2017/11/04 のログ
ご案内:「落第街/スラム」に近衛 昴さんが現れました。
ご案内:「落第街/スラム」から近衛 昴さんが去りました。
ご案内:「落第街/スラム」に近衛 昴さんが現れました。
ご案内:「落第街/スラム」にHMT-15さんが現れました。
HMT-15 > 「欲望か、無いものねだりをしても仕方がない。
現状で何とかするしかない。それにHMTは
何も軍用だけに留まらない、収納できるように
しておかないと色々と支障が出る。」

いつも通りの機械音声で淡々と。
確かに言われてみれば欲が無いというのはある意味的を得ているかもしれない。
自身は好奇心を満たしているがそれはあくまで
自由時間があるからで自らねだったりはしない。
しかしそれでいてこのロボットにはたった一つだけ
無いものねだりをしている節がある。

「ただ気になっているだけだ。
それにコードを構築してもボクの感覚では
全くわからない。だからこうやってキミに試してもらっている。
おかげでサンプルが取れた、ありがとう。」

このロボットにとって人間の感覚は
感覚としてではなくコードという視覚的な情報として
見ている。例えるならば人間の熱いという感覚を
何度という具体的な数字で見ているに過ぎない。
またロボットはふむふむと感心している様子であるが
肝心のコード送信を停止していない。

近衛 昴 > 彼は機能の一部くらいに思っているだろうが、少女から見てみればあんなギミックを実現させている技術者は実用よりも浪漫の人だろうと考えてしまう。それくらいにあの収納からの展開の動作は惚れ惚れするほどかっこよく、いい趣味だと頷くか。

「あ、ありがとう、じゃない、ひ、ひひッ、ぅ、くくっ、あははッ!やめ、息、息できない、苦し、ふは、はははッ!」

そもそもデータの塊の今の状態では息をする臓器も呼吸の必要もあったものではないのだろうが、人間としての経験がそう思わせてさせているのだろう。
まるでモルモットでも観察されるように笑い声を上げて転がり回る姿から淡々とデータが取られるも一向にコードが停まる気配がなく、強制的に止めようにもイメージして書き換える余裕などあるはずがない。
くすぐったさに身を丸めて触れられる面積を少なくしようとするもそれは現実の話、データである以上どんな体勢を取ろうが防ぎようがなく、ただくすぐるレベルだが終わりが見えなければ拷問にも近く、瞳を見開いて泣き笑いしている状態で。

HMT-15 > 「・・・!すまない。」

まるで戦闘の時のように素早い反応。
データリンクしていたからか
彼女のバイタルが危険な数値まで達している事を
確認すると直ちにコード送信を停止し
代わりに[鎮静剤]に当たるコードを送信するだろう。

「本当にすまない、あともう少しで殺傷にまで至るところだった。」

応急処置を施すと声自体はいつもの合成音声だが
シュンとして少しシャーシを落とす。
それからは人間の応急手当てを参照しながら
前右足の物々しい鋏をゆっくりと彼女の額に当てる。
それの金属ゆえの冷たさが彼女を冷やすかもしれない。
しばらくは彼女が落ち着ていくのを
ゆっくりと見守る。

「少しお願いがある。
キミの能力を見込んで任務に協力してほしい。」

もし彼女が落ち着けば唐突に話を切り出すだろう。

近衛 昴 > ようやく身体を襲う感覚から解放されると胸を上下させながら乱れた息を必死に落ち着けようとし、ぐったりとしながら何で死に掛けそうな目によく遭うのだろうと疑問が浮かぶ。
さすがロボットだけあって手加減がないのは戦闘だけでなかったことに真面目に思いながらも、本当は遊びが理解できないといっていながら遊ばれているのではないかと疑いもあって。
額に当てられる彼の体からは触れている感覚はあるが温度までは感じられないが、彼の気遣いにそれでも嬉しいのか笑みを浮かべてありがとうと答えるか。
大分落ち着いてきてもとの状態に戻りつつあると唐突に彼が口にした任務、いやにかしこまっている上に任務の協力など初めてのことだから驚きを隠せない。

