2017/02/12 のログ
ご案内:「烏丸のマンション」に烏丸秀さんが現れました。
■烏丸秀 > 結局クスリをばら撒いた犯人は分からず仕舞い。
工事現場には厳重注意するよう言いつけておくだけにした。
もし今度動いたら、相応の筋が対応するだろう。
面倒なテロに巻き込まれるのはごめんである。
「んー……」
モバイルを見るが、良い骨董品などはない。
最近は噂を聞きつけたのか、直接こちらに売りつけに来る人間が多くなった。
もっとも、大体二束三文なのでスルーしているのだが。
「ふぅ……」
一度立ち上がり、お茶を淹れる。
ご案内:「烏丸のマンション」に比良坂 冥さんが現れました。
■比良坂 冥 >
『♪』
ドアベルが鳴る
続いて間髪入れずにドアが開かれる───ロックされているなら、解錠される音に続いてそれが聞こえてくる
雨に降られたのか雪に降られてそれが溶けたのか、
冥はいつもの制服姿をあますところなくずぶ濡れの状態で玄関に立っている
■烏丸秀 > 「ん?」
ドアが開いた。
そしてロックの解除。
ここまで入ってこれるのは――
「や、いらっしゃい」
やはり、冥だ。彼女には鍵を渡してあるのだから当然だろう。
部屋は片付いているし問題ない。
「ちょうどお茶にしてるとこなんだ」
言いながら、冥の分も用意する。
茶菓子は――この間作っておいたチョコレートババロアを出すとしよう。
ご案内:「烏丸のマンション」から烏丸秀さんが去りました。
ご案内:「烏丸のマンション」に烏丸秀さんが現れました。
■比良坂 冥 >
「泊めて」
開口一番小さく聞こえたのはきっといつも通りの文言
そして靴を脱ぎ揃える音に続いて
「……あとシャワー借りる。
お茶はその後でいいかな──」
ぴたぴたと髪の先から雫が垂れる
■烏丸秀 > 「ん、いいよ――」
はて、外は雨だったか。
とりあえず、タオルを用意しておこう。
バスルームは24時間対応なので、シャワーどころか風呂にも入れる。
彼女の着替えはあったか……
「ご飯はいる?」
まぁ、ベッドの準備は特にいらないだろうか。
■比良坂 冥 >
返事が帰ってくる頃にはバスルームへと移動している、
相変わらずのマイペースである
窓から除く外の風景はちらちらと雪が降る程度のものだろう、
一体どこから歩いてきたのか定かではない
「……お腹がすいてるわけじゃないけど、
用意してくれるなら、食べようかな」
バスルームから衣擦れの音と、遠慮しない返事が聞こえてくる
やがて水音と、しばらくの沈黙
そして一時が過ぎれば再び彼女の声
バスルームから顔だけを出し、
「……何か着るもの、ある?
あと、制服乾かしたいからハンガーも借りる」
特に悪びれた様子もなく要求を突きつけてきた
■烏丸秀 > 「はいはい、用意してあるよ」
バスルームの外には、シャツとスウェットと下着。
ちゃんと女物を用意してあるあたり、この男である。
本人はと言えば、台所で食事の準備中。
お腹が空いていないという事なので、軽い、温まるものがいいだろう。
ちょうど、鴨せいろを作ろうと思っていたところだ。蕎麦を入れず、鴨汁にしてしまおう。ネギをあぶり、土鍋で汁をこさえていく。
風呂からあがる頃には、テーブルの上にあつあつの鴨汁入りの土鍋が乗っているだろう。
■比良坂 冥 >
最低限水分を飛ばした制服と下着はハンガーにかけて脱衣スペースにかけておいた、まぁ明日には乾いているだろう
そして下着まで用意してあるとは思わなかった、しかもサイズも合っているのは脅威と言える
なんであるんだろう、という疑問はどうでもいいかという怠惰に流されて、
ほどなくして、烏丸くんの用意した服に着替えた冥がほこほことバスルームから出てくる
結わずにしっとり湿気を含んだ髪や、熱でピンクに色づいたアルビノの肌は僅かにいつもと違う雰囲気、
まぁ口を開けばいつもどおりの少女なのであるが
「…いい匂い。
烏丸くん自炊なのに手の込んだもの作るよね…」
そんな感想を呟きつつ、ちょこんとテーブルについた
■烏丸秀 > 「ボク、美味しい物食べるの好きだから。
たくさん寝る事、美味しい物を食べる事、性欲を溜め込まない事。
人生を損しない秘訣だよ」
鴨汁をよそいながら言う。
彼女の前に、ネギと、少し鴨肉の入った汁を置くと、自分にも。
ちなみに下着は多少、サイズの自由が利くものを用意してあるだけである。
そういう所だけは抜け目ないのだ。
「で、今日は傘を忘れたの? というか、雨だったんだ」
部屋から出ていない弊害である。
■比良坂 冥 >
「最後以外、お金があるから言えることって感じ……」
お箸を手にとって、妙に行儀よいいただきますをした後に口に運ぶ
独特の香り、絶妙にコクに出た出汁と柔らかい鴨肉、普段安いものしか口にしない冥には新鮮である
故にとんでもなく美味しい
「ん…歓楽街歩いてたら、途中から雪になっただけ。傘はもってなかった」
淡々と応える
歓楽街から此処に来るのに何駅分だろうか……見た目に反して健康的なことである
■烏丸秀 > 「お金は売る程あるからねぇ。良かったよかった」
そしてふっとカーテンを開けてみる。
