2016/07/24 のログ
ご案内:「落第街の一角」に高峰 士さんが現れました。
高峰 士 > 落第街の一角にあるビル。
そこにいるのは似つかわしくない格好の少年と。
おびただしい量の血痕 及び 人間だったもの の成れの果て。

『ああ、残念。人を使った蠱毒は難しいですねぇ』

その少年が言葉を紡ぎながら、ピポパと電話をかける。

『ああ、すいません いまって出前やってますぅ?』

高峰 士 > まぁ、返答に関わらず用件を一方的に伝えれば電話を切るのだけど。
どうせすぐに見つけてやってくるだろうし。

『さて、そうすると何が悪かったですかねぇ。
 殺し合いはできるんですが……やはり、人間の脆さですかねぇ?
 途中の怪我で全滅しては意味がない』

ご案内:「落第街の一角」に蕎麦屋さんが現れました。
蕎麦屋 > お品書きは一つしかなく、数分――

ぼへぼへと気の抜けるような排気音。
タイヤが滑るようなスキール音と共に、路地裏に突っ込んでくるスーパーカブ。
曲がり角は危ないので減速しましょう。お姉さんとの約束です。
目当ての人影を見つければ、停車。

「出前お待ち―……え、此処で食うの。マジで。」

血腥すぎません、いくらなんでも。

高峰 士 > 「僕はあんまり食べたくないんですけどね……」
『私が食べたいのですから仕方がない』

口を開けば、時間差で聞こえてくるステレオボイス。

『いやぁ、本当にどこにでもくるのですねぇ……助かりますよ』

蕎麦屋 > 「贔屓にしてもらうのはよろしいですが。
 蕎麦に限らず、香りも楽しみのうちだと思うのですけどね」

溜息一つ。おかもちから蕎麦取り出して、割り箸と一緒に渡す。
食うと言うなら渡さない理由も特にない。

「というわけで、またのご注文お待ちしております――?」

こんなところに居るとなにやら要らんことに巻き込まれそうです。
退散でも、と思った辺りで人影を見て、首を傾げた。

高峰 士 > 『次はきちんとした場所で注文しますよ』

いただきます と手を合わせてから箸を割って蕎麦をいただく。
ずぞぞぞぞぞぞ。
うん、血生臭い場所であってもしっかりと自己主張をするカツオとコンブの合わせ技。素晴らしい。

『おやぁ?
 私がどうかしましたか?』

笑みが濃くなった気がした。

蕎麦屋 > エンジンを掛けかけた手を止める。離す。

「味の方はそれなりに自身はございますが――このような場所で食べる気は起きませんけれどね」

勢いよく啜ってもらえるのは気分が大層よろしいですけれど。
それはこの際、些末な問題に成り下がる。

「どうかしました、って。一応確認しておきますが。
 分かっててやってますね?外側は気付いてないみたいですけど。」

ジト目。

高峰 士 > 『サテナンノコトヤラ?
 僕ニハサッパリデスカラー』

棒読みで返事をしながらも汁まで飲んでごちそうさまでした。
と器を返す。箸はそこらにポイ捨てた。悪である。

くくく と肩を震わせる。

『さて、詳細を占う為には準備運動が必要ですねぇ。
 この姿ではやりにくいですか?』

蕎麦屋 > 「はい、よく分りました。」

分りやすい肯定にジト目は崩さず。
器は受け取って――箸をこんな所でポイ捨てしないでいただきたい。
拾って纏めておかもちへ叩き込む。ああもう、ばっちぃ。

「いえ、どちらでも構いませんけれど。
 そもそも何か知りませんが、準備運動にお付き合いはしかねますよ?」

だってしがない蕎麦屋ですし。などと。

高峰 士 > 『いえいえ、だって貴女は―――』

帽子を取ると黒髪が伸びた。
学生服翻せば、下からは白衣が現れる。
右手で顔を覆えば……指の隙間から見える、丸くて黒いサングラス。

ご案内:「落第街の一角」から高峰 士さんが去りました。
ご案内:「落第街の一角」にルギウスさんが現れました。
ルギウス > 「化身じゃあないですか。
 残滓を見つけた貴女の取る行動なんてそれこそ手に取るようにわかりますとも」