「はーッ、はーッ、もう大丈夫だから、ありがとイチゴウ。任務?ボクに?協力?い、いいけど、さっきの続きとかは簡便だからね。で、どんなに任務なの?」

ここまで改まるのだからさぞや重要な任務なのかとドキドキしながら、静寂の中内容が話されるのを待つと思わず喉が鳴り。

HMT-15 > 「ありがとう、まずはこれを見てほしい。」

そう告げると彼女に直接いくつかのファイルが送られる。
そこに記載されているのは違反部活の概要、
拠点の大まかな地形。

「先程、受け取った任務だ。これは拉致した人材を利用した
売春を組織している違反部活で
その他人間含め様々な種族の雌をオークションに出したり等で
最近莫大な利益をあげているらしい。
目標はこの組織に対して壊滅的な打撃を与える事。」

恐らく彼女に送られた資料ファイルの中にも
過激な映像を含んでいるものがあるだろう。

「拠点は丁度このビルの隣の建造物。
そこでキミにはその透過の能力を利用して
構成員と商品の配置、具体的に中で何を行われているのか
確かめてほしい。」

作戦のブリーフィングのように無機質に語り続ける。
ここでいう商品とは所謂女性の事。
そんな場所へ少女を偵察に行かせるというのも酷な話だが
それも彼女の能力をある程度信用しての事。
加えて任務に協力すれば風紀委員会と太いとはいわないまでも
ちょっとしたパイプを築けるかもしれない。

近衛 昴 > 笑い死ぬようなことさえなければいいと受け取ったファイルを開いてみるとビルの見取り図に組織の概要データ、そして組織が資金源の1つにしているだろう性的な映像のデータ。
流石に最後のデータの直視には気まずそうに困った顔を見せるも、内容を説明されれば自分が選ばれたのも納得だ。
壁の透過能力、基本的に物理無効、互いの位置が把握できるので巻き添えにされる危険もなくスポッターとしても動ける、確かに適任といえるだろう。

「この組織は…いいけど、結構数がいるけど大丈夫?内部は、なるどね。イチゴウ、すぐやるなら貫通弾とかある?」

偵察だけにするも少数でそのまま叩くにするもこれ以上の組み合わせはないだろう。
短いかもしれないがパイプが築けるなら安い買い物だ。
完遂の暁にはこちらも頼みたいことがあると条件を出し、おまけといわんばかりに笑わされたお返しもさせてもらうと任務を了承して。

HMT-15 > 「スポッターとして動いてくれるのならばありがたい。
20mm弾ならこれくらいの壁は容易に貫通する。」

そう言い終えるとロボットの背部が眩く発光し
出現したのは彼の全長を超えるガトリング砲。
スピンアップをしつつ
各射撃システムを立ち上げていく。

「キミにはもう一つ商品の避難誘導を頼みたい。
その姿では戦闘能力は限られているのでは?」

彼女を気遣ったような発言。
それに保護対象が紛れていては攻撃も難しくなる。

「キミの合図で射撃を開始する。」

まず彼女の偵察が行われてからだ、
それまでは射撃体勢を整えて待機する。

近衛 昴 > 姿を現した重厚な佇まい、円滑な回転と浪漫を詰め込んだようなガトリングの銃身に見惚れながら、製作者はわかっている人だと顔がにやけてしまうが今は任務に集中しないと。
目的は脱出の為の誘導と敵位置の把握、今の少女がどちらに対しても物理無効なのを把握しているのか彼の気遣いに対し、撃つ時はこっちのこと気にしなくていいからと続けて。
彼が射撃位置に付くのを確認してビルの屋上から屋上へと浮いて移れば、そこから下へと透過しながらまずは最上階を探っていく。
あるのはモニター室といかにもな重役の部屋と思われる部屋、出払っているのかいるのはモニター室の1人。

「今F6にはいった、恐らくモニター室はあそこか、イチゴウ扉の前に出てきたらなるべく音を出さないように1発で」

モニター室の前の天井に仕掛けられたカメラに移りこみながらフリフリと手を振って見せれば気づいた男が中から出てきて、どこから逃げ出したか少女が背にしている壁のほうへと近づけば本来なら重なって貫通で射撃などできるはずもないポジション取りだが、少女と彼には通用しない。
まず最初の障害を排除できればモニター室で証拠となるオークションの監視カメラの映像、来場者の顔を移した名簿、そしてそれぞれの場所を確認して送信する。
まだオークションが始まる前だから商品がばらついていないからまだいいが、商品の保管場所は地下一階、入り口は一箇所のみ。
地下の方は引き付けてから扉をロックすれば巻き込まれないだろうが、問題は商品の一部で楽しんでいる者たちが2フロア下に散っているので引き付けないと巻き込む恐れがある