なるほど、雪が降っている。これは積もるかもしれない。
にしても、この中を歓楽街からとは。
「やれやれ、風邪引くよ?」
歓楽街、という事は、いつものアレだろうか。
こんな雪の日では買う人間も居ないだろうに。
鴨汁をすする。
うん、美味しい。上手くできたようで何よりだ。
今度は蕎麦を用意しよう。
■比良坂 冥 >
「今温まってるから大丈夫。
…生活費が少なくなってきたから、
でも雪が降ってきて、立ち止まる人もいなかったね」
要するに歓楽街で立ちんぼしてたはいいものの、
天気の悪化でさっぱり売れず電車賃もなかったのでお風呂のある此処へ来たのだろう
女子寮にはもう長らく寄っていないし、落第街にある部室にはお風呂がない
「……美味しい、何のお肉…?」
鶏肉であることはなんとなく察しつつも、
微妙に味わいの違う噛みごたえや香りに首を傾げる
■烏丸秀 > 「あらら。まぁ、ボクでよければいつでも買うし、この部屋も使っていいからね」
予想通り、売れなかったらしい。
まぁ、この雪では流石に。
人肌恋しい事この上ないだろうが、それ以上に帰れなくなったら元も子もない。
「ん? あぁ、これは鴨肉だよ。お蕎麦屋さんの鴨せいろを真似したくなってね、鴨汁を作ったんだ」
実は鶏肉より高級なのだが、まぁどちらでもいい。
この独特な風味がたまらない。
■比良坂 冥 >
「……?
それでもいいけど…わたしにいくらつけるの…?」
もう何度も交わっている間柄だというのに、買う提案は意外である
同時に興味も沸いたのか、そんな疑問を切り出しつつ
「……初めて食べたかも」
箸につまんでまじまじと眺める
同じ鳥でも鶏とまったく違う香りがする、不思議なものである
■烏丸秀 > 「そうだねぇ、さしあたり1回5本。
もっとも、ただ抱くだけじゃなくて、一日拘束するけどね」
好きなのだ。
普段色々な男に抱かれているような女を、一日自分の好きなようにする。
折角なので、色々おめかしさせて、連れまわしてみたい。
まずは服。次にアクセサリー。それで映画に行って、ショッピング、食事。
どんな顔をするだろうか。
「そう? お蕎麦屋さんでは定番だよ。もっとも、普通の鶏肉使ってる所も多いけど」
確か、ネギの代わりに旬の野菜を入れるレシピもあったはずだ。
今度試してみよう。
■比良坂 冥 >
「……物好き、1日もしたら飽きちゃうよ?」
食べ終わったお椀にお箸を丁寧に乗せてごちそうさま
妙に食事の時は行儀が良いようだった
「……あんまり、お店で食事ってしないから」
普段の食生活といえば、冷凍食品やスーパーのお惣菜の見切り品、
暗がりの部屋で雑にレンジでチンしただけの食事をこうやって丁寧にいただきますしながら食べている様子が容易に想像できる
■烏丸秀 > 「――冥は、性欲は強いのに、その他の欲……生きる為の欲望は、少ないよね?」
自分なら耐えられないだろうなぁ、と思う。
食事の時も、自分で作るのは、一人で食べていると気が滅入るから、というのもある。
少なくとも自分で手の込んだモノを作れば、なんとなく一人の食事も楽しくなる。
誰かを呼ぶ口実にもなるのだ。
「うん、キミを一日貸しきるのは面白そうだなぁ。一日、思いっきりおしゃれして、普通の恋人みたいな生活をしてみる。
うん、うん」
一人で頷きながら、デートプランを練る。
どうせなら、思いっきり『普通の』デートをしてみるのもいいだろう。
■比良坂 冥 >
「……そうかな」
自分の欲への言及に、小さくそう漏らす
薄地のシャツで強調される豊かな胸へと自身の手を乗せて、視線をあげた
「…わたしは誰かに欲しがられたいんだと思うよ。
貪欲に貪欲に貪って欲しいなって思う。
セックスはそれに適してるんじゃないかな…他の女のこと考えながらするやつ、あんまりいないし」
たまにいるけど、とぼそりと零しつつ
「わたしは何をしてもダメな子だったから、持って生まれた身体だけしか有効に使えるものもないしね。
……だから烏丸クンのそれ、そういうことするなら10倍はもらわないと、たぶんわたしが不満…。
手を繋いだり腕を組んだりしても服が間を阻むし、近いのに遠く感じるもの。我慢料金がいるよね」
邪魔するもののない触れ合いでしか満たされない歪な欲求を持ち続ける
性欲と称されるそれとはまた別の…何か言いようのない欲
単純に言い換えてしまえばそれは単に極端すぎる『寂しがり』なのかもしれないが
■烏丸秀 > 「そうだねぇ」
箸をおき、呟く。
うん……
「冥は、依存してる。
誰かにでも何かにでもなく、『依存する事に依存してる』。
そうやって誰かに依存する事により、自分が『誰かに求められてる』って確認する事。
まぁ、言葉とか行動じゃ、信じられないだろうね――ボクも、あんまり信じないけど」
だから、肉体的接触を求めるのだろう。
それはそれで、烏丸的にも大歓迎だ、が。
「いいよ、それじゃ十倍払おう。
ちょっと我慢して、『普通』ってやつを体験してみようよ。興味が沸いて来た」
さて、彼女は、本当は誰もが手に入れられる『普通』に接した時――どんな顔をするだろう?
