2015/09/17 のログ
墜ちた者 > (………しかし…本当に、俺はこれからどうするべきなんだろうな…)
【もはや、既に会うべき者は存在せず、
幸福を求める事も、赦されぬ彼は、
生きてしまった今、何をするべきかと迷い、
そして、思い出し、判断する】

(……そうだな…するべきか、じゃないな…
生きてしまった以上は……するべき事があったな…
ああ、そうだ。
俺にあるのは、きっと、それだけだったんだな…
救う事……きっと、俺にあるのはそれだけだ
俺の様になってしまう、奴が居ない様にするためにも
救い続けなくてはな……)
【彼が思い出すのは、
生きているならば進み続けると決めた道、
止まる事は出来ないと、ミウに語った道、

死を選んだことで、意識から逸れてしまったいたもの

殺して生きて来た以上は、それ以上に救い続けると……救い続けたいという思いであった。

今となっては、彼に残っている、ただ一つのものであり、
ただ一つだけ残っている、生きる理由であった。

その想いは、自身を幸せが相応しく無い存在だと認識した事により、一層強まる
自分の様な、幸せになる事の出来ない者を、これ以上つくってはいけないと、
全てを無くし、修羅へと墜ちるのは自分だけでいいと、
そんな思いを抱くのであった。

そうして彼は、ただ一つの事を行う機械の様に、
ただ、救うという事の為に生きるという道を生きて行く事を決めるのであった。】

墜ちた者 > (そうと決めたならば、さっそく行動…
という訳にもいかないか……)
【今後の生きて行く道も決まり、さっそく行動を、と思った彼ではあったが、
生憎、そうもいかない現状があった。

現在、彼の肉体は天界から墜ちた衝撃により、ぐちゃぐちゃであり
内臓が飛び散っているどころか、
右腕や、足の一部が無く、脊椎が断裂し、脳も頭蓋と共に潰れている現状では、
例え、魂によって生きているといえども、
動く事すらもままならなかった。】

(………しかし…な
このまま人に見つかれば、死体として処理されてしまう可能性もあるが……それはまずいな………
どうするべきか……)
【彼は動けない現状のまま悩む、
このままでは、捜索に来た者等がいれば、死体として処理されてしまうという恐れもあった為だ。
無論、火葬されようとも、身体の再構成は行われる事であろうが、
しかし、身体が全て燃やされてしまえば、1から再構成されるには、膨大な時間がかかるだろうという懸念が存在していたのであった。】

墜ちた者 > (………ふむ…しかし、左腕は比較的無事だが…
……なるほどな。指輪にかけていた防護の影響とみるべきか…
…ああ、だから、俺の魂も少しすり減っていた訳か……
いや……落下の衝撃から考えるならすり減っている量が、明らかに少ない様にも思えるが……
ああ、そういう事か、魂も自然治癒をするという訳か)
【そうして、どうするべきかと悩みながら、探知の魔術を発動させていた彼は、
ふと、肉は削げているものの、他の部位よりは比較的、ましな状態な左腕に意識を向ける。
その左腕は、墜落時の衝撃で肉は大幅に削げている様であるものの、
しっかりと繋がっている様ではあり、
更に、左手の薬指、そして、そこに嵌っている指輪には、傷一つ無かった。
彼はその事に疑念を抱き、
しかし、直ぐにその原因に思い至るのであった。

左手が無事であった原因は、彼が、左手の薬指に嵌めた指輪にあった、
音音とお揃いで買った、その指輪を大切にしていた彼は、
その指輪が戦闘で壊れてしまわぬようにと、指輪に対し、
自身の命とリンクさせる形の強力な防護魔術をかけており、
それにより、指輪が壊れぬようにと、彼から離れるようにと、指輪と右腕にかかる衝撃を、
彼の魂が肩代わりして受けた事によって、指輪は無事であったようだ。

自身の左腕と指輪が無事であった原因を推測し、
自分の内に感じる魂が少しすり減っていた事についても納得した様に、彼は心の中で頷く。

しかし、
指輪にかけた防護魔術は彼にとっては、弱点を外に曝す様な行為ですらあった、
本来ならば、肉体がどれだけ傷つこうと、魂が損害を受ける事の無い、彼は、
しかし、指輪にかけた防護魔術により、指輪を攻撃されたり、左腕を切断さえる様な攻撃を受ければ、
それは魂へと直接影響し、最悪、消滅する危険すらあるのであった。
だが、それでも彼は、白崎玲刃であった頃の未練として、その指輪を外すつもりは無かったのであった。】

(………っと、そんな考え事をしている場合では無かったな…
とにかくだ、左手が無事ならば…だ、
それでどうにか、隠れられる場所まで動く事は出来るかもしれないな…)