体から、光の球が浮かぶ。
一つ、二つ、四つ――――倍々ゲームで増えていき、総数全部で128。

「少しばかりは、貴女の力を削ぐかエンジンに火をつけてあげませんと」

それらが、ルギウスを中心に円を描くように解散する。
光の球は呪いの塊。
触れても傷は与えないが、一時的な激痛を被害者に与える。
激痛は心を折り、体を竦めるのに手っ取り早い為に、ルギウスはこれを愛用している。

蕎麦屋 > 「――んー。そこは否定しませんけれど、ね。」

浮かぶ球体は――昨今の講義のおかげでどういう類かの区別くらいはつく。
いや、この歳になっても学ぶべきものは多い、というところか。

「まさか、出前に出て襲われるパターンとかちょっと想像の外ですよね。
 いやもう、どうしましょう?」

狭い路地裏にこれだけの数が浮くとちょっと手狭じゃありません?
などと、小気味よく首など傾げてみせたりする。

ルギウス > 「何よりも……今は、まだそちらの舞台は準備中です。
 背景すら書けていない場所に殴りこむと、大道具が死にそうな顔になりましてねぇ」

楽しそうに肩を震わせる。

「前から言っていたでしょうに。
 今の貴女は危ういと。他の方が危険性に気づけばこんなものではすみませんよ?」

言いながら楽団の指揮者のように指を動かす。
リズムは円舞曲。
規則正しく列をなし、細い場所に整然と。

「だってほら、避ける場所を減らすのは基本でしょう?
 がんばってグレイズ避けしてみてくださいよ」

円舞曲が始まった。
きちんとしたリズムをもって、光の球は狭い場所を踊る。

蕎麦屋 > 「戦争の基本はいかに万全の準備を整えて、準備などさせる前に殴り倒す物でしょう?」

不思議そうに首を傾げる。
カブからは降りた。乗ったまま避けるのは少しばかりしんどい。

「あー、うん。貴方でなければその言動は凄く重みがあったでしょう。
 けど、自分の危険性を棚に上げます?普通。」

当たった所で、自分では『どうというものでもない』類だが。
乗っていたカブを――持ち上げる。構える。

「えー、そういうのは弾幕STGでやってほしい所なのですけど。」

迫る光球に振り当てて、纏めて叩き潰す。
笑顔はそのままに。優雅に舞う相手と対照的な、原始的な、粉砕。

ルギウス > 「ああ見解の相違ですねぇ……。
 戦略・戦術としてみるならば正解ですが観客が楽しめるかどうかは別でして」

では、品を変えましょう とばかりに再び光球が浮かぶ。数は2つ。
今度はやや赤色が強い。
ジジジと音を立て、当たったものを削っているようだ。
それに左右の指から伸ばした魔力の鎖をつなげて、フレイルのように。