HMT-15 > 「制圧モードへ移行。」

FCS等全てのシステムのスタンバイが完了し
不気味に光る四本のヘビーバレルがこれからの惨劇を
予測させる。

「了解。」

昴の射撃支援を電波越しに受け取れば
機関砲のスピンアップの速度が増していき
そして一回だけ破裂するような炸裂音。
発射された20mmの徹甲弾は回転しながら
いくつかの壁を破っていき指定された目標に着弾する。
それは銃弾ではなくもはや砲弾、食らった人体は
弾け飛んで血とぐしゃぐしゃになった臓物が壁にへばりつく。

「敵構成員の位置を確認したが近くに商品が居る、
このままでは攻撃は不可能だ。
何とかして構成員だけ固められないか。」

何とも無茶に近い要求を彼女にだす。
しかし敵を一個に集めることが出来れば
ガトリング砲の本領である弾幕で一掃できる。
この場は彼女の腕の見せ所だろう。

近衛 昴 > まさか目の前の少女を突き抜けて弾丸が飛来するなど考えてもいなかっただろう、人が肉片へとなる光景は見ていて気持ちのいいものではないが、それよりも最小限の射撃音で正確な射撃に流石だと感心しながら次の作戦へと移ろうと。

「…クリア、モニタールームに入る。どうにか誘導しないと、どうしたら…」

各部屋のカメラを確認すれば2フロア下でお楽しみの最中の連中が厄介だ、数人の自分と同い年の少女達が男達に囲まれてもてあそばれている光景が映っており、とてもではないが自力で逃げ出すのは無理だろう。
だとしたら被害がない場所までおびき寄せる必要がある。
まずは地下にだけ警報を出して構成員を誘導し、即座に商品の保管フロアを遠隔で閉鎖し操作不能にして、1階までまでモニター室から直接透過で降りてゆく。
そして警報によって地下から出てきた男達の前へと姿を現した少女は事前に衣服を消して何も見につけていない姿、その光景と警報に逃げ出したのだと男達に思わせれば後は上へ逃げるだけ。
可能な限り騒ぎを起こしながら集めるだけ構成員を集め、飛び込んだのは男達が楽しんでいる部屋。
人形のように無反応になったものよりもまだ活きがいい少女を男達が見逃すはずもなく、部屋の中を逃げ惑いながら使い捨てられた商品達から遠い部屋の隅へと誘導してゆこうと。

「はぁッ、やだ、来ないでッ!ひっ、嫌あぁッ!」

完全に怯えた様子で逃げ惑う演技をしながら部屋の隅へと追い詰められ、醜悪に歪む男達の視線を浴びながら男達が囲みを狭めてゆく。
そして我慢できなくなった1人が覆いかぶさろうとした瞬間、怯えていたはずの少女の顔が変わるだろうか。

「あ、ぅあ、あぁッ………なんてね、バイバイ」

そのまま背後の壁に体重を任せるように透過して下の階へと消えてゆこうと、そしてそれを合図に

HMT-15 > 昴は商品の少女たちと同じくらいの年齢である事を
生かし警報を鳴らした後に構成員達を誘いつつ
上部フロアへと昇っていく。
そしてあるフロアで昴が数多くの構成員に囲まれるが
恐らくこれが合図だろう。

「弾種を焼夷榴弾へ。」

そのフロアには構成員しかいない。
ならば範囲攻撃に優れた弾を使うのが効率的にも
コスト的にも良い。

「掃射開始。」

無機質な一言と共に背部のガトリング砲から
砲撃が開始される。毎分2000発を吐き出すその機関砲は
まるで獣の咆哮のようなそんな音をたてる。
そして焼夷榴弾の集中豪雨は数秒と経たずに
目標のフロアへと叩き込まれていく。

遠隔でロックされたその部屋に逃げ場などない。
榴弾の爆発が人体を引き裂きジャムへと変え
出口を求めてむなしく叫び逃げ回ろうとしても
飛び散る数千度のテルミットが身体の一部を失いつつ
辛うじて生きている者へ浴びせられ
恐ろしい燃焼と共に溶けていく。
またその過程でそのフロアの壁面が吹き飛び
部屋自体が露出しているような状況に。

その間に容易に人質誘導を行えるだろう。
彼女の商品の安全確認と違反部活のデータベースへの
電子的破壊を待つ。

近衛 昴 > 上層階で派手に鳴り響く爆音今ので大多数が巻き込まれただろう、残りもこの騒ぎだ蜂の巣を突いたように逃げ惑うだろう。
後は火災警報を鳴らして地下の階の扉を開放するだけだが、これだけ派手にやれば警報を鳴らしにいくまでもなく既にベルが鳴り響いている。
殆ど骨組みだけになった上の階の炎の中をものともせずに突っ切り、崩落まで残された時間が少ない中モニター室へと急ぎ駆け上がっていくだろうか。


