輝かしいほどの純白が広がっていた。
怖い、と思った。
ずっと黒の中に沈んでいたい。世界に見つめられたくない。
そう思った。
白は、じくじくと黒を捻じ曲げる。
水が広がるように、黒を白へ吸い込み、変えていく。
何もない、白。
■鞍吹 朔 > 「…………っっ!!」
がば、と布団から身を起こす。頭が重い。体に力が入らない。
どうやら、風邪が本格的に悪化してきたようだ。
「…………。」
恐ろしい夢を見た気がする。
どんな夢かは忘れてしまったが、そんな気がする。
ぐっ、と胸を抑える。大きく息を吸い、吐く。肋が軋み、少し傷んだ。
そして、再び布団に倒れこみ、毛布を被る。
目を閉じて、闇の中へ潜る。安堵するように、溶けるように。
ご案内:「ゆめのなか」から鞍吹 朔さんが去りました。