2015/09/16 のログ
ご案内:「深い森の奥深く」に墜ちた者さんが現れました。
■墜ちた者 > 【暗闇の中、彼は意識を覚ます。】
(―――――――……ぅ……俺は、何を………)
【意識を覚ました彼は、何も見えない視界に少し戸惑いながら、
自分が何故気絶していたのかと、現状を把握しようと、
目覚めたばかりで少し霧がかかった思考を働かせながら、記憶を辿る】
■墜ちた者 > (………ああ、そうか…俺は飛び降りて………そのまま地面に……
……ふむ?…いや、どういう事だ?)
【そして思い出すのは、天界から飛び降りた事であった。
天界から飛び降り、そのまま無抵抗に地面へと墜ちて行き、激痛と共に意識が途絶えた事を思い出し、
しかし、
その記憶と現在の状況に些か食い違いを感じ、彼は疑問を思い浮かべる。】
(………どういう事だ?あのまま地面に激突していたなら、俺は死んでいる筈だ……
なのに何故、俺は今、意識を覚ました?
俺は死んだのでは無いのか…?どういう事だこれは?
……いや、それもそうだが…何だこれは?
視界が見えないのは眼球が潰れてるからかとも思ったが…聴覚や触覚まで……いや、身体の感覚すらも感じられないというのはどういう事だ………?)
【その疑問とは、死を選び天界から落下し地面に激突した筈の自分が何故意識を覚ましたのか?という当然の疑問であった。
死後の世界の存在など信じていない彼は、死ねば意識なども消えるものと考えていた為、意識があるという現在の状況に疑問を抱く、
だが、それについて思考していると同時に、もう一つ不可解な感覚を感じ訝しむ
視覚どころか、聴覚や触覚、更には身体の感覚までも、何の感覚すらも感じられなく、
ただ意識のみが存在するという異質な感覚に彼は訝しみながら、これはどういう事かと彼は思考を続ける。
無論、現状が定かでは無く、身体の感覚すらも無い現在、彼が取りうる手段は思考する事しか残っていなかった】
■墜ちた者 > (………まさか、ここは死後の世界か…?
確かに俺は飛び降りたまま地面に激突した…
あれならば、いくら再生の異能があろうとも死ぬはずだ
それに、今、身体の感覚が無い…
ならばやはり、俺は死んでいて、これは死後の世界だとでもいうのか……?)
【そうして思考の末、彼が行きついた推測は、自分が死後の世界に居るのでは無いのか?という誤推であった。
無論、実際には彼は死後の世界などにはおらず、依然として常世島に居る訳であるが、
天界から飛び降りたという事実と、身体の感覚が無いという異様な感覚が、彼を誤った推測へと導いてしまっていた。】
(………そうか…きっとこれが死後の世界ならば…このままずっと…
ははは…そうだな、こんな俺にはお似合いの末路だな……)
【自身が死後の世界に居ると誤推したまま思考を続ける彼は、
ずっとこの、何も感じないという感覚が永遠に続くのだろうと考え、それに薄ら寒い気持を覚えるも
こんな、今まで相当の殺しをして来た自身にはお似合いの末路だろうと、自嘲するのであった。】
■墜ちた者 > (……ああ、そういえば…音音との約束…破っちゃったな…
どんな時だって必ず帰るって言ってたのにな……
音音………すまない……必ず帰るって約束したのにな…守れなくて、本当にすまない、な……
結局……俺は置いて行ってしまったな……
ああ……でも、きっと、これで良いんだ…
俺が居なければきっと、音音が狙われる事もない筈だ……
……これで…良かったんだ………)
【何も感覚も無い中、ただ思考を続けていた彼は、ある事を思い出す。
それは、絶対に帰るという、音音との大切な約束であった。
天界でのやりとりで憔悴し、忘れてしまっていたその約束を思い出し、
忘れてい待っていた事、そして、破ってしまった事を音音に申し訳無く思いながら、
辛い思いをさせてしまうだろうと申し訳無く思いながら、
心の中で謝罪を繰り返し、
結局、あの夜の音音の懸念の通り、音音を置いていってしまったと悔やむ様に心の中で呟きながら、
しかし、それでも、これで良いのだと、
自分が居なくなれば、天界で嶋野が言っていた様な、音音へ危険が及ぶ可能性も無くなる筈だと、
彼は一人、身勝手に納得しながら
これで良かったんだ、と名残惜しそうにもう一度、心の中で呟くのであった…。】
■墜ちた者 > (………しかし、こうも何も無いと思考する事すらも尽きてくるな…
まあ、そうか…この気が狂いそうな程に何も無いこれこそ、こんな俺に相応しい末路とでもいうべき……か…?
……ふむ…?なんだ、これは……?)