「私だからこそ ですよ。
 世が世なら貴女は封印指定なんですからねぇ……?」

自身が踊るように回ってフレイルを振るう。
右に左に上から下から。
くるりくるりと、赤色が舞う。
火の粉のようにふらふらと。

「アレを開放すれば、縁者全てが死に絶えますよ。
 貴女がそれでも構わないならいいんですがねぇ?」

蕎麦屋 > 「物語としてはそうなのでしょうけれどね……
 戦争を物語にしようというなら。」

さて、どういたしましょうか。
それはともかく、いくつか叩き潰したところで手を変えるらしい。
ふらふらと揺れる光球と、続く線はなるほど、軌道を読みづらい。

「封印、ですか。物騒ですね?
 いや、因果応報でしょう――何をやったか考えれば。物語の基本要素の一つでしょう?」

言いながら――ふらふらと寄ってくる光の玉は避けておこう
何度か叩きつけてればカブの方は半壊している。
それを無造作に振りかぶり、相手に向かって投げつけた。

ルギウス > 「では、改めて問いますよ」

投擲されたカブを新たに出現させた8つの赤光球が削り取った。

「問1.アレを開放した後はどうします? 呑み込んで焼きますか?」

それぞれに指から伸びた鎖を繋ぐ。

「問2.貴女にとっての優先順位はなんでしょう?
 黄昏の再現?現世の平穏?主人の安寧?」

踊りは徐々に激しさを増していく。
ワルツはジルバに変わっている。

蕎麦屋 > 投げ出した後はくるり、と左手の内側で回すイメージ。
取り出すのはジェラルミンの大盾。
取り回しはともかく、フレイルのようなものの相手なら都合がいい。

「はい?
 何がやらかしてどうなってるのか、まではまだ整理できてませんけれど。
 いいえ。焼く必要があるならあの烏をまず焼いてると思いません?」

舞踊には全く付き合うつもりがない。

「いいえ。どれでもありませんね?
 いや、ゴネてるわけじゃないですけれど。」

とはいえ、手を出すつもりもない。
削りきられて使い物にならなくなれば次を、更にその次を。
引きずり出して、防ぎ続ける。

ルギウス > くるりくるりと体を回す。
ふわりふわりと赤色が舞う。
触れたものを呑み込んで、長さが違う鎖でもって範囲を凪ぐように抉っていく。

「では―――貴女の望みは何ですか。
 黄昏の化身よ。
 己が根源にさえ凌駕する、貴女の目的は」

周囲もあらかた削りとり、血痕も人間だったものも残っていない。
カブだったものは少し残っているかもしれないが。

蕎麦屋 > 削りきられた盾の数は一枚、二枚で効かない。
その都度新しい盾を『創り出す』。

「望みを――とか聞くなら。
 まずはその手を止めませんか。落ち着いて話も出来ないのですけれど。」

路地裏は、自身と相手の立っている場所以外は綺麗に抉れているだろう。
これもまた私の所為になるのかと思うと非常に頭が痛い。

「さて、私の根源。
 根源を凌駕する、などと仰いますけれど。私の根源とは何、だと思いますか。」

ルギウス > 「本音は追い込まれないと出ないものですよ。
 私の経験則ではありますが」

創り出された盾を構わずに削り続ける。
しかし、創り出している間は無事だろう。
悪く言えばパターンになってきているのだ。

「『終焉にして元始』。
 炎の体裁ではありますが……平たく言えばリセットボタンですかねぇ?
 だとすると、現存している方は都合が悪いんじゃないですかねぇ。
 強くてニューゲームをされると、物語の筋が狂ってしまう」

それに と言葉を続ける。

「現状維持は、それらに反します」

蕎麦屋 > 「追い込んだうちに入ります?これ。
 いや、社会的には非常に危ないですけれど。」

見た目通りの何の変哲もない大盾。
物理的な強度はともかく、魔術的には紙と変わらない。
何度削りきられたか――

「そうですね?本来なら、そうあるべきものでした。
 しかし終わり損ねて、始まり損ねた。生命も輝く園も此方にはありません。
 さて、何をすべきでしょうね。私は。」

盾の向こうで首を傾げた気配。

ルギウス > 「貴女はこう証言すればいい。『ワンマンレギオンが居たが、引かせた』と。
 むしろこの程度の被害で済んだ事に感謝されるでしょう」

社会認知度としては、たぶんネームバリューが違う気がする。
この世界で知られていればだが、異邦人出身の偉い人がいればきっとわかるだろう。

「……嗚呼、嗚呼……そういう事でしたか」

得心がいったとばかりに笑みを深めて、嵐が止んだ。

「Lgeuse=Bete=Saint-Germainが問う。
 汝、黄昏の乙女よ。自身の終焉を望むか?」

「それとも、誕生を望むか?」

蕎麦屋 > 「それで通れば非常に楽でしょうけれど。
 いえね、私でも『本来ならやれてしまうかもしれない』のが問題で。

 なんでまぁ、一緒に出頭してくれるとまだ楽なんですけど。」

ネームバリューという意味ではそうなのだろうが。
いかんせん証明する手段がなく、出来なければ非常に面倒なことになるだろう。

「どちらも望むと言えば望むでしょう。
 望んでいないと言えば望んでいないでしょう。
 そもそも誰かに臨む話でもないでしょう。

 さて、そもそもなぜ『私』だったのか。その程度は見極めておきたくは思いますけれど。」

止んだ風に翳した盾を仕舞う。

ルギウス > 「では、見極めの為によい事を教えましょう。
 アレは封じられての呪いでコレです。何も考えずに開放すると貴女のご主人(仮)も神の元に召されるでしょう。
 貴女の縁者を従えていた彼女が、鍵です。自身を見極める為に自己との対話だけではいただけません。
 ……先達として、助言です。
 道を違えると、貴女は私になりますよ」

