2017/02/25 のログ
クローデット > 「………。」

「中途半端なところを見せるのは恥ずかしい」。この言葉に、クローデットの口元の笑みが、一瞬消えた。
…しかし、その後、申し訳なさそうに頭を下げる青年に対し、柔らかい笑みを口元に作ってみせ…

「…まあ、運が良かったことですし、これまでのことは一旦おきましょう。

………ところで…シュピリシルド様は、今後、「どうなさりたいのです?」」

そう、問うた。
口調そのものは詰めるようではないが、その声に暖かみはない。
そして、口元は確かに笑んでいるのに、その瞳はやっぱり笑っていなかった。

ヴィルヘルム > 「……今後,ですか。」

その言葉で,ヴィルヘルムはやっと顔を上げた。
それはいつか決断しなければいけないと考え続けてきたことではある。
だが,ずっと自信が持てずにいたことでもある。

「この島に居る限り,私は“男”としても暮らしていける…かもしれない,とそう思います。
 …けれど,故郷に帰れば,私は“マリア”として生きていくか,死ぬかのどちらかです。」

意を決して視線を上げて,見つめた貴女の瞳は…冷たい色。

「………………。」

ヴィルヘルムの瞳が,僅かに細められる…何かを,思い出すように。
それから,彼は一瞬だけ瞳を閉じて…静かに息を吐いた。
今後についての答えには沈黙しか返らず……。

クローデット > 「………「男」として生きることを決意すれば、故郷に帰る望みを完全に捨てることになる。
それが…シュピリシルド様の、今後を考える上での一番の懸念事項、ということでしょうか」

瞳の鮮やかな青は、視線の無感情さが伝える冷たさを、強調するかのようだった。

「………シュピリシルド様は…ご自身が、今後も自分の「男性」としての側面を、封印したまま生活することが、お出来になるとお思いでいらっしゃいますの?」

ティーカップを手にし、慇懃な口調のまま…温度の変わらぬ声が、楽しげな笑いを含んで、微かに弾んだような気がした。

ヴィルヘルム > 「あんな故郷でも,あんな両親でも,未練が無いと言えば嘘になりますから。」

青年はそうとだけ言って,寂しげに笑った。
貴女の無感情な,冷たい瞳が何かを思い出させたのだとしたら,
それは,自分を捨てた両親から向けられた瞳だったのかもしれない。

「……それは…。」

貴女の問いに,青年は即答することができなかった。
……クローデットさえ現れなければ,永遠に“マリア”であり続けら有れたのだろうか。
しかし全ては仮定の話でしかなく,現実は今ここにしか存在しない。

「………難しいと思います。」

クローデット > 「………自らの「ルーツ」を完全に切り離してしまうのは、困難ですし苦痛も伴いましょうね」

そうでなければ、アイデンティティポリティクスなんてこの世界でも発展していないわけで。
瞳を伏せがちに、柔らかく微笑む。
瞳の無感情ささえなければ、たおやかな風情と受け取れたかもしれない。

「…そうでしょうね」

「難しいと思う」というヴィルヘルムの答えを聞いて、くすりと笑みを零すクローデット。
瞳の色が、少しだけ、心を取り戻したかのように和らいで見えた。

ヴィルヘルム > 「今は,帰りたいとも思わないので…我儘でしか,ないんですけど。」

僅かに瞳の色が変わったのを見て取ったのか,それとも偶然か,
苦笑したヴィルヘルムは,少しだけ緊張が解けたように見えるだろうか

「いえ,だからと言って,ルナン様との約束を破ったことを正当化するつもりはないです。
 ……すみませんでした。」

クローデット > 「故郷では散々束縛されていらしたのでしょうし…少しくらい、我儘なくらいでよろしいのではありませんこと?」

ふ、と強気な形に目を細め、唇を歪める。
当初ほど無感情ではないが…瞳の感情の乏しさが、異様なものとして際立つかもしれない。

「…ええ、その件なのですが…」

改めての謝罪を受け、表情をたおやかに鎮める。

「…シュピリシルド様のご意見も踏まえて、「嘘」を暴く準備を進めたいと思いますの。
ですが…少々時間がかかりますのよ」

「少なくとも今日、ハウスキーパーが戻る前には終わらない程度には」と、意味ありげに目を軽く伏せて、ヴィルヘルムの方を見やった。

ヴィルヘルム > 「…………………。」

束縛されていたのは確かだった。
けれど,そこには確かに,あまりにも歪んだ形ではあったが居場所があった。
この島で自由を得たのと同時に,居場所を失ったヴィルヘルムは,貴女の言葉に応えることができなかった。

