2015/07/20 のログ
ご案内:「◆速度Free(違法描写注意)3」に秋尾 鬨堂さんが現れました。
秋尾 鬨堂 > 学園地区環状高速線――
通称、無限高速。

秋尾 鬨堂 > 学園地区をぐるりと一周し、しかしその中の主要な地区につなげるために枝分かれと合流を繰り返し、アップダウンと連続カーブが続く常世島屈指のテクニカルコース。

『悪魔のL』の主戦場である湾岸線とは違う、曲がりくねったサーキット。
貨物運送のトラックも多い、ここはしかし走り屋には人気がある。

秋尾 鬨堂 > テクニカルコースであるがゆえに、命知らずの無軌道な若者、暴走族すれすれの悪質ドライバーには、恰好のスリル・コースでもあるのだ。

だが。それだけに、取り締まりもやはり厳しい

秋尾 鬨堂 > ダブルホーン冴島の愛車、
エスニが風紀警察の高速警備隊になすすべなく捕まり哀れ切符を切られる。
「免停ギリギリだぜ…くそっ」

公道バトルはどこまでも違法行為。
タイミングを逸し、公権力に捕まれば待っているのは犯罪者扱い。
至極当然のことだが…

秋尾 鬨堂 > その横を、すっ飛んでいくクルマが2台!
秋尾 鬨堂 > 「ば…バカかっ?!今、そこにいるじゃねえかよぉ~~~ッ」ダブルホーン冴島が吠える!

当然だ!
一匹ネズミを捕らえただけで取り締まりを緩める風紀警察ではない。
即座にパトカーに乗り込み、レースカーばりのゼロヨンスタートをキメ追いかけはじめるのが、その職務。

秋尾 鬨堂 > 一方はミッドナイトブルーの車体。
100年前のクラシックカー、NS-Lレメゲチューン!
通称『悪魔のL』!!
もう一方は、黄色い椅子のロゴマークが描かれたカマロ2045年式。
チーム・ヒューマンチェアのリーダー、江戸川ポール!

その2台に高速で追いすがる風紀が、サイレンをぶん回し警告を発す。
「そこの2台!止まりなさい!そこの2台!停車せよ!」
だが、聞き入れる気があればそもそもこれだけ踏んでいない!

ご案内:「◆速度Free(違法描写注意)3」に天球儀緋鳥さんが現れました。
天球儀緋鳥 > 「ハーッハッハッハ!!」

時はミッドナイト。
学園地区環状高速線――無限高速!
曲がりくねったコーナーばかりの恐怖的なコース。
そこを走るは二台の車。それを追うは風紀委員のパトカー!
常世深夜の大捕物!
公道を震撼させるまさに亡霊、『悪魔のL』!
対するはチーム・人間椅子の江戸川ポール!
高速で走る二台。それらを追うパトカー。

――そこに、闖入者が現れた。
――空高く、天高く。上を走るコースを突き破って、それは二台とパトカーの間に落下した!

「我は速度をも支配するのだ――! 見ているがいい!!」

爆音とともに、二台を追いかける車は異形。
それは荷台に奇怪な機械を積んだオート三輪――ミゼット!
三輪車でありながら、それはギュラギュラギュラと道路と火花を散らし、二台を追い始める。
荷台の機械が爆発音を上げて、車体を無理やり走らせていく。

三輪のクラシックカーが追いすがる!

秋尾 鬨堂 > 「そこの2台…うわっ?!さ、3台目だと?!」
風紀のパトカーが、闖入者に動揺したのもつかの間。
彼らは勤勉であり、また優秀だ。
すぐに体勢を立て直し、アクセルを踏む!
公権力に保証されたその速度。
この島で唯一、法定速度を超えることを許された者達。

だが。
だが、その刃は怪物たちには―届かない!

