2017/08/27 のログ
ご案内:「歓楽街・夜の路地裏」に遼河 桜さんが現れました。
遼河 桜 >  
宝石店等がテナントに入った、少し大きな建物
そしてその隣と後ろ隣もまた複数階を持つ、小さなビルだ

建物の隙間は薄暗く、ちょうど人が両手を広げて通れる程度の開きがある
夜が更け、表の通りは喧騒を増してゆく───

表の明るさがほんの僅かに影を映す、そんな場所で………

表から聞けばそれはとてもとても小さく、普通の人ならば気のせいかと片付けてしまうような
そんな小さな、少女の悲鳴が聞こえた

遼河 桜 >  
「"キャッ"じゃねーよ。猿かてめーは、あぁ?」

続いて聞こえてきたのは、男…とするには少々声色の高く細い声
ドスの聞いた少女の声…と言っても通るかもしれない

乱暴な言葉を投げかけられた──
恐らく突き飛ばされたのであろう女は蹲って怯えたような表情を見せる

「人の連れに色目使ってんじゃねーぞ豚。
 二目と見れねーツラにしてやろうか。あ?どうなんだよ何か言えよコラ」

蹲る女の目の前に屈み込み、乱暴にその髪を引っ張り顔をあげさせる

女の顔は怯えきり、不安と恐怖に瞳が忙しなく揺れる
つい先刻までは可愛らしく笑顔を振りまき、男に媚びるような言葉を
つらつらと紡いでいた唇も今はただただ震えるのみだった

遼河 桜 >  
「つーか、何?その程度のツラで男引っ掛けて遊んでんの?
 コンクリートみてーにブ厚い化粧引剥してお前がコナかけた男の前に放り出してやろうか?」

再び突き飛ばす
打ちっぱなしの壁に叩きつけられ、小さな呻き声が漏れた
続くように、バシャリという音───

都合よく路地に放置されたバケツに溜まっていた水を浴びせると、再びゆっくりと
プレッシャーをかけるようにして歩み寄る

「でさあ、何震えてんだよ。さっきみたく可愛らしくお願いしてみろよ?
 助けて何もしないで、って
 子猫に話しかけるみてーな甘ったるい声でさあ、ほんっと鳥肌立つわ」

薄暗い路地に鈍い音が響く
一回、二回、三回
丸まって身を守るしかできない女を相手に容赦なく踏みつけるような蹴りを入れてゆく

遼河 桜 >  
何度目かという蹴りが腹部にめりこみ、女は嗚咽と吐瀉物を吐き出した
それを見るとサクラは嫌なものを見るように眉を潜め、その頭を足蹴にすると。
やがて、小さく消え入るような声で"ごめんなさい"という言葉を繰り返しはじめる

「別に謝ってもらわなくてもイイんだよなぁ。
 あのさ、ブタに謝罪もらって嬉しいとか、心が晴れるとか、あると思うわけ?」

取り出した爪磨きで指先の手入れをしながら、
ぐりぐりとローファーの踵で女の頭を綺麗とはいえない地面へと押し付ける

遼河 桜 >  
「二度とあの店に、っていうか歓楽街に来るなよ。
 ……つっても来るだろーし、どーせお前、そのカッコで風紀委員に泣きいれにいくだろ」

ようやくその足を退け、
女の肩を蹴るようにして、壁に押し付ける
恐怖と、涙やいろいろなもので見るも無残な状態となった女に顔を近づけて

「そんな気が起きないようにしとかないとなぁ…。
 あ、でかい声出すなよ?その顎がバラッバラになるまで蹴るぞ。
 あと動いたら怪我増えるからな~」

念押しの後、
水をかけられぐっしょりと濡れた女の服をカッターナイフでズタズタに引き裂いてゆく

───ほぼ全裸に近いような状態になった頃、パシャリというシャッター音とフラッシュが路地裏を照らす

遼河 桜 >  
「ほらピースピース。笑えよバカ女。
 お前の大好きな金もってる男に見てもらうんだから愛想よくしろよな」

嘲笑混じりに、咽ぶ女をあらゆるポーズを織り交ぜてその写真を撮影する
ついでに引き裂かれた服と地面に落ちたバッグを漁り、財布を取り出し中身を確認する

「勘違いすんなよーこんなはした金いらねーから。
 うわ、お前コンドームとか常備してんの?ヤリマン豚の鑑じゃん。
 ──と、あったあった…と」

取り出したのは定期券と免許証
それも写真をとり、財布と共に女へと放り投げる

「名前も住所も抑えたからな。
 さっきの写真、実名と住所入りでネットにバラ撒かれたくなきゃ大人しく泣き寝入りしとけよ
 水かけられて蹴られるぐらい、
 人生終了と天秤にかけるほどのモンでもないって、ブタの知能でもわかるよなあ」

遼河 桜 >  
「はーあ、めんどくせーことさせやがって。
 ったく折角いい気分だったのにブチ壊しだ」

ぐーっと背伸びをして、その背を向ける
気も晴れたし、やることはやったしもう用はない

その背中に、女のか細い声が届く
その声は涙声で、ところどころが掠れていて、
決して聞き取りやすい声ではなかったものの…

サクラにははっきりと何を言っているかがわかった

遼河 桜 >  
「"なんでこんなことをするんだ"って…?」

振り返る

女へと向き直ったその顔、その眼はどこまでも冷たく
まるで食肉加工場へと運ばれる、文字通りの豚を見るような、哀れな眼でもあった

「嫌いなんだよ、嫌い。
 お前らが、お前ら全部が、虫唾が走るぐらいに、全身鳥肌たってきもちわりーぐらいに。
 見た目がいいだけの女を金でご機嫌とってヤらせてもらおーって下心丸見えのオヤジも、
 てめーみたいなイイ男に媚び売って可愛こぶっていい気分にさせてもらおうってメスブタも」

一息に捲したて、終わればすぅー、はぁーっと大きく深呼吸をする

遼河 桜 >  
──その表情は、路地へ女を誘い込んだときの、
可愛らしく、笑顔の眩しい少女のものへと戻っていた

「なーんて♪
 人を大好きになるのに理由がないってゆーんだから、
 人を死ぬほど嫌いになるのにだって別に深い理由、いらないよね♡」

にっこりと微笑み、まるで親しい友人と別れる時のようにじゃあねーと手をひらひら振って、
明るい光の差す、歓楽街へとサクラは足取り軽く戻っていくのだった

ご案内:「歓楽街・夜の路地裏」から遼河 桜さんが去りました。