「………嘘を,暴く準備,ですか…。」

貴女の真意まで読み取れるはずもない。
しかし,貴女の表情からその感情を読み取ることができないのだから…

「ルナン様に全て,お任せいたします……ですが……」

…ハウスキーパーが戻ってくるとして,自分がここに居るのは問題なのではないだろうか。
無論,女装していた時と状況は何一つ変わってはいないのだが……

「……大丈夫,なのでしょうか?」

クローデット > 「………あたくし、何か出過ぎたことを申しましたでしょうか?」

青年がそこまで居場所に飢えていると理解しないクローデットには、ヴィルヘルムの沈黙は不可解なものであった。
首を傾げながら、口調だけはそこまで重くない感じで尋ねる。

「…ああ、誤解させてしまいましたわね。申し訳ありません」

心配そうな青年の様子に、くすくすとおかしそうに笑う。
少しずつ、瞳が灯す感情が表情全体との連携を取り戻していくようだった。

「また機会を…日を改めて相談をさせて頂くつもりで…それで、「あたくしが」嘘を暴く前に事実が露呈することのないように、「手」を加えさせて頂きたいと思っておりましたのよ。

…無論、シュピリシルド様が泊まりがけででも手早く「暴いて」しまいたいと仰るのでしたら、ハウスキーパーにはそのように告げて、「配慮」をお願いするつもりでおりましたけれど」

「お互い、自分で責任が取れる歳ですものね?」と、強気さと、艶を兼ね備えた笑みを浮かべて、ヴィルヘルムを流し目気味に見やった。

ヴィルヘルム > 「……いえ,すみません…故郷を思い出していただけです。」

ヴィルヘルムもその内心を語ることはせず,苦笑の中に誤魔化した。
無論違和感はあるだろうが,そもそもこの部屋にはいって後ずっとぎこちないのだから,今更である。

「……あ,あぁ,そうか!そうですよね,あぁ,僕としたことが…。
 すみません,変なことを言ってしまって,緊張していたので…その,」

自分自身の早とちりを知った青年はすぐここから逃げ出したいくらいだった。
言い淀むところに言葉を続けられれば,何か言わなければと口を動かすも言葉が出ない。

「……あ,えっと…その……。」

駄目だ。目をつむって,小さく首を振る。そのまま息をゆっくりと吐く。
貴女にそれを見られるのは恥ずかしいことだったが,そうでもしなければマトモに言葉がでてこない。

「…正直に言えば,ルナン様のご厚意に甘えてしまいたい自分も居ます。
 けれど,今の僕には,途方もないお話です……。」

深々と頭を下げる。
ただでさえ今の自分は中途半端で,約束を破った卑劣漢で……

「……僕には,何一つとしてルナン様にお返しできるものが,ありませんから。」

……誰にも必要とされない“ヴィルヘルム・フォン・シュピリシルド”なのだから。

クローデット > 「…故郷では許されなかった生き方を選ぼうとして、それでかえって思い出してしまうのかもしれませんわね」

苦笑の中に誤魔化されれば、クローデットはそれを受け流した。
今回の話では本題ではないし…そもそも、そんなに自由に行き来出来るものでもない。

「………。」

青年の動揺する様子に、おかしげに、声に出さずに笑うも…彼の思索を邪魔することはせず、待った。
それから…青年の言葉を聞いて、ふと、優しい微笑を零す。

「厚意…というほどのことではありませんわ。
「嘘」を暴く過程で障壁がないようにしたいという意味で、あたくし達の利害は一致しておりますもの。かける時間と、それに伴う手法の違いでしかありませんわ」

実際のところ、「泊まりがけ」というところに過剰反応して「男」を無様に曝け出すならば、その「男性性」を痛めつけてやるつもりでいた。
青年が「分」を弁えていたので、平穏に収めてやるが。
悪意を隠すなど、すっかり慣れきっていることだ。

「…それでは、詳しいご相談は機会を改めさせて頂くとして…少し、「手」を加えさせて頂いても?」

クローデットはティーカップをソーサーの上に戻して立ち上がると、青年の傍に歩み寄った。

ヴィルヘルム > 「………えぇ,そうかもしれません。」

正確には,全く違う。そしてそれをヴィルヘルムも理解していた。
つまり,生き方の問題が焦点ではなく,束縛から自由になったがゆえに居場所を喪失してしまったのなら,
自由と束縛と,どちらがより幸福なものだったのだろうか…