【そうして更に数刻、思考を続けていた彼であったが、
思考のネタも尽き、何の感覚も無いという状況に苦痛を感じ始め、
されど、それこそ自分に相応しい末路だとの自嘲を思い浮かべていた時、
何の感覚も感じられない筈の中、
身体の感覚が無いという状況で研ぎ澄まされていた、彼の感覚がある感覚を違和感として捉えたのであった。】
(………これは、俺の…内側に……在る、のか……?
これは…魔力、か?いや、似てはいるが…何か、違うな。
だが、この魔力の塊の様なものは、なんなんだ…?
何か別のエネルギーか?しかし、何故、俺はこんなものを感じて…
いや……それよりも…だ)
【そして、その違和感へと更に意識を集中させた彼は、
その感覚が、自分の内から感じられるものだと自覚し、
それが魔力とは似て非なる、何かエネルギーの高密度な塊だと認識し、訝しむも
彼は未だ気付かない、それが自身の魂だという事に、それが彼の本体とでもいうべきものであるという事に…。
そのまま彼は、それが魂であるという事に気付かぬまま思考を続けるも、
しかしそれも、新たな思いつきにより一旦中断される。】
(魔力、か…
そうだな、失念していたというべきか…
身体の感覚が無くれも、魔力ならば…あるいは…な)
【先程、魔力という言葉を思い浮かべた彼は、そこから連想しある事を思いついていたのであった
それは、魔術師としての感覚を用い、
周囲に魔力が存在するかどうかを視ることによって、相対的に、周囲に空間が存在するかどうかを判断するというものであった。
そうして、彼は思いついた手段を実行に移すべく、魔力を感じとるべく、精神を集中させてゆくのであった。】
■墜ちた者 > (ふむ……周囲に、いや、遠くまでも魔力は、普通に存在する…か。
となると、周囲にある程度開けた空間が存在するとみるべきか。
……周囲に空間が存在すると分かっただけでも上々だが…
しかし、本当にここはなんなんだ…?本当にここは死後の世界か…?
…そうだな…魔力が感知出来るならば、もしかしたら………)
【周囲の魔力を精神を集中させた彼は、周囲に魔力を感知する
感知した魔力の反応は、普通の空間に通常に存在するくらいの量であり、
その程度の反応が彼の魔力を近く出来る範囲の限界より先まで感じられたのであった。
つまり、感知出来た魔力の反応から分かる事は、彼が生きていた現世と同じような空間が広く存在しているという事であった。
そうなると、ここは自分の意識のみが存在するという閉じた空間では無く、開けた空間であり、
身体の感覚すらも感じられない自身の現在の状況は、この空間内においても異質なものではないのかと、推測できた。
そして、それらの事柄を得た事により、彼は先程の誤った推測、つまり、自身が死後の世界に居るのではないかという推測は、もしかすると違うのでは無いのかと疑念を抱く。
が、しかし、現在の状況だけで判断しきる事は出来ず、悩みかけるも
彼は思いつく、魔力を感じさられたという事は、もしかしたならば、魔術の発動も出来るのではないのかと
そう考えた彼は、試しにと、もしかすれば周りの状況を、自分の現状を把握出来るのではないのかと、一縷の望みをかけて
深く集中し、探知の魔術を発動させようとするのであった。】
■墜ちた者 > (………やはり、発動出来そうか…さて……)
【彼は探知の魔術の発動に成功する。
狭い範囲に深く集中して発動された探知の魔術は、彼に周囲の状況を細部まで知覚させる
しかし、探知の魔術の発動に成功し、自身の現状を知る事が出来る事に少しの喜びを得たのもそれまでであった。】
(――――………なんだ…?これは…………)
【彼は、探知した光景に唖然とする】
■墜ちた者 > 【PL:次の文は、グロテスク表現が少し多い為、反転で書かせていただきます。】
■墜ちた者 > 【何かが上から通った跡の様に枝の折れた木々、
何かが墜落した跡の様に抉れた地面、
潰れた人の様な形をした「ナニか」を中心としてぶちまけられた様に広がっている血の跡
周囲にぶちまけられた跡の様に乱雑に散らばる腐乱した肉
周囲に散らばっている骨片
折れた肋骨
飛び散った内臓
潰れた心臓
砕けた頭蓋
足首から先の無い右足
吹き飛んだ右腕
肉の削げた左腕】
■墜ちた者 > 【悲惨な光景など何度も目にした事があり、
慣れている彼であったが、
しかし、それでも自身の肉体が悲惨な状態になっているのを見るというのは、衝撃的であった。】
■墜ちた者 > (………やはり、これは…俺は死んでいると考えるのが妥当か……?