■比良坂 冥 >
「……そうだよ?
自分が求められてる、必要にされてるって錯覚したいだけ。
だからちゃんと、そうじゃなくてもバレない嘘で覆っておいてほしいよね。
嘘だってわからなければ、満たされた幸せは崩れないんだから。
だから好きだって言えば簡単に靡くし、欲しいって言われれば身体を差し出すよ。
こんなに簡単に騙せる女の子、逆に貴重なんじゃないかな…?」
その点、この烏丸という男は最初から最後まで嘘がない
普通の男性なら嘘で隠すところを隠さない
それが徹底した嘘なら、それはそれで構わないのだ
完全完璧な嘘は一つの真実となんら変わらないものなのである
「……お金持ちの考えることって、わかんないな…」
はぁ、と小さく溜息をつく
自分で言い出してしまったことでは、我慢料金で我慢するしかないではないか
「……いいよ、じゃあ烏丸くんのお遊びに付き合ってあげる…ほんとは、ヤだけど……」
もともと表情の乏しい顔に、ほんの僅かに不満げな色を浮かべていた
■烏丸秀 > 「それはそれで大変だけどねぇ。
男には、色々見栄があるからね。自分が足りないモノ、自分が成りたかったもの、自分の都合の良い結末の為、嘘を吐く。
中にはそれを本当と信じて、嘘を嘘と思わないようなのもいるけど――」
その点、烏丸は嘘を吐かない。
吐いた所で、何かが好転しないのなら、不必要な嘘は吐かない。
商売上でならたくさん方便を使っているのだが。
まぁ、必要ないのだ。彼は今の自分を全肯定しているのだから。嘘を吐いてまで、何かを良く見せようとしたり、取り繕う必要が無い。
「ん、楽しみにしてるね。まずはショッピング、で、映画行って、食事はいつものレストランでして――」
うきうきとデートの予定を言う。
こういう所は、そこらの男子学生のように見える。
■比良坂 冥 >
「(楽しそう……)」
ウキウキとデートプランを語り始める彼を見て目を細める
これが彼流の自分の満たされ方なのだろう
彼の場合、これに限らないのかもしれないが
そう考えれば大枚をはたくのは、不思議にも思えなくなってきた
満たされない空虚には耐えかねる
何よりも自分がその不安と寂しさを知っているからこそ、理解できる
とはいえ…
「……はぁ、夜通しそれ聞かされそうだから先に寝るね…。
ソファで寝ればいいの、それともベッド?」
冷めやらぬ烏丸に小さな溜息をぶつける
■烏丸秀 > まったくその通り。
烏丸にとっては、これこそが、彼の満たされ方なのだ。
何かを持っている者からは、全てを奪いたくなる。
その存在の理由までも。
何かを持っていない者には、全てを与えたくなる。
それを本人が望まなくても。
よって、冥には『普通』を与える。
そこにあったはずの、当たり前の、『普通』の幸せを。
――それを受け取ってどう思うかは、彼女次第だ。
「いいよ、ベッド使って。
ボクも隣で寝るけど、構わないでしょ?」
■比良坂 冥 >
立ち上がり、小さな伸びをする
まぁ二人で寝るというのならベッドで構わないのだろう
「ご馳走になったし、寂しかったら襲っても良いよ」
抑揚のない声でコケティッシュな発言をしつつ、ふぁ、と小さな欠伸
冷えた身体にお風呂、温かい食事、ときて珍しく眠気にとらわれた様子を見せながら、
小さな声でおやすみなさい、と呟いて一足先にベッドの中へと潜り込む
しばらくすると小さな寝息、
デートがなんだりという話を持ちかけた直後でもすっと眠りに入れるあたり、
まるで精神に波紋も伝わらなかったようではあるが、当日を迎えるとどうなるのか……
きっと本人もよくわかっていないであろう『普通』に、困惑するのかそれとも───
■烏丸秀 > 「――やれやれ」
こちらも小さく欠伸。
そういえば、もうそんな時間か。
寝巻きに着替えると、もぞもぞとベッドの中へと潜り込む。
ああいう話をした後では、襲う気にもならない。
やがて彼も小さな寝息を立てはじめる。
ご案内:「烏丸のマンション」から比良坂 冥さんが去りました。
ご案内:「烏丸のマンション」から烏丸秀さんが去りました。