「…いえ,ルナン様にとって僕は他人に過ぎないのです。
 ですからこうして気にかけていただいているだけで……。」

…ヴィルヘルムは無論,本来的には男であった。
けれど,それ以前にヴィルヘルムはマリアであり,それを形作った過去の経験は永遠に付きまとうものである。

「……えぇ,全てお任せいたします。ルナン様。」

誰からも必要とされることのない,ヴィルヘルム。
そんな救われ難い前提があるからこそ,ヴィルヘルムは己の分を弁え,己の気持ちを内心にしまい込む。

……もし,ヴィルヘルムが貴女の悪意に気付いていたのなら,この会話は悲劇的な破局を迎えていただろう。

クローデット > 「束縛か自由か」なんて、多くの人間にとっては不毛な二択でしかない。
もし、具体的に話されることがあれば、クローデットはその程度の思考のアドバイスはしただろう。
しかし、聞かれなかったため、そんな応答は生まれない。少なくとも、今は。

「ええ、任されました…それでは、目を閉じて頂けますか?」

自分にとって、ヴィルヘルムがどんな存在かを語ることなく。
ヴィルヘルムにとって、自分がどんな存在なのかも聞かず。
彼の傍らに立ち、彼の顔の高さに自分の顔と、手の高さを合わせるように腰を曲げ、手を彼の顔の近くに差し伸べ…彼に笑みかけた。

ヴィルヘルム > 不毛な束縛の中で微かな光をつかむような生活。
それをあまりに長く続けすぎてしまったのだろう。
自由の中に居場所をみつけることこそ最上の幸福に違いないのだから……。

「……これで良いですか?」

貴女の瞳を,そしてその指先を見つめて,それからゆっくりと,しっかりと瞳を閉じた。
貴女が何をするのか全く想像もつかなかったが,それでも僅かほども躊躇しないのは,貴女を信頼している証拠だろうか。

クローデット > 「ええ…ありがとうございます。
少しの間、頭を動かさないで下さいね」

目を閉じた青年に、優しく語りかける。
それから…自分の手に、魔力を集めた。

「…かの者に、彩りより確かな装いを…『薄膜(マブラン)』」

そう唱えてから、クローデットはヴィルヘルムの顔にそっと手を伸ばした。
まずは目の周り、それから口元を、そっと手でなぞるように触れる。

手でなぞった部分に魔術的な皮膜を被せて造形を作り替えてみせる、単純な変装術だ。
持続時間は長いが根本的な変身にはほど遠いし、何より、「表面」にかかる都合上一部防御術式の効率を落とすので、自分ではほとんど使わない。
ヴィルヘルムが動かなければ、なぞった範囲に出来上がるのは少し大きく、まつ毛が際立つ目元と、少し赤みを増し、柔らかく厚さを増し、少しだけ小さくなった唇だ。
青年が鏡を見た時には、少々の「男装」では容易く「男」にならないような顔に、微妙に変わった自分の顔を見ることになるだろう。

常人なら違和感はないだろうが…魔力感受性に優れる青年ならば、なぞられた部分に何かがくっついているような、違和感を覚えるかもしれない。

「…次の「手」を加えます…しばし、声を出さないで頂けますか?」

一つのプロセスを終えたことを示すように、そう告げるクローデット。

ヴィルヘルム > 「分かりました……けれど,……。」

優しい声と,頬を撫でるような,貴女の掌の感触。
ヴィルヘルムが自分の言葉に逆接の接続詞をつなげたのは,

「………………。」

魔術的な感覚のみならず,貴女の手が撫ぜる感覚も同様に,
ヴィルヘルムにとってはひどくこそばゆいものだったからだ。

それでも必死に耐えていたのは,貴女に迷惑をかけないためでもあり,貴女に情けないところを見せたくないという子供じみた感情のためでもあった。

「…………。」

小さく頷く。声を出すなと言われたので,それ以外に答える手段がなかった。

クローデット > 「ありがとうございます」

ヴィルヘルムが小さく頷けば、今度は、クローデットはヴィルヘルムの喉元に、そっと手を当てた。

「我が定めし音のみを奏でよ…『調律(アコーダージュ)』」

拒絶しなければ、青年の喉には、顔に張りついたのと同様の違和感が宿ることだろう。
青年の喉に、魔術によるヴォイスチェンジャーが組み込まれたような格好になるのだ。
変換先の声は、彼が「マリア」であるときに作るより少し「女性」に傾いた、柔らかく、ほんのり甘い声。

「…あとは、この細工を隠せば終わりですわね…
ああ、その椅子に座ったままであれば、自由にして頂いて結構です」

そう言って青年の身体を「名目上」緊張から解き放ってから、クローデットは大掛かりな隠蔽術式のための集中に入り…そして、詠唱を始めた。
術式を終えるか中断させないと、会話には応じてくれないかもしれない。