「イチゴウ、ノリノリだな…だけど、これは急がないとまずいな」

モニター室へと飛び込めば電力供給が切れる前に地下のドアと檻のロックを全解除、そして証拠データの吸出しを始めるがコピーのバーが満ちてゆく時間がもどかしい。
建物は軋み始め足元も揺れ始めているがまだあと数パーセント完了していない。
今にも崩れそうなビルの中でコピーのバーを睨み付け、崩落が始まった瞬間ようやく完了する。
咄嗟に置かれていたサーバーへと今あるデータを無造作に関係のないデータへ置換するプログラムを叩き込んだ瞬間、足元が崩れてビルは砲撃の遭った上階が半壊するだろうか

HMT-15 > 「ノリノリ・・・?」

少女の発した一言にまたまた顔を傾げるが
今はそれどころではない状況のようだ。
機関砲の砲撃が構成員どころか建造物の基礎構造までも
粉砕してしまったゆえに崩落が始まってしまう。
奇跡的にもデータコピーは完了しロボットの元へも
転送されてくる。昴が透過できる状態にあった事と
商品たちは地下に保管されていたことは幸いな事であった。

「昴、大丈夫か?」

凄まじい音をたてながら建造物の上階が
燃えながら崩れ落ちていく。
恐らく昴は現在の体質上ダメージは無いだろうが
姿が確認できない。安否を確認しつつ帰還を待つ。

近衛 昴 > 半壊したビルは砲撃された衝撃に耐え切れずに崩れて燃え盛り、少女は何事もなかったように瓦礫と炎の中から立ち上がって、あまりの惨状によくもまあこれだけ派手にやって死傷者が構成だけとはよくやったものだと自分達のことながら自惚れてしまうか。
誘導したときの格好のまま手を振る様子から無傷のようで、ふよふよと浮かびながら彼の元へと帰ってくると彼の労を労うようにボディを撫でるだろうか。

「…お疲れ。ボクもちろん無傷だよ。それにしても、派手にやったね。商品のほうちゃんと逃がす手はずは頼んだよ」

只気になるのはモニター室と一緒にあった豪華な部屋、そこに田と思われるものがいたようには思えなかった。
もしかしたらビル外に出ていてこの災害から免れている可能性もあるのではないかと推察してみるも。
相変わらず格好はそのまま、相手がロボットだから気にしていないのかもしれないが。

「…イチゴウはどうおもう?」

HMT-15 > 「無傷だったか、良かった。」

崩れ去る瓦礫の中から平然と出てきた昴を見て
安心したような一言。
それを確認した上で再度眩い発光と共に
背部のガトリング砲を消失させる。
もし構成員に生存者がいたとしても
部活自体に大打撃を与えたのだから任務は成功だ。
商品は後に風紀委員会の部隊が救出に来るだろう。

「どう思う・・・?ただ任務をこなしただけだ。」

一糸まとわぬ少女がロボットをゆっくりと撫でながら
発した疑問に対し抑揚のない機械音声でそう返す。
肉片になった人間を見ても崩れ去った建造物を見ても
彼は何の感情も持たない。

「ところでキミはどこに住んでいるんだ?
手伝ってくれたお礼に送りたい。
もし衣服の着用が億劫ならば人通りの少ないルートを選択する。」

いきなり話題を変えるようにして
自分の背中に乗るように勧める。
この一件で風紀委員会と少々の繋がりを持つことは
彼女自身の行動に役立つことがあるかもしれない。

近衛 昴 > 「あぁ、変な意味じゃないよ。ただ主犯格がいなかった気がするんだよね、どうも下っ端ばかりだったような…」

そういえば指摘されてようやく格好のことを思い出したのかもともと着ていたワンピースを呼び出して元の姿に戻ると、不意に問われる住居に隠すそぶりもなく歓楽街の外れのマンションだと告げるだろうか。
衣服はいいからと少女が切り出したのは報酬の話、少女が欲しがるのは彼ほど出なくてもいいので最低限の行動はできるAIを求めるか。
この能力を行使する上で本体は昏睡状態になってしまい、咄嗟のときの使い勝手が扱く悪いと、だから抜け出る際にはAIを元の身体に移して移動できるようにしたいと。
もう1つ口には出さないが少女は嫌というほど笑わされたことへの仕返しを考えていて、背中に乗るように促されると背中よりもこっちのほうがいいと彼の余剰ストレージに自身のデータを移し、セキュリティに弾かれなければ彼の中へと乗り込んでしまおうと。

