2018/11/25 のログ
ご案内:「高級マンションの一室(過激描写注意)2」に遼河 桜さんが現れました。
遼河 桜 >  
──カーテンの隙間から、眩しい光が差込む
薄暗い室内を切り裂くように照らす、そんな陽光が目に入って…気だるげに身を起こした

「……もう昼か」

ふぁ、と起き抜けの欠伸を一発、両手を組んで背中を伸ばす

厚手のカーテンに閉ざされた室内は薄暗く、散らかっている
饐えた匂いが漂い、あちらこちらに下着や、注射器が転がっていた

怠そうにベッドから起き上がる、いい加減、裸で寝るには寒くなる時期だろうか

「オラ、いつまで寝てんださっさと帰れ帰れ」

ちらかった室内に同様に転がっていた女の子2人を足蹴にする

彼女らもまた、のろのろと起き上がり、服を着はじめた

「掃除くらいしていけよ」

良い残し、自身はバスルームへとさっさと移動してしまう

遼河 桜 >  
少し冷えた身体に熱いシャワーが熱を戻してゆく

──昨日は何時ぐらいに寝たんだったか
酒も入っていたし、薬も焚いた
女どもと違って注射まではしていないが、それでも記憶がはっきりとしない
まぁ…ああいった浮遊感は心地よくてやめる気にはならないのだが

しばらくすると玄関付近から音がする
どうやら女どもが帰ったらしい

キュ、とバルブを閉じる

すっかり温まった身体を厚手のタオルで拭き取りながら、部屋へと戻れば
ちゃんと言い付けは守って掃除をして帰ったらしい、部屋は片付いていた

遼河 桜 >  
長い髪の水分をじっくりとタオルに染み込ませながら、リモコンを操作しテレビを点ける

昼過ぎである、何も面白い番組などやっているわけもなく、
ただひたすらワイドショーや、ニュースが続く

「今日はどうするかな…」

今から学校へ行くのもダルいし、遠出する気も起きない

幸い制御薬のバイヤーになったおかげで金には困らないし、
歓楽街のATMどもに愛想を振りまきにいく必要もない
どうせ、あのへんはたまに可愛い顔を見せてやるだけで簡単に掌の上だ

クスリをバラ撒きに行ってもいいが、
せっかく金のなる木のようなもの、あまり派手にやり過ぎても先が知れる

「んー………」

ばふっとベッドに仰向けになる
昼過ぎだというのに、裸だとやはり寒い
もぞもぞと服を着はじめる

遼河 桜 >  
「ま、いっか。今日は何もしなーい」

家から出ないことを決める
冷蔵庫に何かあったっけ、と起きてドアを開けてみるも中身は酒と調味料しかなかった

「…買い物…もめんどいな」

溜息をつく
まぁ食事くらい、女を呼んで買ってこさせればいい、が
それだとまた昨日みたいなことになる、連日は体力的にしんどいのでパスである

「ま、買い物くらいいっか……」

腹拵えならコンビニでもいいのだし

遼河 桜 >  
そう結論づけると、今日はプライベートを満喫することに決める

「よっこい、せっと…」

クローゼットの奥から大きな買い物袋を取り出す
その中には抱えられる程の大きさの箱があり…中からはガタガタと軽めの音がした

箱にはアニメ人気も好調である人型ロボットのかっこいい絵がプリントされている

「ふっふっふ、完成まであと半月ってとこかぁ?」

精巧な内部フレームを核として、ベストプロポーションと自由自在な可動ギミックを追求
止まらないプラモデルの進化を体現する以下略

1/100スケールのプラモ、玄人好みのお高いヤツである

遼河 桜 >  
「~♪」

ニッパー片手に慣れた手付きで作業は進む
人間の集中力は2時間が限度
更にその中でも極度に集中できるのは30分程度である
故に本気に趣味に費やすならば1時間という時間が最も丁度よい

───プラモ趣味は彼が小学校の頃からのものである
そのこだわりはプロのモデラーすらも息を呑む仕上がり具合に反映される
の、だが……

ピロリロリン♪
ピロリロリン♪

イラッ……
その集中力を阻害するようにスマホが鳴る

「んだよクソが…誰だ……」

女からのメールだった
『うぜえ』とだけ返信し、スマホをベッドへ放り捨てた

遼河 桜 >  
プラモデルをただパーツを切り離しくっつけるだけだと思ったら大間違いである
切り離す肯定ですら、バリをしっかり取ったりなど細心の注意が求められる
それはプラモデルの質が精巧であればあるほどに集中力が…

ピロリロリン♪

「あ゛ー!!!」

スマホを毟り取るようにして引っ掴み、電源をオフにした

「へっ…これで邪魔者は……」

ピンポーン♪

今度は玄関のチャイムが鳴った

遼河 桜 >  
「………」

まぁ、こんなものである
そっと未完成のプラモを箱に戻して、袋に入れて、クローゼットの奥へと押し込む
完成は半月後かな……と改めて思って、クローゼットを閉じた

「誰よ」

インターフォンに応答すれば、2人程の女の姿が移っている
今朝、部屋にいた女とはまた別の女である

口々に、サクラの名と、そしてクスリを求める言葉を吐く
──外でそんな言葉を吐くなと、あれだけ言い聞かせておいたのに

「───入れよ、カネもってきたんだろうな」

悪態をつくように言い放ち、頭をガシガシと掻いた
結局、今日も変わらぬクソのような1日になるのだった

ご案内:「高級マンションの一室(過激描写注意)2」から遼河 桜さんが去りました。