ヴィルヘルム > ヴィルヘルムは貴女の意図を読み取ることができなかった。
同様にして,今,己の身体に起きている変化の一片をも,理解できてはいない。

「…………すこし,くすぐったかった……。」

自然に呟いた声が,まるで女性のそれであるということに気付いて,初めて糸口を掴むに至る。
ヴィルヘルムは驚き,貴女を見たが……貴女は詠唱に入っていた。

「………………。」

任せると決めたのだ。
ヴィルヘルムは何も言わず,詠唱を続ける貴女を見つめていた。
貴女が詠唱を終えて瞳を開くまで,ずっと……貴女を信頼し,不安を感じつつも,全てを委ねた,柔らかな表情で。

クローデット > 隠蔽術式は、分かりやすい変化をもたらさない。
ただ、魔力感受性に優れる者であれば、「何かある」ことくらいは分かるかもしれない。

「…これで終わりです。
…不思議そうな顔をしていらっしゃいますわね」

「鏡をご覧になりますか?」と、くすくすと笑いながら、驚きと不安と…信頼の入り交じる表情で自分を見る青年に視線を返して、尋ねた。

ヴィルヘルム > 貴女の笑顔を見つめ返して……青年は,いや,少女は首を横に振りつつ,笑った。

「見なくても分かるよ…………いや,違うね。
見なくても分かりますわ,ルナン様。」

服装こそ男性もののままであるものの,そこに座っているのは紛れもなく【マリア】だった。
そしてその発言からもわかるように,【ヴィルヘルム】はそれを容易く受け入れていた。

クローデット > 「…お話が早くて、助かりますわ」

「青年」が、速やかに「少女」の仮面を被る様を見て、花の綻ぶような微笑を零す。
かつて、クローデットが「少女」に見せていた微笑、そのままだった。

「「嘘」を暴く段取りの相談の過程では都合が悪いでしょうから、その際には解きます。
相談が回を重ねるようでしたら、かけ直して、それを繰り返して…話がまとまった後、別の場所で集合して…それで、完全に解除してから「連行」、の手順を想定しておりますの。
それで構いませんか?」

そう、今後の段取りについての提案を、事後に振る。

ヴィルヘルム > 貴女の笑顔…自分に一時の居場所を与えてくれた,優しい笑み。
再び自分に向けられたそれを,【マリア】は心から嬉しく思った。

「……私には,ルナン様のお立場も,お仕事も,全てわからないことだらけです。
ですから,私はルナン様のなさることを信じますわ。」

「……って,約束を破った僕が言っても,一つも説得力が無いですね。
すみません,勝手な事ばかりを言っていて。」

ヴィルヘルムとしての言葉にも,貴女への疑念や,悪意,憎悪はまったく含まれていなかった。

クローデット > 「…そうまで言って頂けますと、委員会冥利につきますわね」

「マリア」と「ヴィルヘルム」、2つの立場の言葉を受けて、クローデットが思案がちに目を伏せがちにして、口元だけで優しく微笑んだ。
瞳には少し前までの冷たさはないが、感情の色は、いくつも入り交じっているように感じられるかもしれない。

「…全く、怒っていなかったと言えば嘘にはなってしまいますけれど。
謝罪はして頂きましたし、次善策も受け入れて頂けて、そう仰って下さるのですから…もう、お気になさらなくて構いませんわ」

そう言って、花のように笑むクローデット。
…目の前の人物は、それが「少女」だから向けられる表情なのだと、誤解しているかもしれない。

そうして、再び「女性二人」かのようにお茶を楽しんで、クローデットは「マリア」を送り出すだろう。

ヴィルヘルム > 実際のところ,再び少女となった青年は誤解を胸に家路につくことになった。
それは,貴女が想定した通りの誤解。

しかしそれは,誤解であるにせよ,ヴィルヘルムにとって幸福なものには違いなかった。

貴女と時間を過ごす口実も,そこに居るべき理由も,
こうしてまた,作り出すことができたのだから。

ご案内:「クローデットの私宅」からヴィルヘルムさんが去りました。
クローデット > クローデットは、その実、「「嘘」を完全に自分の管理下に置いた」ことに安堵しているに過ぎなかった。
異邦人(ヨソモノ)で、異能者(バケモノ)の他人の、根幹を「支配」したことで、自分の敵となり得なくしたことに。

