2016/12/23 のログ
ご案内:「女子寮***号室」に谷蜂檻葉さんが現れました。
ご案内:「女子寮***号室」に比良坂 冥さんが現れました。
谷蜂檻葉 > バタン、と二人が入ると即座にドアが閉められる。

「……思わせぶりな事を言いながら、あっち行ったりこっち行ったりするのはどうなのよ。」

ズルくない?
頬を、そっと撫でる。

「冥、あなたが私の視界に入ってくれれば貴女を見るわ。
 貴方が『貴女の価値を見出して』、私に貴方を売り込んでくれれば私は貴方を買ってあげる。」

その、”黄金色の瞳”が輝く。

谷蜂檻葉 > 「私ね、”石ころを高く買う趣味はない”の。
 欲しいのは宝石、ただ一つの輝き。 私を魅せる輝き。

 実用じゃない、誰かに見せびらかしたくなるような『輝く貴女』が欲しいの。

 見てほしいのなら輝いて?

 ―――私は、”必要のない貴方”が欲しい。何も関係のない、誰も持っていない貴方が欲しい。」


嗚呼、やっと言えた。


そこまで言うと、気が抜けたようにその手を離す。
瞳の色も、輝きを失ったように電気のない部屋らしく黒く落ち着いていく。

比良坂 冥 >  
「……?」

その見慣れない瞳の色に、ほんのすこし、困惑の色をその視線に見せる

「私は汚れても、煤けても…誰かに見続けてもらえればそれでいいから、
 そういうのがあんまり解からないな……。
 もちろん私が宝石になることで、檻葉がずっとずっと私を見続けてくれるなら良いけれど、
 ……飽きるよね?同じ宝石ばかり眺めていても。欲するけれど求めはしない。
 だから私は、今も含めて色んな人の手を渡ってきたんだよ」

自身が好意をもった人間に見つめられるは最良
されどそれでは足りない、それだけでは隙間だらけで足りない、足りない
暴食で、貪欲な心の獣が起き上がる

「手垢だらけの宝石なんて、自分から輝くことなんてまずないでしょ?」

谷蜂檻葉 > 「――――ッ」   

困惑し、檻葉の投げかけを否定する冥に再びその瞳に黄金の灯が輝くが―――


「―――……はぁ、まぁ。冥なら”そう”答えるか……。」


それは、諦観の溜息。
至極残念そうな、期待外れとでも言いそうなまでの負の感情が重く乗った溜息だった。
やはり二度瞳が黄金に輝くことはなく、紫紺の瞳が穏やかに冥を見つめていた。


「きっと、『私』なりのプロポーズだったんだろうけど。

 ……なんだろうなぁ、『私』の思いは空回り易いとか、そういうジンクスでもあるのかな。
 遠回しだし、ポエマーだし、直接的だけど迂遠だし、無茶ばっかりだし、率直に言って面倒だけど。

 冥なら応えてくれるって思ったんだけどなぁ。やっぱりダメかぁ。」


そっかー、仕方ないなぁ。
そう言って、冥の手を引いてベッドに向かう。


「よし、気を取り直して色々仕切り直ししよっか。 ね? 予行演習、的な。」

比良坂 冥 >  
「…変わり者かもね、檻葉」

宝石どころか道端の石のような自分にプロポーズ、だなんて

応えるにも、少女には第一に欠落しているものがあった
──他人と自分が同格、という意識である

好意を抱いていれば尚のこと
"そんな言葉は、もっと良い相手に言ったら?"
そんな感情しか湧いてこない、卑屈な人間なのだ

……手を引かれ、誘われるままにベッドへと

「……予行演習?」

なんの?と言った顔で

谷蜂檻葉 > 「妖精なんて、変わり者しか居ないわよ。 何せ、人前に現れるのが”不自然”ですもの。」

妖精とは、精霊とは自然の具現である。
そして自然の具現である。というであれば、元より人など関係ないのだ。

ただ在る。
呼ばれることも、興味をもつこともない。
自然は自然であり、人間が触れることの出来ない「現象」でしかない。
何かで御して見せても、それは仮初。

本質的な服従など、自然には無縁であるが故に。


「そりゃ、ほら。 聖夜の予行演習、みたいな。」

もうすっかり外も暗い。
寝るのには、もう良い時間だ。

比良坂 冥 >  
「………あ」

そういうことか、と言ったようにはっと気づいた様子を見せる

「七面鳥にケーキにシャンパン。
 何もなしに何の予行演習かと思ったら、
 檻葉ってそういうことばっかり考えてるの」

ちょっと小馬鹿にしたようなジト眼具合が腹立たしい
そして何よりどの口が言うのだそれといったレベルである

谷蜂檻葉 > ジト目の冥に瞳が輝く。

ああ、その言葉は「こっち」の領分だ。

「ハ、無いからそっちに行き着くだけよ。 私に足りないのは温もりだけ―――

 あら?もしかして自分で最初に言ったことも忘れたっていうの?
 貴女はその為に私の傍にいるんじゃなかったのかしら?
 もしかして、自分から『それ以上』になるつもりだったの?

 ふ、ふふふ!烏滸がましい、烏滸がましいわね冥!さっきも言ったけど【石ころを買う趣味】はなくってよ。

 七面鳥に、ケーキにシャンパン。
 ついでに風呂掃除洗濯その他もろもろセットにしたいのだったら『私の宝石』になってから言いなさい!!」

上着を脱いで、ベッドに横になって、格好がつかなくても高笑い。

比良坂 冥 >  
「……ふふ、違うよ。檻葉。それ以上なんて望むべくもない。
 私にとっては温もりだけでも、普段は手が届かないものなの」

ジト眼は流し目へと変わり、色香を含んだ表情で向き合う

「ただ、今はそれほど"冷めて"ないだけ、
 檻葉が私を満たし続けてくれていたから、
 "それ"以外のことに視線が向いただけだよ

 ───私の本質は獣なんだから」

衣服と、人の皮を脱ぎ捨てた冥が檻葉へと覆い被さる───

谷蜂檻葉 > 「~~~っ! ああ、もう!本当に張り合いがないわねこのドラ猫娘!
 本当に、甘やかしすぎて意味が無いわ! 『私』が望んだのはそういう満足の先にあるのに!

 きっと、手順を間違えたのね。手懐ける前に教える事が必要だったの。
 どうしてこう、可愛い子ほど手がかかるのかしら。 聞いてる?アナタのことよ?


 ……って、あ、ちょっとタイムいきなりトップスピードは想定が―――」


再び、煽ろうとした言葉の風にも飄々と乗るだけの冥に脱力する。
そのまま、ブツブツと"独り言"のように呟きながら冥を待っていたが、

後は言葉の通り。

誘ったものの、「久しぶり」だったソレに呆気なく陥落して。
勢い見る影無く、だらしなくトロけた表情を魅せるまでそう時間は要らなかった。

ご案内:「女子寮***号室」から比良坂 冥さんが去りました。
ご案内:「女子寮***号室」から谷蜂檻葉さんが去りました。