2015/07/26 のログ
■やなぎ > 「………」
シインの言葉が聞こえてくると、
椅子に縛りつけられた『彼』は怯えたような目をそちらにむけた。
口につけられた猿轡によって声を出せず、ただ震えた吐息ばかりはいている。
椅子に縛りつけられている白い体には、縄の痕や、古傷、何かで叩かれたような痕が浮かぶ。
普段は誰にも見せない傷痕だ。
■シイン > 「そんな目で見るな、興奮するだろ。」
満面の笑み、笑みというのは楽しさを伝える他に恐怖与える表情の一つ。
これからされることを考え思い浮かぶなら、そのような目になっても仕方ない所はあるだろう。
コツコツとハイヒールによって鳴らされる靴音。
硬い床を踏み鳴らしながら、彼の座る椅子の側に寄り、軍人には似合わない白い肌に指を添えた。
「誰にも触れさせてないかな?どうなんだい?」
傷跡に爪を押し当て、線を筆でなぞるように、皮膚を浅く引き裂きながら問い掛ける。
■やなぎ > 恐怖により神経が張りつめられていて、
爪で引っ掻かれているだけなのにひどく傷む。
「っ…!んんん…っ」
痛む個所を擦ることもできず、ただ必死に首を縦に振った。
もちろん本当に誰ともそのような行為など行っていない。
心の中で早く終われと叫び続ける。しかしそうと訴える手段は全て奪われていた。
■シイン > 「首を振ってどうかしたかな。もしかして、誰かに触れられたかな。」
手は場所を変え、肩から首筋に、首筋から頬へ運ばれ、
僅かに血液が着付した指は、彼の頬を赤く薄く染める。
頬に添えられた手は、頬を弄り、やがて唇に嵌められた『猿轡』をトントンと指で叩いた。
「こんな惨めな身体を見られて、触られるか。
いやはや、すまない。その光景を想象をしただけだ。
こんな傷だらけな身体では、受け入れてくれる人は少ないだろうなぁ、残念至極残念。」
其れを行った張本人が、嘲笑いながら、淡々と言葉を続ける。
「やなぎ…私は君が好きだ。君は不器用でいい。
どれだけ君に悪態をつかれても、どれだけ殺意を向けられても、『信用』できる。」
■やなぎ > "違う"と訴えんばかりに目を見開かせ、首を横に僅かに振った。
そして彼に触れられる度に身構え、体をびくつかせる。
こちらに向けられた言葉にはひどく悲しい気持ちになって、瞳に暗い影をおとした。
もしも声を発することができても、きっと言い返せないだろう。
自分もそう思っているのだから。
こうして心にも傷をつくれば、次に続く言葉には一筋の光が差し込んだように顔をあげた。
"信用"できるという上官の言葉に、僅かでも救いを求めるように。
■シイン > 「まぁ、よしとしよう。気が変わった。
今日は鞭を使わないでおこうか、普通に『普通』に、時には愛すのもいいだろう。」
折角に解いたが気分というのは機械であって頻繁に変わるものなのか。
自分が特別に可笑しい機械の所為だろうか。
道具を使わないのは勿体無いが、それもまたいいだろう。
「やなぎ、私は誓おう。
君の、その、惨めで見苦しい身体を嗤う者がいれば、私が黙らせてあげよう。
誓おう、私は君の前から決して離れない。」
愛の告白か、恥ずかしさをなんとも感じないままに平気で告げるのだ。
そして、会話を交わせるように猿轡を外してあげるだろう。
■やなぎ > 「しょう…さ?」
猿轡がはずされ、恐る恐る震えた声を発す。
信じられない、と驚愕の表情を浮かべて、じ、と見つめた。
その目には涙を浮かばせ消えかけていた光を取り戻していた。
自分はこれほどまでに優しさを求めていたらしい。
と自身で実感するほどに、心が救われた気がした。
「大丈夫です。誰にも見せておりませんし、嗤われてなどいません。」
そう静かに告げる。
■シイン > 「本当にそう思っているのであれば、君はおめでたい頭をしているな。」
影でどう言われているのか、判らないのだろうか。
鈍感か、それとも耳に入れてないだけか、僅かながな哀れみを抱くが、直ぐに忘れる。
「まぁ、それでもいいさ。君は君で、何も変わらないままに。」
瞳を閉じなさい、優しい言葉は更に続けて掛けられる。
■やなぎ > 「で、でもほんとに見せてません。風呂だって人のいない深夜帯に入ってますし…」
まるで取り繕うように必死に訴え始めた。上手く隠していると思い込んでいるのだ。