「…さて…委員会に、連絡でも…」

「少女」を見送り、また発作的に頭痛が起きたことにでもしようかと考えた、その時…

《クローデット…!》

頭が割れそうなほどの音量で、重さで。
「大切な人」の呼び声が、悲鳴が聞こえた。

クローデット > ちゃんと、「敵」を「支配」してやったのに。
それでも駄目なのかと、罪悪感を覚える瞬間を僅かに持ったきり、クローデットの意識は途絶えた。

『お嬢様…!』

ハウスキーパーの悲鳴を、遠くで聞いた気がした。

ご案内:「クローデットの私宅」からクローデットさんが去りました。
ご案内:「ラブホテル」に飛鷹与一さんが現れました。
ご案内:「ラブホテル」に柊 真白さんが現れました。
飛鷹与一 > 先日の半ばその場の流れと自身の血迷った言動などにより、気が付けばこんな事になっていた。
無論、望んだのは自分自身であるし、風紀委員としてマズいのでは、という事も織り込み済み。
流石に今夜は私服姿であり、狙撃銃も携帯はしていない。
現地集合、という感じで歓楽街のとあるラブホテルの前で約束相手と合流し、そのまま中へ…。

「……今時のラブホって無人受付が多いっていうのは本当だったんですね…」

と、受付を済ませてホテルの一室に移動すれば…物珍しそうに内装を見渡してしまうのも無理は無く。
「…うわ、バスルームがガラス張りで外から丸見えなのか…」とか呟いていたり。

取り敢えず、ボケーッとしていてもしょうがないのでコートは脱いで備え付けのハンガーにでも掛けておこう。

柊 真白 >  
使った事がバレると不味い人も居るから。

(彼の呟き――独り言だったのかもしれないが――に答え、コートを脱ぐ。
 手持ち無沙汰というより慣れていない感じの彼とは逆に、部屋に入るなりコートを脱いでこちらもハンガーに。
 刀はベッドの脇、手を伸ばせばすぐに掴めるところにおいておく。)

――どうする。
する?
それともお風呂入る?

(淡々と尋ねる。
 人によっては汗の匂いが好きだという人も居る。
 仕事である以上――彼からはお金は貰っていないが――、客の満足度をあげる努力は怠らない。)

飛鷹与一 > 「……ああ、成る程。実際入ってみないとこういうのは分からないものですね」

生真面目ではあるがストイックでも枯れている訳でもない。その手の知識はそれなりにある。
…が、ラブホ初体験なのでどうしてもあれこれと気になってしまうのは仕方ない。

「…取り敢えずお風呂にしましょうか。…あ、お風呂は先に柊さんにお譲りします」

ここで一緒に入る、という選択肢が出てこない辺りが不慣れというか童貞である。
淡々とした彼女と同じく、表面上は冷静だが…内心は結構緊張していた。無理も無い。
あと、こんな時も刀を持参しているのは凄いと思う…流石に切られないとは思うが。
そして、少年としては特に仕事だ客だという意識は無いのである。
そもそも名目がスマホのトラブル?解決のお礼だ。まぁ、まさかこういう事態になるのは想定外だが。

柊 真白 >  
(とりあえずお風呂。
 まぁ常識的な判断だろう。
 その後に続いた女性に先を譲るというのも至って常識的だ。)

一緒に入れば良い。
待ってる間暇だし。

(ここがそういう場所だという事を考えなければ。
 ラブホテルとはつまりラブのホテルだ。
 やることなど一つしかない。
 そんなところだから湯船も一般的なホテルよりかなり広い。
 元から二人で入る事を想定されているのだし、されているのなら二人で入った方が合理的だ。
 情緒も何も一切無く、そんな合理的判断の元に彼の背中を押して脱衣所へ。)

飛鷹与一 > 常識的判断をするのは、つまりこういう事態に全く慣れてない故に”当たり前の反応”をしてしまうせいだ。
少年がもう少し性的な事に慣れていれば、リードは無理でも阿吽の呼吸で進むのだろうが。
まぁ、その辺りは彼女がそれとなくお姉さん的な感じでフォローしてくれる…筈。

「……は?…え、いやまぁ、確かに待ち時間が…って、柊さん!?」

残念ながらリードどころか、そもそも主導権は完全に彼女が握っているに等しい。
そもそも経験の差があり過ぎるのだから…で、背中を押されて脱衣所にゴー。

(……参った、予想以上にどうしていいか分からない!)

