2015/07/13 のログ
ご案内:「◆特殊Free(過激描写注意)1」に雪城 括流さんが現れました。
ご案内:「◆特殊Free(過激描写注意)1」から雪城 括流さんが去りました。
ご案内:「◆特殊Free(過激描写注意)1」に霜月 零さんが現れました。
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ご案内:「深夜の常世公園」に雪城 括流さんが現れました。
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霜月 零 > 「……」

いつも通りの服装、いつも通りの装備で常世公園に現れる。
いつもと違うのは……纏っている雰囲気と、眼光。
雰囲気は「死合」に赴く武士そのものであり……目は、僅かに青く輝いている。
油断なく左手は腰の太刀に添えながら、静かに公園を歩いている。

雪城 括流 > その日、その瞬間だけは公園に人の気配は無く。
静かで誰もいる様子はない…。

メールの後に入った通話では、確かに常世公園で待ってるよ、と括流は楽しげな声で伝えていたが。

入り口のポール、遊具の裏、池の中、木の枝の裏。
よく見ればあちこちに落書きのように、魔方陣が紛れ込まされている。
…その意味を理解できれば、だが。

霜月 零 > 「……方陣。いや、人払いの結界か?」

大雑把にアタリを付ける。西洋魔術には明るくないが、目に入る魔法陣は多分そんなものだろう。
本当に罠なら、目に見えるのはお粗末すぎる。まあ、それをブラフに本命がある可能性もあるのだが……

「(だとしても、一切合切斬り捨てるまで)」

相手は蛇の神格。どこからどう襲ってくるかわかったものではない。
それへの警戒もしつつ、本体を探す。

雪城 括流 > 通話で指示された場所…公園の中央付近には氷架も、括流もいないように見える。
小さな蛇であれば物陰で見落とすこともあるかもしれないが…。

ぞるり。

背後で何かが動いたような気配がした。

ぞるり。

今度は右で。

ぞるり、ぞるり。

次は左。



着信音。氷架の携帯からに設定されている着信音が、零くんの携帯から鳴る。

霜月 零 > 「……」

気配がブレている、一か所に捉え切れない。
いつでも抜ける様に構えていたが……電話が鳴る。
電話を黙殺すべきかは考えたが……

「……もしもし」

出る事にした。外から見えないように、鯉口だけは切っておく。

雪城 括流 > ピッ。通話が開始される。相手の声はまだ聞こえない。いや、何かが息を抜くような…蛇の息。

前方に突然赤い壁が、いや、赤い鱗が覆い尽くす。

それと同時に後方頭上。
胴体の直径が1m以上はある巨大な赤い蛇のあぎとが、獲物を呑み込まんと落とされた。

状況の説明を入れよう。
常世公園の外周を巻くように、鱗の毛羽立った巨大な赤い蛇がそこに鎮座している。
それが現れると同時に各所の魔方陣が起動。

―――公園は異界化していた。例外に指定された人間以外は、入り込めないように。

霜月 零 > 「!」

即座に反応、電話を投げ捨てて後方の気配に対応する。
左足を大きくステップするように右前に踏み出し、身を屈めることで後方からの呑み込みを外す。
そのまま右膝を抜いて後ろに向き直り……

「クッソ、こんなにデカいのか……!」

あまりに大きさに驚きながら、しかし体は冷静に、振り返る力を載せてその胴体に抜打ちを放つ。

――無外流、居合「円要」

雪城 括流 > ぎぃん。

何かに当たって砕けるような感触と共に、呑み込みを外した蛇は見下ろすように距離をとる。
手ごたえはあったが、鱗に傷は付いていない。

鱗に光が奔ると、その表面中空に光る魔法円がいくつも展開される。
防御用の結界。先ほど砕けたのはそのうちの一つのようだ。

蛇は見下ろしたまま、少しの間じっと零の反応を見ていた。

霜月 零 > 「ちっ、変わり身の術式か」

手ごたえと裏腹に、刃が通っていない。
面倒くさい術式もあったものだ……この太刀では、簡単に破れそうもない。

「……よう。随分な挨拶だな?」

刀を納めて話しかける。
……納める時、僅かに自分の左手の親指を斬った。

雪城 括流 > 変わり身ではなく不可視の障壁だが、実際はあまり変わらないだろう。
どちらにせよ打ち破らねば道はない。そう、打ち破ってもらわねば。

「獲物は呑み込まないとね。」

ええと…。

「それに…二人とも、私の一部になれば一緒になれるよね。
ひょーかも幸せじゃない?」

そう…悪役っぽい?微かに変な口調で言いながら、上下左右に複数展開した複雑な魔方陣を描く。
その線をなぞって炎が伝い、零くんの前に巨人を模したような…姿が現れた。

炎の巨人はその拳を振りかぶり、打ちおろす。

霜月 零 > 「意味が分からん。話に聞くヤンデレって奴か?」

聞きかじりの知識で括流の発現を解釈する。
が……そこに湧いた疑問を問い掛ける前に炎の巨人が襲い掛かってくる。

「ちっ……!」

打ち下ろしを後ろに下がって外しながら、即座に太刀を抜き放つ。
そして、そのまま上段に振りかぶり、金行で太刀を強化、水行を纏わせた上でその拳を体重を載せて斬り付ける。