が、それも途中でやめ、言われるままに目を閉じた。
「……はい、少佐。」
何をされるのだろうか。
心の奥底から恐怖がよみがえってくる。
■シイン > 別に、そんなことは対して重要な事ではない。
其れでも、彼が必死に訴える姿は、こう、胸が救われるような、不思議で理解できない感覚だ。
機械では理解に苦しむ、だがそれはそれで、良い。
「ふふっ…。」
瞳を閉じたのを確認すると、顎を上げて、彼の唇に自身の唇を。
「なんてな、くくっ、はは。」
彼の耳元で耳障りに等しい声量で、私は大笑(たいしょう)する。
「期待通りで、判り易い、反応を『ありがとう』」
先の優しい言葉とは正反対の言葉。
上から突き落とすかのような、正に上げて落とす。
顎を上げてた手は首に添えられ、締め上げる為に力が込められる。
人間の首など貧弱すぎて加減を間違えてしまえば、壊れてしまうの難点だ。
殺さないように、注意を払いながら言葉が発せぬ程度に首を絞める。
■やなぎ > 突然笑い出した彼に驚愕し、目を見開かせた。
その瞬間首をしめられ、頭が真っ白になる。
「あ……っ!!」
絞ったような声にならない悲鳴を上げた。
彼の手を掴もうと自然に腕が動くも、体もろとも括り付けられている椅子がガタガタと音をたてるばかりで何も出来ない。
表情が絶望に染まる。
出来るだけ上を向き、僅かでも息をしようとするのも困難だ。
■シイン > ド三流に近い笑いで、灰色の室内を笑い声で反響させる。
笑いながら、嗤いながら、嘲笑いながら、光に満ちた表情が暗く黒く染まっていくのは見てて心地が良い。
あゝ、正に気分が晴れるとはこの事だ。
人を落とすというのは最高の美酒を味わう時と同じぐらいに気分が良い。
息をしようと必死で喉を、口を、動かして空気を取り入れようとする姿。
実に素晴らしい。
逃れようにも、悲しいかな。
逃れられない現実をありありと突きつけて。
「誰が君に慈悲を与えるって?誰も与えてくれないよ。
僕に目を付けられてる時点でお察しさ。」
見放され、落とされて、首を絞められて、生死を握られて。
「助けを呼んでも、誰も助けには来ない。
許しを請いても、許されない。君は何も悪くないけど、僕の気分が『そういう気分』なんだ。」
■やなぎ > 酸素不足でぼんやりとしてきた頭に響くは、聞きなれた笑い声。
しかし何度聞いた所で慣れはせず、体が震えていたことを思い出す。
「………ン。」
無意識のうちに絞りだした言葉は、ここにはいない友人の名前。
走馬灯のように訓練中や実践でよく助けてくれた記憶がよみがえってくる。
そして、その友人はシイン少佐によく歯向かっていたことも。
「…………」
ここには2人しかいなかった。
薄れゆく意識の中、自分をよく知り助けてくれる者はいないと悟った。
心が物寂しくなって、誰でもいいから縋り付きたいとも思った。
だから、目の前の彼に、助けてと願うのだ。
目の端に涙を沢山浮かべて、そう口を動かした。
■シイン > 「……ふぅん?」
言葉として発されないとしても、口が動かされれば、ある程度ながらだが、何を発しているのか理解することは可能だ。
観察眼に優れているのであれば、当たり前で当然のように。
私は其れを理解できて、だからこそ。
首から手を離した。
気分で行ったことなのだ、また気分で首絞めなどやめることになる。
首を絞めている本人に対して、助けて、と。
それを懇願する様は惨めながらも必然的であり。
「君に触れてしまったから汚れてしまったよ…綺麗にしてくれ。」
まるで、精神が不安定な者のように、次から次へと話題を変えて。
血液で濡れてた指を口元に差し出すだろう。
■やなぎ > 「けほっ、げほっ」
解放され、思い切り息を吸えば嗚咽を上げて咳き込んだ。
涙を流して苦しそうに呼吸してるうちに、彼から要望が入った。
どうすれば良いかは頭に刷り込まれている。
息を整えてからその指を舐めはじめる。
自信の血の味に顔をしかめながらも
彼を怒らせないように、丁重に。
■シイン > 恍惚としたその表情。機械にあるまじき、うっとりと目の前の彼の行動に心奪われる。
心など無いに等しいが…。
彼が必死に自分のことを伺いながら、逆鱗に触れないように丁重に舐めとる姿はとても良い。
だが、彼は何を考えながら、舐めているのだろうか。
首を絞められないようにするにはどうすればいいか?
