2016/10/11 のログ
烏丸秀 > 「勝ちではなく価値を求めるボクには、よく分からないなぁ。
でも、それがキミにとって価値あるモノなら、素直に祝福するよ」

さて、彼女の心底にあるものはなんなのだろう。
勝利を求める虚栄心か。
誰しもがなんらかの勝利を得られる理想郷か。
それとも……

「なるほど、宙ぶらりんなのかな?
そういう時の気休め、息抜きの遊びなら、いくらでも教えてあげられるけど」

くすくすと笑いながらポトフを食べ進める。
うん、少し寒くなってきた今は、ちょうど体が温まって良い。

水月エニィ >  
「ええ、ありがと。
 冷めない内に食事に戻りましょう。ポトフも暖かい方が美味しいわ。」

 短く礼を返し、話題を一度切って食事に戻る。
 今これ以上掘り下げるものでもない。
 
「有難いけれど、遠慮しておくわ。
 遊びにのめりこむ訳にはいかないもの。それ位は分かっている。
 いくらでも遊んでいたら時間が足りないわ。」

 やんわり、且つ はっきりと遠慮を示した。

烏丸秀 > 「なるほど。ボクにとっては、遊びこそ人生だけどなぁ」

ただ楽しみ、ただ享楽のままに生き、ただ快楽の為に壊す。
もっとも、それを目の前の彼女に理解して欲しいと言っても無駄だろう。

パイ包みの方も温かい。仔牛は柔らかく煮込んであり、口の中で溶けるような食感を味わう。

「それで、次はどんな事を目的にするのかな?
ふふ、ボクとの勝負でもいいけど」

水月エニィ >  
「理解できない とは言わないけれど……
 私はそれでは満たされないの。いえ、理解出来ないけれどと言い直すわ。」

 怠惰や放蕩は快楽を産む。されど戒めるべきものだ。
 彼女の身に異変が起こるまでは、概ねその様に教えられて育っている。
 ……それが齎す快楽・言い換えて幸福は認めているし、己も他者もがんじがらめに戒める事の出来ないものとは思っている。

(そこまで人間が完璧ならば、こんな世の中にはなっていないわね。)

 思いつめた表情で思案してから、仕切り直す。

「どうしましょうか。貴方のものになるのも、少しだけ怖くなってきているわ。
 ……ええ、きっと幸せでしょうね。逃げてばかりもいられないけれど、上手く言葉にできないわ。
 勝てば良い話でもあるけれど――」

烏丸秀 > 思いつめたような表情。
さて、ずいぶん禁欲的に生きてきた、あるいは教えられてきたようだが……

あぁ、なるほど。
なら、面白い方法がある。

「じゃあ、こんな勝負はどうだろう」

烏丸は切り出す。
カチャンと、スプーンを置いた小さな音が、室内に響く。

「ボクはキミの次の目的が決まるまでの間、キミに様々な楽しみ、遊び、快楽を提供するよ。
もちろん、キミの意に反する事や犯罪になるような事はしない。
それでキミが享楽を望むようになればボクの勝ち。キミが新たな生きる目的を見つければキミの勝ち」

くすくすと笑う男の顔は。
それこそ、深遠へ誘う悪魔の顔に見えるかもしれない。

「どうかな? お互いにメリットのある勝負だと思うけど?」

水月エニィ >  
「……そんな悪魔みたいな顔をされたら断りたくもなるわね。
 と言うかまんま悪魔じゃない、それ。」

 大きく息を吐く。
 愉悦とも言うべきか、心底楽しそうな風に思える。

「……まぁ、いいわ。食事の恩はあるもの。
 だけれどもう一つだけ条件を付けて頂戴。"勝負はこれっきりにならないこと"。

 ……気を張ってすることではない事ぐらいは分かるわ。肩の力は抜かせて頂戴。
 私が負けて貴方に愛想を尽かしても、私が勝って貴方が立ち去っても厭だもの。これっきりだと勝負にならないわ。」

烏丸秀 > 「そういう事なら喜んで。
ボクとキミにつながりが保てるなら、それ以上にうれしい事はないよ」

本当に嬉しそうに頷く。
――とんでもない約束になったかどうかは、彼女次第。

やがてデザートワゴンがやってくる。
チョコレートアイスと桃のタルトを選びながら、彼女にもすすめ。

水月エニィ >  
「そう。それは嬉しいわね。私としても逃げ道がある方が楽だもの。
 敗け癖ね。……ちなみに浮気は大嫌いよ。」

 運ばれたデザートを食しつつ、じとっとした瞳と声を投げる。
 色々と測っている様にも見える。

烏丸秀 > 「おや、怖いこわい。
じゃ、浮気が嫌いって感情以上にボクを好きになってもらわないと」

くくっと笑って嬉しそうに言う。
浮気しないと断言しないあたり、この男である。

デザートに舌鼓を打ちつつ、他愛も無い話が続き……

水月エニィ >  
「浮気前提なの。
 いえ、薄々そんな気はしていたけれど、それを聞くと身構えてしまうわね。」

 私一人で満足出来るようには思えない。
 デザートを食し終われば、瞑目しつつ飲み物をで口の中を切り替える。

「……ごちそうさま。
 とても美味しかったわよ。私一人じゃそうそう来れない所だもの。
 今日の所は今後への活力にさせて貰いましょう。ええ、美味しかったわ。
 装いに気を遣った以上のものはあるわね。」
 
 金銭ではなく身分として、且つ、一人で来るような所でもない。
 口元に指を当てて微笑む。肩と胸を露出したセミフォーマルな衣装も相まって、大人びた雰囲気を見せるか。
 

烏丸秀 > 「その言葉は是非、シェフとウェイターに言ってあげて。
あ、ご馳走様、特にスズキが美味しかったよってシェフに伝えて」

ウェイターに言伝を伝えると、にっこり笑ってエスコートするだろう。

彼の今度の勝負はどうなる事やら。
烏丸はエニィを送る為、レストランを出る。

ご案内:「常世グランドホテル42F レストラン『Guy Savoy Tokoyo』」から烏丸秀さんが去りました。
ご案内:「常世グランドホテル42F レストラン『Guy Savoy Tokoyo』」から水月エニィさんが去りました。