「ボンジュール!可愛らしい声が聞こえてきたネン」
江戸川ポールは、如何にも珍妙な姿のマシーンに完全に油断した。
後方のパトカー数台が、限界の速度域で迫るにも関わらず、
余裕を持ってアクセルを緩めミゼットの運転席でも見てやろうと近づいていく。

天球儀緋鳥 > ド派手な赤いダイハツミゼット――遥か昔に販売された“三輪車”だ。
そのハンドルはバーハンドル! ドアすらない! 前時代も前時代だ!
とてもレースをするための車ではない!

『おおっ! 『悪魔のL』にヒューマンチェアーの江戸川ポールだぜ! しかも風紀に追われてやがる!
 今回のバトルはかなりアツく……ハア!? お、おい、ありゃ、ミゼットじゃねえか!?』

『う、嘘だろ!? いくらなんでも三輪車かよ!』

無限高速をギャラリーしていた男たちが叫ぶ。とあるビルの屋上から彼らはそれを見ていた。
素っ頓狂な声を上げて、彼らは双眼鏡を落していく。

「ハァッ! 随分と余裕なのだな! だが残念だ。貴様は我の敵ではなくなった!」

江戸川ポールが見たのは小柄な少女だった。軍服のような服に大きめの帽子を被った、いかにも子供。
普通の人間ならば油断してしまいそうなものだ。キッ、とその少女は横を向いて、江戸川に向かって叫ぶ。

荷台の機械――形状からすればエンジン?――らしきものが爆音を上げる。
すると、ミゼットの前輪部分が勢いよく起き上がる――ウィリーだ!

「――ハハハハハ! さあ見ろ! 我を見るがいい!! 公道最速と謳われる貴様をブチ抜いて、我が初陣に華を飾ってやるのだ!!」

思い切りスピードが上がり、ミゼットは爆走する。狂った走りだ。江戸川ポールを突っ切って、『悪魔のL』を追わんとするのだ。

ご案内:「◆速度Free(違法描写注意)3」に五代 基一郎さんが現れました。
五代 基一郎 > ◇学園地区環状高速線 休憩エリア

■チームメイト>「兄貴!無限高速で悪魔のLと三輪がバトルを始めたぜ!」

「三輪が……?どういうことだ」

風紀の高速機動隊が”悪魔のL”出没から出動したのを受けての
出雲ブルースカイ集結。無限高速の休憩エリアにチームメイトが集結し
各々データの分析と収集を始めた。

カマロを操る江戸川ポールと悪魔のLとの戦いを見ていた者達……
しかしそこに新たな乱入者が現れた。それは三輪、ダイハツミゼット。
小型の三輪オート……なのだが、それはもはや原型をとどめていなかった。
荷台たる場所にはもはやそれがメインと言わんばかりに積載された……発動機だろうか。

■チームメイト>「とんでもない乱入者ですね五代さん。無茶苦茶なマシーンですよ」

「公道(ストリート)を走る権利は誰にでもあるさ。」

秋尾 鬨堂 > 「ビュ…ビューリホゥ……はっ?!なんたる加速!」気づいた時にはもう遅い!
カマロをぶち抜くミゼット。
あまりにも非常識な光景だが…
ここは公道。
何が起きてもおかしくはない。

「そっそんなっ!ポールさんが…チギられた?!」
ビルの屋上、チームヒューマンチェアが、沸くギャラリーとは対称的に青ざめる。
遠くに見える道路の状況は…ダメだ、完全にペースを乱された江戸川は風紀に捕捉された。
チーム・ヒューマンチェア、ドロップアウト――!

再び路上。
「超軽量車体にRR…面白いカスタムだネ」
秋尾が、バックミラーに迫るミゼットの特異なフロントを確認し呟く。
リアヘビーもリアヘビー、そのスタイルはRR。
すなわち、リアエンジン・リアドライブ。
元々三輪しか無いミゼットである。
前輪の接地力など無いに等しい。
むき出しであろうエンジンは空冷か?
前からでは、判別はつかないが―
「後ろを見ながらの運転は危ないから―」
見て欲しければ、前へ出ろと。明確な挑発。

コースは無限高速名物、六連合流地帯へ!