等と内心でパニクりながらも、脱衣所に二人して入ればあきらめた様に服を脱ぎ始める。
タオルとかその他諸々は完備されているのでそこは特に問題は無い。

…まぁ、場合によってはお風呂から全裸でベッドに直行も普通に有り得そうだが。

柊 真白 >  
(常識的な反応は特に気にしない。
 童貞だと彼から事前に言われていたし、こちらもそう言う対応を期待していたわけでは無い。
 むしろその辺に慣れてもらうと言うのも、所謂筆卸しの中の一つだとも思っている。
 自身は服を脱がずにまず浴室へ。
 暖房のスイッチを入れて、湯船の蓋をしてからお湯を入れる。
 そうして脱衣所に戻ってきて、何のためらいも無く服を脱いだ。)

時間は気にしなくて良い。
なんなら朝まで居ても良い。

(童貞さんの性欲はすごい。
 すごくないのもいるけど。
 一緒に入るのはそう言う意味ではなく、)

基本的にこういうところへ着てくれる女の子は、そう言うことを期待してきてる。
だから別に一緒にお風呂にのは失礼ではないことの方が多い。
本番前の軽いスキンシップも取れる。

(こういうことだ。
 未経験を経験済みにすることが筆卸しではない、と考えているからだ。
 脱いだワンピースを畳んでかごに入れ、淡々とぱんつや靴下も脱ぐ。)

ご案内:「ラブホテル」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > まぁ、隠しても態度や仕草で童貞と直ぐにバレる以上、隠す必要性も理由も無く。
だからこその自己申告をした訳で…それに、こういう体験はある意味で慣れと場数だ。
と、先に浴室へと向かった少女に首を傾げ…あ、お湯入れてないと気付いた。
緊張しすぎて当たり前の事も当たり前に考えられなくなっている…マズい。

「…朝までは流石に――……いや、折角ですしお願いします」

彼女の言葉に、最初こそ遠慮…する場面でもする必要も無いと思ったのか言い直す。
性欲に関しては人並みにあるつもりだが、まともにセックスするのはこれが初だ。
なので、少年は自身の性欲がどの程度かをまだ把握しきれていない。

「……成る程、勉強になります」

彼女からのレクチャーのようなお言葉に真顔で頷く。確かに考えればそういう場所だ。
既にある程度の相互了解が取れているのだから、相手と場合にもよるが割と混浴もセーフなのだろう。

取り敢えず、こちらも一通り脱いで…タオルで股間は一応隠しておこう。
既に本人の緊張とかとは裏腹に股間のモノは屹立している訳だが。

柊 真白 >  
(こちらはタオルこそ持っているが、なにも隠そうともしない。
 真っ裸になって浴室へ。)

おいでよ。
寒いでしょ。

(室内とは言え冬だ。
 加えて脱衣所というところはかなり冷える。
 浴室も似たようなものだが、暖房が付いているだけまだマシだろう。
 椅子を置いて蛇口を捻り、シャワーからお湯を出す。)

――洗ってほしい?

(ちなみに椅子は所謂スケベ椅子というやつだった。)

飛鷹与一 > (……凄い今更なんだけど、何か微妙に犯罪臭が漂うのは気のせい…かな?)

経験云々は別としても、外見だけを比べてみればちょっとアブないのは否定できないかもしれず。
と、彼女の声に促されるようにこちらも腰にタオルを巻いた状態で浴室へと。

「……いや、それは………お願いします」

暖房を予めセッティングしてくれていたお陰で脱衣所に比べれば暖かい。
それよりも、問題なのは…彼女の申し出。…断る理由も無いので受ける事にした。
しかし、これはスケベ椅子というものだろうか?ついついジッと観察してしまう。
これ、普通に座っていいのだろうか?くぼみの使い方も少年はあまり知らないのだ。

柊 真白 >  
わかった。

(了承の言葉を告げ、彼の身体にお湯を掛ける。
 タオルも濡らし、ボディーソープをあわ立てて。
 泡塗れのタオルで背中をわしゃわしゃと擦る。)

――思ってたより、がっしりしてる。

(見た目の印象とは違って、意外と筋肉が付いている。
 タオルは背中から腕、脚へと移動。)

飛鷹与一 > お願いします、と軽く会釈をしつつスケベ椅子に取り敢えず腰を下ろして後は彼女にお任せする。
まず掛け湯…それからボディソープで泡立てたタオルで背中をワシャワシャされていく。

「……ん、本土に格闘術の師匠が居るんですけど、毎日キツい鍛錬こなしてたので。
こっち来てからも走りこみとか筋トレとか…そういうのは欠かしてません」

少なくとも、体術をこなす程度の体作りは成されている。意外とガッシリしているのがその証左だ。
そして背中を洗うタオルが今度は腕、その次は足へと移動していく訳で。

(…絶妙な力加減だな…結構気持ち良いかも)

等と、段々リラックスしてきたのかそんな事をボンヤリ考える。

柊 真白 >  
ふうん……。

(格闘術、それもキツい鍛錬と言う事は、それなりに手練なのだろう。
 以前持っていた大きな得物と良い、ぶつかる事になったら面倒そうだ。
 そんな事も考えながらも手は休みなく動かし、後ろから手を回して抱きつくように胸や腹を洗う。
 こちらの体温は若干低いので少しひんやりするかもしれない。)

――ここも、洗う?

