2015/06/23 のログ
ご案内:「空閑 栞が住むアパートの前」に来島さいこさんが現れました。
ご案内:「空閑 栞が住むアパートの前」に空閑 栞さんが現れました。
来島さいこ > 「はぁっ、はぁっ、はぁっ――」

 ボロボロの少女が走る。
 全身には切傷、着ているシャツは乱暴に胸ごと裂かれ、大きな胸には切られた赤い線にもみしだかれた赤い跡がくっきりと付いており、
 下半身に至っては『なにもない』

 陰毛一つない、少女の素股が晒されている。
 なりふり構わず、少女は走り続ける――

 ――その姿は異様で凄惨だ。どう見ても事後――未遂にこそ終わったが――それにしか見えない。
 そしてこんな姿だ、写メの一つでも、取られたかもしれない。

空閑 栞 > 「無力だったなぁ……」

先程の落第街での出来事を思い出すと、自分の無力さにイライラする。
家に来ると先生は言っていたが無事だろうか。
とりあえずアパートの前で待っていることにした。

来島さいこ >  
 前述した通りの――凄惨な姿の来島さいこが、目に入るだろう。
 そして、栞を見つければ、いつものように笑ってみせる。

「……うふふ、ただいま。」

空閑 栞 > 「あ、せんせ……って大丈夫ですか!?」

あられもない姿の先生を見ると、驚いて目を逸らす。
まさかあの男に貞操を……そんな下世話な考えが脳裏に過ぎる。
そしてすぐに自分の上着を脱いでさいこに差し出した。

「え、えと……とりあえず……どうぞ……」

来島さいこ >  上着を受け取り、着る。
 少しはマシになっただろうか。

「うん。大丈夫。危なかったけど……」

 本心で言えば泣きそうである。
 羞恥と恥辱に耐え、ここまで走ってきた。
 生徒の前では、おくびにもださないが。

「うふふ、ありがと……ぁ……」

 ふらふらと歩き、玄関に入り、ソファーか寝具が見えた所で倒れこむ。
 安堵したことで、一気に疲労諸々が押し寄せたか。
 疲労が身体を襲えば、重く怠く。眠さがわいわいと押し寄せる。

 ――傷だらけの身体と素股こそ晒しているが、『これ以上過激な事はなさそうだ』。
 そう思えば安堵する。生徒が居るにも関わらず、倒れたままでいいやと、安心しきるるだろうか。

「……大変だったかも。」

空閑 栞 > 「危なかったんですか……でも、無事ならよかったです」

貞操の無事を聞き、安堵する。
自分が足手まといなせいでそんなことになったとなれば、申し訳が立たない。

ソファーに倒れ込むさいこの痛ましい体を見て目を伏せる。
自分がもっと強ければ。そう考えてしまう。

一度首を振り、そんな思考を頭から追い出す。
タンスから適当な下着や服を取り出して、さいこに持っていく。

「私のせいで、本当にすみませんでした」

来島さいこ > 「ううん。私のせいだから、だいじょ――」
  
     「ぅ、ぷ」

 ――そうして、『吐いた』。
 抑えた感情が隠しきれぬストレスとなり、溶けた夕食と胃液を盛大に吐き出す。

 行為は未遂に終わったし、やられたのは半ば抵抗しなかった自分のせいだ。
 なのに、私の心はこんなに弱かったのか。嫌気がさすように、顔を顰めた。

 とは言え、感情の昂ぶりよりも吐いてしまった申し訳なさが先に立つ。
 飲み過ぎて連れ帰られて介抱された先で吐いたような気分だ。飲んだ事はないけれど。


「……ごめんなさい……。」

空閑 栞 > 「気にしないで吐けるものは吐いておきましょ?
今は私が居ますから。非力なりに、守りますから」

さいこの嘔吐を見ると、更に申し訳なさがこみ上げる。
自分はこの先生にそれほどのストレスを強いてしまったのだ。
自分が足手まといでさえなければ。
自分の無力に絶望さえも覚える。

「とりあえず水、持ってきますね」

そう言って台所へ向かう。
すぐに水とタオルを持って戻ってきた。

来島さいこ > 「……」

 小さく頷いた。そして再び、吐いた。
 申し訳なさと、彼女が覚えているであろう無力感が痛ましい。
 水を飲んで口をゆすぎ、嘔吐を拭き取ればようやっと落ち着いた。

「……ありがとう」

 弱々しくも手を伸ばし、着替える。
 衣服はすこしぶかぶかで、自分のものではない匂いがするけれど、
 寧ろそれが一人じゃないと、何処か守られている感じが有って安心する。
 其れほどまでに、弱っている。

(栞ちゃんの匂い……)

 着替え終えれば安心して、改めてソファーへ横になった。

  ……尚、ブラジャーは付けられなかったので、
  そっとテーブルの上においておく。

  

空閑 栞 > 「落ち着きましたか?」

ソファーに少し残った吐瀉物を拭き取りつつそう声をかけた。
自分の服を渡したため案の定ぶかぶかだったが、今はゆったりとした服を着て寝ているのがいいだろう。そう判断した。

テーブルの上にそっと置かれた自分の下着を見て、更に無力感に打ちひしがれた。

来島さいこ > 「うん……」

 目の前に映る少女には強さがない。

「ごめんなさい……
 ……思い出したくない訳じゃないけど、ちょっと疲れちゃった。
 色々話さなきゃいけない事はあるけど、今度でも、大丈夫かなあ……。」
 
 自分の身体を自分で抱く。
 栞の衣服の感触がないと不安、と言わんばかりに。

 ……落ち着いたのか、目がとろんとし始めた。
 疲れて、眠いのだろう。

空閑 栞 > 「疲れたのならいつでも構いませんよ
今はゆっくり休みましょう?」

そう言ってさいこの近くに座る。
優しく頭を撫で、落ち着かせようとした。

「落ち着くまで泊まってっていいですからね」

優しい声色でそう語りかけた。

来島さいこ > 「ん……」

 撫でられれば心地よさそうに、目を細めて小さく頷く。
 切られた髪が目に入るかもしれない。

「……じゃあ、すこし、だけ……」

 ……そこまで言って、意識を落とす。幼い寝顔が見える。
 そして程なくすれば、小さな寝息が聞こえるだろう。

ご案内:「空閑 栞が住むアパートの前」から来島さいこさんが去りました。
ご案内:「空閑 栞が住むアパートの前」から空閑 栞さんが去りました。