それとも、どうすれば機嫌を気分を安定させることが出来るか?
はたまた…逃げれないだろうか?
どちらにせよ、なんにせよ。
やることは何一つと変わらない。
指を舐め上げている舌を、指の腹で押さえつけながら、指先でガリガリとざらついてる舌の感触を楽しむ。
コレはこれで楽しいのだ。
■やなぎ > 歯に当たらぬように細心の注意をはらう。
彼の行動は不確定で、僅かにでも当たればまた首を絞められるかもしれないと思ったからだ。
「…は、……んは。」
途中で指で遊ばれるものだから舐めにくくなって、震えた吐息をもらした。
歯にわざとあたるように仕向けているのか?などと思いつつも、
一心不乱に舐め続けている。
指先から指の腹、側面へと向きをかえ、汚れを全てなめとっていく
■シイン > 命令に従い哀れにも自分の指を舐め続けている姿は、逆らわない機械人形のように。
私よりよっぽと、彼の方が機械人形らしい。
非力で、無能で、短命で、欠点は幾つもあるが、それでも私はそう思う。
「どうする、次はどうする?」
普段であればまだ続けて先に進むのだが、住む環境が変わり無理をさせない方がいいだろうと。
酷使して使い捨てるのは、次の人形が見つかってからだ。
それまでは維持し続けなければないけない。
従えるのも楽な話ではないのだ。
■やなぎ > 予想もしなかった質問に、一旦舐めるのをやめた。
「次?次って…まだ、なにか」
もうやめてほしい何て本人の目の前で言えるわけがない。
言えば、歯向かうなと返されて更にひどい目にあうかもしれない。
このまま黙り続ければいずれ察してくれるだろうか。
何か注文されればそれに従うまでなのだが。
体にひっかき傷、首には見えなくともわかる赤紫の指の痕が残る。
これは明日は外にでずに休まないとな、とぼんやりと考えはじめた。
■シイン > 「なに、簡単な事だよ。君のことを犯すのさ。
肉棒を扱き、精液を貪り、菊門を掘り起こして、嫌と嫌と喚いても逃さない。
嫌と嫌と叫んでも決して止めない。
涙と鼻水で顔が汚れに、汚れても、手を緩めず、犯し続ける。」
最高だろう?と。
何の顔もせず、決して冗談でもなく本気で言う。
「だけどしないよ、それは、また今度かな。」
虐め過ぎて、彼を壊してもつまらないのだから。
せめて代わりが見つかるまでは、現状維持は続く。
「取り敢えずは朝になるまでは君は放置だ。
其れぐらいは耐えられるよな?ん?」
拘束は朝になるまで解くつもりはない、と。
■やなぎ > 絶望の入り混じった驚愕の表情から、
段々と頭が垂れてきていつもの怯えたような顔になる。
「そんなの………嫌…です」
今はやらなくともいずれやられるという事実に首を横に振り、
消え入りそうな声で"口答え"する。
されたら自分がどうなってしまうのか想像がつかないし、したくもなかった。
「ここで放置ぐらいならわたしは…耐えられますけど、人が来るかもしれません」
見られたらもうこの島にいられなくなる、と訴える。
■シイン > 「嫌、とか、君の言葉聞いてない。
君の意思決定など知ったことではないよ。傀儡は傀儡らしく従っていればいい。」
無慈悲な宣告。最初から意見など聞く気がないのだ。
最も人間のような性欲は存在しないし、食欲や三大欲求がないので当然ながら自制は効く。
コレがもし私が人間であったなら、今直ぐに犯していただろう。
後先も考えずに。
「さて、それはどうかな。まぁ、来たら来たで面白くなるからいいよ。
処分すればいいだけだろう?目撃者諸共。」
諸共という言葉から、彼の真意が理解できるだろう。
その時には消す、そう言ってるのだ。
「それじゃ、私は帰るとするかな。『お掃除』ご苦労。」
舐められてた指を自身の舌に這わせて、一舐め。
朝になるまで、拘束されたままに放置だ、と。最後にもう一度告げて、灰色の部屋を去って行った。
ご案内:「灰色の部屋」からシインさんが去りました。
■やなぎ > 「あぁっ、待ってくださ……」
心底あの人に悲などないと感じた。
彼がいなくなったあと、声を押し殺して泣き続け
朝になるまで、人よ来るなと願いながら待ち続けていた。
ご案内:「灰色の部屋」からやなぎさんが去りました。