墜ちた者 > (とりあえず、隠れられそうな場所は……)
【彼は、隠れられそうな場所を探す為に、
広域へと意識を集中させた探知の魔術を発動し、
周辺の大まかな地形を把握しようと努める。】

(……あった、な。
あそこなら丁度良さそうだな。
ふむ……動物の反応も無い…か。
ならば、あそこに身を隠すとするか…)
【そうして彼は、探知の魔術によって、
現在位置から約50m程の場所に、
身を隠すのに丁度良さそうな、木の影にある小さめのほら穴を見つけ、
そこに身を隠そうと決めたのであった。】

墜ちた者 > (あとは、あそこまで行くだけ…だな……
どうやって動くべきか…)
【そう、後は見つけたほら穴へと行き、隠れるだけなのであったが
しかし、例え左手が無事であっても、
脳は潰れ、脊椎が断裂している現在、普段の様に体を動かす事は不可能であった。】

(……魔力を、通せば……!
……っ…!無理か…)
【まず思いついたのは、彼が使用する身体強化の魔術の様に身体の内側に魔力を通し、
その魔力を用いて、無理やり動かすというものであった、
さっそく彼は、その方法を実行に移すも、
しかし、左腕を動かすまでは出来たものの、
魔力の出力が足りず、身体を引きずる事までは不可能であった。】

墜ちた者 > (………さっきのが駄目なら…他に手段は……
……いや、出力が足りないだけ、なら…!
魂もきっと魔力とは違うがエネルギーの筈だ…
それを使えば……)
【先程、思いついた、魔力を使う方法も駄目ならば、
現状使えるものが、魔力と、無詠唱の魔術だけである現状、他の手段は思い浮かばず、万事休すかと思われたが……

彼は、思いつく、先ほどの手段に足りなかったのが魔力だけならばと、
魂もエネルギーの塊であった筈だと、
それを少し削る様にして使えばいけるのではないのかと
勿論、それは文字通り、命を削るような行為であり、いくら魂が自然治癒するとはいえども、危険には変わり無かった。】

墜ちた者 > 【そうして彼は、先ほど思いついた手段を実行に移すべく、
自分の内へと、魂へと、意識を向け、
更に、その魂から、ワイヤーの様にエネルギーを左腕の中に通す様にイメージをし
そうして、そのワイヤーを動かすイメージで左腕を動かしてゆく】
(………ぐ…ぅぅ……
……これは…なか、なか…きつい……な…)
【文字通り、命を削る行為であるそれは、彼自身へも苦痛をもたらす…
だが、彼は止めるつもりもなく、
そのまま、魂を用いて左腕に力を込め、ほら穴へと向けて身体を引きずって行く】

【更に、魔力を上乗せし、左腕に力を込め身体を引きずる、
魔力と魂のエネルギーの両方を上乗せした出力は、十分なものであり、
少しずつ少しずつ、確実にほら穴の方へと、彼は身体を引きずってゆく

無論、引きずる身体は、墜落の衝撃により、肉が露出している部分も多く
ズルズルという音と共に、露出した肉も削れ、
さらに、飛び散った臓器の一部が千切れるだろう、
しかし、
脊髄が断裂し、脳も潰れている彼は、痛みを感じる事も、音が聞こえる事も無い為
彼は、ほら穴へと進み続けたのであった。
否、たとえ、苦痛があったとしても、肉が削れる音が聞こえたとしても、
彼はほら穴へと向けて進み続けたであろう】

墜ちた者 > (………っ…ぅぅ……
……あと……少し………)
【魂が削られる苦痛に、心の中で喘ぎながら
しかし、やっとの思いでほら穴の入口へとたどり着き、
ほら穴の中へと身を入れる】

(やっと……着いたか……
思ったよりも、魂の消耗も少ないか…
ならばこれは上々と捉えるべきか)
【そうして、ほら穴へとたどり着いた彼は、
左腕で強く地面を押し、その反発力を使い身体を持ち上げほら穴の壁へともたれかけさせると、
ようやく一息吐いたとでもいう様に、
身体を動かせず溜息を吐けない分、心の中で溜息を吐くのであった。

そして、先ほどの移動による魂の消耗は、
彼が思い浮かべたとおり、思ったよりも少なく、
1割にも満たなかった。】

墜ちた者 > (………あとは…身体が再生されるのを待つだけ、か。
され、どれくらいかかるのだろうな……)
【身を隠す事さえしてしまえば、
後は、身体が再構成されるのを待つだけであり、
しかし、それには長い時間がかかるであろう事を、彼自身、薄々感じていた
だが、魂による身体の構成は、自身でそうそう制御出来るものではなく、早める事も、止める事も出来ないのであった。】

