2018/11/24 のログ
ご案内:「青垣山【回想】(ソロ)」に???さんが現れました。
■??? > ━━━━轟音。地鳴り。世界が揺れ、大地が慄くように足の自由を奪う。
踏みしめた土の感触は硬く、それ故に踏ん張りこそ利くが、振動がバランスを奪う。
「ッ!」
━━━━両の手で槍を握りしめて、振動の中心へと疾駆する。土煙に覆われた視界。
突き破るように現れる巨大な足の側面を抜けながら、
「━━う お ぉおおおおおおおおおおッッ!!!」
穂先を滑らせるようにして切りつけ、火花を散らしながら駆け抜ける。
━━━━x年前 青垣山
巨大な人型の怪異に、その若者は、単身で槍を携えて挑んでいた。
■??? > 赤い髪は尾のように伸びた一本結いを豪風に揺らし、影が遅れて追随していくように靡く上衣。
刻まれた家紋は、何処かの武家の紋にも伺える。
闘志が極限までその緋色の瞳孔を細め、血筋が走る程に見開かれて、常に対象の動きを捉えて離さない。
鍛えられた細指が握るのは鉛の大槍。穂先の太い重鎗を巧みに使いこなし、迫り来る巨大な足を駆け抜けながら突き、切り裂き、離れては再び、土煙を爪先一つで叩き起しながら。
「ぉおおおおおッッ!!!!」
裂帛の叫びと共に突き立てる。既に何度繰り返し、何度叫んだかも判らない。
掠れかける声の末、それでも振り絞るような声は。
”それが決して己の身一つで叶うことの無い業であっても、全てを尽くし切る最後の戦だという決意があった。”
━━━━為し得ぬ所以は、ただ一つ。
先から切りつけ続けるものは。
己が蟻のような小ささに比較されてしまうほどの巨躯を持つ、一角の鬼との決闘だからだ。