――無外流、居合「玉光」

雪城 括流 > 巨人は太刀を焼き払わんと内包する熱量を上げ…正面からぶつかり、拳を斬り飛ばされる。

激突の代償。

ただし巨人の中央に展開する魔法円の一部が削り取られ、その対価に即座に拳を修復した。
手を下ろした姿勢で出方を伺うように相手を見下ろす。末端を削っても埒が明かないようだが、中心に向かうほど熱量は高い。

「やんでれ?
…ああ、うん。やれやれ。病んでいると思うんだね。私は正気だよ。
いまだってほら。ひょーかの力を、私は呑み込んだ。」

怒りを誘発するように、挑発的に。誤解するように。
実際には試験のときにデータを採取して、再現しただけなのだが。

「今のわが名は邪蛇、クルルクルケクゥ。括流と呼ぶ存在は、もういない。
生贄のもう片割れよ。大人しくわが糧となるがいい。」

そう悪役として用意しておいた台詞どおりに名乗りを上げた。闇夜の中、下から炎の光に照らされて。
その言葉に合わせてじりじりと火の粉を散らす炎の巨人が一歩、悠然と前進する。

霜月 零 > 「……そうか」

どこまで本当かはわからない。もしかしたら、全ては手遅れだったのかもしれないし、実はまだ何とかなるのかもしれない。
が、一つ分かっていることがある。

……本気でやらねば、死ぬ。

刀をまた納めながら大きくバックステップして間合いを切る。
そして、ポケットから一枚の札を取り出した。

「なら、俺も本気でお前を打ち倒す」

告げるは決意。そして、言いながらも左手の親指から流れる血でその札……既にほとんど書き終わっている符の中央に『刀』と記し、そして地面に叩き付ける。

「刀剣招来、急々如律令!来い、凍月!」

すると、その符からせり上がる様に、一振りの大太刀が現れる。

……それは、霜月家に伝わる宝具。
かつてある剣士と共に世界を巡り、その過程で神すらも斬った一振り。
刃渡りは五尺を越え、鞘の内にありながらも冷気と霊気を発する霊刀。
銘を「凍月」(いてづき)。神を斬り星を墜とした、親友殺しの大業物である。

「万難一切、一刀にて斬り伏せる……この神殺し、受け切れるか!」

その大太刀を器用に抜刀、そのまま巨人の胴を薙ぎ払おうとする。

雪城 括流 > 蛇だから表情は分からないかもしれないが…心の中であれ、とは思う。
ひょーかを食べた、みたいに言った割りに激昂しない?

冷静さは予定の範疇ではあるが、どう思考しているかを推測しつつ。
出てきた長物に目を細める。

神殺し…零くんもきちんと準備をしてきたようだ。
そうでなくては、せめて私を超えるだけの力はあってもらわねば。

巨人は即座に反応し、身をかがめた。
頭部と肩を丸ごと削り取られ、炎が噴き散り空中で冷気に凍りつく。
相性が悪い。錆び付いた人形の様な動きで身を起こし反撃に出ようとするが、その動きは遅い。

「なるほど、愚か者め。」

幾何鱗《ラプラ》は面積に応じて処理能力が向上する。
巨人を維持しながらもその不利を悟り、次の陣を空に描きはじめた。

霜月 零 > 「させるか!」

即座に踏み込み、その瞬間、目の輝きが増す。

――異能「根源接続・応報羅刹」、発動。

即座に根源から剣術を取り入れ、そして運用する。
その技は、かつて船島と呼ばれた場所で、かの宮本武蔵と渡り合ったとされる剣豪の得意とした技。
今までも幾度か使ったことはあるが……ただの太刀で行うそれは紛い物。
本物は、本来のその技は、このように大太刀で以て振るう物。
大太刀の長い間合いを活かし、上段より打ち下ろし、そして切り上げ、また打ち下ろす。
二天一流宮本武蔵ですら、真っ向からではなく、間合いの利を潰すために更に長い櫂を使ってこれを制したとされる神速の斬り返し。

その名も……

「厳流、燕返し!」

神速の三連斬によって、陣を描く暇を与えず巨人を滅し、あわよくば本体をも斬り捨てんとする……!