にやけた顔のまま、魔力が霧散し鎖が引く。
準備運動は終わったらしい。

「さて困るなら『ヤバイと思って逃げた』でいいんじゃないですか?
 どうせ私は別の玩具があれば追いかけませんし。
 なんなら証拠落としていきますからね」

しゃあしゃあと述べながら、自身の聖印を落とす凶悪犯人。

蕎麦屋 > 「そうですね?自身の権能反転させるとか余程の事やらかしているのでしょう。
 そういう手合いの話ですから。私としてはまぁ――それでも一向に構わないのですけれどね。」

肩を竦めてみせる。
実際に、どちらが重いかと言われれば。

「ただ、助言はありがたく頂きましょう。一度問い詰めてみる必要ありそうですか。

 で、準備運動は終わりましたか?
 しがない蕎麦屋に付き合わせるにはちょっとハードじゃありません?」

頂くだけではある。
引かせるだけのなにかがなければ突き進む、それだけの事。
霧散した魔力にもう一度肩を竦めて――

「いやもう、そういうことするならさっさと退散しますよ。
 また面倒ごとに首突っ込んだって釘指されるのも面倒くさいですし。」

ルギウス > おかえりはあちら とばかりに手を伸ばす。

「付き合える蕎麦屋が居れば驚きますが、さてここに誰かいましたっけねぇ?」

すっとぼけて誰も居ませんでした とかいうつもりらしい。

「久しぶりに、いい運動になりました。
 あの子は真剣に向き合えば真剣に答えるでしょう……むしろ冗談が通じない」

悲しそうに首を振る。

「貴女が何に生まれ、どのような終焉を迎えるのか。
 観客席から楽しませていただきますよ、黄昏の乙女」

蕎麦屋 > 「呼び出して突き合わせて乙女の秘密聞きだしてポイ捨てするとかいうえげつない神父が居るらしいですよ?
 出前は済んだので帰りますけれど。ここにしがない蕎麦屋がいるじゃないですか。ねぇ?」

えっへん。
あくまで言い張る気である。
 
「もう少し目立たない場所ならお付き合いも致しますけれど。
 流石に腐臭と血臭漂う路地裏はちょっと、もうちょっとロマンチックなのを要求しておきましょうか。

 さぁ?とりあえずはぐらかした理由は聞いておきましょうか。
 どちらにせよアレについていく限りは一族郎党皆殺しコースでしょうが。」

過剰な戦力を抱える理由は問うたことがある。
その時に話せばよいものを。まったく。

「精々楽しめる内容には――きっとなりはしないでしょうけれど。

 ああ、一つ、参考までに聞いても良ろしい?
 私はまだどちらでもありませんが。先達である貴方はどちらです?」

くるり、と。
大盾の代わりにカブを取り出し、窪んだ地面に置いた。

ルギウス > 「五体満足で返すのですから、むしろ感謝していただきたいのですが」

まぁいまさらどれだけ悪行が増えても構わないのだけれど。

「あの子はビジネスがお好きなようだ。
 自由すぎる方は定規の外なんで測りきれないんでしょう。
 そして謀りきれない」

難儀ですよねぇ なんて雑談しながら背を向けて。
カブの音を耳にしてから首をかしげてやや振り返る。
シャフ度。

「今は悪い魔法使い役をやってる人間ですよ。
 ボク
 私 は―――貴女になりたかったですねぇ」

言葉だけを残して胡散臭い司祭はスポットライトから消えうせた。

ご案内:「落第街の一角」からルギウスさんが去りました。
蕎麦屋 > 「変われるなら変わって差し上げますけどね。
 そうもいかないのが世の無常、ですか――」

消えた闇へと声を掛ける。
あとに残されて――

「あ、さっさと私も退散しておきましょうか。」

見つかったら事である。
説明するのも――この状況はどう説明したものだろうか。

蕎麦屋 > エンジンに火を入れる。
気の抜けたエンジン音は意外とお気に入り。
と――裾のスマートフォンが震えだした。取り出して――

「はい、毎度。――はい、出前。少々お待ちを――」

短い応答ののち、片づけた。
走り出す。さて、調理して届けて、となると時間が惜しい。

後には『準備運動』の跡が残るだけ。

ご案内:「落第街の一角」から蕎麦屋さんが去りました。