いや、しかし、ここは…明らかに、俺が墜ちた場所だ……
となると…ここは明らかに、死後の世界などでは無く、現実だ。)
【それでも、彼は気を静めながら、冷静に思考を続行する
自身の身体の状況はともかく、
周囲の光景は、自身が意識を失う前に見た光景と一致しており、
ここが、死後の世界などでは無く、現世であるという事は、明らかな事であった。】
(……ふむ?ならば、どういう事だ…?
確実に、死体の様にしか思えない様な俺の身体があって……なのに、意識はこの通り存在していて……
……本当に…どういう事なんだ………?
ははは…まさか、幽霊にでもなったのか……?
………いや、生憎、幽霊になどはなっていないようだな…)
【しかし、だからこそ、疑問が生じる
明らかに死んでいる様な状態の自身の身体があって、
なのに何故、未だに自分は意識があるのかと、
疑問を浮かべ続け、
まさか幽霊にでもなったかと、冗談めいて思い浮かべるも、
しかし、何か、どう見ても死体の様にしか見えない自身の身体との、何か繋がりを感じ
更なる疑念を浮かべるのであった。】
■墜ちた者 > (これは…どういう事だ?
明らかに不自然だな……
まさか、この状態でも生きているとでも…再生し続けているとでもいうのか……?
そして、これは……まさか、あのエネルギーの塊と繋がっているのか…?
あれは…俺の内に感じる、あの塊は何なんだ……?)
【そうして、再び探知の魔術によって自身の肉体の状態を視た彼は、
ある不自然な事に気付く。
周囲に飛び散った肉は腐乱いるにも関わらず、
彼の肉体、落下地点の中心にあるそれだけは、腐っている部分が何処も無く
更に、
一部、落下の衝撃で折れていてもおかしく無い部分の骨が繋がっていたり、
一部、落下の衝撃で飛び散った部位の繋がっていたであろう断面が、引き千切れた様な形ではなく、不自然に平らな断面になっており
まるでそれは、再生しているかの様であった。
その事実に、まさかと思う彼は、更に、ある感覚を感た、
それは自身の肉体へと感じた繋がりの反対側、自身の肉体から自身の内へと繋がっている様に感じる繋がり
その先は、先ほど彼が感知したもの、魔力と似て非なるエネルギーの塊、彼の魂であった。】
■墜ちた者 > 【未だその塊が、自身の魂であると自覚していない彼は】
(………これは…一体…何なんだ……?)
【その塊が何かを知ろうと、それへと深く意識を向けてゆく。】
(解らない……いや違う、解る、俺の一部……いや、一部などでは無くて………)
そうして、自身の魂へと深く意識を向けた彼は、
自分自身であるが故に、直観的に、それが何かを理解してゆく、
深く意識を向けた事により、自覚する】
■墜ちた者 > (――――――……ああ…そうか、これが…俺か……
これが……俺の魂か…
これが……俺自身か…
これが……俺の異能か…)
【彼は理解する
そのエネルギーの塊が、自身の魂であるという事を
それが、自身の本体であるという事を
そして、肉体が死にいたる程の損傷を負っても、肉体から離れ得ぬ、これこそが自身の異能だという事を
生物が自身の身体の動かし方を最初からある程度知っている様に、
彼は、自身の魂を知った事により、直観的に、まるで最初から知っていたのかの様に、自身の異能の真の能力を理解するのであった。】
■墜ちた者 > (………ああ、やはりそういう事だったか…あの時死ななかったのは…
あの時は、死んでてもおかしくない程の血が流れてた筈で、生きてる事を疑問に思った程で…
俺もあの後、出血多量で死なないくらいの何かは、俺の異能にあるとは思ってたが……
ははは……まさか、これ程の異能だったとはな…)
【そうして、異能を自覚した彼が思い浮かべるのは、
以前に路地裏で襲撃を受けた時の事であった。
あの戦闘で彼は、全身に銃弾を受けながら戦っており、その出血の量は、普通ならば死んでいる程の量であり
故に、彼は自身の異能に何かあると思っていたのも事実であったが、
しかし、高高度から無抵抗で地面に飛び降りて無事に済む様なものだとは思っていなかった様だ。
故に、彼は自身の異能の真実を知り、心の中で苦笑いを受けべるのであった。】
■墜ちた者 > (……そうか…ああ、そもそも俺はきっと、あの時に……)
【更に、彼は過去へと記憶を遡る、
彼が思い出すのは、
彼の年齢がまだ、二桁にも満たなかった頃、
彼がまだ、普通の幸福の中に生きていた頃、
そして、その普通の日々が唐突に終わりを告げた日の事であった。
あの日、彼の家族を襲った強盗は、異能者の2人組であった、
片方は、炎を銃弾の様に飛ばす異能で、もう片方は手を剣の様に変質させる異能であった。