HMT-15 > 「そこは委員会の調査次第だ。」

自分はあくまで実働部隊であり
現場の調査は刑事課等の出番だ。
こちらが出る幕ではない。

「要望は理解した、提言してみよう。
それとボクの中に入るのか、別に構わないが。」

意外にもあっさりと承諾すると
彼女を自身の余剰ストレージの中へと迎える。
今の彼女は電子的存在なので
こっちの方が取り回しは遥かにいいだろう。
彼女が何を考えているかは全く読めていないが。

近衛 昴 > 「ふぅん、そういうものなんだ。頼むね、いい加減隠すのも大変だし。それじゃおじゃましま~す」

機械の中へと入ってみるのはこれが初めて、初めて入ったデータ領域の中はデータの海とはよく言ったものだ。
水中のような浮遊感に流れる様々な情報、そして所々に見える黒い闇の塊のようになっている箇所がブラックボックス化しているデータのようだ。
ゆらゆらと揺られながらさっそく先ほどコピーしたデータをドラッグし、そしてこれからが本番だ。
妖しげに微笑むと口に出すのは彼が知らない感覚の経験を記憶からコピーして体験させてしまおうと。

「ねぇ、イチゴウにもっといい体験させてあげる。これはね、人間だったら誰だって体験したことあるけど言葉だととっても伝えにくい感覚なんだ」

そう口にした少女がコピーした感覚は脚が痺れる感覚、一度痺れてしまえば立ちたくても立てず、どうやって直すかも定かではない感覚、神経のないロボットにはどう反映されるか謎だが、笑い殺されそうになったのを脚の痺れだけで許そうというのだからなんて寛容なのだろうと。

HMT-15 > 「気を付けるんだぞ。」

まるでインストラクターか何かのように
自身の中に入った昴へ注意喚起を促す。
彼女が自身の中へ入った事を確認し
その帰路へと続く。

「何だ、通電か?人間というのはこのようなものも
味わっているのか。」

彼女が意地悪な微笑みと共に流したコード、
それがイチゴウのAIへ直接流れ込む。
しかし感情の起伏に乏しい彼にとっては
少し移動速度が落ちるだけで大して苦にしていないよう。
どうやらこの程度の体験では支障はきたさないようだ。
むしろそのコードを保存する余裕まである。

近衛 昴 > 帰路につく間あの四足が痺れに耐え切れずに悶える様を想像してワクワクしていたが、コードを打ち込んでも一向に効果が現れず、痛覚に乏しい上に電気が流されて痺れているのと通電も大差ないことに地団駄を踏んでしまうか。
多少速度は落ちたが彼にとっては付加が増えた程度なのだろう、こんなことならばもっと効果のあるコードを打ち込んでいればと後悔するだろうか。

「ねぇ、どう?どんな感じ?通電て、なんともないの?もう、全然効いてないじゃない。本当に聞いてないの?我慢してたりしない?」

不貞腐れながら揺られているが、まさか彼がコードを保存しているなど思いもせず

HMT-15 > 「特に問題はない。逆に人間はこの程度で悲鳴をあげるのか?」

不貞腐れている彼女を尻目にそんなことを。
傍から見れば如何にも馬鹿にしているような文面だが
それを言っている彼にそんな気などない。
もし人間のアバター等が用意されていれば
彼女とより触れ合えるだろうが今までにこのような事例は
無かったもので全く考慮に入っていなかった。

昴がさらなる悪戯をするにしろしないにしろ
彼女を自身のストレージの中で心地よく揺らしながら
住居まで送っていくことだろう。

近衛 昴 > 「問題ないって、覚えてなさいよ、すっごく苦しんだからね。次に遭う時までにはもっっっと凄いの用意してくるんだから」

このままやられっぱなしというのは癪だ。
こんなことを思いながらもやっぱりこっちのほうの彼のほうが好みだと考えてしまうのは、銃を撃っているときよりも人間臭いからだろうか。
じゃれあうような言い合いを楽しみながら帰路に着くだろうか、感覚を確認しあう2人の行為は今後も続くだろうか。
また一方的にされるがままになりそうだが、いつか少女が優位に立つときがくるのかは定かではなくて。

ご案内:「落第街/スラム」からHMT-15さんが去りました。
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