雪城 括流 > 一太刀目で炎の巨人は胴中央を魔方陣ごと切り裂かれ、爆発する。
それを超えて二太刀目。切り上げを睥睨する蛇の視線、その前面に展開された障壁が阻む。

そして三太刀目。その蛇の身体に届かんとする刃を、空中から打ち下ろす棒状のものが叩き落した。

「…冷やりとした。でも、それではまだ…切らせるわけにはいかない。」

カタナの届かぬ、空の上。
見上げればそこに上下左右に展開した大型の魔方陣と、その中央に次の弾頭である毒の槍が生成されつつある。

大太刀の一撃を阻んだ棒状の毒の塊が、目の前でどろりと溶けた。
そして次の、動きを鈍らせる麻痺の毒が空から放たれる。相手の足元へと狙って。

霜月 零 > 「ちっ……!」

一目見て直感的に把握する。アレは毒だ。
打ち払うのは上手くない、そこを起点に毒を吸う羽目になるかもしれない。
いや、「吸うのが問題なら何とかなる」が、飛沫から毒を受けては元も子もない。
よって……下がらざるを得ない。
凍月は正眼に構えつつ、たん、たん、とバックステップして毒の棒を回避しようと試みる。

雪城 括流 > ジャンプや大太刀の長さ程度では、どう駆使してもぎりぎり届かないだろう蛇の頭部より少し高い程度の高さに展開した魔方陣…
毒槍を生成する魔術が次の槍を生成し始める。
連射は効かない様だが、攻めに出ればそれを阻み、守れば体勢を崩している間に次を生成するような嫌な間隔。
もちろん毒自体も周囲に飛び散り、地面を犯している。時間がたてば足場を奪われるだろう。

一度打ち砕いた障壁も丁寧に次を展開しつつ。
魔方陣自体は目に見えるため、不可視の壁が今度は2枚重ねてあるのがわかるかもしれない。

「念には念を…もう終わりかな。」

そう言って口の端を歪めて、笑みを浮かべるようにしてみせる。
毒の槍は空からじっくりと狙いをつけつつあった。

霜月 零 > 成程。
剣士には間合いを取り、魔術で攻める。基本であり、そして有効な王道だ。
いくら大太刀が間合いに優れる刀と言っても、所詮は刀剣。
空から放たれる魔術に間合いで勝てるはずもない。
が……侮るなかれ。
霜月流は対魔対人総合流派。
武器の届かない距離への対策無くして、どうやって対魔を語れようか。

「それで逃げ切ったと思うなよ…!」

言いながら、地面を強く踏み付ける。
五行相生、土生金。地面の土行で金行を補強し、地面から生えるように五振りの刀を作り出す。
刀と言っても、巫術によるもの。故にその長さは、金行の力の及ぶ限り無限。
生み出されたるその名は……

「金行、天下五剣!」

日本に伝わる、五振りの名刀。
それを模した刀身が、それぞれ空中の陣に二本、そして括流本体に三本伸びていく。
そしてそれらを伸ばしながら、自身は息を吸い、撃ち漏らすであろう毒槍に対して構えを取る。

雪城 括流 > 5本。
5つの刃となれば全てを防ぎきるには叶わない。

「…っ」
即座に空中の陣をあきらめ、本体へ向かう一本を毒槍が打ち落とす。

そして次を生成する前に魔方陣は二本の刃に貫かれ、かき消された。
本体へと向かう二本は、先ほどの二枚の障壁がそれを阻んだ。

先ほど二枚展開したのは見せたはず。
それを三本にしたということは。

「手が一つたりない。」

そこまでが限界なのだろう。
次が使えるようになる前に、鱗が輝き…障壁の枚数を五枚に増やしておく。

そして次の陣を計算する。
今見たばかりだから負担はかかるが…。分子を制御して生成するだけならば。

「見様見真似、幾何鱗―――天落五剣。」

空中に描いた魔方陣が大地へと向かって落下しようとする、五つの刃を生成した。
性能までは真似できない、ただの鉄の塊だが…人体相手であれば威力は十分なのだろう。

霜月 零 > 「ちっ……」

的確に凌がれた上に、防御を固められた。やはりこの程度では駄目か。
そして、恐らくは霜月零の限界……刀剣同時精製は5本が限界、と言うのも見抜かれた。
その上で、更に空中からは天下五剣の真似事と来た。
……脳が冷える。先程からそうだが、湧き起る激情が即座に何者かに冷やされていく感覚がある。
邪魔だ、と。その感情は、剣を曇らせるだけだと。
思考の大半は、ただ目の前の敵を打ち倒すためだけに。
そして、その場で即座に目が輝き、手札の中から状況を打破しうる策を練り上げる。

「天下五剣!」

先程展開した五剣は、降り注がれる天落五剣の対応に回す。
そして、持ちうる手札にて5枚の障壁を打ち破る……!