五代 基一郎 > ■チームメイト>「正気じゃないぜこのバトルは!どうなるんだよ兄貴!」

「それは俺に聞かずとも”わかる”ことだ。」

本来江戸川ポールの45年式カマロ。V8を今でも信仰し続け積むそのマシーンと
100年前のクラシックカーを改造に改造を続ける悪魔のLとの熱いバトル。
エンジンの唸る熱量が交わる無限高速での灼熱の戦い。

そこに新たな炎球……赤いミゼット
”キャノンボール”が出現したのだ。

風紀の高速機動が管理する速度感知システムからの映像を解析すればその姿は朧気ながら見えている。

マシンの大部分がエンジンか、謎のメカニズム。
だが一つわかることはある。それはあの三輪を早く走らせるための”炎のメカニズム”
奴は今、その”炎のメカニズム”を抱え悪魔のLに”俺の方が速い”と示すために炎は放たれた!

「奴は間違いなく己の速さを示すために、燃え尽きるまで走るだろう……」
■チームメイト>「五代さん。最悪これは……」
「破滅的な結末を迎えないことを、祈るばかりだ。」

天球儀緋鳥 > 「我を甘く見るからこうなるのだ! 貴様など最初から敵ではない!」

最早少女は横を見ていない。江戸川ポールの駆るカマロは既にチギったのだ。
江戸川ポールはペースを乱され――風紀に捕まってしまったのだ。
公道で人をナメた者はこうなる。余裕を見せたらこうなる。
彼の敗因はそれであったのだろう――!!

「……チッ!! 貴様ァッ! そこまで前に出てほしいのならば――!!」

エンジンらしきものが駆動して、爆音が上がる。筒からは炎が舞いあがる。
まるで火の玉だ。後ろに生のエンジンをむき出しにしているようなものだ。危険極まりない。
だが、そんなことは全く気にしないように、少女は『踏む』――!

「恐れるがいいのだ!! この我を!! 幽霊ならば我は火の玉!」

大きくハンドルを切って、無理矢理車体を大きく傾ける。
車体が傾き、車体が地面と擦れる。片方の車輪は宙に浮いていた!
そんな無理矢理な動きでカーブなどを曲がっていく。スピードを落とさぬように。
車体が何度も揺れる。がしゃんがしゃんと!

「……ハッ! 我には関係ない!!」

無限高速名物――六連合流地帯! 一気に六つの道路が合流する地点だ。
危険極まりない。だが、そんな危険に屈していては速くなれないと言わんばかりに、ミゼットは『悪魔のL』と並ぶようにして、一気に突っ込んでいく!

五代 基一郎 > チームメイトの一人がラップトップを開き
無限高速の路面立体データを映し出す。
監視システムとの連動により悪魔のLとあの炎のミゼットの位置情報は掴んでいた。

そして彼らが今どこに向かっているのかを示せばチームメイトの焦燥の色が露わになる。
それは、その先にあるのは六連合流地帯!
一気に六つの車線が合流するのだ。
その車の合流地帯に常軌を逸した高速の車両が二両、並走するように突っ込む。

■チームメイト>「正気じゃねぇ……こいつはただの自殺だ!」

通常の速度でも高速道路での合流は危険だ。
車線を規制し、予め注意を促すように整備はされている。
だがそんなものお構いなしに突っ込めばどうなるか。
ハンドルを握らないものでもわかる。

だが今、そこへ向かうのは公道(ストリート)最速の悪魔のL
そしてスピードに魅入られた炎のミゼット”キャノンボール”

悪魔のLと”大砲の弾”による大量の車両を巻き込んだ砲撃が行われるか
それとも、あるいは……

予測できないスピードの世界に、出雲ブルースカイの男達は
今確かに魅入られている。

秋尾 鬨堂 > 「片輪走行――!!だ、大道芸かよっ」
「いや、あまりにも極端なリアヘビー、前輪での接地と舵が期待できないとなれば…あれが最も効率的な曲がり方なんだ!」
「そうだとしてもよぉ!しょ、正気じゃ出来ねえぜ…!」
コースを俯瞰できるギャラリーたちは、先を行く悪魔のLが、コーナーの度に差を詰められていくのが確かに見える。