(どうにか、再生が早くは………
無理…か……ある程度指向性を与える事は出来そうだが……
再生の速度を早くする事は無理か…
他の方法も……回復魔術も、これには意味もないしな…
……いや、治癒の呪符が、まだ残っていた筈だ……
……ああ、やはりあったか…
これを使えば……)
【どうにか早く再構成したいと考える彼は、何か再構成を早くする方法が無いかと、
自身の魂を意識を集中させるも、出来たのは、再構成に部位に関しての優先順位をある程度付ける事が出来たくらいであり、
その優先順位も、再構成の出力の度合の振り分けを少し弄るくらいであり、
基本的には満遍なく再構成されるようであった。

それでも、他には何か無いかと考える彼であったが、
回復魔術に関しても、彼のそれは、応急処置程度や損傷の進行を抑える程度にしか役立つものでしかなく、
大規模な回復には向いていなく、現状では役に立つものでは無く、
他に再構成を早める手段も無い以上、このまま長い再構成を待つしか無いかと、思いかけたその時、
彼は思い出す、自身の作った治癒の呪符をまだ数枚持っていた事を

そうして、治癒の呪符の存在を思い出した彼は、
収納の魔術を発動し、そして、左手を魔力を用いて無理やり動かし、収納用の異空間の中から治癒の呪符を全て取り出し、
その治癒の呪符全て、4枚を自身へと向けて発動しようとし】

墜ちた者 > (………あ、声、今出せないんだった……)
【呪符の発動に宣言が必要な事を思い出し、
心の中で唖然とする、
声に関しては、声帯自体が墜落の衝撃で潰れている以上、
左腕を無理やり動かすのと同じ方法は取れず、
現状、発動が出来ない状態であった】

(………ならば、術式を組み替えれば……
……発動だけであれば…)
【それでも諦める気になれなかった彼は、
呪符の術式を組み替える事によって無理やり発動させるという手段を思いつき実行に移そうとするのであった】

(ここをこうして……
……こうすれば…)
【彼は呪符の魔力を、以前、魔力を緻密に視る為に作った、探知の魔術の改良版を用いて呪符の魔力を解析しながら、
自身の血を使って、呪符に術式を書き加える事により、無理やり発動させようとする。】

(………これで…発動する、筈…
ふむ…?効果が…薄い……?いや、持続してるとみるべきか…
まあ、効果が出ている以上、よしとするべきか…)
【そうして、術式を書き加えられた呪符は、効果を発動するも
それは本来の治癒の呪符とは異なり、
術式を書き加えられた事により、効果は変質し、
本来の治癒の呪符の効果程治癒量が多い訳では無いものの、一定期間治癒を継続するという、
リジェネタイプの効果へと変質していたのであった。

しかし、それでも再構成が速くなるという事には変わらず、
彼は、それでも問題無いと判断し、
残る3枚の呪符も同じようにして発動させてゆくのであった。】

墜ちた者 > (……よし、呪符の発動も終わったし…
後は、他に出来る事は……
……もう、無いか)
【そうして、治癒の呪符の発動を終えた彼は、
他にする事があるか思考を巡らせるも、
もう、これ以上出来そうな事は、本当に無く、
そして、】
(………っと、流石に気絶から覚めたばかりなのに、ちと消耗しすぎたか…
そうだな……これ以上は、出来る事も無さそうだし、しばしの眠りにつくとするか…)
【突然、自身の奥から倦怠感を感じ訝しむも、
それは、魂の消耗が原因であると判断した彼は、
出来る事が無い以上、意識を保ち続け必要も無いと判断し、
意識を落とし、再び暫くの眠りに就くのであった。】

墜ちた者 > 【こうして、自身の異能の真の能力を知り、
名を捨て、
そして、自分の進む道を改めた彼は、
自身の身体の再構成がある程度されるまで、
眠りにつき、
時折目を覚ましながら、しかし、動く事も出来ずに、暇そうに思考をするのであった。】

【そうして、約20日程後、
頭蓋や脊椎や足と、内臓のいくつかが再生された彼は、
墜落時に服も破け散り裸となっていた身を、転移荒野で拾った大きめのボロ布で包み隠しながら、
収納の魔術で収納していた仮面を被り、
自身の正体を隠しながら、

青垣山へと移り住み、
より多く、エネルギーを確保する為に、猪等を狩って、食べながら(生のまま)、
時折、余った肉を、開拓村の肉屋へと分けるという生活を

自身の身がある程度十分に戦闘可能な程に回復するまで、
続けるであろう。】

ご案内:「深い森の奥深く」から墜ちた者さんが去りました。