彼の両親は、突然押し入ってきた強盗に驚きながらも、
しかし、彼を身を挺して庇い外へと逃がし、殺された。
そうして、外へと逃げた彼は、死にたくないという一心で、怖いという一心で走った。
しかし、子供の足は大人と比べて遅く、彼を追いかけようとする強盗は、
まるで遊びの様に、簡単に殺してはつまらないというかの様に、ゆっくりと、ゲスびた笑いを浮かべ追いかけて来ていた
それでもと逃げようと、走り続ける彼の背へと向けて、強盗は炎の弾丸を放ち……】
(……ああ…そうだ、この時、
この時だ、きっと、この時俺は、身体強化の異能が発現して避けたと思ってたが、実際は違って……
あれはきっと、俺の胸を貫いて……)
【彼の推測の通り、その時、強盗の放った炎の弾丸は、彼の心臓を貫いた、
しかし、それは異能発現時において、
彼自身の精神が、当時、まだ幼かった彼が、自身の異能に衝撃を受けぬようにと、心の防衛本能として、異能を誤認させる一環として、
その際の事実も、炎の弾丸が胸を貫いたという事実を、炎の弾丸を避けたという認識に、誤認させていたのであった。
だが、自身の異能の真の能力を自覚した彼は、その時の事実を思い出のであった。】
(……それでも…あの時俺は、それでも死にたくないと思って、走り続けようとして…
……ああ、だから、この異能なのかもな…
きっと、その時に……その時に発現したんだろうな…この異能は……)
【そう、その時に彼の異能は発現したのであった、
何の奇跡か、とでもいう様なタイミングで、
彼の死にたくないとの願いの通りに、異能は発現した、
まるで奇跡、否、彼のその後を考えるならば悲劇とでもいう様なものであった】
(ははは……生きたいと願って生き続けたんだから、自分から命を絶つなってか…?)
【そうして、自身の異能発現時の真実を思い出しながら、
天界から飛び降りても、死ぬ事がなかったという事実を嗤う様に、
心の中で呟くのであった。】
■墜ちた者 > (ははは……しかし、死ねなかった…か……
ああ……俺は、どうすれば良いんだろうな……)
【そうして、過去の回想を終えた彼は、
自分が死のうとしていた事実、そして、異能により死ねなかった事実を思い浮かべ
死ねなかった事に落胆しながらし、
そして、今後どうするべきかと悩むのであった】
■墜ちた者 > (もう何日か経ってるだろうし、音音にも俺が死んだと話がいっているだろうな…
そうだな……もう、音音にも…ミウにも…合わせる顔が無いな………)
【先程の、探知の魔術で視た、飛び散った肉が腐乱していたという状況から、
もう自身が飛び降りてから数日が経っているだろうと、彼は推測する。
故に、音音は、もう自分が飛び降りたという報告を聞いているだろうと推測し、
約束を破ってしまった事を、知っただろうなと、彼は考える。
だから、否、それで無くとも、死を選ぼうとし、
必ず帰るという約束を破ろうとしてしまった以上、自分はもう、音音に合わせる顔が無いと考え
ミウに対しても同様に、こちらの事を思って止めてくれていたミウの言葉を拒否し続け、更には飛び降りてしまった以上、合わせる顔が無いと考えるのであった。
(いや…それどころか……あの時、自分の命を…自分を捨てるつもりだったなら……
もう、俺は、自分の名を…白崎玲刃とすら名乗る事も許されないだろうな…)
【更に、彼は考える、
あの時、死ぬつもりだった自分は、死のうとしたあの行為は、自分を捨てる事にすら等しかったのではないのかと、
故に彼は思う、もう、自分には白崎玲刃と名乗る資格は無いのだと、
白崎玲刃はもう、あの時に死んだのだとし、
もはや、自分は、ただの名も無き者だとするのであった。】
■墜ちた者 > (………ああ……しかし、自業自得とはいえ、
また、全てを失ってしまったか……
……ああ、そうだな…あの時も、幸せだった筈だ…
そして、今回だって……
ははは………そうか…そうなんだろうな……
きっと……俺には、幸せなんて相応しく無いんだろうな……)
【どうするべきかと思考を続ける彼は、現状を把握し、思う
また、全てを無くしてしまったのだと…
そうして、最初に全てを失った時の事を
先ほど回想した過去の事、異能を発現した時の事を再び思い出しながら、
彼は考える、
自分には、幸せは相応しく無いのだろうと、
あの時も、
彼と彼の両親が、強盗に襲われるまでの、普通の日々も、
今回も、
音音との日々も、
どちらも、掛け替えの無い、幸せな日々であった
しかし、全てを失った
あの時は、唐突に奪われ、
そして、今回は、自分から投げ出してしまった
故に彼は思いこむのであった、
きっと、自分は幸せとは相反する存在なのだと。】