六連合流地帯。次々、止まったような速度…いや、この速度域では、こちらに突っ込んでくるような錯覚すら覚える速度で合流してくる一般車たち。
片輪走行の機動性には、スラロームで避ける『悪魔のL』は分が悪い。
そして…並ぶ!いや、ミゼットやや有利!
そのリアを悪魔に見せつけ、暴力的な鼓動を隠そうともしないエンジンが露わに迫る!

「その輝き…確かに恐ろしいモノだが―」
ここからは更に混雑する、過密地帯。
この調子で行けば、驚異の機動性と加速性能を限界まで振り絞れるミゼットの有利は揺るがない。
「それ以上に、美しいな!」
揺るがないが――ひっくり返せないとは、思わない!!

この環状高速線が無限高速と呼ばれる理由は、いくつかある。
一つは年中無休の経済道路、常に交通の途切れない都市の大動脈であること。
一つは迷い込めば二度と出られないと揶揄されるくらいに入り組んだバイパスと合流を持つ迷路のような道であること。
一つはそこに取り憑かれたように走る人々がいること―
そのひとつの裏に、こんな説もある。

ここは、無限に加速し続けられる高速道路なのだと。
それを証明するかのように、『悪魔のL』が針の隙間のようなラインを見出し、踏む!

天球儀緋鳥 > 『お、おいあいつら本気かよ! クレイジーだぜ! こりゃあほんとに――!』

『どっちがが……!』

一般車が次々と突っ込んでくる――いや、あまりのスピード差にそう見えるだけだ。
ミゼットは無茶苦茶な起動で『悪魔のL』を追い続ける。
本来三輪車が機動性に優れているようなものではない。既に遥か過去の遺物なのだ。
しかし、それを無理やり動かしていく。アクセルの入れ方、ハンドルの切り方、それらを巧妙に操って三輪車を自由自在に操っているのだ。

「――チッ! 速い! さすがは『悪魔のL』!
 だが、我の前を行くのは許さん!! それを抜いてこそ我の常世島の征服が始まるのだ!」

次々と突っ込んでくるような一般車を、曲芸のようにして避けていく。
すれすれのところを車体を傾ける。不安定な三輪車ならではの動きだ。
奇怪な動きで、爆裂音とともに駆け抜けていく。

だが、さらにここからは混雑の地帯となる。こうなればいよいよミゼットの有利だ。そう思われた――

「な、何だとッ!! そんな抜け道を!? 貴様ーッ!!」

交通の途切れない大動脈。入り組んだ迷路のような道。そして、走り屋の存在。
様々な噂がこの道路にはある――そう。

ここは、無限に加速し続けられる高速道路なのだと!

針の隙間のようなラインをすり抜けていく。そこを一瞬で判断して潜り抜けていく。
恐ろしい運転テクニックである。混雑具合は深まり、すぐにその針のようなラインは消えていく。
このままではどんどん離されていく。『悪魔のL』との差が離れていく。

「――そうか、あれか!」

少女は奥歯をかみしめているところに、一つの考えが思いつく。

「多少危険だが――問題ない。ここは公道。速いものが正義だと聞いているのだ!!」

エンジンを最大まで“回す”――当然、前輪が宙に浮き始める。

「――飛び立て!」

そして一気にエンジンを踏み切る。爆発音と共に、飛び出す。
軽い車体、エンジンから炎が上がり、一気に車体がロケットのように飛び立つ。
それが滑るようにして、近くを走っていた巨大なトラックの荷台に乗りあがる。
そのまま再びエンジンを踏んで、一気に車体は宙を舞って飛び出した。
僅かな隙間へと無理やり着地して食い込み、『悪魔のL』と並んでいく!