「行けっ!」

まずは踏み込む……と同時、棒手裏剣を投げ込む。
本来は居合抜きの際に、抜くと見せかけて投げる技なのだが……この場では、手数の増加に使う。

次に選ぶのは突き。単なる突きで、それ自体は障壁を消費させるだけの物。

通らば次は蹴り。剣術と言う「剣の技」に置いて、異端ともいえる足技。

そして、最後に遣おうとするのは幕末の壬生狼、新撰組の中でも最強と謳われる薄幸の剣士、一番隊組長沖田総司が使ったとされる秘剣。
「一度突いたと思ったら三度突いていた」と言う神速の連突きであり、一呼吸の間に顔面、喉、心臓をほぼ同時に突くという絶技。
遠間からの突きをまず放ち、踏み込みによって引きの距離を短くして突き、そしてその突きの引きは腰の切りによって加速し、また腰の切りで素早く打ち出す、と言う、どれか一つとっても体捌きの難しい高難度の技術を、複数組み合わせた奥義。

――神道精武流、居合裏手「陰剣」
合わせる所の、タイ捨流「足襲」

そして

――天然理心流「無明三連突き」

雪城 括流 > 「何を考えて…。」

口数が少ない。
もう少し言葉の応酬、迷いを付くことがありうるかと思っていたけど。
一度敵と見定めたなら何も考えないのか、それとも何を思っているのか。

いきなり抱きしめたという行動にも分かっていたが、この不器用さは。

(…減点、かな。)

せめて何か目を見張るものでもなければ倒されるわけには行かないだろう。
でないと後のことを全部りょーたちに任せることになってしまう。

「目の光…それが異能かな。何かを計算する…いや、検索する?」

やはり彼にも裏側があるのだろうか。
そうならここで密かに亡き者にしておいたほうが、選択としては。

五つのまがいものの刃は本物に食い込まれ、打ち砕かれる。
棒手裏剣を障壁が、弾く。
傷のついた障壁を突きが砕き。蹴りが二枚目に。
三段突きに力が乗っていれば三枚目、四枚目も貫くだろう。

ただし五枚目まで届く…寸前で、蛇の尾が横から振るわれる。
一度仕切りなおすような、吹き飛ばすような狙いを持った一撃だった。

「…何故そこまでして抗う。対魔の血か。快楽か。
恋人のことなど、すでに想像してはいないんだろう?」

距離が取れれば…さすがに完全に忘れているとまでは思ってはいないが、そう問いかけてみる。
再展開しない障壁の残りは、一枚。

霜月 零 > 「ちっ……無明三連突きでも駄目かよ」

ボヤく。そもそも、棒手裏剣に威力がなさすぎだ。所詮は奇襲技、と言った所か。
距離を離し、中段に構えながら言葉を返す。

「俺に異能なんざねぇよ。俺にあるのは、剣術と巫術くらいなもんだ」

これは認識違いである。霜月零の異能「根源接続」は今まさに発現しており、そして目の輝きこそがその証左であるという推察も間違っていない。
単に、霜月零にその自覚がないだけだ。
そして、最後の言葉にも応答する。

「は?何を言ってんだ。俺はお前とは違う。
俺の剣は今、全て何から何まで一足一刀一射一斬に至るまで全て、氷架のために振るわれてるぞ」

ハッキリと、ともすれば惚気とも取られるような言葉を、彼らしからぬ平然さで告げる。

「正直、かなり色々考えてるさ。
氷架は無事か、もしかしたら手遅れだったのか、今すべきことは何なのか。
だけどな……それらが一瞬で冷えてくんだ。
愛情じゃねえぜ?ただただ思考が、冷える。何者かに冷やされるように、乱れた思考やメンタルが、即座にフラットに戻される。
寧ろ俺が聞きたいくらいだ……もしかして、コイツが俺の異能なのか?」

無表情に、油断なく構えながら口にする。
そして、それも正しいのだ。
「根源接続・応報羅刹」。元々はある男に復讐するために開眼した、正規ではない根源への接続。
その方向は戦闘に特化し、ただただ戦うに効率の良い状態を体に強いる。
故に。余剰となる思考は省かれ、冷却される。
かつての侍は、戦闘時に自分の五感を限定的に削除し、その分を戦闘のための処理能力や身体操作能力に回したと言う。
それを、無理矢理再現しているようなものだ。
言いながら、今度は大きく右腕を引いた。
左手は前に突き出され、大袈裟すぎるほどに大袈裟で、はっきりと分かる「突き」の構え。

「まあでも……正直、やることは大体決まってるんでな。
都合よくこの状態を利用させてもらって……アンタを、打ち倒す」