(そうして耳元で囁きながら、彼の股座へ手を伸ばす。
 拒否されなければタオルの上から優しく擦るように。)

飛鷹与一 > 「……とはいえ、この島の人達に比べたら、俺の格闘術なんて付け焼刃にもなるかどうか」

ただのチンピラとかなら余裕で制するが、風紀委員としての活動ではタチの悪い相手や手練れとの戦いも多い。
狙撃の才能があるせいで、専ら後方からの支援射撃等が少年の基本スタイルだ。
ただ、仮にぶつかった場合…厄介なのはこの少年の魔術や異能の方になるだろう。
今はまだ…そもそも、相対するかどうかもまだ分からない事だが。

「……っ!?……えー、と、ハイ」

後ろから手を回されて、抱きつくように胸元や腹部を現れる…のはまだいい。
問題は、問い掛けと共に股間に手を伸ばされた事だ。タオルの上から優しく摩られる。

…それだけで、もうガッチガチに硬く屹立しているのが丸分かりだ。
いや、そもそも脱いだ時点で勃起していたのだけれど…まぁ、健全で正常であるとも言える。

柊 真白 >  
格闘術で勝てないなら勝てるところで勝負すれば良い。

(別に相手の土俵で戦う必要など無い。
 特に自身は侍でもなければ騎士でもない、ただの暗殺者である。
 殺せればそれで良いのであって、相手の得意な事で勝負して殺す必要などどこにも無い。
 そこまでは口にはしないけれど。)

元気だね。

(彼の腰からタオルを剥ぎ取る。
 泡塗れのタオルから泡を手に取り、股間へと塗りつけて。
 そのまま根元から先までを丁寧に洗う。
 ただ上下に擦るだけではなく、裏筋を指先でなぞったり、玉を転がしたり。)

飛鷹与一 > 「…まぁ、自分の得意分野…勝ちの目が高い土俵に持ち込むのが第一でしょうね。
とはいえ、相手も当然対処してくる訳で…駆け引きですね、まぁ」

何か色気の無い話になっているが、これはこれで緊張感を紛らわせるので悪くない。
当然ながら、彼女の職業というか裏の顔など知らないが…只者ではない、という程度の察しは出来ている。
だからといって、根掘り葉掘り聞こうとする悪趣味でもないのだが。

「…そりゃ…気持ちいい…です、し…っ!」

タオルが剥ぎ取られれば、既に元気な股間のモノがそこに。
今度は手に取った泡で根元から先っぽまで丁寧に洗われていく…気持ちいい。
しかも、上下に擦るだけの単調なものではなく、裏筋の部分や二つの玉まで指で転がされる。
…必然、益々股間のモノは絶好調だ。どうしても少し声が途切れ途切れになる。

ご案内:「ラブホテル」に飛鷹与一さんが現れました。
ご案内:「ラブホテル」に飛鷹与一さんが現れました。
柊 真白 >  
(にゅるにゅると両手で彼をいじめる。
 面白いくらいの反応を示す彼を少し可愛いと思えた。)

ありがと。

(そう言って手を離す。
 シャワーのお湯で彼の体の泡を綺麗に洗い流し、今度は前に回って脚の間に膝を付く。)

――どうしてほしい?

(自己主張を続けるそれに顔を近付け、上目遣いで。)

飛鷹与一 > 「…くっ…!」

男が喘ぎ声は何かこう、恥ずかしいというか屈辱的というか妙な気分だ。
我ながらこういう声も出るんだなぁ、とか一部他人事のように思うが…うん、余裕は無い。

「どう、いたしまし…て…!」

駄目だ、どうしても快感に声が途切れがちになる。女の子の手コキは予想以上に気持ち良い。
単に彼女のテクニックが凄いのかもしれないが…と、今度は前に回りこまれた。

「……その、手だけでなく口でもして欲しいかな…と」

これが羞恥プレイというものだろうか?面と向かって言うのは気恥ずかしいがリクエストはする。
手も気持ち良いが、快楽というのは底が無い。必然と”次”を求めたくなるというもの。

(…あと、柊さんその上目遣いは何か反則です…)

ご案内:「ラブホテル」に飛鷹与一さんが現れました。
柊 真白 >  
――えっち。

(くすりと僅かに笑って、自己主張の激しい彼の分身を口へ。
 先端へキスするように唇を当て、少しずつ口内へ迎え入れる。
 半分ほど飲み込んだ頃にはそろそろ先端は口から喉に掛かろうかと言う辺りで。)

――ん、ぐ――っご――

(少しだけ苦しそうな声を上げるも、吐瀉くような事はしない。
 そのまますっぽりと根元まで飲み込んでしまった。
 その間も舌がうねうねと這い回り、絶え間ない快楽を彼に与えようと動いている。)

ご案内:「ラブホテル」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 「……そりゃ、まぁ俺も男ですし」

あ、少しだけ笑った。無表情ばかりを見続けていたのもあり、新鮮に感じる。
…と、いうか普通に可愛いな…と、いう素直な感想を抱いていたのだが…

「…う…っわ…!」

先端へとキスするように唇が宛がわれ、そのまま少しずつモノが彼女の口に飲み込まれていく。
…半分ほど飲み込まれた辺りで、フと全部入りきるのか?という思いはしかし杞憂だった。

「……っ…くっ!」

少しだけ苦しそうな彼女の声に心配になるも、そのまま根元まで飲み込まれればうめき声が漏れる。
更に、舌が生き物のようにウネウネと這い回り、慣れていないのもありいろいろマズい。

(…これ、ヤバい…な!直ぐに射精してしまいそうな気がする…!)

ご案内:「ラブホテル」に飛鷹与一さんが現れました。
柊 真白 >  
(口の隙間から空気を吸い込みつつわざと音を立てて引き抜く。
 抜けるか抜けないか、と言う辺りで再び喉奥まで飲み込んで。)

ん、ぢゅ、っぐ、ぢゅるる、は、ぐ――

(ぢゅぽぢゅぽと卑猥な音を立てながら、頭を前後に揺さぶって。
 流石に息苦しさがあって若干涙目になりながらも舌を動かすのはやめない。
 涙の浮かぶ目で見上げるように彼の顔を見上げる事も忘れず。)

ぷぁ、ん、っふ――

(ついでとばかりに手で彼の脚の付け根や玉などを愛撫。
 擦るように快楽を与えつつ、その動きに合わせて頭を振る。)

飛鷹与一 > わざとなのか自然とそうなるのか、卑猥な音と共に口からモノが抜き出され…たかと思えば。
抜けるか否か、という微妙な位置から再び喉奥まで飲み込まれていく。
何時の間にか、彼女の頭に両手を添えて快感を堪えるのに精一杯な有様で。

(…まず、い…!そろそろ出そう…だっ!)

そうしている間も、頭を前後に振りながら舌の動きも加わったフェラは続く。
少し涙目になっているが平気だろうか?が、気遣う余裕がもう彼には無い。

「……ちょっ…そこまで刺激されるともう…っ!」

手で足の付け根、ならまだしも玉も愛撫されて本当に限界だ。
少しだけ彼女の頭を手で軽く押さえるようにして支えつつ…駄目だ、出る。

「…柊さ…もう…出ま……んんっ!!」

全部言い終わる前にその時が来た。腰を思わず浮かしながら、彼女の喉奥へ射精してしまおうか。
大量のネットリとしてドロドロした精液をタップリと注ぎ込んでしまうかもしれない。

ご案内:「ラブホテル」に飛鷹与一さんが現れました。
柊 真白 >  
(彼の言葉を聞くまでも無く、その反応から限界が近い事は分かっていた。
 より激しい動きにしながら、タイミングを合わせて喉の置くまでぐっぽりと咥えこんだ。)

――んっ……!
んぐ、く、――ご、ん――

(喉へ吐き出される精。
 思ったより勢いがあって量の多かったそれを飲み下していく。
 息が苦しいが、暴れたり意識が飛んだりするほどではない。
 射精が収まった後、尿道に残る精液を口で吸い取るように引き抜いて。)

――ちゅ、っぷ、は――く、はぁ、――んぐっ、ん。

(口の中に溜まった精を飲み込む。
 前髪が汗で顔に貼り付いているのがわかる。
 若干漏れて口の端に付いた精液を舐めとって飲み込んだ後、もう一度彼のモノを咥えこんだ。
 彼自身の精と自身の唾液を文字通り舐めるように綺麗にして、口から離す。)

――たくさん出たね。